がちゃ…
一同 :びくっ!
モブA :「あの~…失礼しま~す」
穂乃果:「びっくりしたぁ!!…あら?あなたは今朝の…」
モブB :「あっ…はい…」
海未 :「その方たちは?」
穂乃果:「例のことりちゃんファンだよ…」
海未 :「!?」
真姫 :「…今、練習中なんだけど…何か用?」
花陽 :「ま、真姫ちゃん!」
モブA :「あっ、ごめん…邪魔するつもりはないんだけどさ…えっと…これ差し入れ…」
穂乃果:「差し入れ?…うわぁ、えっ?チーズケーキ?」
ことり:「ちゅん?」
モブA :「たいした物じゃないですけど…少しでも皆さんの力になれれば…って思いまして…ね?」
モブB :「うん。私たちもμ'sの一員になれたらいいんですけど、それは無理そうなので…こんなことしかできませんが…」
穂乃果:「全然、全然!こういうことは大歓迎だよ!」
絵里 :「お断りするわ!」
一同 :「えっ!」
穂乃果:「絵里ちゃん?」
絵里 :「あなたたちの気持ちはとっても嬉しく思うわ。まずは素直に…ありがとう…と言うべきね。でも、学校の存続が決まった今、私たちがμ'sを続けている理由は『ラブライブに出場したい!』という至極、個人的な理由。だから一般生徒に『施(ほどこ)し』を受けてまで応援してもらう…というのは、何か違う気がするの。だから…その…気持ちだけは頂くわ」
希 :「久々に賢い方のえりちやね」
穂乃果:「え~、せっかく、持ってきてもらったんだから、頂くのは頂こうよ!ナマ物だし…持って返れ!っていうのは、逆に失礼だよ!」
絵里 :「それはわかってるわ。2人の気持ちは本当にありがたいと思ってる。だけど、これを良しとして受け入れてしまうと、次から次へと差し入れやらプレゼントを頂くようになって、やがて歯止めが掛からなくなるわ…なんてことをいうのは…ちょっと自惚れすぎかしら?」
にこ :「まぁ、アタシはμ'sの実績を考えれば、なんかしら感謝の気持ちを形にして欲しい…とは思ってるけどねぇ」
絵里 :「にこ…」
凛 :「絵里ちゃんは真面目すぎるにゃ」
絵里 :「でもね、凛…私たちはアイドルである前に学生なの。少し目立つ存在ではあるかも知れないけど、むやみやたらな物品の授受は避けるべきだと思うわ」
モブA :「…」
モブB :「…」
希 :「さすが、えりち…元生徒会長らしい意見やね」
絵里 :「私、間違ったこと言ってるかしら?」
海未 :「いえ…絵里の言う通りだと思いますが…」
希 :「そやけど…穂乃果ちゃんの言うことも理解できるんよ。折角の好意を無碍に断るのも、どうなんやろか?」
絵里 :「希…」
希 :「今回はありがたく頂いておけば?今後については…まぁ校内でアナウンスとかして、周知徹底すればいいんやない?」
穂乃果:「は~い、じゃあ、それは現生徒会の私たちが引き受けま~す」
海未 :「また勝手に…」
ことり:「ふふふ…」
絵里 :「まったく…仕方ないわね…」
穂乃果:「…というわけで…そのチーズケーキ、ご馳走になります!」
モブA :「あ、はい…どうぞ…」
穂乃果:「…って…そういえば、何故チーズケーキ?」
ことり:「うわぁ!…もしかしてこれ…あのお店で出たばっかりの新作!?」
モブA :「やっぱり、わかりますか?」
ことり:「うん!この間、かよちゃんと食べて帰ろうと思ったんだけど…行き損なっちゃったから…ね?」
花陽 :「あっ…」
モブB :「だったら調度よかったです!南先輩はチーズケーキ大好きだって聴いたので…」
ことり:「ちゅん?」
モブB :「えっ?あっ…小泉さんに教えてもらいました。他にもマカロンとかクッキーとか、自分で作るほどのお菓子好きだって…」
穂乃果:「おぉ!なるほど、そういうことか!」
凛 :「どうしたにゃ?」
穂乃果:「えっと…つまり…」
真姫 :「穂乃果、その話はまたあとでしましょう」
穂乃果:「えっ?あ…うん…」
凛 :「?」
穂乃果:「じゃあ、頂くね…」
凛 :「あれ…1、2、3…全部で8つしかないよ?ひとつ足りないにゃ?」
穂乃果:「あ、本当だ…μ'sは9人いるって知らなかった?」
モブB :「い、いえ…もちろんそんなこと無いです。ちゃんと知ってます」
モブA:「実は…残りのひとつは…これなんです!」
一同 :「お、おにぎり?」
