実力主義のこの世界では、絢辻詞は拳と策謀で想いをつたえる~アマガミ×エクストリーム(序)絢辻詞編 作:vwview
事件があってから暫くの間、少女 絢辻詞は荒れた。
それが、当時を知る周辺関係者の総じての印象だった。老人はちょっと脅かしすぎただけだと、何をしたのかについては言及を避けていたし、当の絢辻詞もこの件を語ることはなかったので、表向きは何もなかった事になっている。相手が相手でなければ、通報案件の出来事があったことは間違いないと誰もが分かっていたが、老人の持つ権力と絢辻家との関係性、体面からこの事は公然の秘となっていた。ともかくも、絢辻詞のその後の様子から大事に至らなかった事は明白なので、周辺関係者はひと先ず胸を撫で下ろした。
そうした訳で、「純真無垢な
これまでの絢辻詞は、小さな頃から使用人が手を焼くような行動は一度たりとも取ったことがない。それどころか、誰にでも礼を
絢辻詞からするとその時、別に
しかし、絢辻詞の中では収まったどころか
ある日の昼下がり――第二次性徴もまだだというのに、嗜虐性向が開花するなんてと、 裏庭の片隅でトカゲを虐待しながら、少女 絢辻詞は独り自嘲する。
自分の中に芽生えた嗜虐性向を理解した後、当時の絢辻詞は努めてその事を秘匿するようにしていた。そして、もっぱら庭の虫などを密かなリビドーの吐け口としていた。元々虫は嫌いなので罪悪感は皆無であった。しかし最近の問題は、始めアリくらいで済んでいた対象が、徐々に大きくなってきている事だ。
この頃、絢辻家の内庭には、
絢辻詞はそれに目を付けたが、さすがに兎となると話は簡単ではない。彼女は一計を案じた。