祖龍と紅龍の力を持つ青年がダンジョンで一族復興を願うのは間違っているのだろうか   作:三本線

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入団試験②

「ルールは先ほどのボレアスのときと同じだよ、殺す気で来てほしい。じゃあさっきと同じで開始の合図は頼むよリヴェリア。」

 

「あぁ。じゃぁ二人とも準備はいいか?」

 

その問いに「はい。」と答えたクシャと「うん。」と答えたフィン。

 

「では、試合開始!」

 

とリヴェリアがいった瞬間、クシャはバックステップで距離ととりつつ矢を放つ。当然、難なく矢を短剣で弾くフィン。そして、矢を弾かれる前から二射目を準備していたクシャ。

そして二射目が放たれたのだが、明らかに一射目よりは速い矢にフィンは一瞬、驚くが難なく弾く。その直後魔力を感じてクシャを見るとクシャが引いてる矢から微力な魔力を感じる。

そして放たれた三射目の矢は明らかに、さきほどの2射より速く、かすかに風属性の魔力を感じる。咄嗟にその矢を避けたフィン。それをみたクシャは当然のように構えていた矢をすかさず放つ。

だが、一瞬動揺していたフィンだが一瞬で正気に戻り、矢を弾く。

そして、その矢が弾かれた瞬間にに新たな矢を放つと矢を放つと同時に短剣を抜き、走り出すクシャ。フィンが矢を弾くと同時に出来る一瞬の隙。それを狙い、短剣で突きを繰り出すクシャ。

だが矢を弾くと同時に、体を横にそらし突きを避けるフィン。そのまま何度か斬りあいになるもボレアスほどの技術も力もなく簡単に弾かれる。そしてそれを察してまた距離をとり弓矢を取り出すクシャ。

そして一息吸い、矢を放ったクシャ。そしてすぐにもう一本の矢を構え、放つ。2射目は魔力を込めた矢。そして1射目は普通の矢。当然2射目の矢のほうがスピードが速く、1射目の矢と同時に2射目の矢がフィンに届こうとしていた。

 

 

 

(驚いたな。この年で恩恵もなしに魔法を使ってくるなんて。それに弓の腕も良いし、思い切りの良さもある。だが、ボレアスに比べると劣るけど充分合格点だね)

と距離をとったクシャを見ながら考えるフィンだったが次の瞬間に放たれた矢を見てこの感想を間違いだと実感する。

二射の矢がまったく同じタイミングでフィンの体に迫る。通常はありえない。当たり前だ。二本の矢を同時に放つわけではなく、1本ずつ打ち、2本の矢が同時に相手を貫く。それをするには1本目の矢を上回る速度で2本目の矢を放ち、なおかつその速度差を考慮し2本目の矢を放つタイミングを見極めねばならない。1秒いや0.1秒ずれただけでそれは同時に相手を貫くことはない。だというのに目の前の少女は0.1秒のズレすらなくそれをやってのけた。

(まったく・・・この年でこれとは成長したら恐ろしいね。)

等と思いながら難なく同時に自分に到達した矢を弾くフィン。

そして口を開く

「時間はまだあるけどここまででいいだろう。2人とも試験は合格だ。それでいいかな?ロキ、リヴェリア。」

 

「あ、あぁ私は構わない。ロキも問題ないだろ?」

 

「うちもかまへんよ。ただ、少し話したいことがあるし、入団はまだやな。ようは面接や。」

 

「そうだね。僕も聞きたいことがあるし、ガレスが戻ってきてから面接をしよう。あ、それとそこのボレアスとクシャの保護者さんも一緒にね。」

 

といいハントの方を見るフィン。

 

ハントは短く「おう」とだけ答える。

 

そして、5分ほどしてからガレスが修練場に戻ってきたのでみなで【ロキ・ファミリア】の会議室へと移動し、面接が始まる。

 

まずは先ほど居なかったガレスの自己紹介が始まり、次にロキが口を開く

 

「いい加減アンタもフード取れや。まがりなりにも神やでこっちは。失礼ちゃう?」

 

といわれたハントはそれもそうかと呟きローブを脱いでから

 

「よう。久しぶりだなフィン、リヴェリア、ガレス。それとロキ」

 

ローブを脱いだハントの顔をみて驚く4人。

その中で真っ先にロキが口を開く。

 

「あんたゼウスのとこの冒険者やないか!最近、名前きかへんとおもうたらなにやってんねん!」

 

「あぁ・・・ちとオラリオの外を旅してたんだが、訳あってボレアスとクシャに修行をつけてた。」

 

