黒猫の魔法使いと個性社会   作:オタクさん

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35話 世界が壊れた日 後編

『AFO...貴様ああぁぁぁーーー!!!』

 

『そんな大きな声を出さなくても聞こえているよ。オールマイト』

 

『お前だけは...!お前だけは...!絶対に許さない!!』

 

『そうかい...。僕も君だけは許せないな。この顔の傷を倍返しにしてあげよう。今こそ、決着をつけようではないか!』

 

『オールマイト!君に質問だ』

 

『君のお陰で、君の居る地域では敵(ヴィラン)の発生率は抑えている。それは見事だ。誉めてあげよう。だけどさ......』

 

 

『君のやっていたことは正しい?』

 

『私のやっていることが間違っているだと!?貴様のやっていることが間違っているのではないか!!』

 

『そうだね。僕のやっていることは間違っている。けど僕が聞きたいことはそこじゃない。ただ......』

 

 

『こんなことをいつまで続けるのかい?』

 

『こんなこと...!?馬鹿にするな!!お前のような敵(ヴィラン)が居る限り、私は戦い続ける!!』

 

『やれやれ...僕が言いたいことを全然分かっていないようだね...。君にも分かるようにちゃんと説明してあげよう。僕の言いたいことはね......』

 

 

『敵(ヴィラン)が生まれる訳を知ろうとしらず、ただ殴って押さえ付けるだけの現状は正しいのか?これってどう思う?オールマイト』

 

『...正しくはないだろう......。だけど!!理由があるからとはいえ、悪事を見逃すことは出来ない!!悪いことをしているのならば、それを止める!それがヒーローの役目だ!!』

 

『それはそうだね。だけど、オールマイト。原因を終わらせなければ一生終わらないんだ。君がやっていることは水道の蛇口を閉めずに、ホースの先を手で無理やり押さえているだけだ』

 

『な...なんだと!?』

 

『ところで......』

 

 

『彼らを傷付けた人は何もお咎めなしで良いの?』

 

『咎めだと!?反省させるとしても、そんなものは!!』

 

『咎めは必要だろ。彼らを酷い目に遇わせたのだから...。結局、敵(ヴィラン)とは何なんだい?"個性"を使って悪さをしたら敵(ヴィラン)なのかね?"個性"を使わなければ悪さをしても、敵(ヴィラン)ではないのかな?君達の決める敵(ヴィラン)の規定はなんだ?』

 

『人を殺せば確実に敵(ヴィラン)になるだろう。けど...心を壊すことは罪にすらならない。体さえ無事であれば、心は壊れていても構わない。それで良いのかい?』

 

『僕達を倒す、それは当たり前だ。けれど、君達ヒーローは、敵(ヴィラン)を倒すだけで、心を救おうとする人はいないよね』

 

『そんなことはない!お前が勝手に決め付けているだけだ!!』

 

『そうかな?妻と娘を亡くした男性の話を聞いても、まだそんなことが言える?寧ろ、ヒーローが、心を壊したのではないか』

 

『それは...クッ!!』

 

『ヒーローにはこの質問を返すと楽だ。反論を出来なくさせる。...今日は実に気分が良い。オールマイト、君達ヒーローを堂々と倒すことが出来るのだから。へこたれていたって無駄だよオールマイト。まだまだ質問は終わらないからね』

 

『オールマイト、今の世の中は平和だと思うかい?』

 

『平和ではない!だから...』

 

『だから君がこうして、人柱になった訳と...。君は他人の為に意味が無いことをするんだね』

 

『なんだと!?貴様が勝手に決め付けるな!!』

 

『決め付け?いやいや、決め付けではないよ。いいかね、オールマイト。この世界は、敵(ヴィラン)の生まれる訳を知ろうとしない社会で、どこかで誰かが知らずに泣いている世界。そんな世の中を君は、平和ではないと認めた。で、君のやっていることは、敵(ヴィラン)をその圧倒的な"個性"で倒しているだけだ。もし平和な世界に変えたいのならば、暴力に頼るのではなく、現実は間違っていると言葉で訴え掛ければ良かったのだよ。君のようなNo.1のヒーローなら、話を聞いて貰える筈なのにどうしてそれをやらないんだ?認めているなら、僕に言われる前に動けば良かったものも...』

