【完結】涅マユリ(偽)が第4次に召喚されたヨ   作:妖怪もやし

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 5話 アーチャーとのコンタクト

「貴様如き雑種が、誰を差し置いて王を名乗っている?身の程を弁えよ」

「誰を差し置いてと難癖をつけられてもなぁ…。余は言わずと知れた征服王その人なのであるが」

「誰であろうと我にとっては等しく雑種にすぎん」

「そこまで吠えるなら名前くらい名乗ったらどうだ?」

 

 目の前で行われるのはライダーとアーチャーの言葉のやり取り。うむうむ、登場のセリフこそ違えどほぼ原作通りのやりとりだネ。けして目新しい会話が想像できなかったわけではないヨ。そして私は見事に話に置いていかれてしまっているヨ。ランサーも新たに現れたアーチャーを警戒しているのか私に仕掛けてくるのを完全にやめたようだしネ。

 しかし考えようによってはこの状況も悪くないかもしれないけどネ。

 

「しかし、珍妙な格好のキャスターも居たものよな」

 

 おっと私に視線を向けるとはなかなかいい目をしているじゃないか。ライダーと同じような台詞を言われたが決してレパートリーがないわけではないアルヨ。

 

「君もこの格好の良さが理解できないとはネ。かの英雄王のセンスもたかがしれたものだヨ」

「…ほう、我を知っているとはな。こざかしい頭脳はキャスターのとりえと聞くが、想像以上だったようだ」

 

 一石を投じてみるとアーチャーはあっさりと認めてみせた。ライダーのマスターは目を丸く見開き、セイバーとランサーの表情にも変化が生まれる。今頃、家で一連の流れを見ているであろう優雅たれさんは顔を青くしていることだろうネ。新世界の神のように「馬鹿野郎ー!何をやっている!ふざけるなぁー!」って部屋で怒鳴って居たら面白いネ。まあ優雅だからそれはないか。

 

「知っているとも。君がマスターとのつまらぬ企みに興じていたこともネ」

「…」

「アサシンを倒したと見せる芝居は、君にとって実に退屈で不本意なものだったのではないかネ?」

「…フハハハハハ!そこまで知って居ようとはな。我としたことが、貴様の器を図り間違えていたようだ」

 

 不機嫌そうだったアーチャーの様子が一変し、楽し気に高笑いする。その姿はまるで某カードゲームアニメの社長やテニヌ界で王国を築いたキングのようだった。

 一方、状況についていけないウェイバーがこちらを睨むようにしながら問いかける。すっかり彼は質問役兼リアクション役になっているネ。

 

「ちょ、ちょっとまて、アサシンを倒したのが芝居だって?アサシンは確かに脱落したじゃないか!」

「いや、アサシンは生きているとも。この場にも姿を現しているはずだヨ。だろう、アーチャー」

「道化風情が我に質問をするな、と言いたいところだが…貴様は気に入った。特別に許そうではないか」

「それはありがたいことだネ」

「そこの小僧。先ほどの質問だが、アサシンが生きていることに間違いはない。ここにコソコソと潜んで居ることもな。クハハハハ!ヤツのつまらぬ企みもこれで終わりだな!実に滑稽だ!」

 

 相変わらず楽しそうに高笑いしながらのアーチャーの言葉に、ライダーが思い当たったかのように顎をなでる。

 

「そうか、別の人格…か…」

「なかなか理解が早いな、ライダーよ。察しの通りだ。…戻れだと?貴様如きの忠言を我が受けるとでも思ったか」

 

 超速理解をするライダーに堂々と肯定してみせるアーチャー。後半の独り言と思わしき言葉は、恐らく時臣からの帰還命令だろうネ。今の状況を楽しんでいるであろうアーチャーがそれを聞き入れる筈もなく、苛立った様子で拒否していた。

 時臣には同情するヨ。自分の味方の筈のアーチャーがボロボロ自白しているのだからネ。外道神父は愉悦ってそうだネ。

 

「君のマスターは融通が利かない人物のようだネ」

「全くだ…。つまらぬヤツよ」

 

 溜息をもらすアーチャー。そこにロードさんからの声が響き渡る。

 

「私からも聞かせてもらおう。アサシンが生きているということが事実なら、脱落したアサシンのマスターを囲っている教会は不正を行っていることになる。違うか、アーチャー」

「その通りだ、ランサーのマスターよ。して、それを知ったところで貴様はどうする?」

「…愚問だ。極東の魔術師め、時計塔最高の魔術師である私を怒らせたことを後悔させてやろう」

「ほう、せいぜい頑張ることだ」

 

 魔術師としての誇り溢れるロードは、冬木の教会の不正が許せないようだ。声に怒りが漲っている。これは勝手に潰し合ってくれそうだネ。良い展開だ。それにしてもセイバーとランサーが空気だネ。アイリスフィールは驚きの表情こそ浮かべているがお飾りなので積極的に発言する気はないようだしネ。

 そこに空気を読まず現れたのは、甲冑と黒いオーラがオサレなバーサーカーだ。おじさん、別に来なくてもよかったのだがネ。私にとっていい感じに話が進んでいたのに。だから君はモテないんだヨ。

 

「貴様…狂犬風情が誰の許しを得て我を見上げている…」

「………」

「不快な犬だ。せめて死にざまで我を楽しませてみせよ!」

 

 自らを見上げるバーサーカにイラついた英雄王が宝具アタックを仕掛けた。最初に放たれた宝具をつかみ取り、それを武器として二撃目を弾く姿は間近で見ると実に見事なものだヨ。

 その様を見てライダーたちが感嘆の声をあげるのはカットだヨ。

 

「我の宝具をつかみ取るとは…その不敬!死で償え!…令呪か、思い上がったな…」

 

 本気になり、ゲートオブバビロンを発動しようとするアーチャー。だがその姿が消えていく。時臣が令呪を使って強制的に撤退させたようだネ。判断が少し…いやかなり遅いヨ。私ならアサシンの件を自白し始めた時点で撤退させるネ。

 彼が消えたのを確認し、私はバーサーカーによって弾かれた二撃目の宝具をこっそり回収する。これは研究のしがいがありそうだからネ。原作ではどうだが知らないが、アニメではアーチャーが消えると同時に弾かれた宝具も消滅、あるいは放置プレイを受けていたはず。だが、私はいつものなんでもアリな薬品を振りかけることで宝具の消滅を防いだのだヨ。そこ、火事場泥棒とか言わないように。

 さて、アーチャーが去って残ったのは私を含め6のサーヴァント。張り詰めた空気はまだまだ消えそうにないネ。 

 

つづく

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