黒猫の魔法使いと個性社会   作:オタクさん

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14話 弱き者

ワイン、ウィスキー、ブランデー、ウォッカ、ラム、テキーラ等あらゆるお酒がそろうバー。

雰囲気を作り出す為か店内は薄暗く、お酒をゆったりと飲めるようにお洒落な音楽が控えめに流れていた。

 

バーテンダーは人の形をした黒い霧だ。

バーテンダーはコップを磨きながら、とあるお客に対して呆れた目線を送っていた。

 

そのお客は、お酒を一口も飲んでいないのにカウンターに突っ伏しており、くすんだ灰色の髪の毛がモップのように広がっていた。

 

「...そんなに疲れているのなら、家に帰った方がよろしいのでは?いい歳した女性がこんなところで寝ていると、みっともないですし、危ないですよ」

 

「....今日の仕事で物凄ーーく疲れてしまったから、仕方ないんです~~。お酒飲んだら、帰りますから許してください~~。あと、黒霧【くろぎり】さん~、その"個性"で、家まで送ってくれませんか?」

 

「....私の話ちゃんと聞いておりますか?あと私の"個性"をタクシー代わりにしないでください」

 

話し掛けられた女性は、面倒くさそうに顔をあげて怠そうに話す。

まるでその姿は、我が物顔で道路の真ん中で寝ていた猫が、嫌々退く姿と重なるものであった。そんな様子に黒霧は呆れてため息を出していたが、心配していたその姿は、仲の良い父親を連想させるのであった。

 

「...仕事で疲れたと言っておりましたが、その仕事は表向きの仕事ですか?それとも、裏の仕事ですか?」

 

真面目な声色で尋ねる黒霧に女性は、キリッとしていないくても、真面目に話をする態度になった。

 

「表向きの仕事の話だよ。今日、ヒーローと商談があったんだけどね。凄く最低なやつが二人もいたのよ!で、一人目が自慢話が凄く長いやつ!どうでもいい話の上に、本題に戻ろうとすると、話を聞いてよ~って言ってまた自慢話に戻すのよ!もう飽きたよ!しかもそのせいで、他のヒーローの商談に遅刻してしまったのよ!予め電話で遅刻します。申し訳ございませんって言ったのに、たかが五分の遅刻で!二時間くらい説教しやがったのよあいつ!!どうせ仕事がないから、説教したのでしょ!それが二人目」

 

嫌な出来事を思い出して途中途中声を荒げる。

黒霧はそんな女性に同情をする。

 

「それは...大変でしたね。一杯だけなら何か奢りますよ」

 

「わーい!ありがとうございます♪では...ヨーグリートストロベリーソーダをお願いします」

 

「かしこまりました」

 

黒霧からのささやかな施しに機嫌が治る女性。

女性はウキウキしながら待っていると...

 

「お待たせしました。ヨーグリートストロベリーソーダです」

 

「わーありがとう。美味しそう♪いただきます」

 

いかにも女性が好きそうなピンク色の飲み物が出される。嬉しそう受け取った女性が、お礼を言って一気飲みをする。

 

中身が無くなるまで飲むとグラスを置いて、肘をついて溜め息を吐く。機嫌が治ったように見えただけで、まだ治っていなかったのだ。

 

「はぁ~あ...。やっぱり、ヒーローは碌なのがいないわね」

 

「当たり前だろ。碌でもないからヒーローをやっているんだ」

 

声がした方に女性が振り向くと、そこには、一人の男性がボサボサの水色の髪を乱暴に掻いていた。

上下黒い服を着て身体中に手を付けていた。そのせいで不気味な印象を与える。それだけではなく、近付いただけで噛みつく獣のような雰囲気を醸し出している。

 

「あ、死柄木【しがらき】さん居たのですか?」

 

「いたのですか?じゃねえーよ。はじめからいたわ。オマエがボケッとしていて、気付いていないだけだ」

 

「まあまあ、湖井さんは仕事していて疲れていたのですから、仕方ないことですよ」

 

ぶっきらぼうな言い方をする死柄木。

見た目と合間って一般人には恐怖を感じても可笑しくないのに、気にも止めない白部。死柄木を宥める黒霧。何とも言えない雰囲気が作られていた。

 

