MCUに磁界王として転生してしまったんだけど?   作:くろむす

1 / 5
作者は映画版しかそれぞれの設定、話を知らないため、コミック版とは切り離して見て頂けると~と思います。

ここまでがプロローグになります。
主人公の一人称もここまで(予定)


そんな俺のプロローグ

 

 

 

……俺がまだ生きていた頃、好きだった映画にX-MENシリーズというものがあった。

旧三部作と呼ばれる2000年台を舞台にした物語の後、その中に出てきたX-MENと敵対組織ブラザーフッド。それぞれの組織のトップ、プロフェッサーXとマグニートーの若かりし頃をメインとした、新三部作が始まり派生作も入れればかなり長く続いたシリーズである。

特にファスジェネという4作品目でどっぷりエリック・レーンシャーという男にハマった俺はその後もシリーズの新作が出るたびに劇場に足を運び新しい物語を堪能したものだ。

 

磁界王…エリック・レーンシャーについてだが、彼は実に数奇な運命を持った男と言える。

類まれなミュータントとしての能力についてもそうだが、愛する人が次々と失われるにもかかわらず彼は人を愛さずにはいられないし、同時に一定の人々に愛され、崇拝されるある種カリスマを備えた人物だ。

 

と、言えばあたかも薄幸のヒーロー、あるいは影のあるスーパーマンのように聞こえるが、実際はメンタルクソ弱な上にその場の勢いとノリで生きている新幹線のような男であると俺はそう思う。

だが、しかし特に飾らず生きているだけで、ブラザーフッドなどの仲間たち…ミュータントを惹きつけ、妻と子供を得るように、本人に幸せになろうという気持ちさえあったなら、きっと幸せに生きることが出来た男なのだろう。

エリック・レーンシャーが辛い幼少期を過ごし、迫害された過去さえなければ、幸せになる未来だけを考えて生きていけたはずなのだ。

幸せになれる能力も、容姿も、力もあったはずなのにそうはならなかった。

辛い過去が、彼から消えない憎しみが彼をいつも戦いに駆り立て、結果彼から幸せはいつも最悪の形でこぼれ落ちていく。

きっと完璧な男だったなら俺はそこまで彼にハマらなかったし、興味も持たなかっただろう。

だが、たぶん……

完璧じゃない男だったから俺は追いかけてしまったのだ。

そんな男が最後に幸せになる様を見たくて。

 

これは、そんなある種の推しキャラとしてマーベル・シネマティック・ユニバースに転生してしまった、平凡な男が幸せになる為に精一杯戦う物語であ…る…

…いや、なんでMCU?X-MENの世界じゃねぇの?

 

俺、X-MEN派だったからMCUなんてスパイダーマン(昔の)しかしらねぇんだけど!?

 

 

 

 

--------------------------

 

 

 

そもそも、どうしてこうなったのか…順を追って説明すると、特にまぁ皆さん興味もない平凡な大学生の日常のアレソレから延々と聞かなくてはいけなくなるので、そこは割愛したい。

平凡な家庭に生まれ、両親から愛され、兄弟と喧嘩して一人っ子だったらなぁと思いながら、幸せに暮らしていた大学4年生の男が、就活中に突然姿を消した。

きっと元の世界ではそんなことになっているのだろうと思う…めちゃくちゃ両親に申し訳ないし、きっと兄や妹だって泣いているに違いない。

兄貴とは仲が悪かったが、きっとお互い嫌ってはいなかったし、妹なんて最近大学受験やらなにやらで、大学のOBになるであろう俺によく電話をよこしていたのだ。

 

俺も普通に就職して、これから彼女も出来て、両親のように平凡だが幸せな家庭を築いていくんだろうと信じて疑っていなかった。

両親もそうだろう。俺はけして何も言わず失踪するような子供ではなかったし、事件か何かだと思って心配しているに違い。犯人(居ないのだが)のことや俺が何をされたのかなど考えて眠れない夜を過ごしているのかもしれない。

