バカとテストとブレイブルー   作:ぶるらー

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さて、今回で第二章完結です!


八話

「くそ、ふざけんな!なんでこんなやつらに俺達が押されなきゃ!」

 

「俺達三年生が二年のバカどもに!」

 

試合が始まり明久は高城と、俺と坂本は常夏の二人と戦っている。しかし、こっちは正直あっという間にけりがつきそうだ。技術こそ二年生よりは高いがそれでも俺や明久には遠く及ばねえ。それに点数も倍ほど差がついてる。そんなやつらに!

 

「こっちのセリフだな、そいつは」

 

「ああ、てめえら馬鹿か!人の店邪魔するどころか、誘拐まで指示するくそ野郎に協力するやつに俺達が負けるわけねえだろうが!」

 

「おらあ!」

 

坂本に吹き飛ばされてきたモヒカンの召喚獣がハゲの召喚獣に激突した、今がチャンスだ!

 

「くたばれぇぇぇ!」

 

ズバ!

 

「夏川俊平、常村勇作戦闘不能!」

 

「そんな、ばかな!」

 

「へ、だけど高城に勝てるわけがねえ!あいつがかちゃいい!」

 

「はっ、こっからは三体一だ。それに腕前を使える今のあいつなら...」

 

「...坂本、明久の助けに行くぞ」

 

「なに?」

 

俺の目線の先には...高城に苦戦している明久の姿があった

 

吉井明久 211

 

高城雅春 362

 

「なに!?明久を圧倒してるだと!」

 

あいつの腕輪も俺と同じ強化タイプとはいえこの短時間であそこまで消耗するとは思えねえ。つまり...

 

「高城!てめえ、まさか明久と同等...いや、それ以上の操作能力もってんな?」

 

「おや、ばれてしまいましたか」

 

「はぁはぁ...やっぱりね、どうりでなかなか攻撃が当たらない訳だよ」

 

「そんなことはありませんよ、君も100点ほど私の点数をけずっているではありませんか。ある程度の努力は本当にしていたようですね。そういうところは素直に称賛させて頂きますよ。マイ嬢のそばにいれる程の資格があるかどうかは別にして」

 

...ずっと気になってたが

 

「おい、てめえ何故そこまでマイにちょっかい出そうとしてんだ?」

 

「そりゃあ...好きだからですよ?」

 

「「「!!??」」」

 

「いけませんか?」

 

はぁ、いけませんかじゃねえよ

 

「おい、うちのクラスのバカどもでさえ嫉妬で付き合ってるやつらに襲いかかるような真似やめる事ができたんだぞ?明久とマイが付き合ってるの知っててまだなんかするならてめえの頭はFクラス以下ってことになるが?」

 

「あんなおばかさん達と一緒にしないで下さい。それにただの幼ななじみというだけで付き合えてるような吉井くんよりも遥かに優秀な私が彼女の相手に相応しいとはおもわないのですか?」

 

「...まあ、一理あるよね」

 

「明久?」

 

「だから僕はここまで点数を上げてきたんだよ、それでもあんたからしたら低いかもしれないけどね」

 

「そうですね。しかし貴方のようなバカでも考えついたんじゃないですか?夏目マイ嬢いや...葉月マイ嬢の家に取り入ろうと」

 

「葉月?島田の妹じゃないよな、名字か...いや、どこかで聞いたような」

 

「!?なんで、マイの事を!」

 

「そうか、やっぱお前と多分マイもこいつの事覚えてねえか」

 

「え?どういうこと?」

 

「...後で話してやる。今はこいつの事を片付けるぞ!」

 

「そうは行きませんよ!」

 

高城の召喚獣が剣を構えて突っ込んできた!

 

ズバ!

 

「ら、ラグナ!?」

 

「ほう、フィードバック覚悟で庇いましたか」

 

俺の召喚獣は右腕を剣で貫かれていた。右腕で防御していた

 

「...な、何故そこまで落ち着いているんですか!あんな攻撃受けてまともでいられるはずが!」

 

「わりいな、俺の右腕はちょいと特別でね。あいにくフィードバックを受けねえんだよ」

 

まあフィードバックがあったとしてもこんな奴に隙を見せるわけねえけどな

 

「おおらあ!」

 

俺はそのまま上空に高城の召喚獣をぶん投げた

 

「坂本!」

 

「おう!」

 

ドガン!

 

坂本の召喚獣に殴られ落ちてきた高城の召喚獣。さて、見せてやるか。こいつらにも内緒にしてた...

 

「くらえ!」

 

必殺技をな!

 

「デッドスパイク!」

 

地面を這わせるように剣を振り表れた化け物の頭のような衝撃波が高城の召喚獣を飲み込んだ

 

「止めをさせ!明久!」

 

「うおぉぉ!!」

 

「簡単にやられませんよ!」

 

その言葉と共に高城の召喚獣がデッドスパイクの残留から飛び出してきた!まだ動けたのか!

 

「ふん!」

 

高城の攻撃が明久の左肩を貫いた、まずい!