 

『それは......!!』

 

『だから、君のやっていたことは無駄であると。君のヒーロー像って...敵(ヴィラン)を殴るだけ殴って、後は気にしない。心なんてどうでもいい。君が成りたかったヒーローはこんなものなのかい?』

 

『違う!!私の成りたいヒーローは命だけではなく!心も助けるヒーローだ!!』

 

『そんなヒーローに成りたかったのかオールマイト。だけど残念。君がそんなヒーローだということが、誰にも伝わっていないよ』

 

『貴様になんと言われようが!私は師匠の言葉を胸に染みて行動をする!貴様には関係はない!!』

 

『そうだね。僕には関係ないね。けどさ......』

 

 

『君に憧れてヒーローに成った人達は皆、敵(ヴィラン)を殴るだけで終わらせているよ。それにヒーローに憧れている人達は皆、"個性"の強さしか見ない。...これのどこが心まで救うヒーローに成れると言うのかね?』

 

『...!!』

 

『オールマイト、思いは伝わなければ意味は無い。テレビに出た時にでも、下らないジョークなんか言っていないで、伝えたいことを言葉で伝えれば良かったものも...』

 

『私のジョークが下らないだと!?貴様には分からんだろうが!人を笑顔にさせることがどれだけ大事なのか!!』

 

『そうだね。人を笑顔にさせることが大事だ。だけど、人を笑わせる前に、誰かの笑顔を奪う現実を正さなければいけないのではないか?』

 

『本当に残念だったねオールマイト。君が頑張れば頑張るほど、平和な世界に辿り着けない。君の憧れている人達は皆、君の殴る姿しか興味ないよ』

 

『......!!?』

 

『その反応面白いね。君ですらも認めてしまったのかい?ヒーローならファンを信じてあげないと駄目じゃないか。...君の落ちぶれた姿をいつまでも見ていたいけど、次の質問に行こう。オールマイト、平和の象徴として尋ねる』

 

『君にとっての平和とはなんだい?』

 

『平和!?そんなことは決まっている!!敵(ヴィラン)に脅かされない、誰もが笑顔で暮らせる...』

 

『敵(ヴィラン)が脅かしたら許さないけど、一般市民が一般市民の笑顔を奪うのは良いのかい?とんだ差別主義だねオールマイト』

 

『違う!!私は...』

 

『心を助けたいヒーローが差別主義でどうするんだ?そんな心構えで誰かの心を救えないよ。敵(ヴィラン)だから傷をつけても構わないのかい?敵(ヴィラン)だからどうでも良いのかい?』

 

『君は心まで助けるヒーローに成りたいと言っていたけど......』

 

 

『敵(ヴィラン)はどうでもよくて、救えていない人は多いじゃないか』

 

『違う!!私は...!!』

 

『言い訳なんて聞きたくないよ。今、君達の目の前に救えていない人達はこんなにもたくさん居る。ここに居ないが、僕を慕ってくれる人もまだまだ居る。僕達が知らないところで泣いている人達もまたたくさん居るだろう。...君はNo.1のヒーローなんだから、もっと頑張って声を掛ければ、こんなことにはならなかったのにね』

 

『......クッ!!!例え...私は...貴様になんと言われようとも!!』

 

 

『貴様を倒すまで、私は何度でも立ち上がり続ける!!』

 

『...それは負けを認めることだね。碌に言葉で返していない。そんなことを言ったって、負け犬の遠吠えにしか聞こえないよ。君達が世界が簡単に敵(ヴィラン)に乗っ取られる。僕達の正論を、誰一人、まともに返せた人は居ない』

 

『今日はなんて素晴らしい日なんだ!』

 

『いつも暴力で解決をしているヒーロー達を、言葉で捩じ伏せるのはなんて気持ちが良い!』

 

『君達ヒーローは結局暴力装置にしかすぎない!』

 

