黒猫の魔法使いと個性社会   作:オタクさん

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この作品ではオリジナル襲撃事件により、オールマイトは原作よりも弱体化されているから、AFO戦は長引いても可笑しくないので、黒猫の魔法使いが参戦した話を追加で書きたいと思います。


閑話 神野区事件 11.5

黒猫の魔法使いの戦いが終わっても、他の所は完全には終わってはいない。

そこで、倒した"弱き者"達を他の者に任せて、未だに戦っているオールマイトの援護に駆け付ける魔法使い。途中途中怪我をしている人や瓦礫に埋もれている人々を見付ける。思わず黒猫の魔法使いは助けたくなったが、他の人達に任せて先に進む。色々な人達に託し、黒猫の魔法使いもまた他人に託す。そうこうしている内にAFOと戦っているオールマイトの所に辿り着く。

 

オールマイトは傷だらけになっていて、マッスルフォームが解けてトゥルーフォームになっていた。

AFOはオールマイトのことしか目に入っておらず、黒猫の魔法使いのことは気が付いていなかった。AFOが気が付いていない間に急いでカードの準備に取り掛かる。

 

基本的に"個性"は一人一個。だがしかし、AFOは"個性"を奪うことが出来、何十、何百個の"個性"がある。

どの"個性"を使ってくることは予測不可能であり、多彩な魔法を使っても瞬時に対応してくることは容易に予測出来る。

どのような"個性"で応戦してくるのかは不明だから、少しも有利になれるように痺れさせて体の動きを阻害出来るかもしれない雷属性を主軸に、副属性で火、水、光、闇がついているカードを選ぶ。後はオールマイトの傷を癒せる回復魔法と力を与えることが出来る精霊強化魔法を選ぶ。魔力を込めて叫ぼうとした瞬間だった──

 

 

「この私が君の存在を忘れていると思っていたのかい?」

 

既に気が付かれていた。

黒猫の魔法使いが呪文を唱えている無防備な間を狙い、AFOは敢えて気が付かないふりをしてオールマイトをいたぶっていた。ボロボロのオールマイトをゴミのようにどこかに投げ捨てた後、複数の"個性"を組み合わせた攻撃が黒猫の魔法使いに襲い掛かる。防御障壁を展開する余裕がない黒猫の魔法使いはがむしゃらに走って避ける。

 

「『電波』+『押し出す』+『重荷』」

 

AFOの掌の孔から勢いよく、先程よりも大きい衝撃波を放つ。何とか防御障壁を展開出来たものの、完全には防ぎきれずに衝撃波の余波で体を吹き飛ばされて無防備になってしまい、その隙を当然AFOが見逃す筈もなかった。

 

「『遠隔』+『操作』」

 

AFOが指をくいっと内側にまげると、衝撃波によって囲わされた瓦礫や鉄パイプがAFOの意のままに動き出し、無防備になった黒猫の魔法使いを狙うが、呪文を唱えて迎撃をし、銃弾のように放たれた瓦礫を壊して無力化する。瓦礫を壊されることはAFOからすれば想定内の内。また違う"個性"を組み合わせて攻撃をする。

 

「『エネルギー』+『放出』」

 

指先から放たれた赤黒いレーザーはいつもの丸弾では歯が立たず、丸弾を突破した赤黒いレーザーは黒猫の魔法使いの脇腹を掠める。掠めただけで火傷を負い、痛みで唱えていた呪文が一瞬だけ途切れてになる。隙だらけになった所がAFOが直接殴ろうと目の前まで迫っていた。直ぐにでも発動が出来る違う呪文に変えてAFOに攻撃をするが、AFOの腕一振で攻撃は煙を振り払うかのように消されてしまう。一瞬だけ隙を作れたお陰で防御障壁を展開することが出来たのだが、それも不完全であった為にこれも軽いパンチだけで壊されてしまう。幸いだったのは直撃は逃れられたところ。けれども、衝撃を感じる頃には地面に叩き付けられ、痛みで意識が飛びそうになるが、回復魔法で軽く掛けて急いで立ち上がってその場から離れる。少しだけ離れられた時には、AFOのパンチが先程まで黒猫の魔法使いが居た場所を殴り付ける。

