『ウゥウウ!!』
IS学園の教師一同で行われていた記者会見の会場は突然乗り込んできた奇怪な怪物たちにより、中断となりパニックへと陥っていた。
「皆さん、落ち着いて行動してください!」
学園長は、年長者として落ち着かせるように促すが迫ってくる怪物たちを目の前にして記者たちの耳には入っていなかった。
「学園長も避難してください。」
「織斑先生。しかし・・・・・・」
「学園長の身に何かがあれば大変ですので・・・・・」
『ウゥウ!!』
「くっ!」
飛び掛かってきた怪物に向かって千冬は勢いよく蹴りを繰り出す。一瞬後ろに引きずられ怪物は動揺したようだがすぐに襲い掛かってくる。
「学園長!早く!」
学園長を取り逃がすと千冬はテーブルなどを盾にして時間を稼いでいると会場の外で待機していた真耶がアタッシュケースを持って走ってきた。
「織斑先生・・・キャッ!?」
『ウオォオオ!!』
<Ready Go!>
<ボルテックブレイク!>
「おりゃ!」
『ウゥッ!?』
彼女に手がかかろうとした瞬間、怪物は間に割って入ってきたドリルクラッシャーで弾き飛ばされた。真耶が怯えながら見るとそこには束ビルドが駆けつけていた。
「お待たせ~正義の味方 仮面ライダービルドでぇ~す!」
「は、はぁ・・・・」
困惑する真耶を引っ張り、千冬はアタッシュケースを受け取り、中身を見る。
「まさか護身用に持って来ておいたISがこんな形で役に立つことになるとはな。」
「『打鉄』と『ラファール・リヴァイヴ』しかありませんが。」
「私は打鉄を使う。山田君はラファールを使ってくれ。」
「は、はい!」
二人は瞬時にISを展開して怪物たちの迎撃に入る。
『ウグッ!?』
『ウゥガゥ!!』
「この狭い空間じゃISは不利だ。飽くまでも脱出優先で迎撃するぞ!」
「わかりました!」
真耶はラファールの装備である25mm7連砲身ガトリング砲「クアッド・ファランクス」で束ビルドと千冬の援護を行い、怪物たちがうまく近づけない内に束ビルドと千冬が接近戦で一体一体確実に仕留める。
「なっ!?」
「どうしたのちーちゃん?」
千冬が驚いているのを見て束ビルドは近づこうとしたが目の前で倒した怪物の姿を見てその答えが分かった。
「に、人間!?」
そう。
倒した怪物が人間になったのだ。
束ビルドは動揺しながらも周囲にいる怪物たちの恰好を見る。
顔は全く同じように見えるがそれぞれ人間が身に付けている衣服を纏っている。
「こいつらまさか・・・・・・・」
「千冬姉!」
そこへクウガが会場へと乗り込んできた。クウガは怪物の家の一体を強化マイティキックで倒すと会場にあるセット用のパイプを取り、ドラゴンフォームへとなる。後ろでは、とりあえずパイプを振り回して撃退する箒の姿が見える。
「はぁああああああああ!!」
「待て一夏!」
箒をカバーするのと同時にドラゴンロッドを振り回そうとするクウガを千冬が止める。
「何故だ、千冬姉!」
「迂闊に攻撃するな!コイツ等・・・・どうやら人間が変化したものらしい。」
「何っ!?」
クウガは先ほど蹴散らした怪物を見ると姿が変貌して人間になっていた。
「どうなってやがんだ?」
「やっと、追いついた・・・・・」
そこへやっとジオウが合流する。ジオウは、周囲にいる怪物にジカンギレードで返り討ちにしながらクウガたちの元へと来る。
「常間、コイツ等は?コイツ等も以前の俺と同じような奴なのか?」
「少し違うな。コイツ等は『アナザーアギト』。アナザーアギトの力を持つアナザーライダーだ。」
「アナザーのアナザー?」
「うんまあ、名前がややこしいけどアナザーライダーなのは確かだ。でも、服を着ている個体はオリジナルじゃなくて襲われた人間がなったもので一体一体倒したところでキリがない。何も着ていないオリジナルを倒さなくちゃ・・・・・あっ。」
ジオウはそう言いながら腕についているウォッチを取ろうとするが何故か硬直する。
「・・・・・・・・」
「常間?どうしたんだ?」
「・・・・・・コイツ等に効くと思うアギトライドウォッチ・・・・・・・落とした・・・・・・」
「「「えっ!?」」」
その言葉を聞いて真耶を除く三人は驚きの声を上げる。
「どういうことだよ!?つまり、倒せないってことか?」
「お前と篠ノ之さん追いかけた時、どっかに落としちゃったみたい・・・・・・」
「どうする?相手が人間である以上、攻撃してしまえば死者を出しかねんぞ?」
「攻撃するぐらいなら大丈夫だと思います。コイツ等は飽くまでオリジナルの攻撃を受けて変貌しているだけなので・・・・・でも、このまま放置すればもっと増えるけど。」
「要はみんなやっつけちゃえばいいってわけだね。よしよし・・・・じゃあ、これでどうかな。」
<トラ!>
