インフィニット・マスクドライダーズ   作:赤バンブル

7 / 10
色々やり過ぎた・・・・


トリプルライダーキック

「一夏がクウガに?」

 

壮一は、今起こっている出来事が理解できていなかった。

 

アナザーライダーは変身者としての資格を持たないものがライダーの力を持ったことで変貌する怪人であり、誕生した段階でオリジナルのライダーは存在できなくなる。

 

ましては一夏は既にアナザークウガに変貌したため、仮面ライダークウガがこの世界に誕生するはずがない。

 

「・・・・・・・」

 

クウガは、黙って箒を抱きかかえたまま立ち上がる。箒は一体何事かと思いゆっくりと目を開けた。

 

「・・・・い、一夏?」

 

先ほどまでの禍々しい顔ではなく、正義のヒーローのような姿になった彼に対して箒は目を見開きながら驚く。

 

クッ・・・・・今更オリジナルが出てきたところでなんになる!!

 

「「!?」」

 

アナザーアルティメットクウガは、動揺しながらも二人に向かって破壊光線を発射する。クウガは通常のマイティから瞬時にスピードとジャンプ力に特化したドラゴンフォームへとフォームチェンジしてその場から離脱する。

 

「きゃあっ!?」

 

突然の出来事で箒はパニックになっていたがクウガは彼女を手放そうとしない。しかし、クウガには飛行能力がないため、連続で攻撃を受け続ければ逃げ場を失ってしまう。

 

「このままだとやばい!」

 

壮一は急いでジオウライドウォッチ共にフォーゼライドウォッチを起動させる。

 

<ジオウ!>

 

<フォーゼ!>

 

ドライバーの両側にウォッチをセットし、回転させる。

 

「変身!」

 

<ライダータイム!>

 

<仮面ライダージオウ!>

 

<アーマータイム!>

 

ジオウに変身すると同時に目の前に白いロケットを模したアーマーが何やら万歳というポーズをとると装着されていく。

 

<3・2・1!>

 

<フォーゼ!!>

 

顔の文字が「フォーゼ」と変わり、彼は「仮面ライダージオウ フォーゼアーマー」とへなる。

 

「宇宙~~~行く~!!!」

 

変形してブースターロケットのような姿になると壮一は一夏の元へと飛んでいく。

 

ちょこまかと逃げやがって!!

 

アナザーアルティメットクウガは破壊光線を拡散タイプの物へと切り替えクウガの周囲の建物を破壊した。

 

「しまった!」

 

飛び移る建物が無くなったことによってクウガはそのまま落下していく。

 

「ん?」

 

そこへ変形した壮一が彼のすぐ近くまで駆けつけ、手を掴んだ。そのまま、クウガは壮一と共にゆっくりと地上に降下し、地上で待機していた千冬と合流する。

 

「常間!一夏!」

 

「織斑先生!」

 

「・・・・・」

 

クウガはマイティへと戻ると抱きかかえていた箒をゆっくりと下ろし、千冬に預ける。

 

「一夏?」

 

「千冬姉、箒のことを頼む。」

 

そう言うとクウガは、背を向いてアナザーアルティメットクウガの方へと向かおうとする。

 

「待て!お前だってさっきの攻撃で相当ダメージを受けているはずだ。無理して行かせんぞ!」

 

「・・・・俺は大丈夫だよ。でも、このまま奴を好き勝手にさせるわけにはいかない。」

 

「一夏!」

 

箒はクウガを抱きしめた。

 

「箒・・・・」

 

「行かないでくれ!もし帰ってこなかったら・・・・私は・・・・・」

 

「・・・・・・大丈夫だ。」

 

不安そうに見る箒に対してクウガは彼女の目の前でサムズアップをして見せる。

 

「一夏・・・」

 

「ある人に大事なことを教えてもらったから。必ず帰ってくる。」

 

そう言うとクウガは、彼女を一回強く抱きしめた後アナザーアルティメットクウガの元へと走って行く。その後を壮一が追いかけていく。

 

「一夏!」

 

箒はクウガの後を追おうとするが千冬に止められる。

 

「千冬さん!どうして・・・・」

 

「行かせてやれ。今私たちが行っても足手まといになるだけだ。それに・・・・・・・」

 

千冬は自分の左腕を抑えながら箒にその辺から拾ってきた布を手渡す。

 

