暑い日が永遠に続くと錯覚させられる今日この頃。水をバシャバシャと搔く音が暑さを和らぐ。
日中は専ら泳いで鍛える緑谷。
オールマイトは他の人に見付からないように、トゥルーフォームの姿になって指導をしている。キキは日陰で休みながら時おり、そのままの服装で泳ぐ。突然、海に落とされても対処出来るようにする為だ。やることのないウィズはゴミ山の隙間で寝ている。
穏やかに過ごしている時に、誰かがこちらに近付いてくる。
その人は砂浜に足を取られてもたつき、フラフラしながら一歩ずつゆっくりと近付いてくる。
やけに歩きづらい様子にキキが疑問を感じてその人を隈無く観察をしてみると、夏の砂浜に似合わない格好をしていた。
半袖の白いワイシャツに膝下までの黒いスカート。黒のパンプスがたまに地面に深く刺さってしまう。肩には黒のトートバッグをかけている。
明らかに場違いな衣装であった。ここに来る者は皆、水着などの軽装で遊びに行くような格好だ。しかし、彼女の格好は仕事をする時の服装だ。
服装もかなり驚いたが、やって来た人物の方が衝撃ものであった。
その人はなんとキキの知り合いの湖井白部だった。彼女とはエンデヴァーの事務所で出会い、多少話をする仲だ。黒い怪物の襲撃以降会っていなかったが、無事な姿を見ていたら開いたままの口から安堵の溜め息が溢れる。
思わず見詰めてしまったキキ。
キキに見詰められていても、白部は気が付いていないようだ。感動の再開までの仲ではないのに、彼女と出会うまでの時間がやけにかかる。それは靴のせいなのか、心情的に長く感じるのかはキキには分からなかった。
数分も経たない内に白部とキキは再開をする。
とは言え、久し振りと思っているのはキキだけだ。白部にとっては暑くて水遊びをしていた女性でしかない。
キキが様子を伺う前に白部が話し出す。
「すみません。ここら辺でオールマイトを見かけたという話を聞いたのですが、何か知っていることがありましたら教えて頂けると嬉しいのですが...」
白部もオールマイト目当てだった。
彼女は物凄く低姿勢で尋ねる。話が聞こえてきたオールマイトは誤魔化しといて!と、必死に視線をキキに送る。
「すみません。見ていないので分かりません」
「そうですか...。お時間を取らせて頂き、誠にありがとうございます。失礼いたします」
ぺこりと深く礼をして白部は立ち去ろうとするが、急に踵を返して振り返る。
「...あのう...一つ質問をしても、よろしいのでしょうか?」
「...?別に構わないけど...」
いきなりの質問にキキは首を傾げる。
「ありがとうございます。では...貴方方二人は、何故このゴミだらけの海岸で泳いでいるのですか?汚いと思いますし、もしゴミが漂流してきたら危ないですので、場所を移動をした方が良いと思いますよ。余計なお世話ですが...」
「ああ...そのことか...」
いくら綺麗に見えても、この砂浜はゴミだらけでしかもゴミは時々漂流してくる。汚い場所と思われるのは当然のことだった。
このような質問はたまにある。と言っても、今の白部のように心配をした聞き方ではなく、面白半分で聞かれることもあるし、聞かれないパターンもある。聞かれない時は怪奇な視線で見ているだけか、オールマイトにしか眼中がない時だ。
「ヒーローになる為のトレーニングをしているんだよ」
キキは素直に内容を答えたのだが、白部は納得をしていないようだ。
「?この海岸じゃないといけないのですか?」
キキは内心ちょっと驚く。
白部の質問が続いたからだ。質問をしてきた人は皆、トレーニングをしていると言っただけですぐに納得をしてくれたからだ。
...そもそも、他の人はあまり興味がなかっただけかもしれない。そう自分の中でキキは結論を出すと話を戻す。
「泳ぐのはここでもなくても良いんだけど、ゴミ拾いをしなくてはいけないから、この場でそのまま泳いでいるんだよ」
「そうなのですね。けど...なんで?ゴミ拾いをしているのですか?それも、トレーニングと何か、関係あるのでしょうか?」
「一応関係はあるよ。ゴミによっては、大きさも重さも全然違うから、色んな筋肉を満遍なく鍛えられるんだ。後、ヒーローは社会奉仕をするのが仕事と言うことで、そのことを予ているんだよ」
「......社会奉仕......。...そうですよね。ヒーローは社会奉仕するのが、仕事ですものね...」
抑揚のない声で呟いていたが次第に微笑みに変わる。
朗らかに笑っているだけなのに、何故だが背筋をゾクッとさせる。キキだけではなく、話を上の空程度に聞いていたオールマイトでさえも振り返る程不自然に感じたようだ。
あの笑顔には少なくとも良い感情は感じられない。
(白部は、"無個性"だけじゃなくて、ヒーローにも何かあったみたいだ。...なら、なんで、エンデヴァーの事務所に来たのだろう?どうして、自分に興味を持ったの?...どう考えても、分からない...)
