四葉の息子は劣等生   作:十六夜翔

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千数百文字では少ないですか?そうですか、なら増やしましょう


入学編Ⅱ

生徒会長と話しこんでいた所為で、達也が講堂に入った時には既に半分の席は埋まっていた。

 

 特に座席の指定は無いのだから、最前列だろうが最後列だろうが、端だろうが真ん中だろうが自由に座れるのだが、達也は座っている生徒を見てため息を吐きたくなった。

 

 前半分が一科生(ブルーム)で後ろ半分が二科生(ウィード)に分かれているのだ。同じ新入生でありながら前と後ろで綺麗に分かれているのを見て、関心と呆れを感じたのだ。

 

「(もっとも差別意識が強いのは、差別を受けている側である…か)」

 

「くだらないね…」

 

「まぁそう言ってやるな…ほら、一番後ろの端っこ、空いてる、そこに座ろう」

 

達也と零司は腰を掛け入学式が始まるのを待っていた。

 

「(あと20分か…何をするにも中途半端な時間だ)」

 

そんなことを考えてる達也を横に零司はまた本を読み始めた。

 

「こういう時に便利だなそれ」

 

「帰ったら兄さんに1冊貸そうか?ハマったなら俺の部屋に来るといいよ」

 

「そうさせてもらう」

 

零司の本好きに苦笑いを浮かべ開会式が始まるのを待っていると、

 

「あの、お隣空いていますか?」

 

読書に夢中になってた零司は急に声をかけられてビックリしたがその後何事も無かったかのように返答する。

 

「どうぞ…(眼鏡…か、伊達メガネではなさそうだし、気になるな…)」

 

話しかけてきた女子はお辞儀をして椅子に座ったその隣に友達なのだろうか赤髪の女の子が腰をかけた。しばらく読書に集中していると隣からやけに視線を感じ始めた。

 

「あの…あまり視線を向けられると読書に集中出来ないんですけど…」

 

「あ、ごめんなさい!今どき紙媒体で読書をする人なんて滅多に見なくて…あの本当にごめんなさい!」

 

「そんなに謝らないでください。今どき本を持ってる人なんて珍しいのは俺も自覚してますから…

 

慌てふためく弟を横目に兄はとても微笑ましい光景だと微笑んだのだがわかる人はせいぜい零司ぐらいである。

 

「あの私、柴田美月って言います。よろしくお願いします。」

 

「司波達也です。此方こそよろしく。」

 

「俺は司波零司。よろしく柴田さん。」

 

「私は千葉エリカ。エリカでいいわ、よろしくね、司波君。」

 

「「よろしく…」」

 

「あ、そっか二人とも司波君だったねどうしよっか?」

 

「俺のことは達也でいい」

 

「俺のことは零司でいいよ」

 

「よろしくお願いします。達也さん、零司さん」

 

自己紹介が終わると同時にタイミングよく入学式の開会式が始まった。新入生総代の挨拶では深雪が壇上に上がり挨拶をした。「平等に」とか「魔法以外でも」など結構ギリギリのワードを出していたが、一科生の生徒は深雪の美貌に目を奪われ言葉の意味すら理解しようとしてはいなかった

 

◇◇◇

 

入学式を終えて、達也たちはIDカードを受け取る為に窓口へと向かった。受け取ると言っても、予め個人別のカードが作成されている訳では無く、個人認証を行ってその場で学内用カードにデータを書き込む仕組みなので、何処の窓口でも作る事が可能なのだが、やはり此処でも一科生と二科生とで綺麗に分かれている。

 

「ねぇ、達也君と零司君は何組だったの?」

 

「俺はE組だ。」

 

「俺もE組」

 

「私もEです!よかった、クラスで一人ぼっちになることは無さそうです。」

 

「なんかすごい偶然よね〜私もE組なんだ〜」

 

今日初めてあった4人がたまたま偶然4人とも同じクラスという奇跡に近い現象…まぁこのメンバーは同じクラスにしとかないと話が続かないし…え?メタいって?気にするな!

 

「ねぇ、今からホームルーム行ってみない?」

 

「良いですね」

 

「せっかくの申し出、有難いんだけど2人で見に行っておいで。」

 

エリカの一言を申し訳なさそうに零司は断る

 

「妹を待ってるんだ」

 

「妹って新入生総代の司波深雪さんですよね?」

 

「うっそ!3つ子なの!?」

 

「よく言われるんだが、3つ子じゃないんだ、俺と弟が双子で4月生まれ、妹が3月生まれなんだ」

 

「へー、双子と年子なんだ」

 

「本当に偶然と偶然が重なっただけなんだ。」

 

「それにしても柴田さん、よく分かったね!」

 

「美月でいいですよ、エリカちゃん。面差しが似ていたんです、お二人のオーラの面差しが似ています。凛とした雰囲気がそっくりです。」

 

