おすすめウルトラマン作品
ウルトラマン第三十九話
『さらば ウルトラマン』
あらすじ
果てしなき大宇宙の彼方から、空飛ぶ円盤の群れが地球を目指して飛んできた。各国の人工衛星はいち早くその異変をキャッチして、地球上にSOSの電波を発信した。
科学特捜隊パリ総合本部でもニューヨーク支部でも、ロンドン、モスクワ両支部でも、我が国科学特捜隊本部でもその恐るべきニュースをキャッチしていた。そして地球全体が恐怖のドン底に叩き込まれたのである。(冒頭ナレーションより)
紛う事なきウルトラマン最終回です。
最近はシリーズ中に事ある事に負けては復活を繰り返すウルトラ戦士達ですが、ウルトラマンは最終回まで無敗を貫き通して来たのです。そして遂に来てしまった最終回。これをリアルタイムで見ていた子供達は、今日もウルトラマンが怪獣を倒してくれるだろうとワクワクしながら見ています。
しかし。
戦闘も佳境に入り、ウルトラマンがスペシウム光線をゼットンに向けて放ちます。が、それを防がれ、ゼットンの両腕から放たれる、恐ろしいエネルギー波を受けてしまった!
倒れるウルトラマン。カラータイマーの点滅が早くなっていく。テレビの前の子供達はその衝撃で呆然としているか。それともウルトラマンが負けるという現実を受け入れたくないのか、ナレーションや科特隊隊員と共に『立て、ウルトラマン』と何度も叫ぶのか。
放映当時はまだ生まれてなかったので作者はビデオで見てましたが。ウルトラマンが倒れる衝撃は、今も尚錆びないシーンです。無敗を誇ったウルトラマンが敗れ去るそれを、とても印象的に作り出しています。
そしてその後のウルトラ作品を見ると、このゼットン回がウルトラ作品に於いて如何に重要かってことが分かるんですよね。終盤でゾフィー隊長が言った、『地球の平和は、人間の手で掴み取ることに価値がある』というのも、後のウルトラマン路線のテーマの一つにもなっています。
全話名作と言っても良い初代ウルトラマンですが、やはりこの回はその中でもトップクラスの作品と言っても過言ではないでしょう。
地球の平和は、我々で守りましょう( ̄ー ̄)bグッ!(ダレニムカッテイッテンダ…)
遥か無限に広がる、広大な宇宙。星が点々と光り、その空間を不思議に染めている。
そんな中、その星星の間を突っ切る赤い火の玉。
小惑星とも、恒星とも違う、異質なそれは、一直線に青き星へと向かっていた。
それは大気圏を突き抜け、雲の間を駆け抜ける。
そして、戦闘機に乗る弾の眼前に────。
「ッ!! ハァ、ハァ…………」
弾は、飛び起きた。汗をダラダラと流し、呼吸は無酸素運動をした後のようにとても荒い。しばらく肩で息をした後、周りを見回す。
ベッドのすぐ側には、勉強机があり、その奥には本棚。本棚には、戦闘機関連の書物でぎっしりと詰まっている。本棚の上にはF-15戦闘機──通称イーグルの模型が飾られている。ここは、家の自分の部屋だ。
目を擦りながら、枕元に置いてある時計を見ると、今は20✕✕年3月26日午前3時。月明かりがカーテンから漏れ出ている。
その様子を見ながら弾は深呼吸。そして、そこでやっと、自分が今どうなっているかを思いだした。
「なんだ、夢か…………」
ホッとした弾は言葉を零す。額の汗を拭い、ベッドから抜け出る。部屋の灯りをつけて、取り敢えず椅子に腰掛けた。
それにしても、妙に明晰な夢だった。自分が自衛隊に入り、戦闘機に乗り、空を飛ぶ。確かに戦闘機は俺の憧れで、戦闘機に乗るのが将来の夢だから、その夢を叶えられた自分の夢というのはある意味嬉しい。
しかし、寝ている間に人が見る夢というのは、その日一日の記憶を整理するために見ているという話を聞いたことがある。今見ていた夢というのはどうだろうか。
五反田弾は卒業式を終え、
(それに…………御手洗のおっちゃんがそんなこと言う訳がないしな)
『俺たちは……選ばれし人間なんだ』
夢の中で俊夫の言った言葉が脳裏に過る。
(まるで、未来の自分を見ているようだったが……。それよりも、最後の
やはり、弾が気になるのは、最後に現れた人のようなもの。人、というより人の形をした巨人というべきだろうか。
(やっぱり疲れてるのかな、俺…………)
そう考えると、弾はベッドに転がった。
ISによって世界はみるみる内に変わっていったが、俺の周辺でもここ数年は様々な事があり過ぎた。
まず、御手洗数馬の死。
二年前のある日の朝、突然電話が掛かってきて、御手洗の死が伝えられた。それを聞いた瞬間俺はへたり込んだ。
何故、どうして。その二言が俺の頭を駆け巡り、最終的に受話器を持ったまま思考停止してしまった。
家族が数馬の悲鳴を聞いて二階に上がり、数馬の部屋を開けて見た光景は、とてもおぞましいものだった。
