対深海棲艦対戦史   作:とっしー1041

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初陣

測距員1「敵、あと36㎞」

 

多譯「こちらの射程まであと20㎞程度か。」

 

一応、本作戦において、弾の消費をギリギリまで押さえ、効率よく敵を撃破するために、砲発射ラインというものが設けられている。大体10㎞辺りを目安としていて、そこに入るまでは、指示がない限り撃ってはならないことになっている。またその中に入っても、撃つ弾はかなり限られている。

 

測距員1「敵、後30㎞」

 

通信員「提督、空母隊から、航空機発艦の許可を求める電文が届いています。」

 

南渡「却下だ、絶対に出すなと言っておけ。」

 

通信員「了解しました。」

 

航空機も同じ理由で発艦を認めていない。航空機はもっと貴重なのだ。そう易々と使える代物ではない。

 

通信員「艦娘部隊、出撃用意完了の合図が出ています。」

 

南渡「よし、甲ラインの艦娘は出撃させろ。」

 

通信員「了解しました。乙、丁ラインの艦娘はどうされますか?」

 

南渡「まだ、まだだ。出来る限り敵を油断させるんだ。」

 

甲ラインには、テトラポット等の色々な障害物があるので、そこに身を隠せばよいが、乙、丁ラインには、一切そういった物が無い。なので、出来るだけ人気を無くしたいこの戦いでは、見える位置に艦娘を配置しないようにしている。さらに、以前戦ったときはこてんぱんに負けたのだ。少数配置では、どうにもならないだろう。

 

通信員「了解しました。」

 

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砲術長「じれったいなぁ、敵が目の前に居るのに弾をぶっぱなせないのは。」

 

副砲術長「ええ。でも一応ここは、指示が有り次第撃っても良いということになっていますがね。」

 

照準員「敵、射程に入った‼」

 

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測距員「敵が、高射砲の射程に入りました。」

 

南渡「よし、指定の高射砲隊にバイオ弾を装弾するよう指示しろ。」

 

通信員「了解しました!」

 

多譯「この状況になって言うのもよくないと思うのですが、本当に私で良いのですか?」

 

南渡「何がだ?」

 

多譯「私が海兵部隊総指揮という事です。」

 

南渡「一応、大本営からの指示だ。私では何も言えまい。」

 

多譯「・・・そうですか。」

 

多譯はそう何度も聞いてきた。大本営の考えている事は僕も知りたい。多譯がそう聞いてくるのに、手紙は、何か関係があるのだろうか?

 

測距員「敵、ラインに入った‼」

 

南渡「っ!砲撃許可各門15発っ!」

 

通信員「了解っ!砲撃開始、発砲制限各門15発!」

 

測距員「敵艦隊発砲!」

 

戦いの火蓋は切って落とされた。

 

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通信員(高射砲側)「砲撃許可出たっ!各門15発まで‼」

 

砲術長「よっしゃ!撃てーーっ‼」

 

ドンというと共に砲弾が撃ち出された。即座に薬莢が排出され、次弾が装填される。その間僅か5秒である。

 

照準員「だんちゃーく、今っ!」

 

深海棲鬼の真上でバイオ弾が炸裂した。紫色の煙のような物が深海棲鬼達に舞い降りる。

突然、深海棲鬼達が踊り出した。いや、毒でもがき苦しみ始めたのだ。そして、何体かが海面に倒れた。

 

照準員「初弾、有効射と認む・・・」

 

今まで使っていた兵器からして有り得ないほどの威力だった。

 

砲術長「素晴らしい威力だ‼次弾、てーーっ‼」

 

再度、砲撃音が辺りに再び響き渡る。

 

照準員「次弾だんちゃーく、今ぁっ」

 

今度の弾は、敵により近い高さで炸裂した。先程より多くの深海棲鬼が倒れる。中には全く照準も合わせず辺りに乱発している者もいる。なんと、敵の足並が乱れ始めた。

 

砲術長「おぉ・・・」

 

部隊員に思わず感嘆の声が漏れた。

 

砲術長「よし。第3射、てーーっ!」

 

少し双眼鏡の視界をずらせば、その場所でも敵がバタバタと倒れている。

 

照準員「第3射、だんちゃーーく、今っ!」

 

今度は少し後ろに流れた。それでも多くの被害を敵に与えることができている。

 

砲術長「素晴らしい弾だなこれは・・・」

 

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三河「総員配置についたか?」

 

副官「はい、指示通りの塹壕線につかせました」

 

敵はもう、すぐそこまで来ていた。

 

三河「目測で、後6㎞といったところか。」

 

丁戦線には、すでに敵による艦砲射撃が始められていた。

 

ーその時、顔を爆風が叩いた。

 

三河「とうとう、きたかっ!全員塹壕か、トーチカの中に入って身を屈めろ!」

 

甲前線にもとうとう攻撃が始まった。

 

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敵上陸まで後数㎞となった。先程から伝令員の足音や、叫び声で執務室は満たされていた。

 

測距員「敵、後2㎞!」

 

見張り員「っ!敵機襲来!」

 

