揚陸作業は朝になっても続いていた。
既に部隊員は船から降りたのだが、予備の銃器や弾丸などの揚陸はあまり進んでいなかった。
しかし、今日は敵機に怯えることなく作業をすることが出来た。
今日は珍しく雨が降っていたからだ。しかも、短期間に一片に降る豪雨ではなく、パラパラと長時間続いていた。
重輜隊長1「絶対に雨が弾に当たらないようにしろ‼少しでも濡らした者は今日の飯はぬきだからなっ‼」
重輜隊員1「それはないですよ隊長ぉ!」
弊害がないわけでもなかった。弾は火薬が濡れると上手く作動しなくなってしまうので、絶対に濡らす訳にはいかないのだった。
それが作業を遅らせている最大の原因だった。
重輜隊長1「こりゃ今日の夕方まで掛かりそうだな。」
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執務室には、僕一人だった。会議はだいぶ前に終わり、大井は、艦娘のメンタルケアに行くと言っていたし、多譯は指揮系統の統率のため居なかった。
その時控えめなノックの音が響いた。
吹雪「吹雪型駆逐艦1番艦吹雪です。今日は提督殿にお話があって参りました。」
吹雪は確か・・・第二艦隊の隊員だったか。
南渡「どうぞ。」
吹雪「失礼します。」
その目を見て、あぁまた面倒な事に巻き込まれそうだな、と思った。
なぜなら、吹雪の目は、“彼女”らのように黒く濁っていたからだ。
南渡「で、話とはなんだ?手短に頼む。」
吹雪「私は、昨日の戦闘で敵前逃亡という重大な軍法違反を犯してしまいました。よって私を解体していただいて欲しいと思ってここに参りました。」
頭が痛くなってきた。
南渡「それを証明する者は?」
吹雪「うっ・・・証明してくれる子は・・・い、いません空爆で死んでしまいました。」
明らかにおかしい。普通なら自分から死にたいとか言い出す奴がいるものか。
南渡「・・・ただ君は最もらしい理由をつけて死にたいだけではないのか?」
吹雪「んなっ!そんなことはありませんっ!」
南渡「・・・解体は却下だ。」
吹雪「何故ですかっ!?」
南渡「戦闘中の場合、裁量権は私にある。それが正しいかは、後の軍法会議で問われるのだ。帰りたまえ。」
僕は立ち上がって吹雪に歩みよる。
吹雪「どうしたら、解体してもらえますか?」
腹の内は読めた。
南渡「・・・そうだな・・・暗殺をすれば多分、解体になるのではないか。」
吹雪「!」
吹雪が驚いた表情でこちらを見る。僕は一歩下がって机の角に背を預け角を撫でる。頬に汗が伝う。
吹雪「う、うあぁぁぁぁぁっ‼」
吹雪はこちらに真っ直ぐ突っ込んできた。しかし、それは予想された動きだった。なので、対抗するために、机の少し出っ張っているところを、思いっきり『引っこ抜いた』
そして瞬時に吹雪に照準をあわせ『撃った』
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最初、何が起きているのか分からなかった。提督を殺すために、自分の出しうるスピードで動いたというのに、それより早いスピードで提督は何かをつかみこちらへ向けた。
ー轟音
足にヒヤリとした感覚が走る
私は前につんのめっていた。
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南渡「提督を舐めない事だな。」
提督はよく恨みを買いやすいので、色々と物に仕掛けがしてあるのだ。
これもその一つだ。
机の両端にマグナム弾(勿論、対深海棲鬼に使う金属で出来た)が装填されている短銃が取り付けられているのだ。
勿論これは、提督以外には、知っているものはいない。
吹雪「くそぉっ!」
片足を撃たれながらもこちらに血気迫った様子で這い寄って来る。
長門「っ!やっぱりか!」
荒々しく扉を開けながら、長門が入ってきた。
南渡「あぁ長門か」
長門「提督!無事でしたか!」
何故か知らないが、長門は僕は割と 僕の前でも物怖じせずに、話す事が出来ている。それが一番良いのだが。そんなことは今はいい。
南渡「でだ、吹雪」
