戦国自衛隊 小田原の戦い   作:佐藤練也

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第26話

小田原城の弁財天曲輪において実施される村田の教育がスタートしてからというもの、2人の少年はきたる合戦に備えその練度を確実に向上させていた。

 

 

「これから今まで2人に教えたことを、全てやってもらう...。全力でな。」

 

「「はいっ!」」

 

 

村田の言葉に、力強く頷き返事を返す六助と小五郎。前まで持つのもおぼつかなかった89式小銃。それを今ではしっかりとローレディの姿勢で保持し、腰回りもしっかり弾のうなど装具で固めている。今六助と小五郎の前には豊臣の武士に見たてた急拵えで作ったE的(敵の立姿を想定した的)が、城壁に沿って立てられている。頭には赤い丸印、胴には黒い丸印が刻印され見えやすくはなっているようだ。

 

 

「準備いいか?いくぞ?...射手、安全装置、30発弾込め!!」

 

 

村田の号令に正面の的に銃口を向けながら薬室オープンにしてマガジンを手に取り89へ装填する、今では普通に難なくこなせる程に熟達している。

 

 

「射手目標前方、敵散兵!射距離200!単発、射撃用意!」

 

89式のフロントにある上下転輪を回して照門を出し、照星に被せて頬付けをしっかりする。

 

 

 

「...各個に撃て!!」

 

 

 

乾いた射撃音が弁財天曲輪に響く中、立ち撃ちの姿勢を落ち着いてこなす2人の少年。撃ち方待ての号令で据銃を解き、ローレディに戻る。続き射撃号令が出ると、2人は足並みを揃えてゆっくり前へ進みながら単発射撃でE的へ鉛玉を浴びせる。

 

 

「六助、弾倉交換、小五郎はその場で中間姿勢、撃ち続けろ。」

 

 

「はいっ!」

 

 

 

緊張感に包まれる中、正確な動作をこなす2人は視界の端に必ず互いを入れるようにしている。....六助が弾倉交換を済ませると、不意に近くの松の木から新たなE的が瞬間に現れた。すかさず習ったばかりのコスタ撃ちを決め、見事E的にダブルタップを見舞った。

 

 

 

「やった...!」

 

 

「よく反応出来たな、六助。あのE的を持った助手もさぞ驚いてるだろ。」

 

「へっ?」

 

 

松の木陰よりE的を出したのは、良太だった。ワンチャン腕を撃たれると覚悟はしていたが六助と小五郎の射撃の腕なら問題なく、信用できると今はその気持ちである。そこへ忍びの特訓を積んだ、富士丸と進も合流してきた。

 

 

 

「順調に、いってるみたいだな。まあ、忍びには鉄砲は不要だから俺はやんないけど...。」

 

「ならせめて俺もサプレッサーを付けた銃の射撃訓練もやらせてくれないか、腕なまらしたくない。」

 

 

「あの鉄砲は動く時にがちゃがちゃとなっていけねえ。よって忍び向きじゃないから、当分はクナイや鎖鎌に慣れてもらうぜ?まっ、別に使っても構わない。」

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