黒猫の魔法使いと個性社会   作:オタクさん

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41話 神野区事件6

『えっと...もしもし...もうこれ始まっているの?』

 

電話先の女性の戸惑っている声が聞えてくる。その光景は奇しくも"弱き者"達の叫びの始まりと被る。

 

「うん始まっているよ」

 

『そう...。分かったわ...でも心の準備をさせて』

 

電話先の女性は何度も深呼吸を繰り返す。

数十回も繰り返した後に自分の過去を語り出す。

 

『私は......"個性"を制御出来なくて人を...傷付けてしまいました......』

 

『故意ではなかったとしても人を傷付けた私は敵(ヴィラン)になり、家族も友人からも捨てられて独りぼっちになりました。ですが...最初の方は特に誰も恨んでおりません。だって、敵(ヴィラン)になってしまったのだから仕方のないことだと、それが当たり前だと思って生きていました』

 

『諦めたとは言え、世間はとても厳しくて生きてはいけませんでした。だから...私は......生きる為に犯罪を犯しました』

 

『まあ、結果としては、逃げ切れずにあっさりとヒーローに捕まるだけでした』

 

『こうして捕まった私は、刑務所の中で模範的な生活を行ったお陰で早めに出所をして、社会復帰の為にある施設に働くことになりました...』

 

『そこで私は優しく迎えられました。だけど...私はあんまり嬉しくありませんでした。だって...助けてくれるのなら、もっと早く助けてほしかった』

 

『不満が溜まった私は大人げない行動を取りました。いつも悪い方向に考えて、言葉にはいつも棘があり、手を差し伸べてくれる彼らを払いのけました。もし...子供達が居なければ、私は手を出してまた犯罪を犯していたのでしょうね...』

 

『そんな私にも彼らはずっと優しくしてくれました。...こんな生活が続いて一年、私はやっと、彼らのご好意に甘えられるようになりました。今の貴方達にとっては信じられないと思いますし、受け入れ難いでしょう』

 

『暴れたい気持ちは分かります。...でも!だからと言って!悪いことはしてはいけません!今は気持ちが落ち着かなくて理解出来ないのは分かります!だけど!!暴れまわるのはやめて下さい!今は苦しいけど!生きていればきっと!優しい人に会えますから!!』

 

『お願いだから!手遅れになる前にやめて!!』

 

『私達と共に一緒に生きよう!』

 

泣き叫んだ女性は感情的に訴える。

すすり泣く音が響く中、電話先では順番待ちの人達が誰にするのか少し揉めていた。けれども、特に喧嘩はせずに話し合いはすぐに終わる。

 

『......次は...私の番になります...』

 

今度は男性のようで、きょどりながらも丁寧な物腰で語り出す。

 

『初めましてどうも...私は社会復帰をして施設を出ていたのですが...今回の事件で心配になったので...戻り...皆さんの話を聞いて...せっかくなのだから...私にも話させて下さいと...頼み込んだ結果...こうして話す機会を貰いました...』

 

『私の場合は......"個性"が電気系だったので...よく妬まれました...』

 

『しかも......中途半端な"個性"の影響で...親からもヒーローを目指せと...でも結局は中途半端だった為...訓練をしてから一年後くらいには見放されました...』

 

『その後の人生は放っておかれるか、妬まれる人生故に...そのことが切っ掛けに...人と関わるのは嫌になり、話すことが上手く出来ません...』

 

『こんな状態ですから...就職活動が上手くいかず...放っておかれていた私は......生きる為に...敵(ヴィラン)になってしまいました...』

 

『色々あって...取り敢えず社会復帰の許可を得た私は...とある施設で働くことになりました...』

 

『そこではコミニュケーションが必須で...本当に大変でした...。大人はともかく...子供達は...少しでも変な話し方をすると...笑われたりして大変で...。私の話し方を頑張って直しても...突然泣いたり...喧嘩をしていたり...突っ掛かってきたり...』

 

『戸惑うばかりで...着いていけなくて...嫌になる日は多かったけど...』

 