体がビリビリに引き裂かれ、顔は原型を留めていない。
部屋の中は何かが暴れまわったかのように物が散乱し、窓枠には何か鋭利な物で引っ掻いたような痕。窓ガラスは無残に破壊されている。
その光景を見た家族は直ぐに理解した。数馬は、殺されたと。
数馬は弾と一緒に戦闘機乗りを志した同志だった。
そして、おおよそ人が基本的に見る事がない風景と、愛する息子が死んだというダブルパンチによって、父親である俊夫はノイローゼにかかってしまった。今でも仕事が手に付いていない状況だ。
犯人は見つかっていない。犯人の痕跡と言えば、数馬の部屋の壁に遺された、引っ掻き痕くらいか。そのせいで一時期『犯人は怪物』という辺鄙な噂まで立った程だ。俺たちは幼馴染の織斑一夏や、凰鈴音と共に目撃情報がないか、ビラやティッシュを配って活動したが、誰もその声に応じることは無かった。
その次に、凰鈴音──中国人の母と日本人の父とのハーフサイドアップテール八重歯がトレードマークの少女、貧乳と言われると殺される──が急に帰国することになった。原因は両親の離婚。俺は全く気が付かなかったが、前から嫌悪だったらしい。離婚によって鈴は母方に引き取られ、帰国することになったのだ。一夏は何か思い当たる節というか、何か勘付いていたらしいが……。
そして、つい二週間程前に、世間を騒がせたニュース。これが俺にとって一番の衝撃だった。
親友である数馬が死に、鈴が日本を去り。胸が痛くなるような出来事が連発した矢先のことだった。これには正直目が飛び出た。
自衛隊学校の入試が終わり、太陽が西に傾き始めた頃、俺は真っ直ぐ家へ帰って来た。のだが、五反田食堂──家では親が食堂を経営している──の入口の前で、俺の妹である五反田蘭がエプロン姿で俺を読んでいた。
何かあったのか、と思い食堂の暖簾を潜る。蘭はテレビを指差していた。
『今日午前11時頃、**市多目的ホールにて、中学三年生の男子生徒、織斑一夏君が、ISを動かしました。繰り返します。中学三年生の織斑一夏君が、ISを動かしました』
テレビの見出しには、『男子生徒 ISを起動』と、大きな見出し。
俺は呆気に取られた。
「おお。そうか。それは羨ましい話だな。女の園だぜ。IS学園は」
「いや、確かにそうだけどさ……」
この事件から数日が経ち、俺は一夏と電話した。彼は、政府の保護下に置かれており、外出もままならないらしい。
そして、その後の彼の処遇だが、IS学園に通うことになったそうだ。
IS学園。それは、IS操縦者を教育、養成するためにある世界でたった一つのIS専門の学び舎である。ISを扱う授業が多いことはさることながら、その一番の特徴と言えば……女子校であることか。
ISは、女性しか扱えないという特性上、やはり学園が必要なのは、女性。男性は整備士に回る以前に、女性を付け狙うから必要ない。と言うわけで、IS学園は必然的に男子禁制だ。
「ま、俺含め世の中の男性は羨ましがるだろうな。俺は自衛隊学校で暫く恋愛とは無縁の生活だろうよ」
この時点で合格発表はまだだったが、合格している自信はあった。勿論、数日前に見に行って合格していることは確認済みだ。
「そ、そうか。お前の進路は順調みたいだな」
その後は特に当たり障りのない話をして、会話を終えた。
『お前は選ばれた人間なんだ』
「ーッ」
もう一度、その言葉が、頭を過っていった。
弾は真っ暗な天井に向かって手を伸ばした。その瞳はぼんやりと、天井についた凹みを映している。それは、中学一年の頃に木製の飛行機を発射装置に置き、誤射してしまってついた傷だった。もう、あの頃から既に二年以上の月日が経過している。
選ばれたのは誰だ?
数馬が死んで。
おっさんはノイローゼになって。
鈴がいなくなって。
一夏もいなくなって。
俺は取り残されて。
俺だけ今ここで寝ている。死ぬことも、人生に転機が訪れることもなく。ここで普通に暮らしている。
俺は溜息をつく。
言いようがない喪失感に襲われる。
弾だってあと五年程が経ち、自衛隊で経験を積めば、選ばれた人間にはなれる。勿論やるべきことを怠らなければの話だが。それは本人も織り込み済みだろう。
しかし、それより先に
良いようにも、悪いようにも。
それが今の弾を焦らせ、苛立たせている。
(……寝るか)
弾は、上げた手を下ろす。
今考えても仕方がない。明日は学校説明会があるので、早起きするために早く寝なければ。そう自分に言い聞かせて弾は目を閉じる。
これから彼が歩む運命など、この時点では誰も知らない。
今回は深夜テンションで書いているので改稿する……かも
…か・・・ どっちの表記がいいですかね?
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