実力主義のこの世界では、絢辻詞は拳と策謀で想いをつたえる~アマガミ×エクストリーム(序)絢辻詞編 作:vwview
声の主は対面の壁際にいるタンクトップの男だった。どうやらこの中ではヒエラルキーの上位に位置する男のようだ。肩のよく発達した三角筋や、引き締まった体系から見るに、何か格闘技の経験がある事が外見から想像できる。
「顔を隠してこんな所に来るようじゃ、おめぇも真っ当な筋じゃねぇんだろ?」
「…………」
絢辻詞は問いには答えず、ゆっくりと部屋の中央に歩を進める。
「なにが目的か知らねぇが、こんな派手な事して、ただで済むと思ってるのか?」
絢辻詞は肩をすくませて、さも困ったような仕草をする。
「貴方達のボスに会いに来ただけなんだけどね。なんだか意気投合しちゃって、盛り上がり過ぎちゃったのよ。ごめんなさいね」
タンクトップの表情が一気に険しくなった。
「――ここの事を何処まで知っている?てめぇ、何者だ?」
タンクトップはゆっくりと近づいてくる。その動きに合わせて、他の連中も絢辻詞を中心に間合いを取り始めた。
「あらあら剣呑ね。 “お友達”ではだめかしら」
「……答える気がねぇなら、体に聞くまでだ。足技には多少自信があるようだが、この数相手にどこまでやれるかな」
絢辻詞は周囲の動きに注意を払いながら、相手に
「
タンクトップの咆哮に続き、周りの連中も一斉に罵声を浴びせる。旧ボイラー室は静寂から一転、一気にヒートアップした。
男たちに取り囲まれている、
しかし、実際の絢辻詞の状況はといえば、全く違っていた。その時の彼女は、自身の中で膨張する嗜虐性向を理性で必死に抑え込もうとしていたのだ。ここにいる奴らを
あの目だ――――。
自分を屈服させようとする時に、男たちが向ける爬虫類のような、あの目。