SPEC魔 -スペックマジカル- 〜警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係・時空管理局合同捜査記録〜 作:Dolenon
そして久々のアクションシーンでよろしくネッ、だっちゅーの。
「と言うわけでしばらく海鳴で調査を続けます」
当麻は携帯電話で野々村に海鳴長期滞在での捜査の開始を報告する。
『なるほど。して、そのユーノ君とやらは時空管理局に通報しなかったのかね?』
「ええ、なんでも自分の責任だからと」
当麻の答えに野々村は低く唸る。
『うーむ、その子は聞けばまだ九歳と幼いではないか。そして協力しているなのはちゃんも……』
「しかし、ジュエルシードを封印できるのは現状あの子たちだけなんです。出来れば手助けしたい」
当麻の意思に野々村はため息を一つついて、それから言葉を紡ぐ。
『当麻君、我々は刑事だ。刑事としてのベストを尽くすんだ』
「……了解です」
◇
「それじゃあ、私はちぃーっとばかし海鳴署へ戻ります」
玄関先で当麻は士郎に告げる。
「ああ。もし困った事があれば来てくれ、現役を退いたとはいえ、支援できることはいくらでもあるからな」
「……助かります」
「なに、これぐらいは平気さ」
士郎は気さくな笑みで答える。
◇
「はぁ、はぁ、はぁ……」
同じ頃、黒のレオタードに身を包んだ金髪ツインテールの少女が黒い渦と対峙していた。
黒い渦は勢いを増しながら、時々白く粘りのある液体を撒き散らしながら少女に迫る。
「くっ!」
少女は手にしていた大鎌に似た物を構える。
「バルディッシュ、フォトンランサー!」
『
バルディッシュと呼ばれた大鎌が声を発した、インテリジェントデバイスだ。少女の周りにいくつもの魔力の球が生成される。
「いけぇ!」
少女のかけ声と共に魔力の球が次々と黒い渦に向かって飛んでいく。黒い渦は魔力の玉を受けると勢いを弱めて若干後ろに下がる。
「やった?」
少女は呟く。次の瞬間、黒い渦は、隙を狙い、自身の一部を触手のように少女へ伸ばす。
「えっ?」
いきなりの変化に少女は呆けた。触手の先端が少女の胸元をかすめる。次の瞬間には、レオタードの胸元の部分がビリッと音を立てて破れた。破れた部分から少女の【検閲のスペック発動】が露わになる。
風が吹いた。外気に晒された少女の【検閲のスペック発動】に風が当たった瞬間、少女は自身に起きた異変に気づいた。
「キャッ!」
少女は慌てて胸元を隠す。その仕草を見た黒い渦は興奮したように勢いを更に増す。
『Yesロリータ、Noタッチの精神はそんなの関係ねぇ!』
黒い渦から粘りの混じった男の声がした。黒い渦の正体は一線を軽く越えたロリコン、正確にはペドフィリアだった。実に迷惑極まりない。
『はぁ、はぁ、金髪ツインテ幼女、はぁ、はぁ』
もはや手の施しようが無い段階だった。
「ひっ!」
少女は恐怖した。これまでには遭遇したことのないタイプ、それは確実に少女を【検閲のスペック発動】で【検閲のスペック発動】なことをしようとしていた。
『ふひひ、【検閲のスペック発動】、俺様の【検閲のスペック発動】で幼女の【検閲のスペック発動】にぶち込んで、【検閲のスペック発動】に俺様の【検閲のスペック発動】を注ぎ込んで【検閲のスペック発動】もらうぜぇ!』
社会的に抹殺されてしかるべき発言を連発しながら、黒い渦は触手を増やす。
「い、いやぁ……」
触手が先端から白い粘液を吐き散らしながら少女に襲いかかる。R-18タグ的な展開が繰り広げられようとしたそのタイミングで、少女にとっての救世主は現れた。