達也は目を見開き零司と考えてたことと同じことを考えていた。これ以上バレるのを防ぐため達也はあることを言おうとした。

 

「それにしても……」

 

「ですが……」

 

達也が口を出す前に美月が言葉を付け加えた。

 

「ですが零司さんのオーラはお二人のとは違ってこう…野性的というか、動物的なオーラを感じます。」

 

美月が放った言葉は零司を愕然とさせた。

 

「オーラの面差しが見えるなんて、”本当に目が良い”んだね」

 

零司は美月ににっこり微笑みそう告げると美月は顔を青ざめた。

 

「(美月の前でなるべく力を使わないようにしよう、兄さんもこのことには気づいてるはずだ)」

 

零司と達也はお互いにアイコンタクトを取り美月の前で力を使わないようにしようと決意したのだ。

 

◇◇◇

 

美月との間に気まずい雰囲気が漂っていたがある少女の登場で雰囲気が大きく変わった

 

「お兄様方、お待たせしました。」

 

とても嬉しそうな声で話しかけてくる少女がやって来た。達也達は振り返らなくとも誰の声か分かるし、エリカと美月も先の話で達也が誰を待ってるのか知ってたので、やっと来たんだと言う感じで声の主を確認した。その後すぐ零司は達也の背中に隠れ気配を殺したことに疑問を持ったが深雪の方に視線を戻した時に零司が気配を殺す理由がわかった。

 

「また会いましたね、司波達也さん、司波零司さん」

 

「はぁ…どうも」

 

「バレてたんですか…どうも」

 

達也の背中からひょこっと顔を出し挨拶をする。静かに暮らしたい零司と達也は生徒会長という肩書きを持つ人とはあまり関わりたくないのだ。

達也が真由美の事を観察してるのも気になっていたが、深雪はそれ以上に気になっている事があった……達也の傍に居る2人の女子である。

 

「お兄様、そちらの方たちは?」

 

「紹介するよ、俺達のクラスメイトで柴田美月さんと、千葉エリカさんだ」

 

「そうですか、クラスメイトですか……それでお兄様方、早速クラスメイトとデートしていた理由をお聞かせ願いますでしょうか?」

 

「デートって……」

 

達也の後ろで隠れてた零司が思いっきりため息を吐き達也の背中から現れた

 

「お前を待ってる間、話し相手になってくれてただけだ、そんな言い方は2人に失礼だろ?」

 

「申し訳ありませんでした。」

 

零司の言い分を理解しものすごい勢いで頭を下げた。この時零司は、「俺の言うことも自分が間違ってたと気が付けば物わかりがいい子なのになんでいつもこうなんだろうな」と心の中で思い頭を悩ませた。

 

「別に良いですよ」

 

「そうそう、勘違いは誰にでもあるって」

 

 深雪の謝罪に対して寛容な態度でそれを受け入れる2人。

 

「柴田美月です、始めまして」

 

「あたし千葉エリカ、貴女の事は深雪って呼んで良いかしら?」

 

「ええもちろん。苗字だとお兄様達と区別がつかなくなってしまいますからね。私も貴女の事をエリカって呼んでも良いかしら?」

 

「もちろん! 深雪って結構気さくなのね」

 

「そう言うエリカは見た目通りなのね」

 

「私も深雪さんって呼んでも良いですか?」

 

「もちろんよ美月」

 

一気に和やかムードに様変わりしたのに気づき零司が提案する。

 

「なぁ〜深雪も来たことだし帰ろうぜ〜」

 

「まぁ待て。深雪、生徒会の方達との話はもういいのか?まだなら何処かでテキトーに時間を潰してるが……」

 

「その必要はいりませんよ。今回はご挨拶だけで十分ですし、他に用事があるのならそちらを優先してもらっても構いませんから」

 

「会長!?…ですが会長、此方も重要な要件だったのでは!」

 

1人の男子生徒が食ってかかる

 

「予め約束してた訳ではありませんし、彼女の予定を優先するのは当然だと思いますよ」

 

「それは…」

 

「それでは深雪さん、また後日改めて。司波君と弟君も今度ゆっくりと話しましょうね」

 

「「はぁ……」」

 

真由美に対してしっかりとお辞儀をした深雪と、何故ゆっくりと話したがるのか理解に苦しんでいた達也を見て、クスッと笑いながら真由美は達也たちとは逆の方向に歩き出した。その真由美に付き従うように、先ほどの男子生徒も歩を進めたが、少し歩いた後に此方を振り返り、達也と零司をキッと睨みつけてきた。

 

 また面倒な事になったなと、達也と零司は内心辟易としていたのだが、深雪に悟られまいと鉄壁のポーカーフェイスで隠したのだった。

 

〜to be continued〜




約3500文字…極端スギィ!はいごめんなさい。諸先輩方のように面白い前書きや後書きが書けないんです。もっと面白い後書きがかけるように頑張ります。ご視聴ありがとうございました。ではまた次回
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