 

「明久!」

 

「......」

 

ぐ、ぐぐ

 

「な、なんで、もろにくらって、何故むかってこれる!」

 

明久の召喚獣は刺し貫かれながらも高城の召喚獣に向かって行っている

 

「...止まれるかよ」

 

「なんですって?」

 

「この程度で、は止まれねえんだよ!」

 

その言葉と共に明久の木刀を纏っていたものが鎌の形になった

 

「でぇぇぇりゃぁぁ!」

 

その一振りで高城の召喚獣は真っ二つになった

 

「ば...ばかな」

 

「そこまで!吉井明久、ラグナ=マーキュリー、坂本雄二チームの勝利!」

 

ワァァァァァァ!!!

 

その言葉は観客の声援にかきけされた。...勝ったのか...だが

 

「明久...」

 

「はあ、はあ。ごめん、僕があいつを一人でなんとか出来てれば良かったんだけど...」

 

「いいさ、どうせお前ひとりじゃ無理だろうと思ってたけどな」

 

「な!雄二、お前そんなこと言う?」

 

「...」

 

僕...か。さっきのあの気迫と俺って言い方...どこかで...

 

 

 

 

 

「勝ったわね、明久くんたち」

 

「...ああ」

 

「行くんでしょ?あの子たちの所に」

 

「勿論だ、その為に来たんだからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう、今日は忙しかったね」

 

その日の夕方、清涼祭二日目が終了し僕達はいつものメンバーで教室で休憩していた

 

「そうだね、明久やラグナ達が活躍してくれたからね」

 

今日は昨日とはうってかわって大盛況だった。料理の評判が広まったのと子連れのお客さんが多く来て更にハザマくん提案で写真撮影までやったことでかなりの儲けが出たはずだ。まあおかげで今日は1日ずっとライダーのコスプレのままだったけどね

 

「さて、では練習しますか!」

 

「練習?」

 

「あ、そういえば昨日のごたごたで言えてませんでしたね。優勝したら明日皆さんであるダンスを踊る予定でしたんですよ」

 

「おい、聞いてないぞそんな話」

 

「だって話してませんもん」

 

「はあ、で?なんのダンスなんだハザマ?」

 

ガララ

 

「...お邪魔します」

 

「し、翔子!?」

 

「霧島さん、ナイスタイミング!よくきてくれました!」

 

「...雄二と踊れるって聞いたから。どんなの?」

 

確か昨日霧島さんがどうのって言ってたね。このことか

 

「それなんですがね...」

 

そういってハザマくんはスマホである動画を見せた

 

「...ねえ、ハザマくん?」

 

「はい?」

 

「このダンス、やるなら絶対コスプレ変えた方がいいよね?」

 

「大丈夫ですよ、特撮つながりってことで!」

 

「おい、まさかここにいるやつら全員で踊る気か?」

 

「ええ、そうですが?」

 

「おいおい、コスプレの次はこんなガキがやるようなダンスかよ...」

 

ガララ

 

「あれ、だれかな...」

 

「マイ~ー!!」

 

「ぐふ!」

 

ばたん!

 

突然誰かが入ってきたと思ったらマイに飛び付いてきた!ん、あれって...

 

「...え?おかあ、さま?」

 

「久しぶりね、マイ」

 

「お母様!」

 

「な、なんだあの人?」

 

「...マイのお母さん」

 

「あら、貴方明久くんよね?」

 

「あっ、ちょっと待ってください」

 

僕はマスクを外した

 

「お久しぶりです、4年半ぶり、ですかね?」

 

「そうね、マイもこんなに綺麗になって明久くんもすっかりイケメンになって」

 

「リン、あまり見苦しいところをみせるな」

 

「あら、ごめんなさいあなた」

 

今度は男の人が...まああの人だよな

 

「明久よ、この人たちはもしかして夏目のご両親なのかのう?」

 

「うん、そうだよ」

 

「...申し遅れました。そこにいる夏目マイの父の葉月ホウイチロウと言います。そこにいるのは妻のリンです」

 

「お父様...」

 

「マイ、すまなかった」

 

そういってホウイチロウさんはマイに頭を下げた

 

「お前を守るためとはいえ、勘当までして...」

 

「葉月...勘当...そうか、夏目お前あの葉月家の娘だったのか」

 

「そういえば雄二達には話してなかったっけ...」

 

話が話だったから時期をみて話そうとはマイが思ってたらしいけどね

 

「うん...小学生の頃にちょっと色々ね」

 

「だがようやく父や親戚連中を一人を除いて納得させる事ができた」

 

「......納得?」

 

「えっとね、私実は明久と付き合い始めた頃に...政略結婚させられそうになってたの」

 

「小学生でそれってことは...許嫁ってことか?」

 

「まあね、でもお父様は私を葉月の名から解放するために私を勘当して明久の家に預けたの」

 

「お前と明久くんの中は知っていたからな、お前達を引き裂くような事はしたくなかった」

 

「なあ、マイの親父さん」

 

「...ラグナくんか」

 

「さっき一人を除いてっつったがそのあと一人って」

 

「ああ、高城雅春だ」

 

高城先輩!?どうして?