『それでも...楽しかった...私は言い切れます』

 

『今の私の話を聞いて...子供と事件はなんにも関係ないと思いますが......』

 

『子供は悪いことをしたら叱られ、反省をしてもう二度としないと誓って、失敗をしながらも前を向いて歩いていく...そんな...当たり前のことを......』

 

『子供達は出来ています。それなのに...大人が...!出来ないのは可笑しいのではありませんか?!!』

 

『貴方方のお気持ちは痛い程共感をしております。私自身も何度も間違えそうになったことか...』

 

『それでも!道を間違えてはいけません!心の痛みを知っている私達だからこそ!私達を傷付けた人と同じことをしてはいけないんだ!!』

 

『痛みを知って...!!初めて人に優しく出来るのであれば...!!私達は間違いをしてはいけない!傷付けてきた人と一緒になりたいのか!!?理由をつけて関係のない人達を傷付けてしまったら、何かと理由をつけて正当化をした人達と変わりません!!私達だけは...!!私達だけは!』

 

『絶対にやってはいけません!!』

 

言い終えたのか荒い息遣いだけが聞こえてくる。

必死に否定をするその声は、まるで自分自身に言い聞かせるようだ。彼もまた辛い境遇から何度も心の闇に負けそうになっていたらしく、こんな状況でも最中厳しい言葉を投げ掛ける。

 

厳しい言葉を投げ掛けたことにより、場の雰囲気は更に悪くなってしまったのだが、次の楽観的な男性が悪い雰囲気を笑い飛ばす。

 

『ガッハハハ!!お前達が気にする気持ちは分かるが、いつまでも気にしていたら幸せにはならんぞ!』

 

「ふざけるな!!お前は救われたから言える立場であって!いい加減なことを言うのではない!!」

 

『ハッハハア!そりゃそうだ!』

 

"弱き者"の怒りにも気にも留めない楽観的な男性。

彼らが怒りで手が付けられなくなる前に強引に話を続ける。

 

『俺が言いたいことはそうじゃなくて。これだけ大暴れをしていれば、もうお前らの目的である平和な世界は作れたもんよ。だって、お前らの言い分では、人は傷付けられてはじめて他人に優しく出来るだろ?だったら、もうやめても良いんじゃないのか?こんな事件が遭った後なら、誰もが他人に優しく出来る筈だ。誰だって殺されたくはないからな!』

 

豪快に笑い飛ばす男性。最後の方は意外にも尤もな意見を言う。

彼は最後まで笑みを崩さずに次の番に渡す。

 

『そうよ!目的は達成出来たのだから、もうこんなことはやめて!前を向きましょうよ!』

 

次の番である女性も男性の話に同意をしながら話し出す。

 

『恨みや辛い過去が簡単に消えないことは分かります。でも!恨みごとばかりを考えないで、自分の幸せとかを考えて下さい!』

 

『そうだ!もう苦しみに囚われることはない!自立するまで俺達が傍にいる!俺達と一緒に生きようぜ!』

 

『そうですわ!私達が何があっても支えますから!』

 

『世界は残酷ですけど!全てが全て悪い人ではありません!考えを急に変えるのは難しいのは分かります!ですが!過去の辛い思い出ばかりを思い出しては幸せにはなりません!貴方達のような、辛い過去を経験をした人達の方が幸せになるべきですから!』

 

『辛い過去を笑い飛ばすぐらい、楽しい思い出を俺らと共に作ろうぜ!』

 

『大丈夫だ!誰だって復帰は出来る!俺だって社会復帰して会社で働いている!俺が出来るのなら君達にも出来る筈さ!』

 

『私達のようなわけありにだって幸せになれる権利はあるわ!』

 

『社会が怖くても大丈夫!なんとかなるわよ!』

 

『私達職員も支えます!』

 

「すぐに信じろとは言わないし、攻撃的でも構わない。俺だってそうだった。だから...まあ...なんて言うか...最初の方は腹が立つ程納得出来ないと思うけど、なんとかなるということだ」

 

「そうだよ!今は信じられないけど幸せになった人はたくさんいる!だから、こんなことはやめようよ!」

 

電話先から何十人の声が木霊する。また、電話だけではなく現地にいた舞梓と天意も参戦をする。

どの人達も不安を取り除こうとしたり、共に生きようと語り掛けたり、幸せを願うものだった。彼らの必死な声は電話越しでも伝わる程だ。

 

そんな彼らの切実な思いを聞いた"弱き者"達の答えは......

