MCUに磁界王として転生してしまったんだけど? 作:くろむす
ざっくり仕様を修正しました。
クソ眠いときに気持ちの赴くまま書きなぐった結果があれです(白目)
たまにそんな時もあると思うけどその後ちょこちょこっと修正していると思います。
アベンジャーズ1は途中参戦ということで、最後の顔合わせが本番です。
まだアベンジャーズじゃないエリックは、いきなりニューヨーク決戦に巻き込まれてちょこっと火の粉を払うついでに手を貸す程度の位置取り。
チタウリ達の兵器、リヴァイアサンの姿を見て唖然とした様子のエリックに対し、ホークアイ…バートンは振り向きもしないまま放った矢で接近していたチタウリを射落とす。
造作もないただの作業である。気負いもない自然体ではなった矢は吸い込まれるように次々とチタウリの脳天に吸い込まれていった。
エリックもまた、険しい表情のまま近くのチタウリを飛行馬車ごと、瓦礫の中の金属を丸めて作った鉄球を操り薙ぎ払う。
いちいち近くの
エリックを軸に、軌道を回る惑星のごとく時間差で自在に動き回る鉄球に、不用意に近づいたチタウリの肉体は破壊され、あるいは跳ね飛ばされていく。
エリックは手振り一つで自分の元に戻ったこぶし大の鉄球三つを、体の周囲に遊ばせたままバートンに向き直った。
「あのデカブツをどうにかした方がいいんだろうな?」
「ああ、できるものならお願いしたいね。話はそれからでどうだ?」
可能ならラッキー、出来なくても別にアベンジャーズの損害にはならない。バートンのそれは気軽な返答だ。
エリックもそれは承知しているのだろう。微かに笑って頷くと、金属を操る男はリヴァイアサンの泳ぐ方向へと身を翻し飛び去っていく。
その姿を見送ってバートンもまた周囲のチタウリを迎撃する為、次の矢をつがえた。
数日のうちに身に起こったことや、アスガルドからの神を監視していた時のことを考えれば、今新しいヒーローが突然登場したところで驚くようなことはない。
チタウリの飛行馬車達をぞろぞろ引き連れて接近してきたアイアンマンを援護する方が今は優先事項なのだ。
これしきでピンチになるような軟な男ではないが、それでも追いかけられるアイアンマンに手を貸すのが事態収拾への近道だろう。
「スターク、ケツにぞろぞろついて来てるぞ?」
ーーーと、弓矢の男には言ったものの…あの魚は機械じゃないのか?
エリックが自身の能力で完全にリヴァイアサンをとめるのは難しいことに気づきチタウリの数を減らしながら、どうしたものかと頭を悩ませる。
外殻の金属は使えるが、それで押しつぶそうにも本体の質量がありすぎてすんなりプチっと潰れてくれそうにない。
それもそのはず、リヴァイアサンは宇宙生物であり、その体を装甲で覆っているものの巨体の大半は
バートン相手に大きなことを言ったはいいが「機械の魚だったらすぐ潰して終わりだな」と楽観視していたエリックは、思ったより手がかかりそうな敵にどうしたものかと、うなっていた。
(いや、そうか。やりようはあるな。周りを見渡せばたくさんあるじゃないか。俺の力になってくれそうなモノが)
閃いたとばかりに顔を輝かせたエリックが、周りを飛び回るチタウリを乗っている飛行馬車ごと適当に衝突させたり落としたり、ビルにぶつけたりと掃除しながら目当てのリヴァイアサンの方に近づいていく。
相手も動いている上にエリックの磁力を利用した飛行速度はそこまで速くないため、なかなか距離が縮まらないが、それでも最短距離を移動することで詰めていく。
(もう少し近くで魚が地面に近づいた時を見計らって……)
「!?」
リヴァイアサンがふいに進行方向を変えた。変えたというか変えさせられたといったほうが正しいのだろうか。
エリックが目を凝らすと緑色の巨人がリヴァイサンの口付近にへばりついているのが見える。恐らくアレがリヴァイアサンを攻撃しているのだろう。
ビルの窓をかすりながら地面に向けて少しずつリヴァイアサンの巨体が下がっている。
「今だな…」
となれば、今がエリックとって絶好の好機。一番簡単な方法で仕留めるため、エリックは力の矛先を目当ての金属たちに合わせて軽く手招きする。
ニューヨークの摩天楼。その天辺からさらに天へ伸びる数多の避雷針がエリックの呼ぶ声に応えるように震え、次々とも持ち上がっていく。
今のエリックの能力レベルでいえば、ファースト・ジェネレーションのラスト…チャールズとの特訓を終えて能力を自在に使えるようになってきたエリックと同レベル程度だ。
まだスタジアムをまるごと運んでいた、フューチャーアンドパストの時代の彼には劣るものの、潜水艦程度なら持ち上げる事ができるし、飛んでくるミサイルだって意のままに操ることができる。
そのエリックであればニューヨーク中の避雷針をかき集めるくらいはお手の物だ。
準備は万全、あとはリヴァイアサンを仕留めるのみ。
エリックはリヴァイアサンの頭部、体…虫にピンを打つように、照準を定めるとその矛を振り下ろした。
