祖龍と紅龍の力を持つ青年がダンジョンで一族復興を願うのは間違っているのだろうか   作:三本線

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設定としては原作開始少し前?くらいの設定です


龍人の少年うまれる

龍人族の子供が誘拐され、戦争にまで発展した事件から長い長い時間が経っていた。

その長い時間で龍人族は、ゆっくりとしかし確実に種族としての数を減らしていた。

理由は、二つ。

 

一つ、単純に生殖能力が低く、1人の龍人族の女性からは多くても2人の子供しか生まれないこと。また、龍人族は同じ龍人族としか子供を作ることができない。過去には人間の女性と子供をつくった先祖などもいたようだがそんな例は長い龍人族の歴史の中でも片手で数えることのできる回数しかなく、例外中の例外である。

 

二つ、先の戦争での龍人族の人間の戦闘能力を見た神や、富裕層の人間が龍人族の眷属や奴隷を求めて、密かに大金を積んで龍人族を攫ったり、また冒険者崩れの悪党などが高く売れる龍人族を拉致して、闇市などへ売るということが増えたことである。

 

この二つの理由により龍人族は数を減らしている。恐らく多く見積もって現在、龍人族は100~120人くらいしかいないだろう。

さらに、龍人族は種族単位でなく家族単位で世界各地を転々としたり、秘境のような場所で生活しているために龍人族同士が出会うことはかなり珍しいことであり、出会いが少ないのも数を減らしている原因の一つかもしれない。

 

さて、そんな状態である龍人族の夫婦の下に新たな命が誕生した。

夫婦は少年にボレアスと名づけた。

ボレアスは夫婦のもとで健やかに育っていき、ボレアスが生まれてから3年後また夫婦の下に新たな命が誕生した。

ボレアスの妹にあたるその少女はクシャと名づけられた。

さらに5年の月日が経ち、ボレアスが8歳、クシャが5歳の時、父親からとある話をきくことになった。

話というのは、どうもこの家系は龍人族の中でも極めて高い戦闘力を持つ可能性が高いこと。

また、この家系は古龍と呼ばれた龍の力が自分達に魔法として宿ることが多いということ。

大まかにはこの二つだった。

それを聞いたボレアスは

「ねぇお父さん。僕もクシャもまだ魔法を使えないんだけど、なんでなのかな?」

「ボレアスもクシャもまど小さいからね。多くの龍人族は年を重ねるのと共に少しずつ魔法の使い方を学んでいくんだよ。だけど、力を使えないことをいいことに子供の龍人族は怖い大人に襲われることが多いから今日からボレアスとクシャには武器の使い方を少しずつ覚えてもらう。」

 

そういうと父はボレアスには身の丈を越えるほどの刀と二つの小さなナイフを。

クシャには弓を渡した。

 

「クシャはお母さんに弓について明日から教えてもらいなさい。そしてボレアスには俺が教えるからね。それと明日から少し旅をするから、二人とも荷物を纏めておきなさい。」

 

言われた二人は初めての遠出だとはしゃぎながら荷物を纏めていく。

旅にでる理由は幾つかある。

この家族は既にここに8年も滞在している。情報が出回っていつここに人攫いがやってくるか分からないというのが一つ。

一つは、子供達が旅に出れるくらいには大きくなったこと。たしかにボレアスとクシャだけでは旅にでることはまだ不可能だが、大人がいればなんとかなる。それに龍人族は基本的に他の種族に比べ早熟である。さらに力も他の種族にくらべるとかなり強い。

なので子供といえどそこらの熊や猪くらいなら武器の使い方さえ学べば狩れるくらいには。

そして最後の理由だが、昔知り合った元冒険者から手紙が届いたのだ。

彼は、冒険者として優秀であらゆる武器を使いこなし、レベル5にまでなった冒険者だが、とある理由により冒険者を辞めざるを得なくなり今は引退し、世界各地を旅していた。

そんな人物からの手紙を見てみると

「よお、久しぶりだな。俺はいまポッケ村という場所で隠居生活をしてる。ここは、オラリオで知ってるやつなんて恐らく1人もいないくらいの場所でな、あんた達家族でも静かに暮らせるだろう場所だ。住人もみんな優しいしな。ってことでこっちにこないか?それになんかあったら俺も手を貸してやれるしな。」

と書かれており、ご丁寧に地図まで一緒に挟んであった。

これをみて妻と話し合い家族でこのポッケ村への移住を決意し、明日旅立つことにしたのだ。

手持ちの食料や薬、金などは充分とはいわないが道中で獣や野草をとって食料にするのは慣れているし、金や薬は道中で商人の護衛をして報酬として貰えばいい。今までそうやって生活していたのだし今回の旅もこれまでの旅と変わらないと自分に言い聞かせて父と母も荷物をまとめ始める。

 

 

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