壮一による前回までの「インフィニット・マスクドライダーズ」のあらすじ
・学園生活初日から原作と異なっていた。
・一夏のアナザークウガ⇒クウガへの変身。
・スーパータイムジャッカー ティードかと思いきや俺と同じ元転生者。
・束さんがビルドに変身した。
・千冬さんがG3-X、助手のクロエさんがG3マイルド。
・アナザーアルティメットクウガによる箒のサービスシーン。
・一夏と箒、晴れてカップルに。
・ティードのせいで校舎が壊れて教室不足に(仮設は作ったもののそれでも足りない)。
・クラス代表?そう言えばまだ決まってない(汗)
「これってもうISの原作とどめていないな。大丈夫なのかこれ?」
そんなこんなで第八話をどうぞ。
200X年
「・・・・・が、があ・・・・・・・・」
俺は・・・・そうか確か教室に来た一夏が突然化け物になって・・・・・。
「お・・・・・おい・・・・・誰か・・・・誰かいないのか?」
僅かに体を動かしながら俺は辺りを見回す。
教室は血で真っ赤に染められていた。
目の前で友人の何人かがバラバラの死体で転がっている。多分、アイツに喰い殺されたんだろうな。
鈴の奴は・・・・・運のいい奴だ。教室の隅っこの死体のすぐ脇で気を失っているだけみたいだ。
「ゴフッ・・・・いてえ・・・・・」
口から吐血しながら俺は改めて自分の身体を見る。不幸中の幸い、手足は亡くなってはいないが腹部の出血がひどい。隣の数馬は、首がスッとんでいる。
「俺は・・・・・ここで死ぬのか?」
俺は朦朧としている意識の中で死んだ親父のことを思い出す。
親父は死ぬ間際に、じーちゃん、母さんに何か言っていたこと。俺に何があっても蘭を守ってやれ言っていたことを思い出す。
「い・・・いやだ・・・・・俺は・・・・・まだ・・・・・」
俺は腹部を抑えながら立ち上がろうとする。だが、次の瞬間に口から大量の血を吐き出し、倒れてしまった。
「まだ・・・・・死ねないんだよ・・・・・・・」
悔し紛れに歯を食いしばっていると目の前に誰かが立っていた。
白衣に髪を後ろで束ねている男だ。
『ふむ・・・殺し方が雑だな。僅かながら息のあるものが数人いるようだ。』
「だ・・・・・誰だよ・・・・・」
『まあ、ちょうどいいモルモットが手に入ったから良しとしよう。君に新しい体験をさせてあげよう。』
「なに・・・・・・・」
男は懐から何か時計みたいなものを取り出して起動させる。
<ΑGITΩ>
「な・・・・なんのつも・・・・・」
『遠慮はいらない。精々私の研究の役に立つデータを収集できるように動いてくれたまえ。』
「グッ!?」
身体に何かを埋め込まれ、俺は意識が何かに吹き飛ばされようとしていた。
「う、ウゥウウ!?」
身体の傷は治って行くが同時に何か異形な者へと変化していく。
何かの気配を感じて一瞬見ると、鈴が怯えた顔で俺を見ていた。
「が、が・・・・・・ガアアアアア!!!』
<ΑGITΩ>
20XX年
「はぁあ~~」
俺は欠伸をしながらベッドから起き上がる。とは言っても目に見えたのはIS学園の学生寮ではない。
「・・・・・そう言えば、昨日から休校になって家に帰ってきたんだっけな。」
ティードことアナザークウガの攻撃でIS学園の校舎の一部が倒壊してしまい、仮校舎を設けようにも限度があったため、学園側は苦渋の決断で今年入学してきた新入生たちを一回自宅へと帰し、校舎が修復されるまでの間、話がまとまり次第クラスごとに別の高校の一教室を借りて授業を行うという苦肉の策を出した。無論、一年の代表候補生も含めてだ。
因みに現段階ではIS学園生徒が他の高校に通っている間は以下のような制約が課せられるそうだ。
・代表候補性を含める専用機持ちの生徒はISの使用を学園外で禁ずる。
・他校の生徒に迷惑をかけないよう心得る。
・ISを使う授業に関しては日程を決め次第、IS学園のアリーナを開放する予定。
・代表候補性は指定のホテルで待機。高校はそこから通うようにする。