 

しかし現在、俺に何ができるかというと何も出来ないし本当に俺の前に生きていた世界があったのかもわからない。

今の俺…エリック・レーンシャーが見ていた夢なのかもしれない。

両親に愛され、兄弟と平和な時代に生きる、ただの平凡な青年。

エリックの理想がつまった、そうだったらよかったのに…という夢の世界の話だ。

 

現在の俺はというと、肉体労働に励んでいたりする。

日雇いの仕事をしながら、俺を捨てた嫁ともう生まれたであろう顔も見たことがない我が子達を探して世界を放浪する、ちょっとばかり強いミュータントのイケメンパパ(仮)だ。

マイナス方面の属性盛り過ぎというのはわかる。

わかるが、実際今の俺はそんなちょっと大変なパパ希望の独身男性だったりする。

 

 

 

 

 

X-MENの世界と違ってMCUに転生したエリック…俺は時代が違ったせいか、特にショウのようなおっかないおっさんに実験動物にされてもいなければ、母親がホロコーストで殺されたこともない。

第二次世界大戦後の世界に生まれ、父親は病気で早逝したが母親に愛されて育った。

ただしその母親も俺が少年から青年になる前に、やはり病気で亡くなった。

女手一つで俺を育てていた母は過労もあって、流行病にかかり坂道を転がるように状態は悪化。

体調が悪いのか?と俺が気づいた翌々日には息を引き取っていた。

母親が大好きで、ママっ子だった俺はその時、ミュータントの能力を開花させ、前の世界の記憶を思い出したのだ。

本物のエリックのような映画かドラマのような過去がなくて申し訳ないが、それでも平凡と幸せしかしらなかった日本人青年の記憶が甦った俺は大いに自分の境遇に絶望した。

住む家にも困り、母も苦労をかけて恩も返せないまま死なせてしまい、行くあても、働くあてもない。

そんなまだ青年になりきれていない十代の子供が生きていくのは大変なことだった。

だが…前の世界の両親、今の世界の母、X-MENのエリック・レーンシャーの過去…未来…全てひっくるめてどう考えても俺は幸せにならなければいけない。

 

そう…義務だ、俺は幸せにならなければならない。

強くそう思い込んだ俺は、全力でミュータントの力を制御しつつ、生きて、幸せになるためにイケメンミュータント・エリックとして歩きだした…!

 

 

それからの俺はミュータントとしての力を「俺は最強のミュータント」「俺は磁界王」と自己暗示にも似たイメトレ、あとは甦った記憶にあったファスジェネのチャールズが言った通りに練習した結果うまーい具合に制御できるようになったので、いい感じに隠しつつ、日々地道に生きてきた。

学校にも日本で言う中学生か…?それくらいの年齢以降は教育も受けていないので、肉体労働が基本だ。

まぁ金属、言ってしまえば磁気を操れるので金属のある現場であればちょいちょいと能力で楽できるので、そこまで大変じゃなかったりする。

金も貯めて、家も手に入れ(賃貸だが)、恋人も出来てあらら子供出来ました!ありがとう彼女!いや嫁!

と、幸せカウントダウンが始まっていたのだが、MCUの世界を理解できていなかった俺は、ミュータントという自分がどういう存在なのかに気づいていなかった…

 

 

俺がミュータント…異能を持っていると知った彼女が、腹に子供がいる状態で失踪したのだ…

うそだろ…?え、どうして?俺なにかした…?

