実力主義のこの世界では、絢辻詞は拳と策謀で想いをつたえる~アマガミ×エクストリーム(序)絢辻詞編 作:vwview
「――ところで、ここで催されているのは、所謂、賭博でしょう?学生の悪ふざけの域を超えているのではなくて?」
絢辻詞は、ここに来た目的――今日の本題にはいった。
「いえいえ。確かに賭け事ではありますが、扱っているのはお金ではありません」
“用務員さん”は、
「絢辻さまも、その重要性をよくご存知のものです」
「成る程。わかったわ」
「そうです。私共が賭けに使っているのは――情報です」
絢辻詞は早速、疑問を呈する。
「それぞれが情報を出し合って、それを元に賭けをする訳でしょう?みんなが皆、人が欲しがる情報を提示できるものなの?」
「絢辻さま。情報の面白い所は、こんなモノと思われる情報も、ある人にとっては喉から手が出る程に価値があるものだったりする所です。
例えば、あなたさまは表じゃ大層人気がございますから、服や靴のサイズ、使っているシャンプーの銘柄など、好きでは無い人にとってはどうでも良いような情報でも、なかなかの高値で取り引きされているようですよ」
「はぁ、物好きな人もいるものね。しかし、そんな風に情報の価値がバラバラでは、公平なオッズにならないでしょう?」
用務員さんは「よくぞ聞いてくれました」とばかりに、ニヤリとして語り始める。
「どうオッズを平準化するかというと、そもそも情報を単体では取り引きに使いません」
「ふぅん――」
「絢辻さまが仰られた様に、各情報の価値はバラバラです。そこで先ず、主要な情報の種類で、
後は、株式市場と同じく、銘柄毎のニーズによる変動値を加味すれば、その日その時の情報の価値が決定できます」
「なかなか面白いアイデアね」
「この価値基準をベースに、価値の高い情報、低い情報を複数混ぜあわせて、だいたい等価値になるようにした情報の塊を多数作り、それを一つのチップとして賭けに使う訳です」
「それじゃぁ、欲しい情報を手に入れられる訳ではないのね」
「左様です。情報はあくまで、賭けるチップの価値基準として使ってます。パチンコで景品や現金と交換する前の、レコード針やダイヤモンド刃みたいなもので、いざとなったら現金に換算出来るという“信用”としての情報です」
用務員はここで一度言葉を切って、絢辻詞が理解するのを待った。