 

「どういうこと?」

 

「あいつ、その政略結婚の候補のひとりだったんだよ。腕をなくす前はあいつとずっと同じクラスだったからな、多分その話が出た頃だろうな。俺がマイと知り合いだったことをしるとべらべら話してきたからな」

 

そうか、ラグナと同じクラスってことは僕たちにとっては小学生の頃からの先輩でもあったわけか。だからラグナはあんなことを...

 

「彼だけが唯一未だにその話を持ちかけてくる。ご両親も納得してるというのにだ」

 

「でもどうしてまだ諦ようとしないんでしょうか」

 

「ついにストーカーになった?」

 

「あいつマイの事口説こうとしてたんだよね?」

 

ノエルさんたちも呆れているみたいだ

 

「まあ、彼一人なにか言ったところでどうすることも出来んからな。マイ、もう少ししたらお前を戻してやれる」

 

「...お父様、お母様。私、このまま明久と一緒に暮らして生きたいんです。ダメ、でしょうか?」

 

「...そうか。分かった、ならばもし気が変わったら言え。そのときは明久くんも連れてな」

 

「お父様...」

 

「明久くん」

 

「は、はい!」

 

「...マイを頼むぞ」

 

「はい!」

 

「良かったら...今度ウチにこい、二人でな。一緒に食事でもしよう。帰るぞ、リン」

 

「ええ、ホウイチロウさん。あ、ふたりとも?」

 

「「?」」

 

リンさんはおいでおいでしながら僕とマイを近寄らせる

 

「...孫の顔、早くみせてね?」

 

その言葉を聞いた僕たちは真っ赤になった

 

「それじゃあねー」

 

それだけ言って二人は帰っていった

 

「おい、どうした?」

 

「え?あ、いやなんでもないよ!ねえ明久!」

 

「う、うんそうだよ!喧嘩しないようにねって!」

 

「?」

 

その後、僕たちはダンスの練習を二時間ほどやってから帰った。

そして翌日、召喚大会で優勝したチームがやる出し物と言うことで僕たちが踊ったリュウソウジャーという番組のケボーンダンスを沢山の人が見に来てくれて宣伝に一役買いコスプレ喫茶はまたまた大盛況。したんだけど...

 

 

 

 

 

「「まてこらー!」」

 

「すみませーん!!」

 

 

ハザマくんがココノエ先生につくってもらったコスプレ衣装がかなり費用がかかってしまい結局全員分の新しいちゃぶ台と座布団くらいしか買えないことになってしまったというオチが付いたけどね。

 

 

 

 

 

 

「もうー私のほうがおねえさんなんだぞー!わかってんのかー!」

 

後夜祭の最中、僕はマイに、向こうではラグナが姉妹三人に囲まれている。...酔っぱらい状態というおまけ付きで。

 

「らぐなさーん」

 

「らぐな...」

 

「らーぐなー」

 

「たく誰だ、間違えて酒買ってきたばかは!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕たちは気づいてなかった。このすぐ後に、多くの真実と向き合う事になるとは

 

 

 

 

 

 

 

「よう、無様に負けたみてえだな、高城ちゃんよう」

 

「まさか、彼があそこまでやるとは...」

 

「まあ、花持たせてやったと思えばいいぜ!今回の件、教頭に責任押し付けることが出来たしなぁ、あんたのおかげで...レリウス=クローバー」

 

「ふ、お前たちが面白い物を見せてくれるというからな、これくらいお安いごようだ」

 

「さあ、はじめるとしようぜ!世界の終わりをよう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......」

 

「お久しぶりね、英雄さん」

 

「...道化か」

 

「どうするつもりなの?このままじゃ...」

 

「...わかっている。このまま奴等を野放しにしておくわけにはいかない。私一人でも...」

 

カツンカツン

 

「...いえ、一人ではありません」

 

「なんだ、お前は?」

 

「かつての世界で六英雄と呼ばれた貴方でも一人では無理です。ですから...」

 

金髪の髪と蒼い瞳の少女はアタッシュケースを取り出し中身を見せた

 

「これを彼らに託すんです。未来を...救うために」

 

その中には明久達が身につけていたものと同じベルトが入っていた

 

「なるほどね...なら彼らに期待するしかないわね。あなた達を待ち受けている運命はとても過酷よラグナ、そして...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「黒鉄ナオト」

 

 




「かつて、世界を救った男がいた」

「そして、世界を救う可能性のその男を救った少年がいた」

「そして、世界を去ったその二人を愛した女達がいた」

「記憶をなくしながらもその思いは」

「魂に刻みこまれた」

「この世界は」

「この物語は」

「愛する者に会いたいという願いが叶った物」

「次回、第三章。ナイトメアオーバーワールド~破壊者と魔王、20××~」














「お前が選ぶ未来はどんな歴史をたどる?過去の私よ」

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