後、ティードがやったことはIS学園で爆破テロが起きたとかで誤魔化された。
束さんが情報操作をすることによってどこかの国が仕掛けたのではというプレッシャーを与え、代表候補性の扱いに関しても致し方あるまいという判断をさせたのもこれが原因なのかもしれない。
織斑先生がこの話を聞いたとき大半の女子生徒がショックを受けていたが一番文句を言いそうなセシリアは至って大人しかった。
えっ?この人、本当にあのセシリア・オルコット?なんか怖いんですけど。
そんなわけで俺は今自分の家で原作では常磐ソウゴの自宅であるはずの「クジゴジ堂」に帰って来ていた。
「叔父さん、おはよう。」
「あぁ、おはよう壮ちゃん。今日は早いね。」
下では俺の叔父である順一郎おじさんがちょうど朝食を準備していたところだった。
基本的なところは原作の常磐純一郎と同じなんだけど、口調がちょっと変わっている。
「いや、昨日帰ってきたときはびっくりしたよ。向こうに行ったら夏休みまで帰ってこれないって言っていたからさ。」
叔父さんは久しぶりに帰って来てくれてうれしかったのか茶碗にご飯を盛る。俺は、新聞を開いてニュースの方を確認する。
『IS学園爆破!!』
『女尊男卑化社会への警鐘か?』
『狙いは織斑千冬に恨みを持つものか?』
『犯人は学園の教師・生徒の可能性も・・・・』
「物騒なことばっかり書いていやがるなマスコミの奴ら。」
「でも、本当に大丈夫だった?学校、危ないことになったそうだけど。」
叔父さんは、悟飯を俺の前に置くと心配そうに言う。
「あぁ、大丈夫だよ。吹き飛んだのは校舎の方で学生寮には何もなかったから。」
テレビでは、マスコミが記者会見を開いているIS学園の教師陣に対して質問攻めをしている。その中には織斑先生の姿もあった。
「先生たちも大変だな・・・・・・」
俺はそう思いながら朝食を食べ始める。
しかし、小学校に入った直後に親が事故で亡くなって叔父さんが引き取ってくれてからずっと二人暮らしだったけど・・・・・・なんか、ソウゴがさみしく思うのはなんとなくわかるな。
マジで二人だけの食卓ってさみしいんだよ。
しかもこっちの叔父さんは、俺を引き取る以前と俺がIS学園に行った短い期間の間一人で食事をしていたんだからな・・・・・
ピンポーン!
「あっ、こんな時間にお客さんかな?はいはい~。」
叔父さんは一回店の方へ行き、しばらくすると真面目な顔で戻ってきた。
「壮ちゃん、壮ちゃんのお友達が相談があるそうだけど?」
「友達?」
店の方へと行くとそこには一夏と箒が来ていた。
「一夏。篠ノ之さんも。」
「突然の訪問で悪い。」
「えっ?しばらく匿ってくれ?」
リビングでコーヒーを飲みながら二人の話を聞いて俺は思わず吹き出しそうになる。
「あぁ。IS学園の件で千冬姉たちが取材に追われていただろう?俺も弟というわけで何か知ってんじゃないかって言われて付けられててさ・・・・・家でも安心していられないんだよ。束さんに頼もうにも限度があるし。」
一夏は困った顔で言う。
話によるとマスコミが自宅に押し寄せてきて安心して過ごせないのだという。
束さんと織斑先生の判断で箒と一緒にいたようだったけど流石に私生活まで除かれてはたまったものではないと思い、今回俺の家に訪問してきたという。
「頼むよ。ほんの一日、二日でいいからさ。ちょっと、落ち着くまで箒だけでもいいから匿ってくれ。今の家じゃ落ち着いてもいられないからさ。」
「でも、他に頼めるところとかなかったのか?俺以外に友達も・・・・・あっ。」
俺は一瞬「しまった」と思い口をふさぐ。一夏は悲しそうな表情をしながらもうまく隠そうと返事をした。
「友達の方は・・・・・・・無理だったんだ。いろいろ都合があってさ・・・・・」
一夏は直接とは無い上、友人たちをクラスメイト事ティードに殺されてしまった。しかもティードは悪いことに一夏に擬態した上でアナザークウガに変身したのだからもし、あのクラスで生き残りがいたら一夏は殺人犯または怪物呼ばわりされてしまうのが当たり前だ。