「これを体に巻いておけ。」

 

「えっ・・・・・・!!」

 

今になってようやく自分が全裸になっていたことに気づいて箒は顔を真っ赤になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前に走ってきた二人を見てアナザーアルティメットクウガは黒煙を発生させて次々とグロンギを生み出していく。

 

クウガは、マイティで格闘戦を行いながら瞬時にタイタン、ドラゴンとフォームチェンジを行い、グロンギを倒していく。

 

対する壮一も足を引っ張らないようにとフォーゼアーマーからディケイドアーマーに切り替え、ビルドライドウォッチを装填した。

 

<ファイナルフォームタイム!>

 

<ビ・ビ・ビ・ビルド!!>

 

胸部のアーマーに「スパークリング」と表示され、顔が仮面ライダービルド ラビットタンクスパークリングフォームの物へと変わってライドヘイセイバーとドリルクラッシャーの二刀流で奮戦する。

 

「・・・なあ。」

 

「ん?」

 

戦闘の合間、クウガは壮一に話しかける。

 

「あの時は襲い掛かって悪かったな。」

 

「別にいいよ。攻撃したのは俺だしね。」

 

二人は息を合わせて次々とグロンギたちを蹴散らしていく。

 

「俺は、織斑一夏。お前は?」

 

「常間壮一。この世界じゃ異物みたいなものさ。」

 

「異物?」

 

クウガはその言葉を聞きながらもタイタンソードで目の前に突進してきたズ・ザイン・ダの角を斬り飛ばし、突き刺して撃破する。

 

「いわゆる俺のせいでアンタの人生を狂わせちまったようなもんだよ。俺がこの世界に来なければ・・・・」

 

「そんなことはないさ。」

 

クウガは、マイティに戻って壮一の目の前に迫ったメ・ギノガ・デをパンチで返り討ちにする。

 

「俺も自分のことを劣等品とか千冬姉の恥さらしだと思い悩んだことがあったんだ。だから、自分なんていなくなればいいと思っていたときもあった。でも、それでも千冬姉は俺のことを大事にしてくれた。俺に『守る』ということを一番最初に教えてくれたんだ。そして、五代さんから『みんなの笑顔を守る』って言うことを教えてもらった。」

 

「五代?もしかして、仮面ライダークウガの五代雄介のことか?」

 

<オーズ!>

 

<ファイナルフォームタイム!オ・オ・オ・オーズ!!>

 

手に火炎を纏わせながら攻撃する壮一は驚いた様子で言う。

 

「俺はあの人みたいに強くない。でも、彼はそれ以上に誰の涙も見たくないと思って戦っていたんだ。だから、俺はこれ以上同じことを繰り返させない。そのために戦う。」

 

「一夏。」

 

最後の一体を倒すと同時にクウガの身体から見覚えのあるものが出てきた。

 

「あっ!クウガライドウォッチ!?」

 

「ウォッチ?これが?」

 

不思議そうに言う中、アナザーアルティメットクウガは二人に向かって攻撃を再開する。

 

仮面ライダーどもが!!

 

「ハッ!」

 

「激マズっ!?」

 

その直後、二人の背後からグラフ型の標的固定装置を展開し、x軸でアナザーアルティメットクウガを拘束した。

 

「「えっ?」」

 

こ、これは!?

 

<Ready Go! >

 

<ボルテックフィニッシュ!>

 

<イェーイ!>

 

更に地面からいつの間にかラビットタンクに戻った束ビルドが現れ、グラフの上を滑って加速しながらキックを放った。

 

「えいや~!!」

 

グアァアア!?

 

束ビルドのボルテックフィニッシュを受けてアナザーアルティメットクウガは後方へ吹き飛んでいく。

 

「束さん?」

 

「あれ・・・・本当に束さんなんだ・・・・」

 

束ビルドは技を繰り出し終えると二人の元へと行き、早速とばかりにクウガを子供のようにあやし始める。

 

「いっくん~!!よかったよかった~!!一時はどうなっちゃうかと思ったよ~!!」

 

「いや・・・・・その・・・・すみません・・・・」

 

クウガは、そう言うとクウガライドウォッチを壮一に手渡す。

 

「いいのか?」

 

「うん。形から見た限りこれが必要なんだろ?」

 

飛ばされた方を見ると怒りのあまりにブラックアイ化しつつあるアルティメットクウガが起き上がってきている。

 

どいつもこいつもふざけやがって!!