キキは白部に猛烈な興味を抱く。
興味を持ったキキは白部との出会いまで過去を遡り、行動を見極めようとしたが、答えなど出る筈もなかった。
施設以外の人で初めて好意を持ってくれた人。
ファンだと恥ずかしながら大きな声で言ってくれた人。
そんな彼女が何か心の闇を抱えている。
キキがどうにかしたいと思ってしまっていても、彼女の中ではもう終わっていて、余計なお世話、ありがた迷惑で心の傷を抉るだけかもしれない。
だけど─
そうだとしても──
見過ごすことは出来なかった。
キキは強く想う。けれど、考えている内にキキは、自分は何故?必死になっているのだろう?と首を傾げる。
確かに今まで旅をして来て、困っている人を放っておくことはなかった。相手から拒否をされていても手を引くことはなかった。
けど、彼女の場合は、負の感情を見せたとは言え、瞬きをすれば見逃してしまう程度だ。はっきりと言ってしまうと無事に終わった過去を思い出して、苦虫を噛んでしまった位だ。
なのに彼女のことが気になってしょうがない。そうやって考え込んでいるうちに、キキは答えを見付ける。
友達になりたい。
キキの中でいつの間にか、彼女の存在が大きくなっていた。
キキはこの世界の住民があまり好きではない。全員ではないと分かってはいる。けれども、暴言や嫌がらせで良い印象はない。そんな世界で彼女は数少ない良い人だ。だけど、彼女と仲良くすることは出来なかった。何故ならば黒猫の魔法使いは嫌われすぎて、一緒にいるだけで被害に遭ってしまうからだ。会えて嬉しいよりも、誰かに見られて白部が虐められてしまうではないか?と心配をする気持ちの方が大きかった。
けど、今は違う。
今は黒猫の魔法使いではなく、レイチェル・オールというただの女性。レイチェル・オールの時だったら、彼女と仲良くしても問題はない。
せっかく会えたのだから─
こんなチャンス、手放したくない!
でも、どうやって?