凛 :「あっ、凛、これ、知ってるよ!今、コンビニで大ヒットしてる『地獄のおにぎり』だね?かよちんの大好物にゃ」
穂乃果:「地獄のおにぎり?」
凛 :「ひとつのおにぎりの中に具が3種類入ってて…確か…陸上強豪校の寮母さんが最初の作ったんじゃないかな?」
穂乃果:「へぇ…」
凛 :「とにかく美味しくて、ついつい食べすぎちゃうんだって…」
穂乃果:「それで後からダイエットに苦しむことになる…と。それは確かに『地獄』だね」
海未 :「なぜ私の顔を見ていうのですか?」
穂乃果:「いや…別に…」
モブA :「小泉さんは無類のお米好きだと知っていますので…チーズケーキよりはこっちのほうがいいかと…」
モブB:「はい」
花陽 :「う、うん…ありがとう」
海未 :「あまり、嬉しそうじゃありませんね?」
花陽 :「そ、そんなことないよ!私だけひとり、気を使ってもらって悪いなぁ…って」
穂乃果:「なあんだ…強制ダイエットのことを思い出して、憂鬱になってるのかと思ったよ」
海未 :「ですから、なぜ私の顔を見て言うのですか?」
凛 :「かよちんがおにぎりなら、次の差し入れは、カップラーメンがいいにゃ!」
穂乃果:「えっ?そんなリクエストありなの?じゃあ穂乃果は菓子パンがいいかな?」
希 :「ウチは焼肉やね」
真姫 :「それ、差し入れって言わないわよ」
穂乃果:「絵里ちゃんは?」
絵里 :「私はチョコレー…だから、今後、差し入れは頂かないって言ってるでしょ!!」
一同 :「あはは…」
モブA :「では…私たちはこれで失礼します…」
モブB :「どうも、お騒がせしました…」
穂乃果:「うん、わざわざありがとう」
海未 :「あとで、ごちそうになります」
モブA :「はい…では…って…あれ?」
モブB :「どうしたの?」
モブA :「下に何か書いてない?」
一同 :「!!」
モブB :「あっ…本当だ…」
モブA :「…デブは…死…ね…」
モブB :「えっ?」
モブA :「えっ?」
穂乃果:「あぁ…これね…誰が書いていったんだろう?私たちが来たときには、すでにあったんだ」
にこ :「まったく、くだらないことをするヤツがいるのよねぇ」
凛 :「本当だよ。希ちゃんに喧嘩売るなんて、どうかしてるにゃ!」
モブA :「えっ?」
モブB :「東條先輩に喧嘩?」
希 :「そやから凛ちゃん、ウチはちょっとばかり胸が大きいだけやから…勝手にデブ扱いせんといて!」
モブA :「ちょっとばかり…」
モブB :「…ですか?」
希 :「言えんやろ?本人たちを目の前にして『カップにして7つも違うやん』…なんて」
凛 :「聴こえてるにゃ」
にこ :「B、C、D…H?Hなの?」
海未 :「エッチ…ですね…破廉恥です!!」
モブA :「そ、それはそれとして…こんなこと書いてあったら…」
モブB :「いい気はしないですよね」
絵里 :「でも、固有名詞が書いてあるわけじゃないし、そもそも私たちあてに書かれたものかどうかもわからないから…気にしないようにしているわ」
海未 :「はい、今は大事な時期ですし…練習に集中しなければ…なので」
モブA :「そうですね!改めてですけど…最終予選、頑張ってください!」
モブB :「はい、応援してます!」
絵里 :「ありがとう!当日は、お友達をいっぱい誘って観に来てね!」
穂乃果:「あぁ!それそれ、それが大事!ファーストライブみたいに幕が開いたら、誰もいなかった…なんてことはゴメンだもんね!?」
モブA :「はい!」
モブB :「みんなで観にいきます!」
絵里 :「ありがとう。じゃあ、楽しみに待っててね」
~つづく~
この作品の内容について
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面白い
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誰が犯人だ?
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可もなく不可もなく
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犯人がわかった
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つまらない