<UFO!>
<ベストマッチ!>
束ビルドはボトルを差し替えてレバーを回す。
<Are you ready?>
「ビルドアップ!」
<未確認ジャングルハンター!トラユーフォー!>
<イエーイ!>
束ビルドは早速ピンク色のUFOを作り出して、周囲にいるアナザーアギトたちを翻弄する。
『ウグウッ!?』
『ウガッ!?』
「はいは~い!団体様、円盤の中へご案内~!」
トラハーフボディの爪でジオウたちの周辺にいるアナザーアギトを一掃するとレバーを回し、残りの個体を円盤の中へと吸い込ませる。
<Ready Go!>
<ボルテックフィニッシュ!>
<イエーイ!>
『『『『『『ウオォオォォオオッ!?』』』』』』
アナザーアギトたちは吸い込まれたかと思いきやそのまま全員床に叩きつけられて爆散した。すると全員元の人間の姿になって気を失って倒れていた。
「本当はミキサーにかけられたかのようにバラバラになっちゃうんだけど・・・・・・今回は吸って、吐いての感覚で抑えました~。」
束ビルドはそう言うとUFOから降りる。その姿を見てジオウたちは呆然とする。
「す、すげぇ・・・・・・」
「「流石、たば(ねえ)むぐぅ・・・・・・・」」
クウガと箒が言いかけたところで千冬が口を封じる。幸いなことに真耶は気を失って倒れていたが。
「ふう・・・・しかし、問題はまだ解決していないな。」
千冬は、打鉄を解除して会場を見渡す。幸い被害者の増加にまでは至らなかったようだが束ビルドが倒した中にオリジナルの個体はいなかった。つまり、オリジナルは別のところにいる可能性がある。
「常間、お前が言うには確かそのオリジナルを倒せばいいんだよな?」
「あぁ。でも、問題はそれに対応しているアギトライドウォッチが手元にないことだ。アギトの力を使わなかったら倒してもまた復活してしまう。」
「う~ん~でも、どこで落としたのか憶えていないの?」
互いに変身を解除して、束は壮一に言う。
「それが・・・・・もしかしたら、撥ねかけたあのカップルと差し掛かった道かも。」
「じゃあ、壮くんはそのウォッチを探して。私は、他に有効策がないかどうか調べてみるから。」
「俺と箒は、オリジナルを探してみるよ。」
「待て、お前と篠ノ之は常間と一緒にウォッチを探せ。」
一夏がオリジナルのアナザーアギトを探そうと言い出した瞬間、千冬が止めた。
「どうしてだよ、千冬姉?」
「敵はあの行動から見て恐らく本体であるオリジナルは数体引き連れていてもおかしくはない。篠ノ之を守りながら戦えるか?」
「ち、千冬さん!?それじゃあ、まるで私が・・・・・」
「現にさっきも危なかっただろ?」
「うぅう・・・・・・」
「それに一夏にはお前が必要だ。・・・・・・・・私も立場の都合上、そばにいてやることもできない。だから、無茶をしようとするな。」
千冬が感慨深い顔で言われた箒は一瞬しょげていたにもかかわらず顔を赤くした。
「束、G3-Xの修理は出来ているか?」
「ちゃんとできてるよ。」
「待ってくれよ!俺や箒のことを想って行ってくれるのはいいけど、千冬姉だって、この間の戦いの怪我まだ治っていないだろ!?さっきの戦闘でだって左腕の動きが鈍っていたじゃないか!」
心配してくれるのはいいけどやはり引き下がれないところがあったのか一夏が言う。
「G3-Xは、人口AIが動きをサポートしてくれるからあの個体なら数体でも相手にできる。それにオリジナルとは戦うつもりはない。見つかったらお前たちにも連絡する。」
「・・・・・・無茶はしないでくれよ。」
そう言うと一夏は箒と共に会場を去って行く。その後を追うように壮一もその場から去って行く。
「さて・・・・・問題はこれからだな。会見中にこんな騒動があったとなったらどう言い訳するか・・・・・」
「現にアナザーアギトを見た人がいっぱいいるからね~。明日にでもなればちーちゃんたちの会見よりもでっかい記事になるよ。」
「はあぁ・・・・・・束、お前は念のため近くにまだ奴らが残っていないかどうか調べてくれ。私は山田君を連れて一回学園長たちと落ち合った後、合流する。」
「あいあい。じゃあ、また後でね~。」
そう言うと千冬は気を失っている真耶を担いで会場から出て行った。
「・・・・・・・ねえ、もう私以外誰もいないんだから出てきてくれてもいいんじゃない?」
会場の中で束が言うと後ろの方から足音が聞こえてきた。
「私の存在にいち早く気づくとは・・・・流石この世界の天才と言うべきかな?」
束が振り向くとそこには白いメッシュの入れられた髪と多数のピアスを身に付けた男がいた。
「会場に乗り込んだ時から気づいていたよ。君があのアナザーライダーとか言うものをここに招き入れたのもね。多分、オリジナルを作ったのも君でしょ?」