キキの想いが堂々巡りをしていると、白部は帰ろうとする。何も策を思い付いていないのにキキは白部に声を掛ける。
「待って!」
「?はい、なんでしょう?」
キキの叫びに皆の動きが止まる。
白部は不思議に思いながらも、立ち止まって話を聞く体勢に入り、オールマイトはキキの様子を探る。騒ぎに気が付いた緑谷は泳ぐのを止めてこちらを見ている。ウィズはゴミ山の隙までじっとして、何かあったら対処できるようにしている。
様々な視線を受け止めながらキキは話し出す。
「なんで、君はここは来たの?」
「え、えっ?そんなことですか?」
真剣な表情で尋ねた割にはありふれた質問だったので、白部は困惑をする。
けどすぐに取り直して答える。
「オールマイトの水着をフィギュアにしたくて...」
「フィギュア?」
聞き覚えのない言葉にキキは小首を傾ける。
「フィギュアと言うのは、本人を模型にした人形です。私が勤めているフレームカンパニー社では、人気ヒーローのフィギュアを主に取り扱っております。最近、SNSで、この海岸には水着姿のオールマイトが現れると知りましたので会いに来ました」
「そうなんだ。だけど、水着姿のオールマイトのフィギュアって...売れるの?」
白部の説明に納得はしたものも、水着姿のオールマイトを見て何が楽しいの?と思っているキキは首をひねる。
そんなキキに思いも寄らぬ人物が異義を唱える。
「欲しいに決まっているよ!」
それは緑谷だ。
緑谷は海から上がってきてキキと白部の方に近付いてくる。辿り着いた緑谷はあろうことか、初対面の白部に遠慮なく近付いた。
「フレームカンパニー社のフィギュアって、凄く再現されていて!本物みたいで格好いいです!オールマイトの顔のシワの数とか!筋肉の盛りぐあいとか!マントも本当に風になびいているみたいで格好いいです!オールマイトだけじゃなくて!エンデヴァーの炎、シンリンカムイの蔓、ベストジーニストの繊維、どれも再現されていて素晴らしいです!」
「あはは...ありがとうございます...」
「はい!」
緑谷はフレームカンパニー社を知っているようで、目をキラキラと輝かせて近寄る。緑谷の饒舌に白部は圧倒されて苦笑いだ。
しかし、緑谷の行動が意外にも良い方向に持っていく。
「出久!」
「...あ!ごめんなさい!」
「別に大丈夫ですよ。気にしないで下さい」
会話の架け橋をかけてくれたのだ。
緑谷の行動をキキが咎め、白部は笑って免じて、緑谷は慌ただしく謝罪をする。
「とても有名な会社なのですね」
「まあ、それなりには...」
「本当に凄い会社なんだよ!...水着姿のオールマイトのフィギュア欲しいなあ...」
「とても嬉しい意見ですが、オールマイトに会えない限りは...」
「けど、ここで噂があったのだからいつかは会えると思うよ」
「そうですよね...。また後日ここに来ます。もし先に会えたら教えて下さい。お願い致します」
困り笑みを浮かべていた白部だったが、気持ちを切り換えて、キに名刺を渡してから今度こそ帰ろうとする。
「うん。分かった。私達はほぼ毎日ここにいるから、よろしくね」
キキはさらっと大事な目的を付け加える。
白部はきょっとんしてしまったが、すぐに笑顔で頷いてくれた。
キキが喜んでいると白部は帰っていき、オールマイトとウィズがキキと緑谷の傍に近寄る。
「レイチェル少女。君はやけにあの人に気をかけていたようだが、あの人は一体誰なのかね?何者なんだ?」
「何者と聞かれても分からないよ。名前と"個性"なら知っているけど...」
「オールさんとあの人は一体どういった関係なんですか?」
「多少話をするぐらいの仲だよ」
「へぇー...。えっ!?でも、相手は気が付いていなかったみたいでだけど」
「だって、黒猫の魔法使いの時に仲良くなったからね。今のレイチェル・オールでは気が付かないよ」
「えぇぇぇ!?!?あんなに嫌われていたのに、よく仲良くなれましたね!」
「自分でも不思議に思っていたよ」
緑谷の驚く様子にキキはすこしだけイラッとする。
その様子にオールマイトが話を変える。