吹雪はこちらを見上げ睨んで来た。
南渡「ちゃんと、その場の状況を説明しろ。命令だ。」
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結局ほとんど長門が説明した。長門が何か言う度に吹雪は否定するのだが、一切無視した。
南渡「ほう、それならば褒められこそすれ、敵前逃亡は成立しないぞ。」
吹雪「・・・」
南渡「・・・吹雪」
吹雪「・・・何でしょうか」
南渡「酷い事だが、此処は戦場だ。そんなタラレバ理論を展開している暇は無いのだ。」
吹雪「・・・分かっています。でも、でも!」
南渡「もう一度だけ言う、此処は『戦場』だ。そんな偽善は捨てろ。 」
吹雪「っ!・・・」
長門「・・・」
南渡「処分については後日通告する。元の位置に戻れ。今すぐ!」
長門「分かりました。行くぞ吹雪。」
吹雪「・・・はい。」
か細い声で頷き吹雪達は執務室から出た。
南渡「大井に吹雪のメンタルケアをするように言っておくか」
こんな事を言うのは辛いなと、思った。じゃあ言わなければ良いじゃないか、と昔の僕ならきっと言っただろう。でも今はそれは通用しない。戦場だからだ。
僕の心は、曇天の空よりも黒く重い気持ちで満たされていた。
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結局その日は空襲はなく、輸送艦隊も問題なく帰って行った。因みに本土から来た艦娘は、天竜、龍田、初霜、清霜、長波、そしてあつき丸だった。
南渡「げっ、あきつ丸か。」
あつき丸と、僕は海軍士官学校の同期だった。その学校には、色々な科が集まっているので、艦娘がいるのは大して珍しい事ではなかった。むしろそれ目的で、遠い場所からここに来た奴もいるという。大抵、卒業までの日常の態度等も含む試験で落とされるのだが。
そんな事はいい。僕は彼女とはあまり、いやまったくいい思い出がなかった。
今回の増援は陸軍の者もあった(指揮権は僕に有るが。)恐らく陸軍からの回し者だろう。
南渡「とりあえずはこちらか。」
旧友を温めるのは後にするとしよう。ろくな事にならない予感もするし。
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夜、艦隊再編仮称と書かれた紙が張り出された。
電「よかったのです‼また一緒なのです‼」
響「うん、そうだね。」
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艦隊再編仮称(先頭に名前があるものが旗艦)
第1艦隊:霧島、金剛、摩耶、時雨、夕立、陽炎
第2艦隊:長門、陸奥、大井、曙、白露、吹雪
第3艦隊:大和、矢矧、霞、雪風、朝霜、凉月
第4艦隊:木曾、川内、那珂、神通、島風、長波
第5艦隊:加賀、赤城、龍驤、秋月、初霜、清霜
第6艦隊:翔鶴、瑞鶴、瑞鳳、初月、照月、不知火
第7艦隊:扶桑、山城、由良、弥生、卯月、鳳翔
第8艦隊:夕張、暁、響、雷、電、明石
潜水艦隊:伊58、伊401、伊400、伊168、伊19、伊8
予備艦隊:ビスマルク、阿武隈、天龍、龍田、(あきつ丸)
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天龍「何で俺様が予備艦隊なんだよっ‼」
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多譯「凄いですなあ!」
ドイツの戦車長「いえ、それほどでも。」
外では雨天の中、戦車の演習が行われていた。東地中海帝国からそこそこの型の戦車が貸し出された。その数12両。悪くはなかった。
部隊は全て練度も割と高く、士気も高い。ある程度は持ちこたえることができそうだ。
多譯「後は、運か・・・。」
現在の第41鎮守府補の兵力
部隊数
・2個連隊と1個強化大隊と2個大隊
・10個艦隊
兵科の種類
・歩兵
・狙撃
・機関銃
・短機関銃
・火炎放射
・躑射
・高射砲、野戦砲
・対空機関銃
・重輜
・給食
・通信
・工作
・機甲
・医療