ぐだおが女性サーヴァントに耳かき奉仕してもらう話。   作:多奈川

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マシュに綿棒で優しく耳かきマッサージしてもらう話。

沖田さんの膝枕耳かきから三日後。

僕こと、藤丸立花はあてもなくふらふらとカルデア内を彷徨っていた。

あの出来事があってからというもの、僕は耳かきの快感が忘れないでいた。だが、自分で耳かきをしてもやはりどこか違う。誰かに自身の身を委ね、垢を丹念に掃除してもらうという行為……。人に奉仕されるという喜びに僕は飢えていた。あと、若干匂いフェチになっていた。

 

「はぁ……、とは言ったものの、人に耳かきを頼むとなると恥ずかしいんだよなぁ……」

 

この前は沖田さんが耳かきをしてくれるというからそれに乗っかる形でお願いできたけど、いい年して他人に耳かきをしてもらうなんて何だか甘えているようで中々踏み出すことが出来ない。とはいっても、耳かきしてもらたい欲は高まる一方。どうしたものか……。

 

「先輩、どうかしましたか? 何だか浮かない様子ですが」

「あ、マシュ……」

 

たまたま出会った後輩系美少女のマシュが心配そうに尋ねてくる。目隠れ女子っていいよね。

 

「最近はレイシフトも多く大変でしたし、もしやどこか体調を崩されているとか……? それはいけません! 私も付き添いますから早くメディカルルームへ行きましょうっ!!」

「ちょ、マシュ? あーっ! 困りますっ! マシュッ! あーっ!」

 

有無を言わさぬマシュに、漫画ならドヒューンッという擬音がつくであるとう勢いでメディカルルームへ担ぎ込まれる僕であった。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

「すいませんでした! 私が早とちりしたばかりに先輩にご迷惑をおかけしてしまいました……」

 

落ち着いたところで事情を説明すると、マシュは申し訳なさそうにしょんぼりとした様子で謝ってきた。若干涙目になっている。……可愛い、好きだ。二人で幸せな家庭を築きたい。

 

「ううん、僕のことを心配してくれての行動だったんでしょ? むしろ有り難いというか、そこまで想ってもらえて先輩冥利につきるというか……。ありがとうね、マシュ」

「せ、先輩……」

 

肌を紅潮させたマシュが僕を見つめてくる。なんだかいい雰囲気になっていないこれ?

メディカルルームはスタッフ不在で、現在、僕とマシュの二人きりの状態だ。……うっ、そのことを意識すると急にドキドキしてきてしまった。

 

「せ、先輩! あのですね! わ、私……!!」

「ひゃっ、ひゃい!」

 

マシュの勢いに思わず素っ頓狂な声が出てしまった。

 

「よければ、私に、先輩のお耳のお掃除をさせてもらえないでしょうかっ!?」

 

一瞬マジで告白されるかと思ったのは内緒だ。

 

「えっ、マシュが僕に耳かきを?」

「は、はい! 頼れる後輩系サーヴァントナンバーワンを自負している、このマシュ・キリエライトが先輩のお耳を綺麗にするのは当然の責務かと! この前読んだ書物にも、耳かきは親しい男女が必ず行う通過儀礼のようなものとありました!」

「うーん、その情報は正しいような正しくないような……。というより、そもそもマシュは耳かきの経験があるの?」

 

このカルデアに耳かきのための道具が販売されるようになったのはつい先日のことだ。カルデアで生まれ育ったマシュが耳かきの経験があるとは思えないが……。耳かきの経験がない人に自分の耳を託すのは例えマシュであっても少しこわい。

 

「いえ、知識はありますが、まだ実践経験はありません。正直なところ、今の私が耳かき棒を使っても、先輩を気持ちよくさせてあげるどころか、怪我させてしまう可能性だってあります……。なので、今回は耳かき初心者の私でも扱えるこの道具を使ってお掃除したいと思います!」

 

そう言うとマシュは、メディカルルーム内の棚に置かれていたプラスチック容器を手に取り、それの中身を取り出す。

 

「そ、それは……」

 

それは、紙で出来た棒の先端に脱脂綿を蒔き付け丸めたもの。医療用品やメイク用品としても使われることがある道具だ。

 

「はい、綿棒です!」

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

「では、先輩、私のお膝にごろんとしてくださいね」

 

