それでは本編どうぞ!
実習が終わり放課後…3人のうち2人の足取りが重いそんな兄達を他所に深雪は嬉しそうに生徒会室の扉をノックする
「失礼します」
「どうぞ〜」
入ると昼休みの時にはいなかった男子生徒が1人立っていた
「初めまして、司波深雪さん。生徒会へようこそ」
「さ、深雪さん。よろしくお願いしますね」
「さて、零司君、達也君、私たちも行こうか」
「待ってください!渡辺委員長!」
「ん?どうした?服部刑部少丞範蔵副会長?」
「フルネームで呼ばないでください!」
「服部半蔵副会長」
「服部刑部です!」
「刑部って…それは君の家の官職じゃないか」
「今どき官職なんてありませんよ!学校には服部刑部と記入…今はそんな話をしてるんじゃなくて!」
摩利と服部の小さなコントは終わり達也と零司を服部が睨みつける
「私はそこのウィード2人の風紀委員入りを反対します」
「私の前で禁止用語を使うなんていい度胸だ」
「お兄様だけでなく零司お兄様までもを侮辱…許しません」
「深雪!」
「身内贔屓に目を曇らせてはいけません。魔法師は常に冷静を心掛けるものです」
「私は目を曇らせてはいません! お兄様の評価が芳しくないのは、評価方法がお兄様のお力にあっていないからです! それに、本来のお力を――」
「深雪!!」
荒れ狂った深雪を達也が沈める
「服部先輩、俺と模擬戦しませんか?」
「思い上がるなよ、補欠の分際で!」
「『魔法師は常に冷静を心がける』ですよね?」
「別に風紀委員になりたい訳では無いのですが、妹の目が曇ってない事を証明する為には仕方ないですね」
「良いだろう、叩き潰してやる!」
「あの、ちょっといいですか?」
「なんだ!」
達也と服部の決闘の申し込みに零司が口を挟む
「正直どうでもいいって言うか、深雪の目が曇ってないかどうか証明するのは兄さんがしてくれるようだし、そもそもここに来たのは風紀委員の任命をお断りしようと来ただけですから。それじゃあ言いたいことは言えたし俺はこれで」
「ちょ!ちょちょ、ちょっと待ってくれ零司君!」
部屋を出ようとした零司を慌てて摩利が止める
「なんですか?」
「なら私と模擬戦をしよう、な?これなら達也くんと零司の2人の力試しができるつまり一石二鳥だ!どうかな?」
「はぁ…その四字熟語があっているかどうかは置いておいて、いいですよ先輩が俺に勝てたら風紀委員に入ってあげますよ」
「貴様!下級生、しかも補欠の分際でなんだその態度は!」
「まぁまぁ、いいじゃないか服部、私が勝てば問題ないんだから」
「渡辺委員長がそう言うのでしたら…」
「それじゃあ三十分後に第三演習室での模擬戦を開始します。双方にCADの使用を生徒会長として認めます」
そうして達也と零司はCADを取りに行くために生徒会室から出たのであった
達也と零司は深雪を連れて職員室からCADを返してもらい第3演習場に向かっていた
「全く、深雪は俺達のことになると熱くなるんだから」
「申し訳ありません、ところで零司お兄様は今回はどちらのCADをお使いになるんですか?」
「どっちも使わないよ、深雪知ってるだろ?俺のCADはそう言うのには向かないって」
零司は両手に持ってるCADの入ったケースを交互に見る
「深雪、このバカ兄貴達にエールをおくれ」
「はい!頑張ってくださいお二人共!」
「よーし、可愛い妹からの応援も貰ったことだし頑張っちゃうぞ〜!」
「やれやれ、強情なやつだ」
微笑みながら第3演習場に入る
「それではこれより、二年B組服部刑部と一年E組司波達也による模擬戦を開始する。フライングや反則をした場合、私が全力で止めるので覚悟するように」
摩利がルール説明をしている間も、服部は自分がすべき事を頭の中で反芻していた。開始直後にスピード重視の単純な起動式の展開を完了させ、基礎単一系移動魔法を発動。達也を十m後方に吹き飛ばし壁にぶつけて衝撃で戦闘不能にするイメージを何度も何度も確認する。
「双方、準備は良いな?」
摩利に確認され、服部も達也も小さく頷く。服部が腕輪型の汎用型CADに手をやり、達也が拳銃型の特化型CADを床に向けたのを確認して、摩利が合図をする。
「始め!」
この合図と共に、服部は頭の中で描いていた行動を実行する。が服部は自身の身体が大きく揺さぶられた感覚になり前かがみに倒れる
「しょ、勝者…司波達也!」
チラリと達也に目を向けられ、摩利が慌てて判定をした。その勝ち名乗りを受けた達也は、興味無さそうに一礼してCADを片付ける為にトランクの場所まで移動する。
「ちょっと待て」
「何か?」