「なんやねん訳あってって!んなことより、なんであんたがボレアスとクシャたんの性を知ってたんや。」

とハントを睨むロキ。そして急に呼び名が変わったクシャが一瞬驚いてだがすぐに真顔に戻る。

そんなロキを嗜めるようにフィンがまぁまぁといいながらハントに顔を向けて

 

「本当に久しぶりだね。ハント。それで、ボレアスとクシャの種族はなんなんだい?まだ子供なのに恩恵もなしにロングソードを振る腕力に加えて魔法も使える。見た目は人間だが、普通の人間の子供じゃとてもじゃないがそんなことが出来るとは思えないんだけど。」

 

その言葉を聞いてボレアスとクシャの方を見ると二人ともハントの方を頷く。それをみたハントも二人に頷き返し、再びフィンを見返し口を開く。

 

「多分リヴェリアとロキは感づいてるだろうが、こいつらは龍人族。それもミラの名を継ぐ一族の龍人族だ。」

 

それを聞いたロキは「やっぱりか・・・」と呟きリヴェリアは何か難しい顔をしている。

そして龍人族と聞いた瞬間こそ驚いたフィンとガレスだがミラという言葉に対して疑問を抱いた。

 

「ロキにリヴェリア、ミラの名というのは一体なんなんだい?」

 

「儂も知らんな。なんじゃそのミラの名とは。」

 

そんな二人の言葉を聞いたリヴェリアが口を開こうとするがロキが遮って話始める。

 

「ええでリヴェリア。ウチが説明する。それとハントやったな。あんたミラの一族の説明はボレアスとクシャたんにはしたんか?」

 

「いや。俺も詳しくはないからな、こいつらの両親に軽く説明されただけだ。」

 

「ほーん。ま、ならええわ。いいかまず簡単な説明やが龍人族ってのは基本的には、龍の力の一部を使うことができるってのは知ってるな?それで龍人族が使える龍の力ってのは一族によって違うんや。それはその一族がどの龍を祖先に持つかで違うんや。例えば火を使う龍が祖先であれば火の魔法を使う者が多い。ま、そんな感じや。」

 

それを聞いたフィンとガレスは頷く。

そしてフィンが口を開く。

 

「それでミラの一族っていうのはどの龍を祖先にもつんだい?」

 

「祖龍や。全ての龍の祖となったと言われる龍。ミラ・ルーツを祖先に持つ一族や。正直、祖龍ってのは神に近い生き物や。そしてミラの一族ってのはその龍とその龍が生んだと言われる古龍と呼ばれる龍の力を使う者が多いんや。そして龍人族の中でも一番強力な力を持つ一族でもある。」

 

「ちょっとまってくれロキ。神に近い龍を祖先に持つだって?!それじゃあまるで・・・」

 

「あぁ。今よりはるか昔の時代の龍人族。それもミラの名をもつ一族は精霊並みの力を持ってたんや。だがその力を振るうことを嫌い秘境みたいなとこで住んでたんやけどな・・・あのアホ神と眷属達が起こした戦争で最前線に立って戦ったのもミラ一族や。全滅してしもうた思うてたけど・・」

 

そしてそれら全部の話を聞いたフィンは考え込む。

そしてロキがボレアスとクシャに訪ねる。

 

「なぁボレアスにクシャたん。なんでうちのファミリアに入りたいんや?正直過去を知ってれば神が嫌いになってもおかしくないと思うんやけど・・」

 

「ロキ様・・・僕は、いや僕とクシャは2年前冒険者崩れの盗賊に父と母を殺されました。」

 

それを聞いてはっとした顔をしてボレアスとクシャ以外は暗い顔をして下を向く。それもそうだまだ10歳と8歳の子供の両親が盗賊に殺されたなどと聞いて暗くならないはずがないがない。だがそれでも神であるロキが口を開く。

 

「なら復讐か?恩恵を得て復讐をしたいんか?」

 

「いえ・・。たしかに今でも父と母を殺した盗賊の事は憎いです。それほど殺したいほどに。それでも今はそれ以上の夢が2つあります。」

 

「なんやその夢ってのは?」

 

「まず一つ目の夢は、星になることで龍人族を照らす星になりたい。」

 

「星?なんや星てのは?」

 

「今・・龍人族はいつ殺されるかもわからない生活をしています。そしてそんな生活の中で昔、父と母から聞かされた誇り高く気高い龍人族の姿は失われつつあります。だから僕が冒険者として名を上げて今も世界で怯えてる同じ龍人族達に勇気を与える星になりたいんです。」