ソーがワームホールより出現したリヴァイアサンを雷で
そのうちの一匹がビルに突っ込もうとしたところにハルクが組付き、どうにかビルに衝突する軌道からそらすことができたが、組み付くので精一杯だった。
リヴァイアサンの方向を変えたもののハルクだけで、リヴァイアサンを殺すのは簡単なことではない。増援が来るか、一人で殺し切るか、どちらにしても時間はかかるに違いなかった。
リヴァイアサンの上に陣取ったハルクが、襲いかかるチタウリを返り討ちにする。しかしそのせいでリヴァイアサン本体には手が回っていない。
ソーがその様を見て自分も至近距離から雷を叩き込むべく、リヴァイアサンに飛び乗ろうとした時。リヴァイアサンの頭に空から飛来した槍が突き刺さった。
「何だアレは!」
いや、槍ではない。アベンジャーズでも地球人のメンバーが見ればわかるだろうが、ビルに設置されている避雷針がものすごい勢いでリヴァイアサンの頭を穿ったのだ。
それだけで終わらない。次々とリヴァイアサンの体を空から落ちてくる避雷針が突き刺していく。
「どこから…」
しかしチャンスには違いない。ソーは勢いよく飛び上がりリヴァイアサンの背中に着地すると、とどめとばかりに雷を叩き込む。
それが決定打になったのかリヴァイアサンはゆっくりと降下し、駅に突っ込んだところで機能を停止させた。
土煙が立ち込める中、リヴァイアサンから降りたハルクとソーが後ろを振り返れば、宙に浮かんでいる男が一人。
「お前は誰だ?先程の槍はお前の仕業か…?」
「槍…?槍か、あの魚を突いた避雷針の事ならそうだな。援護射撃程度には役立ったか?」
「ヒライシンというのか。槍の援護は助かったが…いや今はそれどころではない」
敵を倒さねば。そう言い戦場に戻ろうとするソーがハルクの胸を叩いて促すと、容赦なくハルクにぶっ飛ばされた。調子に乗るなということだろうか。
これは自分も危ないと、エリックが横にズレたとたんハルクが勢い良く跳躍する。風のようにエリックの隣を突っ切ると、敵のど真ん中に飛び込んでいった。
残されたのは微妙な空気になったソーとエリックの二人のみ。
「……手をかそうか?」
「頼む…」
ソーの上に落ちた壁の破片をエリックが瓦礫を浮かせどかしてやると、何事もなかったかのようにソーも立ち上がる。
アスガルド人だけに耐久力は人間を遥かに超えている。ほぼダメージもないまま、ハンマーを呼び寄せると、そこで初めてまじまじとエリックの顔を見やった。
「お前はS.H.I.E.L.D.か?見たことがないな」
「S.H.I.E.L.D.?それは知らないが、家族を探しにニューヨークに訪れたものだ。事情を聞きたかったが、あの化物どもが人類にとって敵なのはわかった。手を貸そう」
旅人か。手を貸すというのならあの魚を刺し貫いた槍といいこの男は役に立つだろう。何かあったとしても自分の雷がその身を焼くことになる。
ソーは「いいだろう」と軽い仕草で頷くと、ハンマーを振って壁の穴から飛び去っていった。
以心伝心にはまだ早いらしい。出会って5分だこんなものだろう。
ソーに置いていかれる形になったエリックははたして自由行動なのか?ついてこいということなのか?
わからないままエリックは壁の外に視線をやったまましばし固まっていた。
「……外の敵を倒していればいいのか?」
答える相手は既に居ない。
ソーに声をかけたことを後悔しつつ、何度か迷う仕草をした後エリックもまたコートの裾を翻した。
その後、ニューヨークを焼こうとした核を持ってワームホールからチタウリの母艦を叩いたアイアンマンが、力尽き宇宙から地球めがけて落ちてくるという事態になった。
アベンジャーズのメンバーがなんとか
息をしているのかと騒然となる仲間に囲まれたアイアンマンがハルクの雄叫びで意識を取り戻したのかハッと起き上がり、ようやく戦いに勝利したアベンジャーズが一息つく。
笑顔を見せる仲間達を見上げて、マスクを脱いだアイアンマンもまたどれくらいぶりであろう笑顔を返す。
仲間たちがしばし笑いあい、そうしてようやくその場に作戦開始の際には居なかった男の姿を見つけ、メンバーがその男の方に向き直った。
「あー…ええと君は誰だ?初めて会う顔のようだが」
「ああ、さきほど知り合ってな。手を貸してもらった。槍の男だ」
ソーがエリックの肩をバンバン叩きながら紹介する。
バートンだけが先程見た顔の男が、その能力でスタークの窮地を救ってくれたことに気づき「スターク、恩人だぞ」と短く付け加える。
「槍の男ね、はじめまして、僕はトニー・スターク…助けてもらった?それはありがたいけどどうやって?君がスーパーマンには見えないけど…」
「槍の男…槍じゃないな、俺の能力は…」
スタークの言葉への返答代わりにエリックが脱ぎ捨てられたアイアンマンのマスクを浮かせると、スタークの手に戻してやる。
