「ラグナさん、起きてください!」
「ラグナ、起きて」
「ねえねえ、ラグナ~!」
ゆさゆさ
聞きなれた3人の声の主達が俺の体を揺らす。たく、もう少し寝かせろよ...
「おい、何だってんだ朝っぱらから。もう少し寝かせ...」
「何を休みボケしてるんですか!」
「今日から、新学期」
「ニュー達二年生になるんだよ、ラグナ!」
「...は?」
おいまて、今日ってまさか...
「始業式か!?」
「全く、マコトから電話がありましたよ?またハザマさんと朝までオンライン対戦してたって」
「いや、よく徹夜でゲームしてるあいつにだけは言われたくねーわ」
「ラグナもハザマも、始業式のこと忘れてた。マコトもハザマを叱ったと言ってた」
あの野郎、俺の事道連れにしやがって....
「目が覚めないなら、ニュー達がおはようのチューしてあげるよ?そしたら起きれるよね!」
「ば!?バカかてめえ!?」
ああもうくそ!このままペース握らせとくにはいかねえ。とっとと起きて着替えるか。
「わかったわかった。着替えるから、とりあえず部屋から出てろ。ノエル、今何時だ?」
俺はこの顔がそっくりな三姉妹の次女、ノエルに今の時間をきいた。
「えっと、今七時半過ぎです」
ヤバいな、結構ギリギリか...
「ラグナの分のご飯、暖め直してくる」
もの静かな感じの長女ラムダ。普段はこいつと俺とで飯を作ってる。
「ニューもなんか手伝うよ!ほら、ノエル姉もいこ!」
そして、末っ子のニュー。他の二人は金髪だがこいつだけは銀髪である。言動が少し幼いのは...いや、また今度の機会にしておこう。
下に降りると掃除をしていた人影があった。
「あら、おはようラグナ。昨日はだいぶ夜更かししたって?」
この人はセリカ=マーキュリー。俺や三姉妹達が住むこの孤児院の経営者だ。といってもすんでるのは俺とこの人、あと三姉妹だけだがな。何年か前まではあともう1人いたが。とても若く見えるがすでに40を越えてるという。俺たちの母親のような存在である。
「今日から二年生でしょ?そんなんじゃまたミツヨシ義兄さんに叱られるわよ?」
「勘弁してくれよ。ただでさえ鬱陶しいやつらが多いんだからな、うちの学校」
そうは言いつつも、実際世話かけてるから文句は言えねえし気に入ってくれてるやつもいるがな。
「ほら、せっかくご飯ラムダたちが作ってくれたんだから。あの子達が着替えてる間に食べておきなさい」
そうだな、さっさとくっちまうか。時間もあまりないので一気に飯をかきこみ終わった頃にあいつらも降りてきた。
「んじゃ、行ってくるわ」
「ええ、行ってらっしゃい。義兄さんとココノエによろしくね?」
「どうしたんですか?ラグナさん」
「ん?いや、桜がきれいだなと思ってな」
今年は花見をしてないなと思いつつ通学路を歩いてたが...春は出会いと別れの季節とはよくいうな。この腕を一度無くしてあいつが孤児院を離れたのも、あいつらと出会ったのもこの季節。さて、今年はどんな出会いがあるやら。