 

 

 

「誰がお前達の手なんか取るか!!!」

 

それは拒絶だった。

コオロギ風の男性が怒鳴って差し出された手を払う。

 

「恨みを捨てろとか!幸せに生きろとか!救われた奴がごちゃごちゃうるせえんだよ!!」

 

「大体!関係のない人に手を出すな!って言うが、生きている限り関係のない人間なんていねぇんだよ!!」

 

コオロギ風の男性の後に案内人の男性も続く。

 

「そうですね。人間は一人では生きられない。この事実がある限り、無関係な人間はこの世はおりません。救われた貴方方には分からないと思いますが、目的の為に作られた人の気持ちは理解出来ないのでしょう」

 

「そうよ!"無個性"だけで差別された苦しみもアンタ達には分からないわよ!」

 

「ええ、そうですわね。何も悪さをしていなくても、敵(ヴィラン)の子供ということだけで迫害をされた私の気持ちも分からないと思います」

 

赤毛の女性と案内人の女性も同意をする。

 

「俺達の幸せはな!ここにいる奴ら!なんも知らずに生きている阿保な奴ら!そいつら全員を殺すことが俺達の幸せだ!!!」

 

「そうよ!!殺さないと私達の気が済まないわ!!」

 

「ええ、その通りですわ」

 

「右に同じです」

 

他の"弱き者"達も肯定をする。撮影組も頷いて同意をしていた。

 

「そんな......」

 

「駄目なのか...!!」

 

「根津校長の言われた通りにしたのに...!!何故上手くいかなかったんだ!!?」

 

完全な負けだった。

グラントリノ、ベストジーニストなどのはじめとした他のヒーロー達は意気消沈をして弱音を吐き、結果が分かりきっていたエンデヴァーはつまらなそうに腕を組み、オールマイトは気まずそうに俯いていた。魔法使いとウィズも心苦しく感じていた。

 

一番悔しんでいたのは説得に来たオアシス組だった。

だが、結果が分かりきっていたのか弱音を吐くことはなかった。それでも舞梓は今にも泣きそうな表情を浮かべ、天意は何も出来なかった自分に腹を立てて拳を握っていた。

 

ヒーロー達には重苦しい雰囲気が流れ、敵(ヴィラン)側には勝利を確信して喜びに満ち溢れる。

 

AFOがとどめの言葉を刺そうとしたその時ーー

 

 

 

『だから君達は幸せになれないのだよ』

 

柔らかな口調で爆弾発言がぽつりと呟かれる。

静かな声量なのにこの場にいる全員の耳に強く響く。その声はベストジーニストのポケットから聞こえてきた。

 

その言葉に"弱き者"、オアシス組、魔法使いとウィズは怒りで言葉を失い、他のヒーロー達も不適切な発言に大慌てになる。

 

「ちょっ!?根津校長!!一体何を考えているのですか?!!」

 

『怒らせることは重々承知さ。でも、そうやって言わないと関心を向いてくれないからね。...では、先生...僕にもマイクを向けてもらえないかな?』

 

「ああ...良いとも...」

 

AFOの了承によりベストジーニストは自分の携帯をマイクに向ける。

AFOはにこやかに返事をするが、不愉快そうにムッとした声が隠しきれなかった。

 

『ありがとう先生。さて...僕の正体は...ネズミなのか?犬なのか?熊なのか?その正体は...校長さ!』

 

「......えっ...?」

 

「にゃにゃ!?こんな時に何を言っているのにゃ!!?」

 

