「希楽 與家 の 恢輝譚(かいきたん)」   作:魔性/ALL

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いや、後編と書いてるんですけどね。終わらないんですハイ。次か次あたりになりますので、次の名前どうするか悩んでますハイ。

ちょっと早めに投稿できたのでお許しください、、

今回のOPはこちらから
https://youtu.be/tMKrECxEpq8

因みに、著作権問題に関わった場合すぐに消しますのでご安心ください。


黄金色の闇〜後編〜

 ___あれから一週間が経った。

 ルーミアとの会話はとても楽しくて、笑顔が良くて、自分は好きだった。何度も見れたわけじゃないが、それでも見せてくれた笑顔は最高だったんだ。

 

 けれどルーミアは自分に対してどう思っているんだろう。

 

 ルーミアがどう思ってくれてるかなんて、自分には分からない。他人の気持ちなんてわかる訳がない。自分は必要とされているのか。

 

 ___分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ___ある日帰り道で男を拾った。

 だけど、彼は自身の力では動けないようだ。誰かの救助が必要となる。

 

 .私が助けなきゃいけないのか? 

 

 彼を放っていれば、動けない状態ならすぐに命を落とすだろう。だが、もしそんなことが人里にバレれば私の命もない。今のわたしには助けることしか残された道はない。

 

 だけど.怖い(恐怖)

 

 先程からずっとある感情。そして、拭いきれない気持ち。出来ることならすぐにでも逃げ出したい。ああ、どうしてここまで私は神に虐められるんだ。

 

 悲しみに襲われる。助けても、栄養を与えても、姿を見られれば終わりなのだから。それなら、いっそのこと顔を見せて逃した方が楽なのかもしれない。

 

 もし願うことが許されるのならば、彼が心優しい人物である事だ。私にできるのはそれくらいなものでしかない。

 

 

 

 時が流れる。

 

 

 

 彼は意識を取り戻した。一瞬驚いた表情を見せていたようだが、すぐに普通に戻る。ただ、戻っても何か私を見て考え込んでいた。まだ彼に対して分からない事ばかりだ、私も聞くべきだろう。

 

「えっと.大丈夫?」

 

「あ、はい大丈夫ですよ」

 

「そう」

 

 彼は顔も、雰囲気も、人並みならぬ程良かった。寝ている姿だけでも、それが分かる程に。だからこそ、裏切られる恐怖がある。信用して裏切られるくらいなら、信用なんて最初からしたくない。

 

 男達が嫌い。それは間違ってはない。このまとわりつく不快感は傷や包帯だけではない別の物も混じっていることは分かる。

 

 ___どうすればいいのか

 

 

 

 

 

 

 

「私は、命の恩人である貴女に危害を加えたりなどしたりしません。その逆、お礼がしたいのです」

 

 

 

 

 .は? 

 

 今なんて_

 

 

 

 

「信じてもらえなくても大丈夫です。そこからで構いませんので、私と会話をして頂けませんか? ここがどこか私には分からないのです」

 

 ___驚きが隠せない。

 いきなり言葉を発した彼、その事に関しても驚きは勿論ある。だが雰囲気は確かに良い人なのも分かる。私にここまで優しくする人は居なかった。

 

 わざわざ少しこちらに近づき、手を伸ばす彼の笑顔はとても眩しい。無論信じてるわけではない。でも、恩返しをしてくれるというなら素直に受け取れば良い。期待は持つだけ損なのだから。

 

 私は頷く、彼の言葉に。

 

「えっと、初めまして。私は希楽 與家といいます。くみやと読み間違えるのですが、みくやと呼んでください」

 

「私は、ルーミアです」

 

「ルーミアさんですね。分かりました」

 

 彼はどうやら(みくや)と言うらしい。

 名前をどんな風に付けられたのか気にはなるけど、いまの私に聞く勇気はない。また聞ける時があれば聞いておくとしよう。

 

 

 

 あれからずっと会話をした。アクシデントもあったが彼のペースで私は普通に話すことができた。彼が語ったことは彼自身は幻想入りしてきた人だった。だからこの世界を知らない筈なのだが、外のゲームというものに私達が出ているらしく、知識は多少なりともあったようだ。

 

 なんとも不思議な話だが、私には彼が嘘を付いているようには見えなかった。本心で話しているんだろう。彼は私が微笑んだら一緒に笑ってくれて、私にはそれが嬉しかった

 

 .だけど。

 

 この世界はそんな甘いものではない。私以外に何人も何百人も私とそれ以上の酷い目にあっている人物はいる。

 

 牢屋に入れられ、殴られ、蹴られ、何もかもを奪っていく。そんな存在がこの世界には腐る程いる。そして、それを見逃し笑い者にする存在も.