 

AFOの目には黒猫の魔法使いが動き出していた所は見えていたが、敢えて逃げる前の場所を殴り付けて恐怖を煽る。殴り付けた時に生まれた風が黒猫の魔法使いの背中を強く押す。

死の鬼ごっこが始まる。

 

 

 

AFOは他人を痛め付けることが好きなのは察していた。

今のオールマイトはガリガリのトゥルーフォームの姿になっており、いつでもトドメを刺せる状態であった。それでも直ぐに殺さなかったのは徹底的に痛め付けてから殺したいタイプなのでは?とウィズと黒猫の魔法使いは考え始めていた。とはいえ、先程までマッスルフォームで抗っていており、黒猫の魔法使いが駆け付けた丁度その時に殺されそうになっていた可能性もあるが、確信がついたのは黒猫の魔法使いがAFOに背を向けた時だった。

 

オールマイトがこれ以上傷付けられないように、避難したとはいえまだいるかもしれない市民、負傷していたり、救助活動を行っているヒーローが巻き込まれないようにする為に、黒猫の魔法使いはAFOから逃げるような行動を取って別の場所に移動する為に誘う。無防備に背中を向けてもAFOは直接殴り掛かることもなく、背後から頭、首、胸などの急所になる場所を"個性"で攻撃をし、黒猫の魔法使いは魔法で防ぎながら距離を取る。

AFOが人を痛め付けることが好きなのは当たっていた。だが、直接殴らずに背後から攻撃をしているのは、魔法という未知の存在、黒猫の魔法使いの強さを見極める為に敢えて背後から攻撃をしていたのだった。一通り観察を終え、黒猫の魔法使いが接近線が苦手だと理解した途端、直接攻撃を仕掛けるAFO。

 

AFOが動き出した所は後ろを振り返なくても、黒猫の魔法使いには分かっていた。

ハンマーのように振り下ろした拳で頭を砕こうとするが、後ろに少しだけ下がって避ける黒猫の魔法使い。多少ダメージを食らってしまうが、敢えて衝撃波をその身に受けることによってAFOから距離を取る。"個性"によって強化されたAFOからすればあっという間に詰められる距離だが、それでも多少は時間稼ぎが出来る。

 

「この電気は...僕を痺れさせて動きを止める気なんだね?なんとも小賢しい真似を...『絶縁』を追加しておう」

 

魔法と"個性"による攻防戦。

戦いの最中にAFOは雷属性の魔法を使っている意図を簡単に見抜き対策を行う。見破れてしまったので違う属性のカードに変えたい黒猫の魔法使いだったが、当然そんな猶予をAFOは与える訳もない。逆に不便な所を嘲笑い、指摘することにより黒猫の魔法使いが余裕を奪おうとする。

 

「ほほう。君の魔法は僕の"個性"のように楽に追加や変更が出来ないみたいだ。しかも、君の魔法はとても不便だね、僕のように思っただけで発動が出来なくて」

 

"個性"も、魔法も、それぞれ一長一短である。そんなことはAFOにとっても百も承知だし、今更言われても黒猫の魔法使いも何とも思わない。それでも悪役らしく、余裕ぶった言い方で指摘しまうのには理由がある。回復系の"個性"があれば、オールマイトに破れたあの戦い時に、酸素マスクを着けないといけない程ぼろぼろになることはなかったと考えてしまうと、どうしても嫉妬を抑えきれなかった。嫉妬や怒り、あの時オールマイトに殴られた痛みを黒猫の魔法使いにぶつける。

"個性"によって身体が強化されているだけでも厄介なのに、殴る方の右腕には鉄などを引っ付けてかなり巨大化していた。巨大で重たくなっている腕を軽々と振り回せる程の俊敏性、攻撃範囲が広く一撃でも当たったら即死しても可笑しくない凶悪な攻撃。避けるだけで精一杯な黒猫の魔法使い。そんな黒猫の魔法使いを嘲笑うAFO。

 