 

「もう体力も残り少ない・・・・・一気に決めるぞ。」

 

「・・・・あぁ、ありがとう。使わせてもらうよ。」

 

壮一はクウガライドウォッチを起動させる。

 

<クウガ!>

 

そして、ディケイドライドウォッチのスロットに付け替える。

 

<ファイナルフォームタイム!>

 

<ク・ク・ク・クウガ!!>

 

胸部のアーマーに「ライジング」の文字に変更され、フェイスプレートはクウガの物へと変わる。

 

「じゃっ、束さんもちょっと前にクーちゃんが持って来てくれたこの出来立てホヤホヤのやつを使おうかな?」

 

束ビルドは、缶型のアイテムを軽く振るとプルタブを引き、ドライバーにセットする。

 

<ラビットタンクスパークリング!!!>

 

レバーを回すとスナップライドビルダーがビルドのライダーズクレスト型のフレームに変化しており、何か炭酸のような泡が見えた。

 

「ビルドアップ!」

 

<シュワッと弾ける!ラビットタンクスパークリング!>

 

<イエイ!イエーイ!>

 

束ビルドは基礎フォームであるラビットタンクの強化版ともいえるラビットタンクスパークリングフォームへと変わった。

 

「・・・・・・・五代さん、一緒に戦ってくれますよね。」

 

クウガは、両腕を開いて腰を落とした構えを取る。

 

<キュイン>

 

<バヂバヂ、バヂバヂ・・・・>

 

すると装甲の縁とベルトが金色へと変化し、右足に強化パーツが追加されライジングマイティへとなった。

 

「行くよ!」

 

最初に束ビルドが飛び、レザーを連続で回す。

 

するとアナザーアルティメットクウガの目の前にワームホールの様な図形を出現させる。

 

「よし!」

 

<ク・ク・ク・クウガ!>

 

<ファイナルアタックタイムブレーク!!>

 

「・・・・ハッ!」

 

クウガと壮一は互いに右足に炎を纏わせ、駆け出す。

 

そして、ワームホールのような図形の目の前で大きくジャンプし、一回転して三人同時にキックを繰り出した。

 

<Ready Go!>

 

<スパークリングフィニッシュ!>

 

「「「うぉりゃああああああ!!」」」

 

三人のキックはワームホールの中央に結束され、アナザーアルティメットクウガに直撃する。

 

グウウウオォオオオオオオ!!!

 

アナザーアルティメットクウガは何とか耐え切ろうとするが三発のキックの内の二発は自分に効力がある力で徐々に体に封印エネルギーの文字が浮かび上がってくる。

 

何故だ!?何故、俺は奴に勝てない!?ここまで圧倒的な力を手に入れて何故だぁ!?

 

「それはお前が自分の欲望しか見ていないからだ!!」

 

壮一は、キックを繰り出している中で言う。

 

なんだと・・・・

 

「ここにいる一夏はみんなを守るために戦うことを決意した!束さんは自分の夢を叶えるために戦っている!そして、俺は・・・・・・」

 

封印エネルギーが結束し、アナザーアルティメットクウガは苦しみだす。

 

「この世界と共に生きるために戦うんだ!!」

 

 

叫び終わるのと同時に三人のキックが貫通し、アナザーアルティメットクウガは大爆発を起こした。

 

グワアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

 

三人同時に着地し、爆発したアナザーアルティメットクウガの方を見る。

 

爆煙の中で変身が溶けたティードは瀕死の状態ながらも罅の入ったアナザークウガウォッチを回収しようとする。

 

「ハア・・・・・カア・・・・お、俺は・・・・・こんなところで・・・・・ハア・・・・・」

 

しかし拾おうとした束の間、目の前には三人のライダーはいた。

 

「くう・・・・・・・」

 

「悪いけどこれは私たちがもらうよ。」

 

束ビルドはそう言ってアナザークウガウォッチを拾うが手に触れた瞬間、完全に砕け散ってしまった。

 

「うぅう・・・・」

 

「お前ももう終わりだ。」

 

「ハ、ハッハッハッハ・・・・・・・」

 

「何がおかしい?」

 