『世界を追い詰めるのは暴力ではない、言葉だ!人間と言うのは所詮、暴力でしか解決出来ない哀れな生き物だ』

 

『ああ、なんて気持ちが良いのだろう!この胸の高鳴りのままに最後の質問を終わらせようではないか!』

 

『最後は黒猫の魔法使い、君の番だ!』

 

魔法使いとウィズの顔が映し出される。

口を縛る"個性"が最後に解かれた為、魔法使いとウィズはむせ返る。

 

『君は...君達だけは...世界の問題には立ち向かおうとしていた。ところで君達は、この世界が異常だと、一体いつ頃から気が付いたんだい?』

 

『......ヒーローとして初めて戦った時からだ』

 

『私もそうにゃ』

 

『そうか...。では......』

 

 

『君達もこの世界が嫌いかな?』

 

『はっきり言って......』

 

 

『大嫌いだ』

 

『私もこの世界の考えが大嫌いにゃ』

 

『やはりね...君達はヒーロー側なのに珍しいね。まあ...だからこそ......』

 

 

『僕達の考えに賛同が出来るだろう?』

 

『君達の考えは立派だ。だが、君達の考えは我々、敵(ヴィラン)連合とそっくりだ。君達もヒーローなんかよりも、敵(ヴィラン)連合の方が遥かに相応しい。君達がヒーロー活動をしているだけで、ゴミを投げ付けられていたり、罵倒をされたりと酷い目に遇っていたようだね。傷付けてくる奴らなんか捨てて、僕達と共にこの世界を壊さないか?』

 

『嫌だにゃ!世界を壊す人の手なんか取りたくないにゃ!!』

 

『そうだ!大体...さっきから色々と話をしているけど......』

 

 

『本当に彼らの為に動こうとしているの?』

 

『それは心外だな。僕は彼らの為に力を貸しているではないか。やり方は確かに、穏便に済ますことは出来ないが、こうまでしないと現実は変わらないもの...』

 

『そういうことじゃない!もし、本当に人の為に動こうとする人だったら......』

 

 

『あの男性が暴走した時、面倒くさそうに溜め息を吐いたりなんかしない!!もっと親身に心配をする筈だ!なのに面倒くさそうにしていた!』

 

『正論を並べているけど、ずっと困っている人、苦しんでいる人を見てきた割には今になって行動?だとしたら...行動をするのが遅いんだよ!!』

 

『もし人の為に思うのなら...世界を壊す...こんなやり方......』

 

 

『憎しみを続けるようなやり方はしない!!苦しめる人を増やすようなやり方をしてどうするんだ!?』

 

『行動が遅いか...そんなことを言われても、こっちには準備があるのだよ。僕だって準備期間の間、心苦しいものだったさ。黒猫の魔法使い、君の"個性"は、力があるからそんなことを言えるのだよ。...そんな君に一つ質問がある』

 

『君の"個性"は普通の人よりも大分強い。それなのに君は、守りきれないと言った。これは一体どういうことかな?』

 

『ヒーローと敵(ヴィラン)の戦いを面白がって見ている人達が気に入らないから注意しただけだ。それに、敵がどんな手を使ってくるのか分からない。だから、安全の為に離れてもらう必要がある。どんな人だって安全を保証出来なければ逃げるからね。それで言っただけだ』

 

『けど、君の戦いを見て貰わないと、人気が出てこなくなるけど良いのかい?』

 

『人の苦しんでいる姿で生きていく方が嫌だ!そんな姿を自分が生きる為に見せるくらいなら...飢え死にした方がましだ!』

 

『...へぇー...。若いのにそこまで考えて凄いね。世の中のヒーローなんかは、自分達の富と名誉の為に見て貰うことが前提なのだから...』

 

『君達は敵(ヴィラン)に対して随分と優しいけど、身内にでも敵(ヴィラン)が出たのかい?』

 

『敵(ヴィラン)に優しくして何が悪い?オールマイトに敵(ヴィラン)のことを考えろって責めていたくせに』

 

『理由なんか必要なのかにゃ?』

 