「しかし...何故部外者である湖井さんに対して、そこまで言えるのでしょうか?」

 

「だから黒霧。ヒーローやっている奴らの頭はいかれているからだ」

 

「その通りですが、人気が減ることは売り上げが下がること。生活に関わっているのに、わざわざ不利なことをやるのですか?」

 

「知らねえよそんなこと。あんな奴ら死ねばいい」

 

 

「私...理由なんとなく分かる...かも」

 

黒霧と死柄木が話し合っている中、白部がぽつりと呟いた。黒霧と死柄木は一斉に白部の方へと振り向いた。

 

「はあ!?あんないかれた奴らの考え分かるのか!オマエもあいつらの仲間か!」

 

「あいつらの仲間かって言われても...私は仕事であいつらをよく見ないといけないから、嫌でも分かってしまうだけだよ」

 

「そうですよ死柄木弔【とむら】。これも彼女の仕事ですよ。苛立つ気持ちは分かりますが、彼女に当たっても意味はないですよ」

 

「...ケッ!!」

 

死柄木は腹ただしく舌打ちをする。明らかに物騒な雰囲気が出ても白部はスールし、黒霧もまたかと呆れながら宥める。

死柄木はとある理由からヒーローの事が大嫌いで、その単語を聞くだけで苛立つのだ。事情を知っている人達にとっては、よくあることなのでスルーをしたり、黒霧のように宥めたりしていた。

 

「...では、どのような理由なのでしょうか?」

 

「そうねぇ...簡単に言うと...説教男の場合は、あの事務所、先代から続いている事務所なんだけど、ほら、エンデヴァーの事務所が近くにできてから仕事が減っちゃって、更に追い討ちを掛けるように、黒猫の魔法使いがエンデヴァーの事務所に来ちゃったじゃん。余計に仕事が減ってそのストレスを私にぶつけてきたわけよ。で、自慢話大好き男は、便利な"個性"だったのだけど、あまりヴィラン退治には使えないみたいでさ。その人も仕事が減ったから、私に必死にアピールしてた訳よ」

 

「成る程そういうことですか...」

 

カチッ

 

死柄木のことを一先ず放っておいて、黒霧と白部が会話していると、突然テレビが勝手につく。

会話を中断して真剣な表情でテレビを観る黒霧と白部。イライラしていた死柄木でさえも、テレビを観始める。

 

画面は砂嵐でザッ...ザッ...ザーっと、不愉快な音が短く続いたり、長く延びたりとしていた。不快感のある音筈なのに彼らは耳を澄ませていた。

数十秒間待つと、彼らの待っていた人物の姿が映る。

 

「やあ皆、御待たせ」

 

優しい声で語り掛けたその人は車椅子に座っていた。

顔半分は失われており、見た者をトラウマにする程おぞましかった。怪我の影響なのか、身体中には点滴やパイプを繋げていた。

 

「先生様ですわ~」

 

先生の登場に嬉しくなった白部は、頬を赤く染め語尾を延ばす。その姿はまるで恋する乙女のようだ。

 

「湖井は相変わらずだね」

 

「はい!私は先生様の救われたあの時から、先生様一筋です!」

 

「そうかそうか、それは嬉しいよ」

 

優しく返事をしてはいるが、その分素っ気なさも感じさせていた。

それでも白部は全然気にしていなかった。ただ先生という人物の顔を見たり、声を聞くだけでもご褒美であった。

 

「先生は今日何の用事で来られたのですか?」

 

白部の様子に少しうんざりした黒霧が話を変える。

 

「ああ、今日は湖井と姿見【すがたみ】に頼んでいたことについて、報告して貰うためだよ。...ところで、姿見はこの場にいるのかい?」

 

「姿見なら、俺のゲーム機を買いに行っているから遅くなる」

 

「またですか...」

 

「死柄木さん...今月何回目ですかそれ?」

 

「五回目だ。何か悪いのか?」

 

「別に悪くはないけど...そんなに壊すのなら、指サックしてやったらどう?」

 

