祖龍と紅龍の力を持つ青年がダンジョンで一族復興を願うのは間違っているのだろうか 作:三本線
「ここが風呂場だ。男湯と女湯で別れてるから、それぞれゆっくりと湯船に浸かって疲れを取るといい。」
といって風呂場から離れるリヴェリア。どうやら二人が出てくるまで外で待っていてくれるらしい。
なので二人ともお言葉に甘えてゆっくりと湯船に浸かっていたのだが・・・・なにやら女湯のほうからクシャの悲鳴がきこえてきて急いで男湯から飛び出るボレアス。
「クシャ!どうした?!」
といって風呂場からでたボレアスの目に入ったのはリヴェリアに拳骨を落とされているロキとタオルで体を隠して涙目でロキを睨んでいるクシャの姿だった。
「え・・・えぇとどういう状況?これ。クシャはなんでロキ様を睨んでるの?」
「あ!お兄ちゃん!それがお風呂はいってたら急にロキ様が入ってきて抱きついてきたの!!」
「えぇ・・・。どういうことです?ロキ様」
というボレアスの問いに答えたのはロキではなく、リヴェリアだった、
「すまなかった。ロキは少し変わった性癖でな。自分の気に入った女性に対してセクハラを行うんだ。酒を買いに行ったと思っていたがどうやら風呂場に待機していたらしい。まったく、まだ恩恵も与えてない団員にまでセクハラを行うとは・・・・」
「ええやん!今日から家族なんやから抱きつくくらい!なんや!何が悪いんや!!」
「何も良くない!!まったくクシャが怖がってるじゃないか・・・。さぁ二人ともロキは私が見張っておくから今度こそゆっくりと入ってくるといい。湯冷めしても不味いからな。」
そういわれて今度こそゆっくりと湯に浸かって温まる2人。
そして湯からでた、二人をリヴェリアが出迎えてくれた。
「どうだ?二人共疲れはとれたか?」
「はい。こんな広いお風呂は初めてだったのでとっても気持ちよかったです!。」
「私も気持ちよかったです!今度はほかの団員の人達とも入ってみたいです!」
「そうか。それはなによりだ。それとクシャ済まなかったな。ロキのあれはもはや一種の災厄だと思って我慢してくれ。」
「わ、わかりました・・。」
「では、食堂へ行こう。二人の歓迎会の準備も終ったらしい。今夜はご馳走だぞ。一杯食べるんだぞ。」
「「はい!」」
そういってリヴェリアに連れられ食堂へと向う2人。道中、通った部屋の説明なども受けながら食堂へと向かうと10分程で食堂へと到着した。
どうやら食堂には既に多くの団員が揃っているらしい。なんでも、ロキの「飯はいるもんみんなで食う」という方針でどうしても一緒に食べることができない団員を除いてみなで一緒に食卓を囲むのが【ロキ・ファミリア】の掟らしい。
その説明を聞いていると一足先に食堂へ着いていたらしいフィンとロキが見えた。
「お、きたきた!ボレアス、クシャたんこっちや!こっち!」
「はぁ。そう急かすんじゃないロキ。とはいえ主役がいつまでも登場しないのも問題だからな。ほらロキのところへいってこい二人共。」
そう言われてロキのほうへと歩いていくとフィンが声を上げる。
「はい、みんな注目!みんな知らないと思うけど今日の入団試験で2人の新人が入団することになった。二人共まだ子供だけど実力は僕のお墨付きだよ。」
それをきいた途端団員達が騒ぎ始める。それもそのはず。みたことのない子供がレベル6の冒険者であり自分達の団長から実力は充分だと言われているのだ。騒がないほうが無理と言うものだ。
そしてそんな騒ぎを収めるかのようにロキが声を上げる。
「ほら、みんな静かにしいや!今から自己紹介して貰うから!ほらボレアス、クシャたんこっちきて自己紹介や!」
「えー・・と、ミラ=ボレアスです!年は10歳です!迷惑をおかけすると思いますがよろしくお願いします!。」
「ミラ=クシャです!年は8歳です!よろしくお願いします!」
「ってことでボレアスとクシャたんや!みんな仲良くしたってや!。そして!今日は歓迎会や!みんな騒げぇぇぇぇ!」
その一言と共に騒がしい夜が幕を明けた。
まだボレアスとクシャのステータスが完全に固まってないので引き伸ばし回。