美しい花には棘がある。
凛 :「さぁ、今日も部活頑張るにゃ!」
真姫:「その前に授業を頑張りなさいよ。私のノートは見せないからね」
凛 :「…いいもん、かよちんに見せてもらうから」
真姫:「あのねぇ!…花陽、凛を甘やかしちゃダメよ」
凛 :「真姫ちゃんは意地悪にゃ」
真姫:「当たり前のことを言ってるだけじゃない」
花陽:「あははは…って…あれ?」
凛 :「?」
真姫 :「?」
花陽 :「…」
凛 :「かよちん?」
真姫 :「どうかした?」
花陽 :「えっ?…あ、うん…上履きが片方…」
真姫 :「ないの?」
花陽 :「入れ忘れちゃったかな?」
真姫 :「そんなハズないでしょ?」
凛 :「周りに…落ちて…ないか」
花陽 :「昨日、どこかに置き忘れて来ちゃったかな?」
真姫 :「どこかってどこ?」
花陽 :「屋上とか部室とか…」
真姫 :「じゃあ、花陽は練習終わりに上履きを片方だけ履いて、ここまで来たってこと?」
凛 :「真姫ちゃん、いくらかよちんでもそれはないにゃ!」
花陽 :「うぅ…凛ちゃん…いくら花陽でもって…」
凛 :「口が滑ったにゃ」
真姫 :「とにかく、昨日私たちと練習終わってから一緒にここまで来て…2年生とも一緒に帰ったわけだし…そこに片方しかないってことはありえないわ」
凛 :「…だとすると?…」
花陽 :「家出しちゃったのかな?」
真姫 :「なに可愛いこと言ってるのよ!普通に考えれば…悪戯された…としか考えられないでしょ!?」
花陽 :「悪戯?」
凛 :「希ちゃんか穂乃果ちゃんの仕業かな?」
真姫 :「そうね…あの2人ならやりそうだけど…さすがに朝から、こんな面倒になることはしないと思うわ」
凛 :「確かに…」
真姫 :「花陽…あなた…誰かに恨まれるようなことした?何か心当たりは?」
花陽 :「…う~ん…」
凛 :「かよちんに恨みを持つ人なんか、いるわけないにゃ!」
真姫 :「わかってるわよ、そんなこと…一応、訊いてみただけよ。こういうのは考えれることを全部列挙して…ひとつずつ消していくしかないのよ」
凛 :「消去法ってヤツにゃ」
真姫 :「正解」
凛 :「そうすると…あと考えられるのは…」
真姫 :「…逆のパターン…」
凛 :「逆?」
真姫 :「つまり花陽のファンが…盗んだ…」
花陽 :「えぇ!?」
真姫 :「ありえないことじゃないでしょ?」
凛 :「うん!それは考えられることだにゃ」
真姫 :「まぁ、ファンだからって盗んでいいってわけじゃないけど」
花陽 :「で、でも…よりによって上履きなんて…」
真姫 :「気持ちのいいものじゃないわね…」
凛 :「変態さんのすることにゃ」
真姫 :「凛…あなたじゃないでしょうね?」
凛 :「ぶっ!…にゃ?にゃ?真姫ちゃん!り、凛はそんなことしないにゃ!それは酷いにゃ!」
真姫 :「…冗談に決まってるじゃない…そんなに焦ると余計怪しく見えるわよ…」
凛 :「…だよね…」
花陽 :「…」
凛 :「にゃ?凛が盗んだのは、かよちんのハートだけにゃ…」
花陽 :「…」
真姫 :「…」
凛 :「…えっと…職員室に行って、先生にスリッパ借りてくるにゃ~!!」
花陽 :「あ、ありがとう。じゃあ、待ってるね!」
真姫 :「…照れずに、よくあぁいうことが言えるわね…」
~つづく~
この作品の内容について
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面白い
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誰が犯人だ?
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可もなく不可もなく
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犯人がわかった
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つまらない