「嫌だ。あれをつけるとやりづらい」

 

黒霧と白部に呆れられていても、我が儘な子供のように話を聞く耳を持たない死柄木。

 

カラン

 

ドアに付けていた鈴が鳴り、一人入ってくる。一斉に皆は音の方に振り返る。

そこには、スーツを着た二十代後半の男性が立っていた。金髪は角刈りに、金色の眼は黄金のように輝き、体はある程度鍛えられていた。第一印象が良い好青年という感じだ。

 

「死柄木さん、言われた通り買ってきたぞ」

 

「あ!姿見さん!」

 

「オッス、久し振りだな湖井!」

 

男性は白部と親しげに挨拶をしてから、買ってきた物を死柄木に渡す。

 

「おう」

 

死柄木はお礼を言わずに取る。

その態度に姿見は苦笑いをする。苦笑いしていた姿見だが、用事を思い出してテレビを観る。

 

「先生こんばんは」

 

「うん、こんばんは」

 

九十度のお辞儀をして礼儀正しく挨拶する姿見。

白部と違って盲信はしていないようだ。

 

「遅れてきて申し訳ございません」

 

遅れて来た事に詫びを申して首を下げたままの姿見。

先生からの反応は何も無く、全然気にしてはいないようだ。

 

「大丈夫、僕は気にしていないよ。理由を知っているからね。それよりも...調査は順調進んでいるかな?」

 

「はい、調査は...順調と言うか...あまり順調に進んでないと言うか...カメラで撮れていることは撮れているのですが...どうやら、見張られている自覚があるようで、素の状態を見せる気配はありません」

 

「ヒーローが人の視線に気が付くはよくあることさ。だからそこは気にしなくても良い。しかし...彼女は、マスコミが嫌いそうだから、何らかの反応を示すと思ったんだけどなあ...。オールマイトやエンデヴァーが指導したのかな?...まあいいや。で、どんな感じだった?」

 

「敵(ヴィラン)との戦闘に関しては、これ以上怒らして近付けなくなるといけないので、見ることは出来ませんでした。業務に関しては、普通に働いておりました。ゴミ拾い、失くした物を探して持ち主に返したり、喧嘩の仲裁、徘徊した老人探し。ごくたまに道案内と。普通のヒーロー活動となんら変わりはありませんでした」

 

「そうか...。うん、報告ありがとう。それで充分だ。次は湖井、君の番だ」

 

「はい!先生様!」

 

姿見は報告を終えると一礼をして、空いている席に座った。姿見が席に着くと先生はすぐに白部に話を振る。

気分が上がった白部は大きな声で返事をするが、すぐには話し出さなかった。深呼吸をして気持ちを落ち着かせてから話し出す。

 

「私から見た黒猫の魔法使いの様子は、とても疲れていることと何か悩み事があるように感じました。日々住民からの嫌がらせがかなり効いていると思います。悩み事に関しても、住民との関係だと思います。悩み事を切っ掛けに、仲良くしようと考えましたが、話す気はありませんでした。もう少し仲良くなったら話してくれるのか、黒猫に相談しているのか、両親に相談しているのか、友達に相談しているのか、プロヒーローに相談しているのか、悩むだけで悩んで終わらしているのかは、分かりません。でも、相手は私と仲良くする気はあるので、時間はかかりますが、仲良くすることは可能です」

 

「うん、良い調子だ。その調子で頑張ると良い」

 

「はい!ありがとうございます!!先生様!」

 

先生に褒められて先程の落ち着いた口調が吹き飛ぶ白部。

その場で跳び跳ねて喜びを全身で現していたのだが、あることを思い出して立ち止まる。

 

「あ...。すみません、大事な事を一つ言い忘れました。私の"個性"を使って確認をしようとしたのですが...黒猫の魔法使いの"個性"が"無個性"という謎の結果で終わりました...」

 

「はあ!?オマエふざけているのか!!」

 

「ふざけてなどいません!本当に分からなかったのです!本当に...本当に...」

 

死柄木に問い詰められて言い返す白部。

白部の顔は青ざめていく。死柄木に問い詰められて恐怖を感じたというよりも、トラウマを思い出した感じだった。呼吸は荒くなり、冷や汗は止まらなくなる。最終的には立てなくなって、その場に座り込んだ。