 

 この世を楽園と誰かがいった。

 

 何が楽園だ。

 

 嘘っぱちだ。

 

 私はそれを

 

 ___絶対に許さない。

 

 ずっと考えていたことが彼の存在で暴発してしまう。耐えてきた憎しみを彼にぶつけようとする私を必死に止める。心を塞いでいた私と一緒に笑ってくれた人に、信用なんて関係ない。恩を仇で返したくない、それだけ。

 

 優しい彼には私は何もしたくない。だから一度落ち着こう。

 

 

 

 .

 

 

 

 考えを落ち着かせていると、時間がもう夜を回っていた。虫の声が聞こえる。蛍も見えているということはもう夏に入ったのだろう。時の流れがたまにわからなくなる時があるが。

 

 彼はずっと、蛍の光に目を向けている。外から来たと言っていた。もしかすると、蛍を見られなくて興味があるのだろう。

 

「蛍とか、興味がおありなんですか、?」

 

「あ、いや、外の世界だとこんな景色を見られる事が少なかったので新鮮で見惚れてました」

 

「そうなんですね」

 

 外でも見られない訳ではないようだ。私にとって普通の光景でも外の世界から来た彼にとってとても記憶に残るものなんだろう。何故だか私も嬉しくなる。

 

 .忘れていた。

 .男性に欠かせぬものが今の私には差し出せない。彼に私は何も出すことが出来ない。

 

 ___まずい。

 

 ___謝らならないと。

 

「ごはんとか、お風呂とか用意できなくてごめんなさい」

 

「いえいえ、大丈夫ですよ。助けて貰ってそこまで要求する程恩知らずではないです」

 

 __違う。

 

「でも」

 

「かと言って、着れる服これしかないですし。今日一日はこれで大丈夫です。ご飯も今あまりお腹は空いていないので」

 

 ___そうじゃないの。

 

「……」

 

 そうじゃないんだってば!! 

 

 ___何で? 私が悪いんじゃないの? 怒鳴らないの? 

 

 もう、私に暴力を振ることすらダメになっちゃった、? 

 

 抑えきれない、拭いきれない、存在否定の恐怖。自身が無くなり、自分が消える。そんな感覚。それは、もう私自身では抑えきれない程大きくなっていた。

 

 .プツン

 

 私の中で何かが切れた。

 

 ___いやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダいやだイヤダ

 

 ___何で。

 

 ___何で。

 

 ___優しく私に優しくするの。

 

 ___優しさなんて要らない。

 

 ___私を引き離してよ。

 

 

 心は落ち着かない。煩くて、ずっと悲しさを、叫んでいる。それなのに涙はもう出ない。

 

 やっぱり、枯れてしまっていたんだ。

 

 私の心は遠い昔に枯れていた。いや、諦めていたんだ。どうにもならない、仕方のない事なんだって。だけど、彼は会ってからずっと、こちらの顔を見てくれた。醜い私の笑顔を見て、一緒に笑ってくれた。

 

 だから怖いんだ。

 

 失いたくないんだ。

 

 でも、もう心に余裕なんてない。

 

 諦めるしかないのか。

 

「何で、私を殴らないの」

 

 私は掠れた声で絞り出した声で、そう伝えてた。どうしてか、助けを求める筈のものが、逆に突き放してしまった。

 

 ……私が求めたものなのかもしれないというのに。

 

 彼は、言葉を聞いて驚いた様子を示していた。驚きの表情の中に何故か、一瞬、彼に憎しみが生まれていたのが分かってしまう。

 

 彼は考えている。だけど、直ぐに私の目を見て答えを出した。

 

「 殴ってどうにかなるんですか?」

 

 私には、彼の言った言葉には直ぐに理解が追い付かなかった。いや、本当なら分かった筈だったのだろう。彼を見ていれば分かっていた筈なのだから。

 

 だけど、私はそれを信じきれていなかったんだ。そして今も、裏切られる事に恐怖している私がいる。

 

 また、心が落ち着かない。

 

「私を殴ってよ……叩いてよ!」

 

 だけど彼は表情を変えず。

 

「殴る必要も叩く必要もありません」

 

 そう、言った。

 

「なんで……なんで! なんで!!」

 

 分からない。いや、分かっている。そんな考えが、頭の中を巡る。私は、結局どっちなんだ。

 

 もう、抑えきれていない。自身の言葉も感情も制御出来ていない。分かるのは、おかしいと思う私だけ。

 

「だって、私は……醜い……」

 

「……」

 

「何をしても、嫌がられる……」

 

「怖い……怖いよ……」

 

「私はなんにもしていないのに.ただ助けていただけなのに! 」

 

 彼は黙って聞いていた。まるで、子供をあやすような目でこちらを見ている。だけど、私にはそれが、不愉快とは感じなかった。

 