 

それを聞いたロキは腕を組み目を瞑り少し考え込み、そしてもうひとつの夢を問う。

 

「もう一つの夢は?」

 

「・・・・もうだれも・・大切な者を失わない程の力を得たい。もう誰かを失うのは嫌なんです。」

 

そしてその答えを聞いたロキはクシャにも訪ねる。

 

「クシャたんは?なんでうちのファミリアに入りたいんや?」

 

「私は・・お兄ちゃんの力になりたいんです。それにお兄ちゃんと同じでもう大切な誰かを失うのは嫌なので私も誰かを守れるくらい強くなりたいです。あの日、私とお兄ちゃんを守ってくれた父と母のように強くなりたい。」

 

その言葉を聞いたロキは

 

「嘘は・・・言うてないな。どうや?フィン。」

と微笑みながら団長であるフィンへと問うロキ。

 

「いまさら聞くまでもないだろう?ロキ。それに答えはみんな同じ筈だ。そうだろ?リヴェリア、ガレス。」

と満面の笑みで副団長のリヴェリアと最古参であるガレスに問うフィン。

そしてそれに笑顔で頷くリヴェリアと「おもしろそうな新入りが入てくるな」と豪快に笑うガレス。

そして団長のフィンが頷いて改めてロキへと向かいあって

「だそうだよロキ。後はロキ、君次第だ。」と微笑んでいうと

 

「そんなもん決まっとるやろ!ボレアスにクシャたん!今、この瞬間から二人ともウチの子供や!」

そんなロキに向って涙目になりながら

 

「「ありございますロキ様。」」と頭を下げるボレアスとクシャ。

 

そしてそんな二人に向って

 

                     ファミリア

「もうそんなかしこまらんでええで!うちらは家族になるんやからな!ほらフィン達もただ見てないでなんか言えや!」

 

「そうだね。改めてようこそ【ロキ・ファミリア】へ。それとさっきロキがいった通りこれから僕たちは家族になるわけだから気軽にフィンと呼んでくれて構わないよ。家族にさん付けされるのもいやだからね。」

と笑いながらいうフィンに続いてリヴェリアとガレスも

 

「あぁそうだな。私のこともリヴェリアで構わないぞボレアス、クシャ。」

 

「そうだな。儂のこともガレスと気軽に呼んでくれ。」

 

そして最後にハントが笑いながらボレアスとクシャに向って

 

「よし!お前らの夢の第一歩が叶ったな。よく頑張ったなお前ら。偉いぞ。」

といいながら二人の頭を撫でる。そしてそんなハントに向ってクシャが

 

「ハントはこれからどうするの?」と聞くとハントは

 

「んー、、俺はちと昔の知り合いを訪ねる旅に出るよ。何年かしたら合いに来るからそれまでに冒険者として名を上げとけよ?」と笑いながら言う。

 

そしてそんなハントに向ってボレアスとクシャは「「うん」」と笑いながら頷く。

 

そして最後にハントがフィンに向って

 

「フィン2人を頼んだぞ。たった2年の付き合いだがこいつらは俺にとっちゃ自分の子供みたいなもんだ。なんかあったら承知しねぇからな。」

 

「わかってるよ。二人は【ロキ・ファミリア】が全力で守っていく。」

 

「なら、いい。んじゃあんま長く居るのもあれだし、俺は出てくぜ。」

 

そういうと部屋から出て行こうとするハントに向ってボレアスとクシャが

 

「今までありがとうハント!次に会うときはハントを越えるくらいの冒険者になってるから!」

 

「ありがとねハント!私もお兄ちゃんに負けないくらい頑張ってすごい冒険者になるから!」

 

そしてそれを聞いたハントは笑いながら二人に手を振って部屋から出て行った。

 

そしてハントを見送った2人に向ってロキが

 

「よし!じゃぁ今夜は二人の歓迎会やな!フィン!今夜の夕食は豪華にするようにいうとくんやで!それとボレアスとクシャたんは歓迎会終ってシャワー浴びたらウチの部屋にくるんやで!」

そういうとロキは今夜の歓迎会のために酒の買出しに行くといって出て行った。

 

そしてそんな2人に向ってフィンが

「っていうことだから、リヴェリアに風呂場までつれていって貰ってくれ。僕はまだ仕事もあるしガレスも団員達の稽古があるからね。」といいフィンとガレスも部屋から出て行ったので大人しくリヴェリアに風呂場までつれていってもらう二人だった。

 

 

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