 

「おい!大丈夫か!?」

 

座り込んだ白部を心配した姿見は、慌てて彼女に側に駆け寄る。

白部の変わりようにも先生と黒霧は無反応で、死柄木に関しては鬱陶しそうな顔で見ていた。

 

「弔、彼女を責めるのは止めなさい。彼女が裏切る訳が無いのだから。...姿見、彼女を家まで送ってあげてくれないか?」

 

「立てるか?湖井」

 

「...うん...。...何とか...」

 

「そうか、無理するなよ。ほら、肩に掴まれ」

 

「....ありがとう...姿見さん」

 

弱々しく礼を言う白部。

姿見はそんな白部を優しく支えてあげていた。二人は寄り添うように、バーを去っていくのであった。

 

 

 

 

「はあ...。やっと行ったか、あいつら」

 

ずっと鬱陶しそうにしていた死柄木は、疲れを追い出すように溜め息を吐いた。

 

「そう言う言い方するんじゃないですよ死柄木弔。彼らだって味方ですから」

 

「そうだよ弔。彼らが働いているからこそ、君が好きなように生活が出来るし、犯罪資金も集まる。それに前、君はこう言ったよね、あの馬鹿なヒーローどもがこのことを知ったらどんな顔をするのだろう?楽しみで楽しみで仕方ないと」

 

「ああ...言ったさ。でも、あんな弱い奴ら見ていてイライラする。文句を言うだけ言って何もしない、口だけの奴は嫌いだ」

 

「そうさ。彼らは弱い。だから文句を言うことしか出来ない。どんなにこの社会に不満を持っていても。...でも、そんな彼らを救うのが僕達の役目さ。僕達が表舞台で暴れて、彼らは僕達を影で支える。良い関係ではないか」

 

「それはそうだけど...」

 

死柄木の態度に苦言を呈する黒霧と先生。

死柄木が納得していないと分かっていた先生は、更に説得をして納得させようとする。先生の説得の甲斐あってか、死柄木は大人しくなった。

 

「本当にあいつら、弱い奴らだな」

 

「ああ、だから彼らは"弱き者"さ」

 

"弱き者"。敵連合が自分達に味方する一般人に対しての特別な呼び方だ。

彼らは、この社会に自ら死にたくなるぐらい追い詰められた者。敵(ヴィラン)のように思いっきり暴れるのではなく、自殺でしか解決手段を持たなかった者。そんな彼らを敵連合は自殺する前に止める。そして、止められた者は敵(ヴィラン)連合の為に働く。そんな関係だ。

 

弱き者の仕事の内容は、敵(ヴィラン)連合が作ったり、乗っ取った表向きの企業で働き、ヒーローと仲良くして、些細な情報でも全て伝える事これだけだ。

 

でも、このことはかなり厄介なのだ。

まず、普通に生活しているから、悪事はしていないうえに、相手はあくまでも仲良くしたがるだけ。普通の人は好意を持ってくる相手に疑うことは出来ない。

 

更に厄介なのが、敵(ヴィラン)連合が作った、又は乗っ取りをした表向きの企業だ。

敵(ヴィラン)連合が関わる企業はメディア関係だったり、ヒーローに関するものだ。メディア関係なら、ヒーローにつきまとっても、よくあることで済ませられるし、ヒーローに関する仕事なら、会議とかで出会いが多く仲良くなりやすい。しかも、会社で儲けたお金をいくら悪事に使っても、誰も咎めたりしない。だってそこに働いている全員が、敵(ヴィラン)連合に救われた者だから。

 

 

だが...一番厄介なのは...