「異世界を救ってきたと言う割には、とても弱いではないか黒猫の魔法使い」

 

AFOは愉しそうに嘲りながら殴り掛かる。

避けたり、防御障壁で防げなかったり、魔法で相殺しきれなかったAFOの攻撃が黒猫の魔法使いに突き刺さる。それでも何度も立ち上がっていた黒猫の魔法使いだったが、終には体力の限界を迎えてAFOの巨大化した腕によって捕まれてしまう。

 

「異世界の英雄もこれまでかな」

 

哀れみを感じさせる言い方をしながらも、ゆっくりと持ち上げて目線を強制的に合わせるAFO。逆に楽しみながら敢えて手加減をして痛み付けてくる。持ち上げた腕を振り下ろして地面に叩き付ける。骨が折れても、どれだけ血を流しても、新しい玩具を与えられたAFOは止めない。世間話のようにAFOが"弱き者"について語り出す。

 

「異世界の話をして君に否定された"弱き者"達本当に可哀想だったね。君はこの世界が嫌いだから、この世界の住民の住民を傷付けてしまっても構わないと思ったからあんな酷い言い方をしたのだろう?異世界の救世主様は自分が嫌いな世界はどうでもいいらしい」

 

反論をしたいが痛みと意識が朦朧とし始めて何も言えない黒猫の魔法使い。

悔しさのあまりに奥歯を噛み砕く程強く噛み締める黒猫の魔法使いを見て大声で笑い始めるAFO。自分の手で傷付けることが出来たことが嬉しさの一つでもあるが、"弱き者"達の復讐はとっくの昔に終わっていて、ただ単に八つ当たりをしていることに気が付いておらず、傷付けてしまったことに罪悪感を感じている所を見て余計に愉しげに感じていた。

 

「黒猫の魔法使い!」

 

黒猫の魔法使いとAFOの戦いにオールマイトが辿り着く。

AFOにやられた影響で額や口元から血を流し、枝のように細い手足は不自然な方向に曲がっている箇所があった。ぼろ雑巾のようにズタボロになった状態でここまで走るのにはかなり苦労をしたのだろう。

 

「逃げるのにゃ!!」

 

「馬鹿を言うのではない!私だって戦うのさ!」

 

「本当に馬鹿だなオールマイトは...そんなボロボロの身体で一体何が出来ると言うのかい?」

 

危険だから逃げるように叫ぶウィズと最後まで戦う意思を示すオールマイト。そんなオールマイトを稀代のコメディアンに特別に相手して貰えた見物客のように大笑いをする。

意識が朦朧とし始め、額や鼻、口元から血を流して話しづらい最中、不敵に笑う黒猫の魔法使い。不敵に笑う黒猫の魔法使いにAFOは何か言おうとしていたが、AFOに無駄口を叩かれる前に黒猫の魔法使いは唱える。

 

『萌す劫初と劫末に英邁なる決断を』

 

「いかなる力にも屈さない!」

 

メデューサのように頭に紫色の蛇を生やし、濃青色の怪物と武器として金色の杖を持ち、頭に白い花飾りを着けたエメラルドグリーン色の長髪の少女が戦う姿が映し出される。

少女の力強い声と共に眩い光が発生してAFOと黒猫の魔法使いを包み込む。咄嗟に腕で目を覆うオールマイトだったが、強い衝撃によって吹き飛ばされてしまう。

 

「クッ...!!大丈夫か!?黒猫の魔法使い...!?」

 

砂ぼこりが晴れて見えるようになったオールマイトは驚く。

先程までボロボロで今にも死にそうだった黒猫の魔法使いが無傷で立っていたのだった。これにはオールマイトだけではなく、オールマイトとは違う場所に吹き飛ばされたAFOもかなり驚き、見間違えだと思って見入ってしまう。その隙を黒猫の魔法使いは見逃さなかった。

 

『終わりへ導くコイレンシュラーク』

 

「この一指しで、流れが決まる」

 

