四葉の息子は劣等生   作:十六夜翔

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プロローグだけで2話3話と使いたくないんでさっさと本編入ります。
決してネタが思いつかないとかそんなんじゃないです。はい


入学編Ⅰ

国立魔法大学付属第一高校入学式当日、それは人にとって新たな出会いの日である。

 

「やっぱり納得できません!」

 

校門を入ってしばらくした所で1人の少女と男子が口論していた。その後ろでは1人の男子が目を閉じ腕を組んだ状態でその口論に聞き入ってた。

 

「如何してお兄様方が補欠なのですか!!入試の成績は二人とも同率でトップだったではありませんか!」

 

「まだ言ってるのか…」

 

この口論はもう既に家で何回も行われてた出来事だった。それを零司は俯いたまま親が子に向けるような微笑みでその口論を聞いていた。この微笑みに気づいたのは達也1人だけだった。

 

「何度だって言います!お兄様方が補欠なのはおかしいです!」

 

深雪は自分よりも兄達の方が優れていると思っている。熱くなった深雪を止めるのは達也でも容易ではない。

 

「新入生総代は、お兄様がするべきなのです!ですよね、零司兄さん?」

 

零司の頬が一瞬引き攣ったがそれに気づいたのはやはり達也だけだった。

 

「……ノーコメント」

 

「あのな深雪、ここは魔法科高校、ペーパーテストの成績より魔法技能が優先されるのは当然だ。俺の技能からすれば補欠でも下の方から数えた方が早いだろうからな。」

 

「そんなこと言って!お兄様に勉学や体術で互角に渡り合える人間など零司兄さんぐらいです!」

 

本当は達也に勝てる人間なんていないと言いたいところを零司がいるからそんなことを言えないのだろうと思い、吹き出しそうな所を達也の視線に気づきいつものポーカーフェイスに戻した。

 

「本当なら魔法だって……」

 

「深雪!」

 

ハッとした感じで深雪は零司の方へ視線を向けると彼は首を横に振っていた。それに気がついた深雪は口を手で押さて少し俯いてしまった。

 

「あのな深雪、これは言っても仕方ないことなんだ。お前にだってわかっているだろ?」

 

「申し訳ありません……お兄様。」

 

「謝る必要はない。お前はいつも俺の代わりに怒ってくれる。それだけで俺は救われてるんだ」

 

「嘘です……」

 

さっきまで喧嘩してた2人が急に甘い空気を漂わせる。この雰囲気に耐えられる猛者はこの光景を見慣れている俺ぐらいだろうな。

 

「お兄様達はいつも私を叱ってばかりです……深雪は駄目な妹です。」

 

「嘘じゃないって。それにお前が俺達のことを考えてくれてるように、俺達もお前のことを思ってるんだよ。」

 

「そんな……想っているだなんて……」

 

「?」

 

「思っている」を「想っている」と深雪は誤変換しているのだろうと思った零司はそろそろ我慢の限界になり吹き出してしまいそうになる

 

「深雪」

 

「はい」

 

「例えお前が答辞を辞退したとしても、俺が代わりに選ばれる事は無い。そんな事をすればお前の評価が下がるだけだ。賢いお前なら分かるだろ?」

 

「それにな深雪、俺達は楽しみなんだ。可愛い妹の晴れ姿をこの駄目兄貴達に見せてくれないか?」

 

「お兄様達は『駄目兄貴』ではありません! 深雪の自慢のお兄様です!ですがお兄様達がそこまで言うのであれば分かりました。深雪の姿しっかり見ていてくださいね!」

 

「あぁ、見させてもらうよ。さぁ行っておいで。」

 

「深雪、頑張れよ。」

 

達也が校内に行くように促し零司が応援する

 

「はい!」

 

それが嬉しかったのか深雪は満面の笑みで答える

笑顔で校内に入っていく深雪の後ろ姿を兄である2人は見守っていた。

新入生総代のお供を終え、2人はこの後入学式まで如何やって時間を潰すかを考えた。

 