既に瀕死なのにもかかわらず笑いだすティードに対してクウガは聞く。

 

「お前たちは・・・・・ゲフッ・・・・・・俺を倒せばすべてが終わると思っているのか?ハッハッハッ・・・・・・」

 

ティードはヨロヨロと起き上がると恨めしく三人を見る。

 

「この世界は様々な面で歪んでいる・・・・・・俺をここで倒したとしても・・・・第二、第三の歪みが訪れる・・・・・そして・・・クックック・・・・・この世界が滅びの時が訪れる・・・・ガフゥ!!」

 

笑いながら吐血し、ティードはその場に倒れ込む。

 

「お前たちのみじめな最期を・・・・・・地獄から見ているぞ・・・・・・・・やっと・・・・・苦しみから解放される・・・・・・長かった・・・・・」

 

最後に言い終えるとティードの遺体はその場で灰のように崩れ去ってしまった。

 

「・・・・・それでも戦うさ。」

 

壮一はすぐそばにいるクウガとビルドを見ながら言う。

 

「それが・・・・俺やお前のような存在だったとしても・・・・最後まで・・・・」

 

互いに変身を解くと一夏はその場で倒れそうになる。壮一は慌てて支える。

 

「大丈夫か?」

 

「あぁ・・・・・あの姿になって苦しんでいるよりは楽な方だ。」

 

そう言っていると一台のトレーラーが三人の元へと走ってきた。目の前で止まると応急処置で左腕をギプスで固定している千冬と箒が下りてきた。それと同じく運転席の方から束の助手であるクロエ・クロニクルがG3のマイナーチェンジであるG3マイルドの恰好で降りてくる。

 

「束様、新しいアイテムの使い心地がいかがでしたか?」

 

「うん、シュワって爽快って感じかな?」

 

「じゃあ、そういう風に記録しておきます。」

 

そう言ってクロエは、運転席の方へと戻って行く。一夏は千冬と箒と向き合っていた。

 

「・・・・・ただいま。」

 

「・・・・・フウ、お前って奴は・・・・・本当にバカな弟だ!」

 

そう言うと千冬は一夏を手繰り寄せて強く抱きしめた。

 

「よかった・・・・・本当によかった・・・・・・」

 

「・・・・ありがとう、千冬姉。」

 

「一夏。」

 

次は箒の方へと向き直る。箒は先ほどのこともあってか顔を赤くしていた。

 

「箒・・・・・」

 

「わ、私の裸・・・・・見てたよ・・・・な?」

 

「・・・・・ごめん。」

 

そう言うと箒は膨れっ面で目の前に来る。そして

 

「だったら、責任取ってくれ。」

 

 

 

二人の唇が重なる。

 

 

 

 

それを見て壮一は、勿論千冬と束は呆然としていた。

 

「い、一夏・・・・・・・」

 

「あらま・・・・・これは・・・・・ちょっと早かったかも。」

 

「あぁ・・・・・羨ましいな。」

 

抱き合っている二人を見ながら壮一は夕方になり、茜色になっている空を見る。

 

 

 

 

 

「こんな物騒なことになるんだったら・・・・・ライダーの力じゃなくて・・・・可愛い彼女を頼めばよかったかもな~。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後のIS学園

 

「今日からこのクラスでお前たちと共に学ぶことになった織斑と篠ノ之だ。仲良くしてやってくれ。」

 

一年一組において一夏と箒が新しく編入することになった。

 

「おぉ~!!常間君に続いて二人目・・・・・・・」

 

「言っておくがこいつら二人付き合っているから無理だぞ。」

 

「「「「「えっ!?」」」」

 

二人目の男子生徒が来たと喜びかけた女子生徒一同だったがその言葉を聞いてしょぼんとする。

 

「あの・・・・織斑先生・・・・」

 

「山田君、何も言わないでくれ。」

 

「いや、そういうことじゃなくて・・・・・・」

 

副担任である山田真耶は窓から見える大きく穴が開いた校舎を見ながら言う。

 

「なんで校舎が壊れているんでしょうか?」

 

(あんなこと言っても信じてもらえんしな・・・・・でも、他の教室も被害が出てこれ以上仮設校舎造るとグランドのスペースが無くなるから・・・・・これは他の策を考えるしかないかもしれんな。はあ。)

 

 

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