「彼女とはどこで出会ったんだ?」
「エンデヴァーの事務所だよ」
「と言うことは...エンデヴァーのフィギュア!?バーニンのフィギュア!?それとも...」
「なんで来たのかは知らないよ。...その時は色々とあったからね。話をすると言っても、天気とか今日の出来事とかを話すぐらいだよ」
「そうなんだ...。あれ?だったら、なんで"個性"を知っているんですか?」
「"個性"が暴走したから」
「「"個性"が暴走!?」」
緑谷とオールマイトは同時に驚く。
キキとウィズが息ぴったりと、思わず感心をする程でだった。
「"個性"が暴走したと言っても、大したことはないから大丈夫だよ。ただ、出久とオールマイトにはちょっと危ないかもね」
「僕には?どういうことですか?」
「彼女の"個性"は"相手の個性を知ることが出来る個性"。今の出久、そして、オールマイトからの"個性"を受け取った後に見られてしまったら、最悪の場合何か気が付くだろうね」
「そ、そんな!?じゃあ!もしかして...!」
「"個性"は使われていないよ。彼女の"個性"は使うと目が怪しく輝くから分かりやすい。目をじっと見られなかったよね?」
「うん...まあ...」
覚えていない緑谷は自信なさげに応える。
緑谷は白部の話を聞いてバレる危険性があると知り、嫌がり始める。キキはどうしても白部と仲良くなりたい為緑谷を説得を試みる。
「目と目を数十秒間合わせない限り、"個性"を発動されることはない。目を注意すれば良い」
「そういえば、あの人は君達と目線を一度も合わせようとしなかったな...」
オールマイトの何気ない呟きが援護となる。
「えっ?!そうなの!?」
「そうだよ。おでことか首もとを見ていたのだよ。出久は話に夢中だったから気付かなかったけど...。彼女は悪い人ではないから、ここに来ることを認めてほしい」
「彼女は悪い人とは思わないが...。しかし、バレる危険があるからなあ...」
「その危険性は分かっている。けど!白部と仲良くするチャンスはレイチェル・オールの時しかないんだ!黒猫の魔法使いの時だと、嫌われすぎて会えないんだ。ここで会う機会を認めてほしい。お願いします!」
キキは最敬礼をして嘆願する。
「市民に嫌われるようなことをするから...」
「嫌われるようなことをしても、手を出す方が悪いにゃ!」
騒ぐ外野を無視してオールマイトは考え込む。
キキはオールマイトしか目に入っておらず、待っている時間が途方もなく感じる。キキが固唾を飲んでいるとやっと答えが出たようで口を開いた。
「...ここに来ても構わないよ。...というか、私目当てに会いに来るから、いつかは会わないといけないしね。...ところで、レイチェル少女。君はなんで、彼女の"個性"を包み隠さず言ったのかね?言わなければ、ここまで話が大きくならなかったのに」
「こればかりは言わないといけないと思ったからだよ。もし、出久が目を合わせすぎて、彼女の"個性"をうっかり発動させてしまわないようにする為だよ。自分が会いたいが為に秘密がバレる危険を説明しないのはいけないよね?」
「成る程...分かった。君の好きにするが良いよ」
「オールマイト、ありがとう」
キキはお礼を述べる。
こうして彼らの訓練に白部が時々加わるのであった。
白部がやって来ると訓練の内容が少し変わった。
それは休憩の時間が増えたことだ。白部の前では魔法は使えず緑谷の体力に合わせたメニューに戻った。
早速仲良くしようと意気込むキキだったが、これまた予想外な人物が先に仲良くなっていた。
その人物は緑谷出久だ。
白部が勤めている会社のフィギュアについて、話が盛り上がっていた。彼はヒーローオタクである故に、ヒーローについては誰よりも詳しかった。そして、白部の勤めている会社、フレームカンパニー社はフィギュアの細部をとことん拘る会社だった。
緑谷がヒーローのマニアックな知識を語っていても、白部は話に着いていける。どんなに語っても引かれない、馬鹿にしてこない状況に、緑谷のテンションが上がって休み時間を忘れてしまう程だ。