というのも、この世界ミュータントという存在が居ないのだ。

俺も俺以外にあったことはなかったが、それは探してないだけできっと世界のどこかには仲間がいるのだろうと思っていた。

しかしそもそもミュータントが存在せず、ミュータントという概念がない世界で、俺がどういう受け入れ方をされるのか…まぁ化物ですよね。

ミュータントという概念がある世界ですらミュータントは受け入れがたい存在だった。

なにかの漫画でも言っていたが、隣人がいつでも自分たちを殺せるなんて恐怖でしかない。

彼女もそうだったのだろう。

愛する彼氏…もうすぐ夫だったわけだが、が、自分も子供も手を触れずに一瞬で肉塊に変えることができる力を持っているなんて、特に子供を孕んだ女性には恐怖でしかなかったのかもしれない。

だから彼女は俺の元を去っていった。

 

 

そう妻と子に去られた、というか捨てられた男が俺だ…

追わない方がいい、彼女を追い詰めるだけだと思って一度は身を引いた。

抜け殻のようになりながらも、数年してなんとか立ち直り、新しい生活をするためにヨーロッパからアメリカへと渡った。

…だが、そこで俺は思い出したのだ…彼女が妊娠していたのが双子で、その男の子にはピーターという名を付けようと話していたのだと。

ピーター…分かる人はココらへんでああ~と思ったこどだろう。

そう、ピーター。ちなみに彼女の性はマキシモフだ。

わかる人、手をあげてー。そうピーター・マキシモフ。生まれる子はクイックシルバーだよねー知ってたー!

まずい…非常にまずい。子供がミュータントの力を持っているのは確実だよこれ。

しかもミュータントって確かX-MENの設定がこの世界にも適用されるのなら、父親の遺伝子が重要なので、きっと力の強いミュータントが生まれることだろう。

彼女のためにもなんとか探し出さなくては…大変なことが起こる…

子供たちも心配だが、生まれた子供がミュータントだと知った彼女も心配なのだ。

双子のもうひとりは確か彼女がワンダと名付けようとしていたように記憶しているので、ピーターとワンダという名前を手がかりに、俺の家族を探す旅が始まった。

 

その後また数年してなんとか彼女と子供たちがソコヴィアという街にいる…という情報を掴んだものの、俺がたどりついた時には街は爆撃され、瓦礫の山と破壊された街並みに難民となった人々が避難所にあふれる状況だった。

子供たちは無事なのか?彼女はどうなったのか…?

結局その街で俺の家族の足跡は途切れ、また俺は独りで世界に取り残された。

 

エリック・レーンシャーの呪いなのかこれは、母の時もそうだが、言っていいだろうか。

幸運があまりにも低い…!

どういうことだ!?家族に捨てられ数年、ようやく会えると思ったら内戦!?

子供たちの安否はわからず、彼女の姿も見当たらない。

死んだと思いたくないが、死んでいたとしても不思議ではない状況だ。

彼女と子供たちの死を確信していない理由は、ひとえに子供たちのミュータントである可能性にすがっているからにすぎない。

子供のうち一人は確実にクイックシルバーであるピーターだ。

X-MENのピーターも子供の頃より能力に目覚めていたらしいし、こちらのピーターも無事生まれていたなら10歳。ミュータントの能力を使えるようになっていても不思議ではない。

 

だから俺は探し続ける。

彼女と子供たち…俺の家族の無事を信じて。

ここまでが今の俺、MCUに存在するエリック・レーンシャーである。

そんな幸運Eの俺が、久々にアメリカの地を踏んだのが、数時間前。

そのままニューヨークに立ち寄った俺だが、空を見上げて思わず顎を落とした。

 

 

空に穴がぽっかりあいて、なにかでっかい機械がわんさか出てきているんだが…?

 

 

 

 

 

 

 




主人公はX-MENしか映画を見たことがないので、アベンジャーズを始めとしたMCUの方は知りません。
昔のスパイダーマンを見たことがある程度です。
次回からアベンジャーズ1はじまりたーーい

X-MENのダークフェニックス最高でした。
マイティ・ソーのラグナロクも好きすぎて何度もDVDをみては、家族からまた見てるの?って言われます。

クイックシルバーですが、X-MENのピーターかMCUのピエトロかどちらがいいでしょう…

  • X-MENのピーター
  • MCUのピエトロ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。