「これからどうする?」

 

「そうだな…1度家に帰るんじゃ時間が勿体ないし、それならどこかいいベンチでも見つけて読書をしようじゃないか、最悪話し相手はいるんだし。」

 

「それもそうだね。それに兄さんの話はいつ聞いても飽きないし!」

 

そういい2人は歩き始めた。歩き始めて数分でベンチを見つけ2人で腰掛け達也は端末を零司は書籍を開いた。

 

「紙媒体の書籍とはまた珍しいものを見つけたな…何処にあったんだ?」

 

今のご時世、紙で作られた本はどんどん減っていき今はスクリーン型の書籍サイトで読書する人が増えて行った。

 

「この前偶然見つけたアンティークショップで見つけたんだ。このめくる感覚がなかなか面白くてね…」

 

そんな他愛のない話を兄弟で仲良くしてると後ろから2人の女子生徒が通りすぎて行った。

 

「ねぇあの子、ウィードじゃない?」

 

「こんなに早く……補欠が張り切っちゃって」

 

「所詮スペアなのにね」

 

「でもちょっとカッコイイかも…」

 

達也達のすぐ傍を通った女子たちの口から発せられた言葉、「雑草(ウィード)」、学園側は禁止用語としているが、生徒の間では普通に使われている言葉だ。

 

 一科生を花冠(ブルーム)、二科生を雑草(ウィード)、一科生のブレザーには左胸と肩に八枚花弁のエンブレムがある事から、自分たちを花冠と呼ぶようになり、それが無い二科生の事を雑草と揶揄するようになったのだ。

 

そんな会話を無視し読書に没頭していると、開会式の30分前だった。

 

「講堂が開く時間だそろそろ行くぞ」

 

「了解」

 

覇気のない返事をしてベンチから立ち講堂に向かう途中、目の前に小柄な女子生徒が現れた。

 

「新入生ですね?開場の時間ですよ。」

 

「(女子生徒…一科生の先輩か?)」

 

「兄さん左手…」

 

相手の左手に視線を移し気づかれない程度のボリュームで会話する。

 

「あれは術式補助演算機(CAD)だ…確か学園でCADの常時携行が認められてるのは生徒会の役員と限られた生徒のみ……彼女はそれなりの地位を持っているのだろう」

 

「あっ、申し送れました。私は一高の生徒会長を務めています、七草真由美(さえぐさまゆみ)って言います。「ななくさ」と書いて「さえぐさ」って読みます。よろしくね。」

 

「(数字つき(ナンバーズ)……しかも「七草」か)」

 

「(七草かぁ…うちの母さんと七草のご当主は仲悪いんだよなぁ…)」

 

遺伝的な素質に左右される魔法師の能力、そしてこの国において魔法に優れた血を持つ家は、慣例的に苗字に数字を含むのだ。

 

「俺は……いえ、自分は司波達也です。」

 

「その弟の司波零司です。」

 

「そう、君たちが…」

 

真由美が小悪魔的な微笑みを浮かべさらに話しかけようとすると彼女よりさらに小柄な女子生徒(?)が駆け寄ってきた。

 

「会長〜!式が始まりますよ〜!」

 

「自分たちはこれで失礼します。」

 

「えっ!?あ、ちょっと!」

 

「さようなら」

 

達也は足早に真由美から距離を取り講堂へ向かい、零司は苦笑い気味で真由美に手を振り達也の後ろを追いかけて行った。

 

「ほえ?もしかしてお邪魔しちゃいました?」

 

なんとも間抜けな声を出す

 

〜to be continued〜




プロフィール
名前:司波零司(本名:四葉零司)
性別:男性
生年月日:2079年4月27日
身長:180cm

今後から後書きで主人公のプロフィールをちょこちょこ載せていこうと思います。ご視聴ありがとうございました。次回もお楽しみに
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