南渡「航空部隊に直掩をあげさせろ!」

 

通信員「了解!」

 

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乙前線にて

 

比土「対空戦闘!」

 

突然、敵機が雲の中から急降下してきた。

それに対応するために慌てて一斉に高射砲等の配置についた。

中には軽機関銃や、全自動小銃を持って土嚢の側につくものもいた。

 

兵士7「左よしっ!」

 

兵士10「右よしっ!」

 

比土「うてぇーーっ!」

 

仰角が75゜近い状態で30㎜を撒き散らす。

この砲は集弾性もいいのだ。何発かが敵機に命中し、火を吹く。

 

比土「っ!速い‼」

 

敵機は、弾丸のように先の尖った形をしている。さらに翼がないので、非常に急降下性能がよいのだ。あっという間に、ゴマ粒からビー玉程の大きさになる。

 

兵士7「伏せろぉっ!」

 

耳の横で、ヒュン、ヒュンという音とキン、カンという金属音がする。

 

顔を上げ再び弾を撃とうとした。

が、弾がでない、

 

兵士7「落ち着け!今弾を込める‼」

 

その間に軽く照準を微調整しておく。その時

 

兵士長1「撃ち方やめーっ!撃ち方やめーっ!」

 

兵士長がそう叫びながらやって来た。

上でブゥンという音がして、空を見上げる。

 

兵士10「いいぞーっ!」

 

見方の航空部隊だった。

この島で初めての対空戦闘が始まった。

 

兵士7「おいっ!」

 

比土「なんじゃ⁉」

 

兵士7「上は奴等に任せよう!次は正面からのお客様だ!」

 

比土「あぁ!そうじゃなっ!」

 

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測距員「甲戦線、敵部隊上陸を開始!」

 

南渡「予定通りに行動せよと伝令せよ。」

 

通信員「了解しました。」

 

多譯「私も前線指揮に入ります。」

 

先程の態度をみている限り、僕は多譯がまともに指揮できるのか、と思っていた。

 

南渡「・・・分かった。悩まずに戦え。」

 

多分、迷いを振り切ったのだろう。その声はとても強かった。

 

多譯「了解しました!」

 

多譯は小走りで執務室から出ていった。

 

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リ級flagship「クソッ、ナンナンダ一体!」

 

突然、砲弾が飛んできたと思ったら空中で爆発。

さらに仲間が何十名も倒れ出したのだ。

そのせいで自分の部隊の足並みが乱れ始めた。

 

チ級elite「オイッ!クルゾッ!」

 

今度は後ろで爆発した。後ろの部隊まで乱れだす。

 

リ級Flagship「ダガ・・・」

 

敵が撃ってくる弾は少ない。たった一週間で襲撃をしに来たのだ。準備ができていないのも無理はないだろう。

 

リ級flagship「フッ・・・ヨシッ!ハンゲキダッ!ウテーッ!」

 

統率が乱れているが、艦砲射撃を実施する。

 

やはり、いつもなら見える人間のようなシルエットが見えない。

やはりな、と思う。敵はそれほどまでに少ないのだ。多少楽観視しすぎかもしれないが、なんとかなるだろう。

 

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乙戦線にて

 

長門「準備はいいか?」

 

軽く顔を覗かせると、すぐそこまで敵が来ていた。

 

吹雪「はいっ!もちろんです‼」

 

大井「大丈夫よ。」

 

陸奥「いつでも行けるわ!」

 

白露「一番多く敵を殺してやるっ!」

 

曙「・・・はい。」

 

吹雪とは別に白露もやる気に満ちていた。何しろ妹を殺されたのだ。無理もないだろう。そのせいで、曙が少し萎縮している。

 

大和「そっちはもう大丈夫ですかぁー!」

 

長門「あぁ!大体なーっ!」

 

向こうには大和達の艦隊も待ち構えていた。

ここは、かなりかなり持ちこたえられるように編成されている。

後ろには、南の港など重要な施設ばかりあるのだ。恐らく敵はここに最も激しい攻撃を仕掛けて来るだろう。

 

ー攻撃開始の合図が鳴り響く。

 

長門「いくぞっ!」

 

ここに、第一次艦隊戦が始まった。

 

それと同時に甲、丁戦線に敵が上陸を開始しだした。

しかし、島に銃声や砲声は深海棲鬼の物以外、ほとんど鳴らなかった。

 

 




ー深海棲鬼階級図ー

・<階級>「略称」(東洋帝国でのその辺りの階級の呼び方)

::::::::::::::::::::::::::

・Commanderー(大将)

・Admiralー(中将)

・Division head「D,H」ー(少将)

・sub D,Hー(准将)

・Regiment leader「R,L」ー(大佐)

・Battalion commander「B,C」ー(中佐)

・Platoon leader「P,L」ー(少佐)

・sub P,Lー(准佐)

・Squad leader「S,L」ー(大尉)

・sub S,Lー(中尉)

・flag shipー(少尉)

・eliteー(准尉)

下士官や、それ以外の敵には階級はありません。今後は基本的にこの呼び方でやっていきます。
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