実力主義のこの世界では、絢辻詞は拳と策謀で想いをつたえる~アマガミ×エクストリーム(序)絢辻詞編 作:vwview
ちょうどその頃、絢辻家の使用人に一人の若い男が新たに加わっていた。使用人で終わるつもりは毛頭なく、
絢辻詞は早速、その男についての情報収集を開始した。使用人同士の会話を盗み聞いたり、周囲の人々との会話から何気なく情報を引き出す。親が不在にしている間に書斎からプロフィールなどのファイルにも目を通す。学歴などは非常に優秀で、知人のコネだけで採用されただけの男ではないらしい。
しかし、人物としてはどうやら、
――それから、絢辻詞はその使用人の男に、周到に策を巡らし始めた。
いつの頃からか、その使用人の男は、小さな齟齬や思い違いといった「落ち度」とまでは言えないレベルのミスを頻発するようになっていた。おそらく自分でも何故こんなケアレスミスをするのか理解出来ず、首を傾げていたに違いない。絢辻詞の仕業であった。やり方は単純で、変更された業務内容が男に届くのを遅らせたり、複数の違った内容が男に伝わるようにするなど、ちょっとした情報操作をしただけだ。
勿論、絢辻詞が手を下した事が分からないよう、複数の人や物を介して操作した事は言うまでもない。
「自分は出来る人間」と自認していた男は、
男が新参者で親しい人が身近に居なかった上に、人との馴れ合いを好まない性格であった事が、絢辻詞にとっては幸いした――男にとっては最悪であったのだが。こうして、男のはじめの頃にあった