メディカルルームに設置されたベッドに腰掛けたマシュに促され、僕は彼女の膝枕へと頭を乗せた。彼女の履いているタイツのざらざらという感触が沖田さんのそれとは違い新鮮な感じがする。

 

「さて、お耳の中は……。さすが先輩、ほとんど汚れがありません。日頃からお耳の中も清潔にされているのですね!」

「そ、そうかな……」

 

ちなみに、さっき話した事情の中には沖田さんに耳かきしてもらったという話はぼかして伝えている。だって、二人きりのときに他の女性サーヴァントの話をするとマシュの目がこわいんだもん……。

 

「それじゃ、綿棒を外耳道に入れて細かい汚れを取っていきますね」

 

さりさり……と耳の産毛をかき分けて綿棒が耳の内部へ侵入してくる。耳かき棒とは違い、耳の壁を面で優しく刺激できるのは綿棒の特徴だ。入れるだけでも気持ちいい。

綿棒を上下に動かすとしゃりしゃりと、細かい耳垢の粒が綿棒の先端に絡み取られる音がする。

しゅりしゅり……。しゅくっ。そり……すっ……。しょりしょり……。

何度か綿棒を上下に往復させ、しゅくっと綿棒が一旦取り出される。一分にも満たない時間だったので、正直もっとして欲しい。

 

「はい、これで細かい汚れを取ることはできました。次に汚れていない方の先端で、お耳を優しくマッサージしていきますね」

 

僕の物足りなさを感じてか、マシュが綿棒でマッサージを開始してくれる。さすが頼れて気遣いのできる後輩系女子だ。

さりさり……。しゅくっ……。さわっ。しゅくっ……。すぅっ……。

綿棒の腹で優しく何度も耳の壁をなぞってくれる。あー、気持ちいい。これ好きだ。

 

「次に綿棒を回転させて、全体をマッサージしていきますね」

 

綿棒を親指と人差し指でつまむように持ち替え、くりくりっと綿棒をゆっくり回転させる。耳の中全体を連続でなぞっていく刺激に思わず声が漏れてしまうほどだ。

くるっくるっ……。さり……。くるっ……しょり……。しゅりしゅり……。

 

「くすっ、先輩可愛い……。このくるくる、気に入りましたか? そろそろ、反対のお耳にいきましょう。気持ちよくてもあまり連続でやり過ぎると傷ができてしまうそうですから」

 

もっと続けて欲しかったがまだ反対側の耳が残っていると思い、素直に頭の向きを変える。

 

「では、汚れてしまった綿棒を取り替えて、と。まずはこちらもお掃除からいきますね」

 

さりさり……と、先ほどと動揺に産毛をかき分け綿棒が入ってくる。

しゅり……。しゃりしゃり……。すぅ……。しゃりしゃり……。

やっていることは同じなのだが、右耳と左耳で感じ方が違うのか、気持ちよさも先ほどのものとはやや違うものになっている。

しゃり……。しゅりしゅり……。しゃりっ……。

掃除が終わると綿棒が一度抜かれ、マッサージのための耳かきが始まる。

さりさり……。しゅりっ。しゅっ……。さくっ……。しゅくっ……。すっ……。

 

「先輩の好きなくるくる、いきますね」

「ん、あふぅ……」

 

ぞわわっと快感に全身が襲われ、声と共につま先がぴくぴくっと反応してしまう。

くるっ……。そわわっ……。しゅり……。くる……くる……。しゅりり……。

数分ほどして耳のマッサージが終わり、綿棒が引き抜かれる。

 

「どうでしたか、先輩? 私、ちゃんと先輩のことを気持ちよくできたでしょうか?」

「う、うん。すごい良かったよ。初めて耳かきしたとは思えないくらい上手だったよ」

 

素直にそう述べると、マシュはぱぁっと表情を明るくした。彼女がもし犬ならしっぽをぶんぶん振り回しているのが見えるのだろう。

 

「あの、先輩。もしこれからお耳が痒くなったり、耳かきをして欲しくなったらすぐに私を呼んでくださいね? 耳かきのできる後輩系サーヴァントのこのマシュ・キリエライトに、先輩のお耳の管理は任せてください!」

「う、うん。頼もしいよ。これからもよろしくね」

 

この後、マシュが独学でどんどん耳かきや耳マッサージの技術を身につけ、あまりの気持ちよさに僕がアヘアヘ言わされるのは、もう少し先の出来事だ――。

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