【完結】涅マユリ(偽)が第4次に召喚されたヨ   作:妖怪もやし

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 牛歩更新ですいません。


 4話 キャスター登場

 考えた末に、私は彼らの前に姿を現すことにした。この方がオサレポイントが上がりそうだからネ。ネムにある指示をだしながら手鏡で自らの外見を見直し、問題無いと判断して腰をあげる。第一印象は大事だからネ。万が一着物の裾がめくれていたりしたら台無しだヨ。

 

「全く、興ざめな真似をしてくれたものだネ」

 

 結界内に侵入し、堂々と姿を現す。夜の闇にフ●ーザボイスが響き渡るのと同時に、三騎のサーヴァントとそのマスターの視線が集まることを実感するヨ。

 さらに役者が増えたことでライダーは満足げに笑い、セイバーとランサーは警戒の色を強める。

 

「ほう、珍妙な格好のサーヴァントもいたものよな」

「この格好の良さが理解できないとは、そのセンスの無さと相互理解を拒否する貧相な脳髄に同情すら覚えるヨ」

「ハハハハ!その口の減らなさにいくつもの仕掛けを施していそうな礼装…貴様キャスターよな?」

「いかにも」

 

 堂々と認める。隠すのはオサレでは無いし、消去法でいずれは分かることだからネ。セイバーとランサーが会話に入ってこないことに一抹の寂しさを感じながらもライダーとの会話を続行する。

 

「そこなる未知の力を持つキャスターよ、貴殿も我が軍門に下る気は無いか?」

 

 セイバーとランサーにそうしたように、彼は私にも自らの元に下るよう要求を出してきた。まあ予想通りだネ。ノータイムで返事をする。

 

「愚問だネ。そこの両名と同じく断らせて貰うヨ」

「なに?貴殿もか?せめて待遇だけでも言わせてほしいものだがなぁ」

「では君の手でマスターと思わしきその小僧の腕を切り落とし、令呪と共に私の前にひれ伏したまえ。そうすれば君を私の部下として認めてあげなくもないヨ」

「ちょっと待てぇ!なんでライダーが勧誘を持ち掛けてるのに、お前が雇う側になってるんだよ!」

 

 怒鳴るように身を乗り出す青年の顔は、腕を切り落とせと言われた恐怖からか微かに青く染まっていた。一方の巨体のライダーは私の100%冗談ともいえない発言に笑みを深めた。

 

「余に部下になれとは!最前線に自ら出向くことといい、珍妙なキャスターも居たものだ」

「で、返事は?」

「聞くまでも無かろう。却下だ」

「それは残念。…ところで」

 

 くるり、とセイバーとランサーらに顔をむける。セイバーより離れた位置にたつ銀髪の美女が、街灯に照らされた私の面に引いた様子だったのが少しショックだヨ。私の素顔はイケメンなのだけどネ。この仮面姿では無理もない反応か。

 

「ライダーよ、この場に於いて主役は我々ではないと思うのだがネ」

「ふむ、どういうことだ?」

「我々は彼らの戦いの邪魔になっていると言っているのだヨ」

 

 二人は警戒の籠った視線を私とライダーに送ったまま、様子を伺うように自らの得物を手に構えている。両者のマスターは次々と現れるサーヴァントに対応を決めかねているのか、何も指示をしない。膠着状態を破るように、私は戦いの指揮をとる独裁者のように手を振り戦を促す。

 

「なにを遠慮しているのかネ。さ、続けたまえ」

「むぅ?おいキャスター、続けさせるつもりか?」

「当然だろう。今宵の晩餐会の主役は彼らだ。彼らのダンスに横やりを入れてしまった私と君は大きなマナー違反を犯したことになる。そうは思わないかネ?」

「…」

「邪魔をしてしまった我らに出来る詫びとしては、ダンスを続行させてその観客となるくらいだろうネ」

「ふむ…。まあ一理あるな」

「おい!なに敵のセリフに納得してるんだよ!」

 

 手に顎を乗せながら頷くライダーに元気ツッコミを入れる未来のエル何とか二世。まあ、この世界では一世が死ぬかどうかは不明なので二世を襲名するかどうかは怪しいがネ。

 その時、ランサーのマスターからの声が響き渡る。

 

「ランサーよ、今はセイバーは良い。先にキャスターを始末しろ」

「…了解しました、我が主よ。セイバー、そこで待っていろ」

 

 非力なキャスターである私を先に片付けようということかネ。まあ合理的な判断と言えるだろう。命令されたランサー自身もそう感じたのか、眼前のセイバーとの戦いに未練を見せながらも私へと槍を向ける。私も着物の中に仕込ませた薬品や斬魄刀をいつでも使用できるように身構える。私も姿を現したからには攻撃対象になることなど覚悟の上だからネ。様々な仕込みをしておいたのだヨ。

 新たに勃発しかけた戦いを前に、ライダーは傍観の構え。セイバーはアイリスフィールと視線を合わせたが、切嗣からはまだ指示が出ていないのだろう。銀髪の美女は無言で首を振った。切嗣はこの状況をどうとらえているのだろうネ。

 

「雑種共が…真の王を前に何を戯れておるのだ」

 

 私とランサーの戦いが始まろうという一触即発の状況に、傲慢が服を着て歩いているような声が響き渡る。同時に夜の闇の中で黄金の鎧を身に纏う英雄王殿が現れた。原作より少し登場タイミングが遅いのは、私が参加したことによるイレギュラーかネ。セリフも違うし。

 新たに登場したサーヴァントに周囲の視線が集まり、必然的に私とランサーの戦いもお流れとなる。ヤツは周囲からはアサシンを倒したマスターとして注目されているだろうし、注目度が高いのは当然か。オサレに登場した私の見せ場を取られたようで複雑ではあるが、手の内を明かさずに済んだのは良しとするべきかネ。 

 

つづく

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