根津の始まりの言葉に魔法使いとウィズは呆けてしまう。

魔法使いとウィズはふざけた根津に対して怒ろうとしたが、他の人達は特に反応をしていなかったことに気が付き、この言葉自体がいつも通りの挨拶だと気が付く。

 

魔法使いとウィズは怒りを抑えて話を聞く体勢に入る。

 

『僕から言いたい話は一つだけ。よくもこんなに憎悪にまみれるまでにしてくれたね』

 

「それは僕の責任ではなく、君達の責任なのでは?君達がここまで差別を放置していたからではないのかな?」

 

『それは違うね。だって、"弱き者"を説得に来た人達は同じような過去を持っているのに社会に恨みを持っていないのではないか。それと...差別を放置しないからこそ、暴れている君達を止めるのさ』

 

「俺達を放置しておいて倒すとか!それのどこが差別を放置しないと言うんだ!!俺達敵(ヴィラン)が憎いから倒すだけだろうが!!!」

 

『...ではとある話をしようか...』

 

"弱き者"の怒鳴り声を物ともせずに根津は語り出す。

 

『これは"個性"が生まれる前からの話"......ある部落差別の用いた理論のお話...』

 

『その理論では差別を受けた苦しみは差別を受けた者しか分からない。だから、受けた苦しみは、苦しみを受けた人が決める。そこまでは良いよ。そこまでは...。だけどね...ここから先が大問題なんだよ......』

 

根津は大きな溜め息をつく。

それから数秒経った後にゆっくりと語り出す。

 

『お金が無いのは理不尽だと、富裕者などからお金を奪い、差別だと言い張って暴力や脅迫を行う。...ちょうど今みたいにね!』

 

強く誰にも邪魔されないように叫ぶ。

 

『しかもその理論を作った人は差別者を作るのは簡単だと、豪語したんだ!』

 

『その人のせいで!お金を持ってきない部落民が居酒屋で大暴れをして、飲食代を無料にするだけに飽きたらず、居酒屋の主人を謝らせて金一封を巻き上げたんだ!それだけではない!部落出身の小学生が勉強出来ないことを全て差別のせいだと、開き直るような子供が生まれてしまったんだ!』

 

『"個性"が無い時代から、弱い立場を利用して暴れている人が居たんだよ。この話を聞いた上で"弱き者"、先生、君達に尋ねよう。差別は無くなると思うかい?』

 

"弱き者"は黙っていたが、AFOは怯むことなく余裕を持っていた。

 

「それは君達が差別するのがいけないのでは?」

 

『じゃあ、暴れても良いの?人を殺しても良いの?殺す殺さない基準は?君達が決めるとなると...それは逆差別じゃないの?同じことを繰り返して説得力は無くなるよ』

 

「やられることをやったのが悪いのでは?」

 

『先生、君は分かっていてやっていると思うけど、まんまその理論だね。その理論をこっちも使わせて貰うと、君達に苦しめられた僕達の苦しみを返すことが出来る。永遠ループだね』

 

「では、苦しめられた人と苦しめた人が仲良しこよしで手を繋ぐ?そんなこと出来るものなら...」

 

『出来るよ』

 

AFOの言葉を遮る。

 

「ほう...こんな事態になってもまだそんなことを言える。そんな君の馬鹿な案を僕達に聞かせてくれないかい」

 

『うん、良いよと...言いたいところなんだけど...本当はあまり、この手は使いたくなかったのだが......』

 

AFOに嘲笑われても気にしていない根津だったのだが、何か言いづらそうにしていた。

 

「ほら出来ないのではないか」

 

「そうよ!出来ないのなら黙っていないよ!この糞鼠!」

 

「畜生は黙っていろ!」

 

黙った根津に罵倒を浴びせる"弱き者"達。

 

『いや...言えないことはないのだけど...これを言うと......』

 

 

 

『"弱き者"、説得しに来た人達の苦しみ全てを否定することになる』

 

根津はやっとのことで重たい口を上げる。

 

「苦しみを否定......?それはどういうことだ?」

 

根津の言いづらそうな口調に天意が尋ねる。

 