『いやいや、優しくしてくれてありがたいよ。ただ、どうしてそのような考えに至ったのか知りたいだけだ。あのオールマイトさえも、碌に答えを用意出来なかったからね。気になるのは当然のことさ』

 

『考えに至った理由......』

 

『.........』

 

『あれ?説明出来ないの?あれだけ熱心に叫んでいたのに...。本当に珍しい考えを持つよね君達は。どんな人生を歩めば、そんな変わった考えになるのかな?』

 

『黙りなのかい?...全く困った人達だ。...まあ、良い...。それでは次の質問に進もう』

 

『君達の考えは世間の考えと全くもって違う。だからこそ聞きたい......』

 

 

『そのような考えになった理由を教えてくれないか?』

 

『.........』

 

『.........』

 

『僕は君達を責めている訳ではないよ。好きなように話せば良い。なのに君達は固まる。そんなに話が出来ないのかい?』

 

『まあ...特別な施設で暮らしていたからかな?答えられなければそれでも良いが...取り敢えず違う質問をしよう』

 

『黒猫の魔法使い、君が力を借りている先の人達はどういう人達なんだい?』

 

『絶対に教えない。何があっても口を割るもんか!』

 

『絶対に教えないにゃ!』

 

『それは...うん...思っていた通りの反応だ。だけどね......』

 

 

『この騒ぎが本格的に始まったら、嫌でも見付かると思うよ』

 

『......』

 

『......なんで見付かるのにゃ?この事件と一体何が関係あるのにゃ?』

 

『関係?勿論あるさ。この話し合いが終わり次第、ここ神野区だけではなく、全国各地で争いが起きるからね。争いが起きれば、黒猫の魔法使いの友達も一溜りもない』

 

『そんな...!?なんでこんなことをするのにゃ!?世界を壊したところで...』

 

『いいかい黒猫さん。君も施設育ちで世間を知らないだろうけど、人間と言う生き物は自分よりも弱い存在を痛め付けるのが大好きで、気に入らない存在には死ぬまで粘着をして排除をし、自分が弱い存在と偽って保護を騙し取り、弱者を労る振りをして自分を良く見せようとする』

 

『自分と価値観の合わない者、自分が理解出来ない者には考えを理解しようとせず、勝手に怖がって存在自体を排除しようとする。君達だって被害者だったから、そのことくらい分かるよね?』

 

『そ、それは...』

 

『あの敵(ヴィラン)さえも庇う黒猫が言い淀んでしまっているね。君達は本当に...人望が無いよね。そんな愚かな存在にでも、この悲劇を二度と起こさない方法がある』

 

『悲劇を二度と起こさない方法?』

 

『そう、悲劇を二度と起こさない方法。それは......』

 

 

『同じ痛みを体験することだ!』

 

『......えっ!?』

 

『理解出来ないのなら、同じ体験を味あわせて理解させると良い。人間と言う生き物は痛みを知って初めて、他人に優しく出来る生き物だ』

 

『大切な人を喪えば別の大切な人を喪わせ、心の痛みは体の痛みに変え、見殺しにされたら、他の人は見殺しをされる立場になって苦しみを知れば良い』

 

『争いなんか要らない!人間の中には自分と違う存在を受け入れ、共に過ごすことが出来る人達はいる!こんなことをしても無意味だ!』

 

『まだそんな夢見がちなことを言っているの?ここは夢ではない、現実だ。いい加減に目を覚ましなさい。現実から目を背けるな。そんな考えは無駄だ。それとも...僕に言い負かされ過ぎて、頭が可笑しくなってしまったのかい?意地でも認めたくないだけかな?...そんなに綺麗事を言うのならば......』

 

 

『君がその綺麗事を実践して見せてよ』

 

『はじめからそのつもりだよ!』

 

『すぐに言い切ったとは...ほう...。夢しか見ていないのか、現実を知ろうとしていないだけなのか...これだけの被害者の前にそんな馬鹿なことが言えるとは...ヒーローはやはり...馬鹿な人が成るものだね』

 