白部も緑谷の話を笑顔で相槌を打つ。
ヒーローの話を楽しくしているというよりも、商人の顔をして商品を進めたり、知らなかった情報をメモに取っていた。
キキに会いに来た訳ではなく、緑谷に売りに来ていたのだが、意外にもこの二人の相性は良さげであった。
ヒーローについての知識量は誰よりも多く、語るのが好きな緑谷。ずっと笑顔で話を聞いてくれる白部。
仲良く話す彼らを、キキとオールマイトが遠くから見詰める。
「緑谷少年...。彼は意外にも女性と話せるのだね」
「そうみたいですね。...まさか、女性と話す練習になるとは思わなかったよ」
「私もだ...」
「しかし...白部はヒーローが苦手ではなかったのか?」
「うーん...。どうなんだろうね。何て言うか、ヒーローと言う言葉よりも、社会奉仕に反応をしていたような...」
「そう言えばそうだね。だとすると、もっと気になるな。一体何があったのだろう?」
「さあ?私には答えられない。...ねえ、レイチェル少女。君は彼女のことをどう思っている?」
「どう思っているって言われても...。自分と普通に話せる数少ない人、過去に何かあって心に闇を抱えている人だ」
「そう...。やはり君は...心に闇を抱えている人物を救おうとしているのかね?」
「そこまでは考えていないよ。もう終わったことかもしれないからね。ただ、黒猫の魔法使いの自分が好きだと言ってくれたから仲良くなりたいだけ」
「そうなのか...。仲良くなれるといいね」
「うん、頑張るよ」
「頑張れよレイチェル少女。...では、私は緑谷少年のトレーニングに戻るよ」
休憩時間が終わる頃、ちょうど良く話が終わり、オールマイトとキキは緑谷の元に向かう。
キキは緑谷と入れ代わるかのように白部の隣に座る。
「今回もフィギュアの話?」
「はい、そうです。ところで、オールさんは好きなヒーローはいますか?」
「いないよ」
簡単に言い放つキキに白部は驚いて動きが止まる。
けれどもすぐに話を変える。
「そうですか...。しかし、緑谷君は凄いですね。あんな重たい物を運べるのですから...。非力そうなのに...」
白部の視線の先には緑谷がいて、タイヤを二個同時に運んでいた。
「頑張って鍛えているからね」
「その通りみたいですね。では、いつ頃から鍛えていたのですか?」
「今年の春から」
「意外と遅かったのですね」
「まあね」
「彼は中学生なのですか?それとも高校生ですか?」
「中学生だよ」
「何年生ですか?」
「三年生」
「今年は受験生なのですね。受験勉強に加えて、大変ですよね。どこに受けようとしているのですか?」
「雄英高校だよ」
「雄英高校!?....それはまた大変ですね。けど、あそこに受かれば、トップヒーローに成れますものね。...オールさん、どうかしたのですか?」
白部は雄英と聞いて驚く。
雄英に受けに行くことは良くあることだった為驚くことはなかったが、キキが分かりやすく顔色が暗くなる変化に戸惑っていた。心配されていることに気が付いたキキは急いで言い訳を取り繕う。
「体調は悪くないよ。大丈夫だから気にしないで。ただ...なんて言うか...。雄英に行かなければ、どんなに良いことをしても、トップヒーローに成れないのかなあ...って、思っただけだよ」
「体調が悪くなくて良かったです。そうですね...やはり雄英に通っていた方が、トップヒーロー入りしていますね」
「なんで、雄英以外はトップヒーローできないの?」
「それは...敵を倒す力がないからです」
「敵を倒す力か...。敵を倒すことしか考えないのか?困っている人を助けるところ、地道な作業は見ないのか?...この世界のヒーローは、敵を倒すことしか考えないのかな...」
キキは知らず知らずの打ちに独り言を呟く。
白部が聞いているのに気が付いていない。キキの呟きを聞いた白部の口元は三日月のように弧を描いていた。
「ええ、この世界のヒーローは、ただ敵を倒せば良い、暴力が許された敵(ヴィラン)ですよ」
悪意は潮風と共に誰にも聞かれず流されるのであった。