『なんて言うか......"無個性"だからとか、敵(ヴィラン)の子供だからとか、危ない"個性"だからとかで気にする人はあまり居ない...。それどころか本人も、肩書きとか気にしないで普通に生きている。なんなら、殺し合った人でも仲良く出来ている人達が居るのだよ』

 

「そんな人...居るわけないだろ。お前も絵本の読みすぎか?」

 

「そんな人達がいるの!!?......いたら...こんなことにはなっていないよね......」

 

『敵(ヴィラン)の子供でも気にしないの!!?......そんな人がいたら見てみたいわ...』

 

『危ない"個性"でも!!?......ヒーローでさえ、"個性"で判断するのに...見逃してくれる人なんて......』

 

『"無個性"でも虐められないだと!!?...なわけないだろ、この"個性"主義の世界で......』

 

「殺し合っても仲良く出来る!!?そんな馬鹿な!!そんな人間なんてこの世に存在する訳がない!!......なんて言うと思ったかい?残念。君達の子供騙しの話には、これぽっちも付き合う気もないよ」

 

根津の言葉が大混乱を招いたが、すぐに騒ぎは収まる。

AFOと"弱き者"達は嘲笑い、オアシスの人達はぬか喜びをして落胆する。魔法使いとウィズは、この世界でオアシスの職員以外で誰が出来ていたのかな?と、首を傾げていた。

 

「へぇー、居るのかい。だったら教えてほしいな、君が作った架空の人物の話を」

 

まるで小さい子供を相手にするかのようにAFOは嘲笑い、根津はそんなAFOの挑発を無視して語り出す。

 

『例えばそうだね......』

 

 

『一族の宿命を背負わされて、人形という意味を持った名だとしても、誰よりも強く生きている少女』

 

「にゃにゃ!?まさか...!!」

 

一人目の時点で魔法使いとウィズは察する。

 

『家業のせいで大切な人をいつの間にか殺されてしまっていた青年』

 

『世界を滅ぼそうとした敵(ヴィラン)の息子』

 

『自分の力のせいで母親を殺してしまった少女』

 

『本能で悪さをしてしまう人達』

 

『とある目的で作られた人達』

 

『皆、懸命に生きているよ。それなのに僕達だけは出来ないのはどういうことなのかい?』

 

「そんな人...居るわけが......うん?ちょっと......待てよ.........なんだ?その態度は...?心当たりがあるのか?本当に居るのか?......いや......グルになっているだけか......。そうだね、君達は味方なのだから、互いに庇い合うのは当たり前のことだね」

 

魔法使いとウィズの態度を見て驚くAFO。

だけども、また元の調子に戻って魔法使い達を小突き回し続ける。根津はAFOの批判に負けることなく、怯まずに話し合いを続ける。

 

『いいや、庇い合っていないよ。これは本当のことさ。AFO。君がいくら馬鹿にしても、話し合いが終わるまで語り続けるよ。その為に僕はここに来たのだからね。それに...この話は君も絶対に聞きたいと思うから』

 

「僕が聞きたい?」

 

『そうだよ。なんだって君がずっと探っていた人のことだからね』

 

「僕が探っていた人?」

 

『ああ、君が探っていた人だ。この話は、黒猫の魔法使いが力を借りている人達のことさ』

 

根津が一斉に魔法使いの方を振り向く。

皆の表情は鬼気迫る程だった。舞梓は縋るような目付きで見詰め、天意と"弱き者"達は信じられないと絶句をし、他のヒーロー達も動揺をしていた。

 

「そうなの!!?黒猫の魔法使いさん!!」

 

『気持ちは分かるけど、話を進めたいから落ち着いてね』

 

魔法使いに詰め寄る舞梓に根津が止めに入る。

舞梓は素直に離れる。

 

『黒猫の魔法使い、ウィズ。君達には悪いけど、この現状を解決する為には君達の正体をばらすかしない』

 

魔法使いとウィズが何かを言う前に根津が話し出す。

 

 

 

『他の世界は出来て、僕達の世界だけ出来ない問題を』

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