『馬鹿なことは言っていないにゃ!私達は事実を元に言っているだけにゃ。君の方こそ、自分が知らないからって馬鹿にするのをやめるにゃ!!』

 

『黒猫も馬鹿なことを言うのだね。こんなにも被害者が大勢いるのにまだそんな愚かなことが言えるのか...。僕達はただ、出来もしない綺麗事に苛ついているのだよ』

 

『そんな愚かな君達に早速、綺麗事をして貰おうか。お題は......』

 

 

『彼ら、被害者こと弱き者が、君達に襲い掛かるから、殺してくる彼らを全力で守り、一人も死者を出さないこと。これが出来たら少しは認めてあげてもいいよ』

 

『端からそのつもりだよ』

 

『ふーん...君は偽善に溢れた愚か者だね。いいよ。好きにしたら。...その代わり、一つ忠告をしておく。彼ら弱き者は、綺麗事や偽善者は大嫌いだから。後それと......』

 

 

『黒猫の魔法使い、黒猫、君達にとってのヒーローとは何?』

 

『誰かの為に立ち上がり、悲しんでいる人や苦しんでいる人の気持ちに共感をし、困り事が終わるまでずっと寄り添える人だ!』

 

『私も同じにゃ』

 

『そうか...。これにて話し合いを終わらせよう。...と、その前に、君達の質問の答えを用意してあげよう』

 

『質問の答え?』

 

『そう、質問の答えだ。君達が気になって気になって仕方ない質問の答えだ』

 

『私達が気になって仕方ない質問の答え?何なのにゃ?そんな質問合ったかにゃ...?』

 

『ああ、この話し合いが始まる前皆、とても気になっていたではないか......』

 

 

『爆豪君が敵(ヴィラン)に堕ちていないか』

 

『その答え、黒猫の魔法使いが考える、ヒーローとしての基準で決めようではないか』

 

AFOが眠っている爆豪に近付いて起こす。

起こしたといっても、魔法使い達と同じく体の自由は許されていないようだ。

 

『爆豪君、起きる時間だよ』

 

『.........あっ......?なんだよテメェは!!俺はお前らチンピラの仲間になんか、死んでもならねぇぞ!!!そのマイクは何なんだよ!!?なんでテレビカメラがここにあるんだよ!!?オールマイトに何をした?!!』

 

『僕の質問に正直に答えてくれたら、解放をしてあげよう。では、質問をしよう......』

 

『あぁん!!?質問だと!!?答える義理なんて...』

 

 

『君は敵(ヴィラン)の生まれる理由を知ろうと思ったことは一度でもあるかい?"無個性"や異形型の"個性"、敵(ヴィラン)の元に生まれた子供への虐めについてどう思っている?"個性"の相性で戦わない...』

 

『うるせぇ!!そんなこと知るか!!俺には関係ねぇ!!!そんな下らない質問より、俺をさっさと放しやがれ!!!』

 

『なっ!?』

 

『そんなことを...!!』

 

『それが君の答えかね?そんな答えで良いのかね?その答えだと......』

 

一斉に鈍い音が鳴り響き、テレビカメラを真っ赤に染める。

爆豪は重力に従って椅子ごと落ちていく。頭から流れる血は止まらず床を血で汚していく。

 

金槌、釘バット、フライパンは血で染まっており、爆豪を鈍器で殴った赤毛の若い女性、コオロギ風の男性、四十代の主婦は焦点がずれた目で爆豪を見下ろしていた。

 

『ウィズ、黒猫の魔法使い、これが......』

 

 

『ヒーローに成りたい少年の言動だよ!他人の苦しみなんてどうでもいい、"個性"が強ければそれでいい、それがヒーローなんだ!!』

 

『これが彼の考えさ。彼がヒーローなのか、敵(ヴィラン)なのかは、テレビの前に居る皆が決めたまえ』

 

 

『さあ!君達の懺悔の始まりだ!』

 

AFOの叫び声ともに魔法使い達の体は自由となる。

丁度その時どこからか爆発音が鳴り響き、その音はまるで......

 

世界を壊す破滅の音と感じさせるようであった。

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