 

ヒーローが守っていた社会を、その存在だけで否定出来ることだ。

 

自分達が命懸けて守っていた社会が実は地獄でした。

 

自分達を殺しにくる存在の方が救世主でした。

 

そんな残酷なことを知ったら、誰だってヒーローをやりたがらないだろう。今働いているヒーロー全員が、辞めてしまうのであろう。

 

だから敵連合は一般人を救う。自分達に降り注ぐ膨大なメリットの為に。

 

 

「さて...弔が納得したところで、本題に戻ろうか」

 

「そうですね先生」

 

「ああ、あの黒猫の魔法使いについてだろ?あいつは...オールマイト並みに大嫌いだ!救えなかった存在がいるのに、そんな存在をまるで最初からいないように振る舞うどころか!救えられなかった存在に寄り添うふりをする偽善者め!!」

 

イライラが頂点まで達した死柄木は、顔や手など、皮膚が見えているところ全部、血が出る程引っ掻きながら叫んだ。

先生と黒霧は、死柄木の異常な行動を気にすることはなかった。いつものことであり、本題の方が大切だからだ。

 

敵連合は自分達の邪魔になるヒーローに目を付けているが、今はあのNo.1ヒーローオールマイトよりも、黒猫の魔法使いの方に危機感を覚えていた。

 

それは有能で色々な"個性"が使えるからではなく、弱い存在に本当に寄り添うことが出来るからだ。

敵(ヴィラン)に襲われていた少女の為に、本気で怒って泣いたのを初めての戦闘の動画で知り、敵(ヴィラン)を元一般人だと庇ったのを別の動画で知った。

普通のヒーローは、敵(ヴィラン)を庇うことは無い。敵(ヴィラン)への道に進んだら進んだで、自業自得だと殴るだけ。

 

敵(ヴィラン)の戦闘を間近で見ることも、敵(ヴィラン)へと堕落したのは自業自得だということも、この世界の常識だった。

常識に異を唱えるのはかなり異質な存在だ。そもそも、常識に異を唱える事自体、かなり難しいことである。喩え常識が異常なものだとしても、異を唱えるどころか、気が付くことさえも難しい。ほんの少数が気が付いて唱えたところで、異常者として片付けられるだけだ。そして、弱き者も常識によって、追い詰められた者も多い。

 

そんな常識に真っ向から立ち向かうとは、勇気あるどころか、ただの蛮勇であり、無謀に過ぎないこと。

それでも、立ち向かったという実績だけでかなり凄いこととなる。

 

このことを知った時先生の頭は、金槌で何十回も思いっきり全力で叩かれたかのような衝撃が走った。

だから、全力で潰すことにした。このままでは、弱き者がヒーロー側に行ってしまっても、可笑しくはないからだ。

 

メディア関係の力を使い悪評を流し、市民を味方に付けけて嫌がらせを行った。

幸いにもヒーロー側にも彼女を疎んでいる者がいた。更に暴れたい敵(ヴィラン)を"個性"を使って暴れさせ、少しでも殺せる確率を増やす。

 

彼女の"個性"についての研究してあるレポートも手に入れた。厳重に保管されていたのを黒霧の"個性"を使って成功した。

そこには、デメリットとして"個性"を使う度に寿命が減ると、書かれてあった。白部からとても疲れていると、報告を受けた際には、内心効いていると喜ぶのであった。

 

「では...脳無を使うとするか...」

 

「脳無をですか?」

 

「うん。脳無を使えるだけ、全て使おう。それと...黒霧、あの人を連れてきてくれないか?」

 

「あの人とは...誰でしょうか?」

 

先生はとある案を思い付いたのだが、曖昧な言い方に?を浮かべる黒霧。

先生は歳なのかで中々思い出せなかったが、少し経つと思い出す。

 

「ステインだよ。ヒーロー殺しの。彼はかなり強い。もしかしなくても、黒猫の魔法使いを殺せる確率は高い。それに、オールマイトの考え方を変えさせたのだから、彼も会いたがっている筈だ」

 

「なる程...それは確かに名案ですね」

 

「本当はもっと遅く...弔が成長する切っ掛けが合ってからの方が良いのだけど...。仕方ない、黒猫の魔法使いが成長されても困るしね」

 

「分かりました。では、連れて来ますね」

 

「うん、頼んだよ」

 

先生の指示を受けてどこかに消える黒霧。

先生はそれを見届けると満足そうに笑う。

 

 

敵は動き出し、黒猫の魔法使いだけではなく、街全体へ牙を向けるのであった。

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