一夏はそれを自分の責任と感じているため、行くのを躊躇っているのだ。
「悪い・・・・余計なことを聞いたな。」
「いや・・・・いいんだ。あれも俺の罪として受け入れなくちゃいけないからな。」
「一夏・・・・・」
そんな一夏を見て箒は心配そうな顔をする。
「邪魔して悪かった。他に当たることにするよ。」
「えっ・・・・いや・・・・・・」
「困っているんだったら別にここにいてもいいよ?」
戸惑っている俺を見てか叔父さんは一夏に対して言う。
「でも・・・・迷惑なので・・・・・」
「いやいやいや・・・・・家も壮ちゃんと二人暮らしだからね。空き部屋もあるから落ち着くまでここに居候しても構わないよ。」
「それに・・・・・」
「壮ちゃんの友達が困っているところを見過ごせないからね。困ったときはお互い様、遠慮はいらないよ?」
二人を見ながら叔父さんは優しく言う。
「・・・・そ・・・それじゃ・・・・お願いします。」
「よかったね~壮ちゃん。」
「うん・・・・・・・・そうだね。」
まっ、ぶっちゃけソウゴとゲイツとツクヨミが俺と一夏と箒に入れ替わっただけだからね。
そう言えばウォズ枠もそのうち出てくるんだろうか・・・・・・流石にそれはないか。
「「しばらくお世話になります。」」
「こちらこそ、壮ちゃんとも仲良くしてあげてね。壮ちゃん、小・中揃ってあまり友達が作れなかったもんだから・・・・・・」
「叔父さん、頼むからそれ以上俺の恥ずかしい経歴言わないでくれ!!」
「・・・・・・」
私は、いつもの習慣で朝、学校に行く前に仏壇に線香をあげている。
「お父さん。お兄ぃ。行ってきます。」
それだけ言うと私は店の厨房の方で下ごしらえをしているお母さんとお爺ちゃんに挨拶しに行く。
「お母さん、お爺ちゃん、行ってきます!」
「おう、行ってきな!」
「はい、今日のお昼。」
お爺ちゃんが厨房の方で元気に返事してくれた一方、お母さんは私に包んである弁当を渡してくれた。
「もう、お母さんったら。別にコンビニで買うって言ったのに・・・・」
「何、言っているのよ。コンビニのお弁当はいろんなものが入って怪しいんだから。手作りの方が安心なの!」
「うん・・・・・じゃあ行ってくるね。」
お母さんの笑顔に文句も言えず私は弁当をかばんに入れると外に出て学校へと向かって行った。
「・・・・・・」
一瞬、後ろを振り向く。
誰もいない。
最近いつもこうだ。
よくわからないけど誰かがずっと私を付け回しているかのように感じる。初めの頃は気のせいだと思っていたけどそのうち家以外ではどこでも視線を感じるようになった。
「・・・・・・・」
私は、そのまま学校まで走って行った。
『・・・・・・ウゥウ・・・・・』
クジコジ堂
「あぁ、千冬姉?・・・・・うん、家にもマスコミが取材に来たよ。とりあえず、常間の家でしばらくお世話になることなったから心配しないでくれ。・・・・・・・えっ?弾の家の方がよかったんじゃないかって・・・・・いや・・・・・ちょっとそれは・・・・・・・・」
リビングで一夏は織斑先生と電話をしている。
やっぱり、織斑先生も俺のところよりも弾の家の方に行くと思っていたようだ。最もあんな事件があれば生きづらく感じるのも無理はないけど。
因みに一夏の中学校のクラスが皆殺しにされた事件に関して調べてみたんだけど、メディアでは、謎の集団殺人事件として取り上げられていた。
内容はテロ組織による無差別殺害とか騒がれていたようだけどアナザーライダーの存在に関してはわからないようでその辺は詳細を掴むことができないまま事件が終息している。
因みにこの事件では僅かながら生存者がいたようで原作では一夏のセカンド幼馴染である凰鈴音が一夏のクラスで唯一の生存者だった。
彼女に関しては、どうやら原作通りに中国へ帰国したらしい。
あれ?でも、原作と違っているから中国の代表候補生にならねえんじゃね?