王冠を被り、左目に眼帯を着け、チェスを優雅に楽しんでいる男性の姿が浮かび上がる。

穏やかな男性の声と一緒に現れた闇色の光線は太く、荒らしく、AFO諸とも周囲のものを巻き込んで破壊する。闇色の光線で怯んでいる間にも続けて唱える。

 

『パワーとパワーのフルコース!』

 

「パワーとパワーのフルコース!」

 

「そこに入れ知恵を少々」

 

水中で魚と一緒に泳ぎ、巨大な目玉がついたピンク色の槍を持った、黄色いビキニを着たオレンジ色のショート髪の少女の姿が浮かび上がる。

 

回復魔法を受けてオールマイトがマッスルフォームの姿で立ち上がる。

万全ではないけれど、それなりに回復をしていて急いで黒猫の魔法使いの近くによる。

 

「大丈夫かい!?黒猫の魔法使い!先程まで怪我をしていたようだけど...」

 

「にゃは、だから危ないから離れてと言ったのにゃ」

 

オールマイトの心配を他所にウィズは片目をウィンクして笑う。敵だったAFOは勿論のこと、味方のオールマイトさえも知らなかった魔法。

ヒーローは基本的に不殺を貫いており、また、オールマイトとコンビを組んでいる期間が長かった為、超強力な大魔術を使う必要はなかった。脳無戦で高威力の攻撃魔法を使うこともあったが、最初から高威力ではなく、魔法を使う度に威力が上がっていくタイプだった。その為か、AFOは黒猫の魔法使いの魔法は最初から高威力の魔法は出せないと思い、呪文を唱えさせないように肉弾戦で追い詰めていた。

苛烈なAFOの攻撃によってカードを一部しか変えることが出来なくて不利だったから、痛め付けることが好きだと信じて形勢逆転の賭けに出ていたのだ。結果、発動が速く特定の条件で強くなる魔法を知らなかったAFOは吹き飛ばされ、強烈な攻撃と共に黒猫の魔法使いは全回復をする。黒猫の魔法使いはオールマイトの心配する声に答える間もなく、オールマイトを更に強化する。

 

『セイレーン・オブ・ギャラクシー』

 

長い緑色の髪の毛をツインテールにし、腰には機械のような物を着けており、露出が多い服を着た眠っているような少女の姿が浮かび上がる。

この少女の声は聞こえないのだな、とオールマイトが思っているとAFOに痛み付けられた傷が更に治り始め、身体の内側から力が溢れ出す。

 

「黒猫の魔法使いいぃぃ!!!

 

ただでさえ、追い詰めることが出来たと思った黒猫の魔法使いが全快しているだけでも我慢ならないのに、オールマイトも回復を始めていて感情的に、形振り構わず殴り掛かるAFO。戦場には似つかわしいのんびりした少女達の声が更にAFOの神経を逆撫でる。

感情な行動に多少驚いていた黒猫の魔法使いだったが、多少回復をしたオールマイトは、高速で黒猫の魔法使い前まで移動をしてAFOに拳を振りかざす。オールマイトとAFOの猛烈な争いが再開する。

 

黒猫の魔法使いによりパワーアップしたオールマイトの拳、怒りによって限界を超えたAFOの拳。互いにぶつかり合うだけで、常人では立っていられない風圧を生み出す。

黒猫の魔法使いは防御障壁を展開して風圧から逃れ、オールマイトの様子を見ながらサポートをする。黒猫の魔法使いとウィズがハラハラしながら見守った、因縁のオールマイトとAFOの戦いはそれ程長くは続かなかった。傷を治して貰ったと言えども、ダメージと疲労が残っているオールマイトと二度の大魔術を食らっているAFO。AFOがふらついた瞬間勝負が決まる。

 

「デトロイト......スマーーーーッシュ!!!!!」

 

オールマイトの拳がAFOの胴体に深く突き刺さり、遠くに吹き飛ばす。

吹き飛ばされたAFOを見て勝利を実感するが、




差別がない世界として黒猫側を理想としますが、黒猫とヒロアカは価値観が違うから似たような被害者でも考え方が違うので、黒猫側の考えを言うとヒロアカ側は傷付きやすいです。特にリフィルと荼毘。
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