「今のは自己加速魔法を予め掛けていたのか?」
「いえ、身体的な技術ですよ」
「私も証言します。あれは兄の身体的な技術です。お兄様は九重八雲先生の弟子なんですよ」
「忍術使い、九重八雲か! 身体技能のみで魔法並の動き…さすが古流……」
「まぁ、師匠にも弟にも勝てませんがね」
「それじゃあはんぞー君を倒した魔法も忍術ですか?」
「いえ、あれはただのサイオン波です」
「でもそれじゃあ、あのはんぞー君が倒れてる理由が分からないのだけど」
達也が言ったように、達也が使った魔法は単一系統の振動魔法だ。だがそれだけの説明では納得が行かないようで、真由美は次々と質問を達也にぶつける。その中で鈴音が自分の中で結論が出たかのように口を開いた。
「波の合成ですね」
「リンちゃん?」
自分の推論を淡々と披露しながらも、鈴音は次の疑問が頭に浮かんでいたのだが、その事は今は気にしてないようだ。
鈴音の言った言葉の意味が分からず、首を傾げる真由美とは違い、達也は苦笑い気味に笑いながら頷いた。
「さすが市原先輩、お見事です」
「ですが、あれだけの短時間で三回の振動魔法の発動…その処理速度で実技評価が低いのはおかしいですね……」
達也の処理速度は一科生としてのラインを十分クリアしてるのに、何故達也が二科生なのかと首を傾げる鈴音だったが、ひょっこりと現れたあずさのおかげでこの疑問は解決した。
「あの~、これってひょっとしてシルバーホーンじゃないですか?」
「シルバーホーン? シルバーってループキャストを開発したあのシルバー?」
真由美の疑問に、あずさが嬉々として話し始めた。デバイスオタクと揶揄されているらしいのだが、これなら言われても仕方ないなと達也は内心でため息を吐いた。
「でもおかしいですね、ループキャストは全く同じの魔法を連続発動する為のシステム、波の合成に必要な振動数の異なる複数の波動は作れないはず……もし振動数を変数化しておけば可能ですが、座標・強度・魔法の持続時間に加えて四つも変数化するなんて……まさかその全てを実行してたのですか!?」
鈴音の独り言のようなこのセリフは、演習室に居た全員が息をのむような内容だった。だが聞かれた達也だけは苦笑いのような笑みを浮かべながら淡々と答えた。
「学校では評価されない項目ですからね」
「なるほど、司波さんの言っていた事はこう言う事か……」
達也が答えたのと同時に、倒れていた服部が起き上がった。
「大丈夫ですか、はんぞー君?」
「大丈夫です!」
「さてと、次は俺の番かな?」
「そ、そうだな。対戦形式は先程と同じでいいか?」
「その事なんですが、変更をお願いしますか?」
「変更?」
「ええ、俺のCADは少し特殊でして」
「零司お兄様、さすがにあれを少しと言うのは無理がありますよ」
「見せてもらってもいいですか!?」
あずさが『特殊』と言うワードが気になり前のめりで見せてくれと懇願する
「ええ、構いませんよ」
そういいCADの入ったケースを開けると深雪と達也以外は驚愕する
「な、なんですかこれは?」
「うそ、CADに詳しいあーちゃんが知らないの?」
「手袋…いや、爪型のCADか?」
「確かにこれを少しと言うには特殊すぎる」
各々色んな意見を述べ
「ええ、知らないのも無理はありません。トーラスシルバーとは少々縁がありまして設計図を送ってオーダーメイドで作ってもらったものですから」
「シルバー様のオーダーメイド!?という事はシルバー様にお会いになられたんですか!?どんな人でしたか?」
「な、中条先輩。とりあえずその話はまた今度にしましょう。とりあえず今は模擬戦を…」
「そうでした、ごめんなさい」
中条は今の状況を思い出し謝った
「と言う事なので」
「わかった、変更内容を聞こうか」
それを聞くと零司はネクタイを外しブレザーとシャツを脱ぐ
「ちょ!零司君!?」
「安心してください。ちゃんとインナーを着てますから。まぁ簡単な話、渡辺先輩の攻撃を全て避けます。このインナーに少しでも傷が着けば先輩の勝ちです。」
「些か不公平では無いか?」
「これぐらいしないと
摩利「いいだろう」
真由美「なら審判は私がやりましょう。ルールを再確認します。制限時間は30分。それまでに渡辺摩利が攻撃を司波零司の身体に傷を与えられれば渡辺摩利の勝利。それでいいですか?」
摩利「問題ない!」
零司「さぁ…始めようか!」
真由美が双方に確認を取る
真由美「では…はじめ!」
〜To Be Continued〜
キリよく書こうと思ってたらこんなにも長くなってしまった。
それではまた次回!