「ほう、そこまで察していたか。では、何故私の存在を彼らに知らせなかったんだい?」
「少し気になったからだよ。君が何を企んでいるのかをね。」
そう言うと束はビルドドライバーにラビットタンクスパークリングをふりふりしてセットする。
<ラビットタンクスパークリング!>
「ふむ、どうやら口で言うよりもこっちでやり合った方が性が合うようだね。」
そう言うと男はビルドドライバーでもジクウドライバー、アークルとも異なるドライバーを腰に付け、レモンが描かれた錠前のようなアイテムを取り出す。
「へえ、それは誰かさんからのもらい物かな?」
「残念ながら私の自作のベルトだよ。趣味みたいなものなんでね。」
<レモンエナジー!>
錠前を起動させると男はそれをドライバーにセットする。
<Lock On!>
「そうなんだ・・・・・なんか羨ましいね。私のは掘り出し物を改造しただけだからね。」
「君だったらもっとすごい代物を作れるんじゃないのかい?」
「私はベルト作りが趣味でも夢でもないからね~。」
双方とも変身態勢が整い、真剣な目で対峙する。
<Are you ready?>
「変身!」
「変身!」
束はスナップライドビルダーを展開した後に重なり、男は自分の真上からチェックのようなものが開いてレモンを模した何かが頭に被さる。展開をし終えると双方は変身した姿へとなった。
<シュワッと弾ける!ラビットタンクスパークリング!イエイ!イエーイ!>
<ソーダッ!!レモンエナジーアームズ!ファイトパワー!ファイトパワー!ファイファイファイファイファファファファファイッ!>
「あのアナザーライダーのオリジナルがどこにいるのか教えてもらわないとね。」
「あれはやっと動き出した研究サンプルなんだ。アギトの力がどれほどの物か調べるためのね。」
二人の仮面ライダーは互いの武器を持ちながら間合いを取る。
「そう言えばまだ自己紹介をしていなかったね。私の名は戦国凌馬、君と同じ科学者だ。そして、この姿はアーマードライ・・・・いや、この世界で言うのなら『仮面ライダーリューク』と言ったところか。」
「あっ、そう。でも、まあそこらの二三流とは違うようだから覚えてはおくよ。敵としてね。」
「ハッハッハッハッ、私のことを二三流扱いするとは!まあ、一度死んだ身だから仕方ないともいえるがね!!」
デュークは「創生弓ソニックアロー」にエナジーロックシードのエネルギーを回して攻撃を始める。対する束ビルドは、海賊レッシャーの装備であるカイゾクハッシャーで応戦する。
<各駅電車!>
「私と武装を合わせるとは随分余裕だね。」
「いきなり全力で行ったら負けフラグでしょ?」
そこから射撃戦ではらちが明かないと判断して弓型武器による接近戦へと移行する。
しかし、ラビットタンクスパークリングには他のフォームの武装を使用できるという強みがある。
一方のゲネシスドライバーで変身するライダーはエナジーロックシードの換装は可能だが装備の変更はできない。
よって、接近戦に移行した瞬間に束ビルドはドリルクラッシャーとの二刀流へと戦闘を切り替え、ソニックアローのみのデュークを自分のペースへと運んで行く。
「流石と言わせてもらおう。初見での戦闘でこの私を相手にここまで有利に戦えることにね。」
「褒めてくれても嬉しくないね。なら早く倒されてオリジナルのことを教えてよね!」
束ビルドははドリルクラッシャーの直撃をデューク与えて吹き飛ばした。しかし、デュークは、束ビルドと距離が離れたことを、利用して、ロックシードを三つほど起動させる。
「ん!?」
束ビルドはデュークの真上にチャックのようなものが開き、落ちてきた怪人たちを見て警戒する。
『シャー!』
『シャー!!』
「うわっ、なんだこれ?」
「私もまだ実験サンプルのデータを取っている最中でね。悪いけどこの辺で引き揚げさせてもらうよ。」
そう言うとデュークは今度はブランクウォッチを取って起動する。するとブランクウォッチはアナザーウォッチへと変貌する。
<BUILD>
「しばらく、コイツ等と遊んでいてくれたまえ。」
初期インベスに向かってウォッチを投げる。すると初期インベスの一体がアナザーウォッチをロックシードを勘違いして捕食し、アナザーライダーが誕生する。
<BUILD!>
「あっ!私のそっくりさん作るなんて反則だよ!」
束はそう言いながら早速アナザービルドを蹴り飛ばす。
その間にデュークは光学迷彩を貼ってその場を去って行った。
「君は興味深い存在だったよ。また、会える時を楽しみにしているよ。」
「あっ!こら!」
アナザービルドと初期インベスたちをペシペシと叩きながら束ビルドは文句を言うもののデュークの姿はもうそこにはなかった。
感想待ってま~す。