「このぉ! フェイトになにしやがる!」
短く整った橙色の髪に犬耳を生やした女が少女と黒い渦の間に割って入る。
「アルフ!」
アルフと呼ばれた女は、キッと黒い渦を睨みつける。
『ぶふっ、ババァはすっこんでろぉ!』
黒い渦は触手をアルフに向かって伸びる。
「てめぇ、絶対許さない」
向かってくる触手に対し、アルフは腰を低く落とし、交戦の姿勢を取る。触手との接触がコンマ数秒程度の瞬間アルフは両手でなぎ払うように振るう。次の瞬間には触手は細切れになり霧散していった。
『ぎぃやぁあああああああ! お、俺様の……俺様の【検閲のスペック発動】がぁぁああああああ!』
触手は黒い渦にとっての【検閲のスペック発動】だった。
『ババァ、てめぇ、絶対殺す、殺す、殺ス、コロス、コロ助ナリィ!』
黒い渦がアルフに向かって突撃する。
「こいつ、まだっ!」
アルフは覚悟を決めた。命に代えても少女を……フェイトを護ると。
「来いよド変態!」
衝突は免れない。その場にいた誰もがそう思った……時だった。
「こんのぉ!」
新たな乱入者がアルフと黒い渦の間に割って入った。赤いキャリーバッグに左腕にギプスをはめたスーツの女、当麻だ。
「食らえぇ!」
当麻は右手で構えた拳銃を黒い渦に向けるやいなや二発発砲。なのはと出会った時の化け物とは違い、放たれた銃弾は黒い渦に漏れなく着弾した。
『うぎゃっ!』
「ゴムスタン弾だ、死ぬほど痛いと思うけどね」
当麻は舌を出してテヘペロの表情。そしてゴムスタン弾を受けた黒い渦は、勢いを失い、徐々に奇妙な正体を露わにしていった。
「うげっ、
「うわぁ……」と、アルフは呆れたような表情でそれを見る。
「ひっ!」と、フェイトはそれを恐れた。
「う、ううっ……」
黒い渦の正体は肥満体で頭部が禿げた小汚い全裸の中年男だった。そのそばにはキラリと光るジュエルシードが転がっていた。
◇
話は数分前に遡る。
黒い渦の男は、夜な夜な海鳴公園て人気がなくなった頃に、全裸で徘徊する異常性癖の持ち主だった。加えて女児性愛も持ち合わせていた。
そんな徘徊中に偶然にもジュエルシードを発見、拾ったタイミングでフェイトと遭遇、男にとっては幸運、フェイトにとっては不運なタイミングが重なった。
そして、男の歪んだ願望をジュエルシードはさらに歪んだ形で叶えてしまった。
◇
「さて……と」
当麻は男に手錠をかけると、フェイトとアルフに向き直る。
「ちょっと私とお話ししない?」
警察手帳を見せながら。
すんげーひでー敵を作ってしまって正直すまんかった。
つーか作中でこんなド変態で委員会?
と言うわけでフェイトおよびアルフとの初遭遇な第四話。
ド初っぱなからフェイトが酷い目に合うのは当初考えてなかった。
だが触手のくだりを書き始めた瞬間、脳内でピースがパチリとハマるハマる。
だって夜中×金髪ツインテール幼女×黒レオタード×触手=ECSTASY!!
失敬、だがシチュエーション的にそうならざるを得ない。
そしてジュエルシード×歪んだ願望……こうなったらR-18タグに移行してしまうネタになるのはもはや火の目を見るより明らか。
だが、本作ですけべぇ……は流石に無理。検閲のスペックと言う言い訳で回避できる手法を確立できたのは成果だな。
ここまで来たら同情の余地無しのゲスの極みな敵にした方がいい。結果、どうしようもない変態だー!!
正直、触手のくだりまでは話が全然浮かびづらかった……
さて、次は予告編のネタの回収せねば……無計画に予告編は作るもんじゃないな……