俺はそう思いながらもテレビをつける。
『今回は先日起こった「IS学園爆破事件」についての特集を行いたいと思います。世界でもIS操縦者育成用の特殊国立高等学校として知られているIS学園ですが今回の爆破事件について現場と合わせて専門家の方たちにお話を伺いたいと思います。』
「また、このニュースかよ・・・・・いい加減勘弁してほしいなぁ。」
『はい、こちら現在IS学園の校長含めた責任者一同の記者会見の会場です。先日に引き続いて校長は今後としては生徒と教師を含めて今後の方針を検討していくとのことですが・・・・うわぁっ!?』
その直後、現場中継の映像に一瞬が何かが写って途切れた。
「な、なんだ!?今のは!?」
「どうした?」
電話を終えた一夏が気付いたのかテレビを見る。
『こ、こちら記者会見会場です!今、先ほど奇怪な怪物が複数会場を襲撃してきて・・・・・あっ!こっちに近づいてきます!うわあぁ!?』
そのディレクターのすぐ横に写った姿を見て俺は何が起こったのか分かった。一瞬だがクラッシャーを剥き出し、金色の角を持った何かが。
「まさか・・・・・アナザーライダー?」
「また、この間のような奴らか?」
一夏と俺は緊張した表情で互いを見る。
「現場には千冬姉がいるはずだ!早く助けに行かないと・・・・・」
「行くにしても中継会場の場所がわからないし、第一どうやって・・・・・・」
「壮ちゃん、お友達の一夏君宛てに何か大きな荷物が届いたよ。」
叔父さんの声を聞いて俺たちは店の外に出てみる。外に出てみるとそこにはこの間のトレーラーがあり、宅急便の配達人の恰好をしたクロエさんがいた。
「あ、貴方はクロエさん?」
「束様からのご指示で織斑一夏様にお届けものです。」
「俺に?」
目の前にあるかなり大きめの箱の包装を外してみると一台の見覚えのあるマシンが出てきた。
原作では警視庁が開発して後にゴ集団との戦いまでクウガの愛機として使われていた「トライチェイサー2000」だ。
「これを俺に?」
「はい、束様が一夏様の足が必要だろうと言われて。」
「私には何もないのか?」
「残念ながら妹様の物は何も。」
「そうか・・・・・」
箒は残念そうにしょぼくれる。一夏はトライチェイサーのコントロールパネルをいじってみるとディスプレイでカーナビが出た。
「なんだこりゃ!?」
「どうやら、敵の反応を探知したようですね。」
「じゃあ、これで千冬姉たちのいるところへ!?」
「はい、可能です。束様も一足先に行っておられます。」
こうしちゃいられないとばかりに一夏は急いでマシンの上に置いてあったヘルメットを被り、エンジンをかける。
「常間、急いで行こうぜ!早く千冬姉たちを助けねえと!!」
「えっ!?でも、ちょっと準備・・・・・・」
「いいから急ぐぞ!」
そう言いながら箒も一夏の後ろに乗ると一足先にトライチェイサーは走って行ってしまった。
「ちょっ、ちょっと待ってくれよ!?」
俺は、叔父さんに「行ってきます」と言ってからライドストライカーに乗って一夏たちの後を追う。
「くそ、速すぎだろ!?あれ、絶対に束さんの魔改造受けてるだろう!!」
俺は、速度違反にならない程度でマシンを走らせるが危うく横断歩道を渡っている最中のカップルに接触しそうになる。
「うおっ!?危なっ!?」
俺は急ブレーキでストップする。その時何か落としたような気がしたがそんな場合じゃないため、カップルの二人に誤って行くことにした。
「すみません!」
「あっ!ちょっと君!!」
男の人の方は、走り去って行く俺に声をかけるが俺は聞かずに行ってしまった。
「行ってしまったか・・・・ん?」
男は落とした何かを拾う。
「これは・・・・・!?」
それはあるライダーのライドウォッチだった。男はそれを手に取った瞬間、何かが見えたのか驚いた顔をする。
「ア・・・・・・ア・・・ギ・・・ト?」
「どうしたの翔一?」
女性の方は驚いた顔をする男に声をかける。
「い、いや・・・・何でもないよ。」
男はそのままウォッチをポケットにしまう。
「でも、あの子一体何だったのかしら?」
「さあ・・・・でも、何も言わないで行くような礼儀知らずではなかったからいい方だよ。」
「そうね。じゃあ、気を取り直していきましょう。哲也の誕生日プレゼント買いそびれちゃったから、今度はちゃんとしたものを買ってあげなくちゃ。翔一も選んでね。」
「わかったよ、雪菜。」
そう言うと二人は気を取り直して歩いて行った。