 話してしまった私には、後のことを考えている時間も余裕もない。考えている彼の返事を、待つことしかできない。情けなくて、苦しくて、涙が出てこない自分を悔やんだ。

 

 そして彼は言葉を発した。

 

「ルーミアさん」

 

「……」

 

「何度も何度も私は助けられていると、伝えました。ルーミアさんが居なかったら私は死んでいたかも知れません。そして、あの時の私には少し意識があったんです。だから、怖がっていても私を助けてくれたルーミアさんの声が聞こえていたんですよ? なのに、何故。

 

 

 貴女を殴らなければならないのですか?」

 

 

「私は、必要ないと思います。だって、助けたくれた人に恩を仇で返したくないからです」

 

「貴女は殴られて、冷静を保っていたんでしょう? だから、男である私に殴られないことが不安で不安で仕方なかった。違いますか?」

 

 限りなく当てられた私の心。彼は私の気持ちや考えを見据えていたのだろう。

 

 それでも。

 

「でも……でも!」

 

「でもじゃないんですよ。何でわざわざこんな可愛い子で女の子を殴らなきゃいけないんですか、私は頼まれても絶対にぜーったいに嫌です」

 

 ___貴方は

 

「私はどうしたらいいの……」

 

「笑えるようになればいいって、思いますよ」

 

「そんなの無理……」

 

「何故ですか?」

 

「男の人は、私を嫌がるから」

 

「え? それでなんで笑えないんです?」

 

「人里には男や認められた女の人以外は入れない、男の人が人里の権限を全て持っているから私や、私の友達は入れない。入れないから何も買えない、生きていくためにもなんにもできない……そして、たまに外に出てきた人達が私達を殴ったり、蹴ったりしてストレスを解消しにくるの.それが怖くてたまらない……だから、笑うなんて無理……感情なんて無くなってしまえばいいって」

 

 ___何故私の言葉を聞いても。

 

「だからそんな事を考えてるから笑うのも、嬉しいって思うのも無理だと?」

 

「うん……」

 

「__なら。私が貴女をルーミアさんを元気付けます」

 

「……え、いきなり何を言って」

 

「だって、嫌なんですよね? 笑えないのも楽しめないのも」

 

「……」

 

「沈黙は了承ととります。だから、貴女が男が怖いというのなら私が支えてあげたいんです。恩返しと思っていただければ」

 

「だからって」

 

「必ず貴女を元の性格に戻してみせます。だから、初めて会ったばかりですけど、どうか私を信じてもらえませんか?」

 

「ちょっと……ちょっとまってよ」

 

 ___手を伸ばそうとするの? 

 

 彼は私を慰めるようにして、話を聴いてくれた。嘘をついたが、私を傷つけないようにするという理由が彼自身の想いを通して伝わってきたのが分かった。

 

 そして、私の笑った姿を見るという理由で、私にペースを合わせてくれたのだろうか。彼の後ろ姿は喜んでいるように思えた。

 

 私の気持ちは整理できているわけではない。だからといって、彼を心底疑っているわけでもない。ただ彼のペースに巻き込まれると、色々考えていたことが全部梅雨のように消えていく。

 

 ああ、もうなんだか落ち着かない。

 

 彼は不思議で優しい。最初に得た気持ちとは、話してみると違ってていたりするものだと理解する。

 

 ならば、私の出来ることとは一体なんなのだろう。今まで考えてきたものは一体何だったんだ。このまま彼を疑い続け、彼に迷惑をかけ続けるのか。

 

 

 ___それは、いやだ。

 

 

 私にできること。それは、手を差し出してくれた人の手を取ること。合っているかどうかではなく、私自身が納得できること。

 

 話そう。彼に

 

 これまでを

 

 ___私を変える一歩を手に入れるために

 

「.じゃあ、弱いと思う私がどんなことをしてきたのか、どんなことがあったのか話しても大丈夫かな」

 

「私もルーミアさんからできれば話を聞きたかったので。話していただけるなら嬉しいです」

 

「ルーミア」

 

「え、?」

 

「ルーミアって呼んでくれたらって。あんまりさん付けは慣れていなくて」

 

「わかった。ルーミア」

 

「言いたかったこと伝わったみたいで良かった」

 

「いや、まぁなんとなくわかったから。じゃあ、お話きいてるね」

 

「うん」

 

 私は彼に言葉をかける。

 誰かを信じきれない私が、誰かを信じようとする意思を持って。

 

 私は宵闇(私自身)を覆す。

 

 




まさかのまさか。絵を追加いたします。

【挿絵表示】


今回に関しては、ルーミアを基本としているものだけですので、見方によれば一話と変わらないのはお許しくださいませ、、

次かその次に求めているものを書いていきたいと思っております。

今回のEDはこちらから
https://youtu.be/482Gou1G2X4
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