それを見て、スタークも合点がいったのかなるほど、と頷きエリックに改めて握手を求めた。
「超能力か?なるほど、君がどうやって助けてくれたのかわかった。改めて、命を救ってくれて感謝するよ」
「金属の扱いがうまいだけだ、エリック・レーンシャーだ。はじめましてアイアンマン」
握手を返しながらスタークのボディを能力を使い起こしてやる。重力に逆らって浮く体に一瞬おお!っと軽い驚きをこぼすスタークに、ソーやバートンは笑ってみせた。
しかしその穏やかな空気もここまでだ、まだ片付いて居ない問題がある。
スタークタワーを見上げてキャプテン・アメリカが真剣な眼差しで作戦を告げる。
「まだ終わっていないぞ、ロキを確保する」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■エピローグ エリックside
スタークのシャワルマを食べに行こうの一言で、運良く壊れていない店に腰を落ち着けることが出来たアベンジャーズと俺であったが、その食事の場でようやく事情を聞くことが出来た。
なんでも神様の兄弟喧嘩っていうのは本当だったようで、弟がヤンチャをやらかしちまった結果ニューヨークがあわや壊滅の危機になったらしい。やめて。
シャワルマの店で統一感のないメンバーでテーブルを囲みながら、途中参加の俺も呼んでもらい事情説明と相成ったのだ。
アイアンマンことスタークとロマノフは警戒した様子だったが、キャプテン・アメリカは最初から友好的に迎え入れてくれた。
「で、だ…僕たちの事情はわかったと思うが、次は君の事情も聞かせてくれるかな?ええと家族を探して放浪を続けるお父さんだっけ?」
「そうだ、ニューヨークがこんな有様では時間がかかるだろうから、しばらく滞在する予定だが…しかし驚いたな。世界有数の金持ちトニー・スタークに会えるとは」
「まぁ僕は有名だろうけど、驚くべきヒーローは他にいるんじゃないか?ほら、そこのキャプテンとか?サーファーくんは神様だし」
話を振られたキャプテン・アメリカが眉を寄せてスタークを嗜めている。多分半分は照れているんじゃないだろうか。神様の方は小さく「サーファー?」と言っているので恐らくわかっていない。別の世界の神様だもんな。
「キャプテン・アメリカが活躍した時代に俺は生まれてないからな」
X-MENの世界のエリック・レーンシャーならキャプテンの活躍した時代ともろかぶりなので、ヒドラ相手に戦っていたキャプテンとナチ狩りをしていたエリックなら…話は合わなかったな。
「ニューヨークに滞在するなら、僕のところで雇用しようか?ボディガードなんてどうだ?」
冗談めかしてそういうスタークに俺も苦笑する。雇ってくれるのは嬉しいが、ビッグネーム過ぎて俺には務まらないだろう。
「あいにく学もなければ礼儀もしらなくてな。トニー・スタークのボディガードは荷が重い」
「まぁまぁそう言うなよ、慣れさ!バナー博士も僕のラボに立ち寄る事になっているんだ」
そう言われてスタークの隣を見れば、無言でシャワルマを食べていたバナー博士が社交辞令程度に笑ってみせた。
「S.H.I.E.L.D.としてはあなたが連絡のとれるところに居てくれるのは助かるけど、スタークの世話は大変でしょうね」
同じくシャワルマをつまんでいるロマノフがそう言うが、まぁスタークもロマノフも腹の中はこういうことだろう。野放しよりはいくらか安心できるということだ。この世界、いつ敵に回るとも限らない根無し草は不安の種でしかないだろうからな。
ひとまず綱を付けておこうという魂胆だろうが、スタークの方は面白半分というか俺の能力に興味もあるみたいだ。
「よし、そうと決まったら早速雇用契約書を作るとしよう。ええと今更だけど君の名前は?
本名はさっき教えてもらったけど、なんていうのかなぁ。コードネーム?ヒーロー名?なんでもいいけど本名以外に教えておいてもらえると呼ぶのに困らないんだが」
アイアンマンみたいなものか?ホークアイだったり皆コードネームみたいなの持っているもんな。そうか、うん。俺の…エリック・レーンシャーのコードネームならこれしかない。
俺を顕す名前はーーー
「…マグニートー。俺の名前はマグニートーだ」
感想ありがとうございます!
知らない情報とか、はっと気付かされることとか頂けて助かってます。
次回はアイアンマン3かな。
アスガルドに関わるのは難しいので、ダーク・ワールドは好きな映画ではあるんですが、スルーかなと思ってます。
アイアンマン3→ウィンター・ソルジャー→ウルトロンの予定。
X-MEN2で、プラスチック製の牢獄から脱獄するときに看守から(ミスティークナイスアシスト)鉄球作るとこすっげー好きです。
クイックシルバーですが、X-MENのピーターかMCUのピエトロかどちらがいいでしょう…
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