祖龍と紅龍の力を持つ青年がダンジョンで一族復興を願うのは間違っているのだろうか   作:三本線

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ボレアスは白髪半分、赤髪半分という髪色でウルフカットという髪型で目は左が赤眼で右目は黒色。。

クシャは銀髪で瞳の色は黒で髪型はセミロング。



別れと出会い。

旅は順調に進んでいた。

途中、熊や猪、鹿などを狩りながらボレアスは父に双剣と大剣の使い方を教えてもらいクシャは母から弓の使い方を教えてもらう。

また、金や薬が底そ尽きそうな時は商人の護衛をして報酬として受け取る。

そんなことを続けながら2ヶ月ほど旅を続け、あと5日間も歩くけば目的地のポッケ村にたどり着くというところまで来た。

そして、夜も更けた所でいい感じの洞窟をみつけたのでそこで野営することになった。

そこで、先日狩った猪の干し肉を食べつつ家族で休んでいたところで遠くから声が聞こえてきた。

「おい!ほんとなのか!ここらに龍人族がいるってのは!!」

この声をきいた瞬間父と母の顔が険しくなり、ボレアスとクシャを連れて洞窟を飛び出した。

そこから無我夢中で走り、逃げる。

しかし、洞窟から飛びだしたのを見られていたのか後ろから怒声が聞こえると共に、こちらに向って走ってくる音が聞こえてきた。

逃げ切るのは無理だと判断した父と母は自分達が時間を稼ぐから、ボレアスとクシャはこのままの方向へ走って逃げろと言った。

それを聞いたボレアスとクシャは嫌だ、自分達も一緒に戦うと反論したが父が

「お前達がいても邪魔なだけだ!速く行け!俺たちも後からいく!!」

と叫んだ。

しかし、ボレアスとクシャは走り出せない。それも当たり前だ。まだ8歳と5歳の子供達である。

父と母が強いと知っていても両親を捨てて逃げる決断など出来ない。それに、ボレアスとクシャはなんとなく、不安を覚えていた。ここで行ってしまえば二度と父と母と会えないようなそんな漠然とした不安を。

 

そんなことをしている間に、足音が止り、盗賊達が姿を現した。

 

「へへ、てめぇらが龍人族か・・・へへ、てめぇらは死体でも売れば一生遊んで暮らせるだけの大金が手に入るんだ。大人しく、こっちにこりゃ命までは奪わねぇさ。」

 

「誇り高き龍人族が、そんな真似をするとでも?この命、散ってでも子供たちは守り通す。」

 

「はは、じゃぁ子供達もろとも死ねや。こっちはこれでも元レベル2の冒険者だったんだ。恩恵を受けてねぇ龍人族なんざ赤子を殺すのとかわんねぇさ」

 

「神の恩恵に胡坐をかいた悪党如き、私の矢で殺してあげるわ」

 

と母がいった瞬間、ボレアスとクシャには眼で追えない速さで矢が盗賊へ飛んでいくが、その矢が盗賊にあたることなく暗闇へと消えていく。

その様子を見ていた父が大剣を抜くと同時に斬りかかるが、簡単にショートソードで受け止められる。その後何度か斬り合いが行われるが形勢は明らかに父が不利だった。

母もなんとか矢で援護するが盗賊はなんでもないかのように時に払い、時に避ける。

そして、ついに父が盗賊に腹を斬られてしまう。明らかに重症だ。このままでは父は死んでしまう。

ボレアスは「父さん!!」と叫ぶが父はボレアスを見ることもなく

「走れ!いけ!速く!」と叫ぶ。母も「速く逃げなさい!あなた達だけでも生きるのよ!」

 

と叫び魔法の詠唱を開始する。盗賊は子供達を逃がさんと重症の父を放ってボレアス達に向うが父が瀕死の重傷であるにもかかわらず死力をつくして盗賊へと刀を振り、盗賊へ切りかかる。盗賊は鬱陶しそうにその剣をショートソードで受け止め、払った後父に斬りかかる。が、それは母の魔法によって防がれる。

