「おお…」
感極まった声で目を覚ました。
声がした方を見るとローブを着た奴らがこちらを見ていた。
アレ?これって何か見覚えがあるぞ……
「な、なんだ……」
隣で声がしたのでそちらを見ると、俺は驚愕した。
「お、お前!」
「うわ!な、何!?」
「あ、いやすまない。知り合いに似てたもので…」
そこには盾を持った男、このあと冤罪をかけられてやさぐれてしまう盾の勇者、『岩谷尚文』がいた。そしてその隣を見ると見覚えのある三人が武器を持って座っていた。
アレ?そういえば彼らが四聖勇者なら一人多いよな?俺は一体……手元を見ると辞書並みの分厚さのある本があった。
「ここは?」
「勇者様方!どうかこの世界をお救いください!」
「「「「「はい?」」」」」
五人が異口同音に返事をする。
この流れ、間違いない。
『盾の勇者の成り上がり』の世界だ!
「ほう、こやつ等が古の勇者か。にしても一人多くないか?まあよいワシがこの国の王、オルトクレイ=メルロマルク32世だ。勇者達よ、顔を上げい」
下げてないんだがな、内心そうツッコミつつ俺はオルトクレイ改めクズの話を聞く。
あのあと剣弓槍の三勇者がぶつくさ文句を言いながら謁見の間に案内された。
クズの話は原作と全く同じだ。世界を脅かす波から守ってくれと、当然ながら俺と尚文以外の三人はクズに対してまた文句を言っていた。
ここも変わらないんだな、そんなことを考えていると自己紹介の流れになった。
「では、勇者達のそれぞれの名を聞こう」
「俺の名は天木錬。年齢は16歳、高校生だ」
キ○トかなーやっぱ。
「じゃあ次は俺だな。俺の名は北村元康、年齢は21歳、大学生だ」
ですぞ口調じゃないな、『槍の勇者のやり直し』の世界ではないことは明らかになったな。
「次は僕ですね。僕の名前は川澄樹、年齢は17歳、高校生です」
いよっパーフェクト=ハイド=ジャスティス!
内心で少し小馬鹿にする。序盤とか割とウザいんだよな、正義感が強いのはいいけど。
「次は俺だな。俺の名前は岩谷尚文、年齢は20歳、大学生だ」
待ってました主人公、リアルで見ると本当に普通の奴だよな、これが冤罪をかけられて歪むなんて。よしそうだ、せっかくだし尚文の味方として行動しよう。
これからどうするか、尚文をどう助けるか考えていると横から小突かれる。
「ん、何だ?」
「いや、自己紹介……」
おっとそうだったな、俺も一応召喚された身なんだし。
「俺は星守刹那、年齢は20歳、大学生だ」
「ふむ。レンにモトヤスにイツキ、そしてセツナか」
「王様、俺を忘れてる」
「おおすまんな、ナオフミ殿」
やっぱり飛ばすのか、よくよく注意して見渡せばどいつも尚文を蔑んでるような視線してるな。
「では皆の者、己がステータスを確認し、自らを客観視して貰いたい」
あーはいはい、視界の端にあるコレね。
「何だお前らーー」
錬の言葉を聞き流しながら俺は自分のステータスを確認する。
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星守刹那
職業 書物の勇者 Lv10
装備 初級魔術の書
異世界の服
スキル なし
魔法 ファスト系統は全部使えます。ツヴァイト以上は頑張って。
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レベルがやや高めだな、俺はイレギュラーみたいなものだからか?
てか書物の勇者ってなんだよ、そんなの無かった……いや本の勇者なら確か書籍の方に出てきた気がするけど、装備からして魔法に特化した勇者ってことなのか?
というか魔法の欄、なんだこのふざけた感じは。
色々な疑問が浮かぶ中、ステータスアイコンの横にもう一つアイコンがあるのに気がついた。
なんだこれ、メールっぽいアイコンだな。
それに意識を向けるとピコーンと音と共にメッセージが表示された。
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from 女神ちゃん
はろー☆
これを読んでるってことは君、無事転生できたみたいだねっ、めんご!(T ^ T)
いやー、ついうっかり君の命の蝋燭を倒しちゃって火が消えちゃったんだっ(・ω<)
それで君は死んじゃったってわけ、おーけー?
それでね!お詫びとして君が大好きな作品の世界に転生させたんだ!能力は他の勇者より多少は強くしておいたからこれでハーレム築いたり、世界を救っちゃいなYO!
じゃーねーっ!バイバーイ!(^。^)/
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ふ、ふ、ふ……
「ふざけんなぁぁぁあああ!!」
「「「「!?」」」」
「セ、セツナ殿。どうなされたのですかな?」
「あ、いや失礼。少しボーっとしていた」
何が女神"ちゃん"だ!ふざけやがって、本当に申し訳ないと思っているのかクソ女神!
俺が女神に対して怒りを抱いていると説明が進み、今夜は来客部屋で休むことになった。
※女神ちゃんは原作に出てくる波の黒幕とは一切関係ありません。