しかし、母の魔法も対して効いてはいないのか盗賊は一瞬顔を顰めるだけで父へ向き直り、トドメを刺そうとする。

 

その様子を見たボレアスはついに決断する。自分の横で泣いているクシャの手を取り走り出す。

父と母が稼いでくれる時間は無駄にしない。命を賭けて稼ぐ数分、数秒をこれ以上無駄にしない。心の整理はいまだ出来ていない。それでも、生きるため、母と父の命を無駄にしないためにクシャの手を取り、走る。戦闘の音が聞こえなくなっても走る。夜が明け太陽のが空に上がってきても走る。走る。走る。走って、遂に力尽きて倒れてしまった。一緒に走っていたクシャも限界だったようで自分と一緒に倒れたのが見えた。

そして、倒れた拍子に疲れが一気に溢れてきて、目が自然と閉じていく。あぁ・・足音が聞こえる・・だれ・・だろ。

 

目が覚めたボレアスの目には見慣れない天井が映っていた。

そこで今までの出来事を思い出しクシャを探すため体をガバッと起こし周囲を見渡すと、隣のベットでスヤスヤと寝息を立てて寝ていた。どうやら自分達はどこか知らない部屋にいるらしい。自分の記憶では、最後は山の中で力尽きていたはずだが誰かが助けてくれたのだろうか。とりあえず命はある。いまはそれで充分だ。

安心してまた体をベットへと預けると、今までのことを思い出し、自然と涙が溢れてきた。

恐らく、父と母は生きてない。あの盗賊は言っていた。龍人族は死体でも高く売れると。父は恐らく、もうあの傷じゃ助からない。母も生け捕りになるくらいなら自分の心臓にナイフを突き立てて自殺することを選ぶだろう。龍人族というのはそういう種族だ。もし自分が母と同じ立場なら恐らくそうする。

しかし、わかっていても両親を失った悲しみが消えることは、ない。

涙が溢れてくる。後悔が胸に沸いてくる。もし自分にもっと力があれば、守れたかもしれない。父と母を死なせずに守れたかもしれない。守られることしかできなかった自分に腹が立つ。力が無い自分に腹が立つ。悔しい。だがその悔しさも相まって涙が止らない。

どれくらい泣いていただろうか5分だろうか10分だろうか。

だがその涙は唐突に止ることになる。

今まで閉まっていた扉から男が現れたのだ。それに気づきボレアスはビクと体を震わせて男をみると男は

 

「お、目ぇ覚ましたかボウズ。いやー焦ったぜ胸騒ぎがするから武器もって村の外にでてみりゃ、山ん中でボウズと嬢ちゃんが倒れてんだから。死んでるのかと思って見て見りゃ擦り傷やかすり傷はあるが、でけぇ怪我は無いし、息もあるし、とりあえず俺の家まで運んだが・・・・ま、無事ならいい。とりあえず自己紹介だな。俺はハント。ハント=イェーガー。一応これでも元レベル5の冒険者だ。」

 

冒険者ときいた途端、体が震えるボレアス。この前の出来事思い出して、奮えがとまらない。息が荒くなる。呼吸が苦しい。

そんな様子をみたハントは安心させるようにボレアスを抱きしめると優しい声色で語りかける。

 

「安心しろ。俺はお前達を傷つけない。今はとりあえずゆっくり休め。飯もってくるから。隣の嬢ちゃんももう少しで目覚ますと思うから隣にいてやんな。」

といってボレアスの頭を優しく撫でるハント。その優しい手つきと温もりからゆっくりと震えが収まっていく。そしてそれを確認したハントがご飯を取りに行こうと抱きしめていたボレアスを放すとボレアスが

 

「助けて、、くれてありがとうございます。僕は・・・ボレアスです。隣にいるのは妹のクシャ・・です。」

 

それをきいたハントは笑顔でボレアスの顔を見てまた頭を撫でる。

 

「おう、よろしくなボレアス。」

 

 




オラリオへはあと・・・2話か3話くらいでいく・・かなぁ?
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