いつになく、彼は不機嫌だ。不機嫌である筈なのに、それをまったく感じさせない。それは、演技などという生易しいものではない。昼休み後の授業風景。
「そういやさあ」
「うん?」
「風紀委員にスカウトされたってマジ?」
「………それは」
「ああいいよ。どうせ放課後まで言うなってあのガラクタ屋に言われたんだべ?」
「………ああ、そうだ。授業が終わったタイミングで、スカウトのことを言わずに生徒会室に引っ張ってこい、と」
「会長の考えはお見通しか?」
「通じ合ってるみたいに言うな」
実はあの後。真由美は生徒会室を飛び出し、退出した達也を呼び止め、
『生徒会と風紀委員に入れたくて。でも風紀委員候補筆頭の修平君があんな調子だから、協力してくれないかしら?』
とのお達しを受けた。生徒会に深雪を、風紀委員に達也と修平を入れる計画らしい。無言のプレッシャーを受けてしまったために、それが効いたかどうかはとにかく、受けざるを得ない。だからこそ受けたのだが、しかし。
「ペッ、あんのチビ、頭にガンモドキでも詰まってんのか」
一瞬で虚しくも崩れ去り、露見してしまったが。
「生徒会に深雪ちゃん入れて、それで全部まるっと解決じゃないんかね」
「そうじゃないらしいな。風紀委員か………」
「普通に考えて戦力の補強だべ?じゃ達也だけでいいじゃんか」
「枠は2つある。2人入れられるならそれがいいに決まっている」
「ダメだダメだ。魂胆が丸見えだ。二科生使えば平等主義者っぽいでしょって。選挙期間中の政治家かあいつら!」
「………それは分からないが」
一見粗雑だが、その実態は誰よりも他人を観察する。その本物の彼が、達也にとって気がかりだ。確かに彼は不遜で物言いも酷いが、今は抑えていると見る。真由美がギリギリの駆け引きを展開しているというのもあるが、一番は修平が真由美と一科生にある程度の線引きをしているからだ。
「おっと、おかえり〜、お2人ぃ」
「おいっす。帰ったよぉエリカ」
「お2人とも、生徒会でどのようなお話を?」
「世間話?」
「世間話だな。修平が会長と旧知の仲だったらしいから、他愛のない話を」
「へえ〜、何だあ。てっきりヘッドハンティングだと」
エリカの何気ない一言は実に的を得ている。どころか、必中だった。しかしただでさえ表情を表に出さない達也と平気な顔で嘘を吐く修平に効果は今ひとつのようだ。
「こっちから願い下げだね」
「そう邪険にするものじゃない」
「するよ。あぁーもうレオ!」
「あ?」
「もし俺がヘッドハンティングされるなんてことがあったら頼んだ」
「ハゲ武者か」
「影武者だバカ。頼んだぞ」
「嫌だわ馬鹿。お前がご指名されるんだろ?」
これからされるかもしれない、ということにする。そうすれば、立つ波風を最低限に抑え、なおかつ例えばの話としてこうして救援を要請出来る。今回はどうやら、無情にも伸ばした手は払われたようだが。
「あいつは旧知の仲とか古い知り合いとか平気で使うタイプなんだ。嬉しくもねえこと押し付けてきやがる」
「人遣いが荒いってことか?」
「………そうだな」
忌々しげにそう吐き捨てる。しかし段々この話の環境に居心地が悪くなったのか、さっさと解散させるように追い払う。
「授業だ授業。俺はちょっと私用で外すから頑張って」
「何しに来たんだお前は」
「愛しの友人達にご挨拶。そんじゃねー」
のんびりとした口調の割に、修平は颯爽と駆け出した。
「あいつ、退学とかにならねえよな?」
レオのその言葉に、答えられる者はいなかった。
◆◆◆
当然ながら、授業中ともなれば廊下の人通りは皆無。話し相手が欲しいなどという贅沢は通らないもので、歩くだけというのは暇潰しにすらならないのである。
「こういう時に呼んだら来てくれる奴は家だもんなあ………」
あれも確かに、生物離れしているがしかし、限界がある。ここで爆弾でも爆発すればその耳でキャッチしてすっ飛んで来るだろうが、叫び声程度では自宅にいる家族はキャッチ出来ないのである。
これでは暇過ぎてどこかに不正アクセスでもしてしまいそうだと葛藤をしていると、不意に声がした。
「そういう態度は感心しないわ、楡井君」
「んー………?」
睨んでいるようにさえ見える目元、起伏のない平坦な声色。
「何だ、能面かい。そういう相手は間に合ってるから回れ右して帰ってくんな」
「そういうわけにもいかないわ。会長からの指示だもの」
「右腕が来たわけね。そりゃまた、泣かせる忠誠心だこと」
3メートル以上離れたら死ぬ呪いでもかけられているのかと疑いたくなるほど彼女のすぐ側にいて睨みを効かせる、積極的後方警備者。もとい、いつも無表情貴方の近くに這い寄る能面、市原鈴音その人だった。
「貴方が頑として授業に出たがらない理由も、この魔法科高校にいる理由も会長から聞いたわ。だから私がここにいるの」
「そうかいそうかい。そりゃまた、こっちもそろそろ知りたがりと死にたがりの相手に疲れたとこだ。それで、お茶でもするのかい?」
「ふざけないで」
ピシャリと、彼の言葉をはたき落とす。怒っているというよりひどく警戒しているがようで、
「ふざけるもんか。俺はいつだって本気だよ。特にあいつが関わってることにはね」
「………会長、ですか」
苦々しく鈴音が吐き捨てる。これだけで修平は、鈴音の警戒と嫌悪という悪感情が何によるものかを大方当たりを付けていた。
「あいつは性格も態度も見てくれも実力もふざけてるけど、油断ならない。今回の件も、俺にとっては完全に不意打ちだった。心の中じゃ死ぬほどビビったさ」
だからこそ、自らがそれに乗り、それだけでなく鈴音も乗せた。ただそれだけの話である。
「今回の件?何の話をしているの?」
「決まってんだろ。俺をここに入れたことだよ」
「ますます分からないわ」
「おっと、チビから聞いた話ってのはそれより前か。情報提供ご苦労。もう帰っていいぞ」
「貴方………」
「情報ってのは独占しているから価値がある。封が切れればただのありふれた事実にしかならない。だから俺は、俺自身の情報を守ってあんたより優位に立つ」
そして、肝心なところで降ろす。これだけでいくらか優位を握れるものである。特に策士を気取った多感な女子高生ともなれば容易いもので。
「貴方………」
「さァどうする?力付くで聞いてもいいんだぜ。魔法使いの市原さん?」
最早敵意は確定した。ならば後はそれを利用するだけだ。十分程度の会話で、修平はほぼ優位を確定させていた。
そう、市原鈴音は修平の秘密の一部を知った。だからこそ、同時に自分で渡り合えないことを知ってしまっている。どうしようもないのだ。口先でどうにか出来れば良かったものを、今はその段階をとうに過ぎてしまっている。そして畳み掛けるように、彼は言った。
「気を付けた方がいい。彼女達は高熱を出す
「………!貴方っ、どこまで!!」
「どこもここもあるか。調子に乗るからだ。一科生で上級生で優等生だからって、何でも出来る神様になったと思うなよ」
鈴音は走った。そして修平は、その後ろ姿を見て笑った。
◆◆◆
「会長っ!!」
廊下は走ってはいけませんなどと従う義理もなかった。鈴音は脚に力を入れて全力疾走し、保健室に辿り着いた。数分走って息を整え、ベッドのカーテンを開ける。
「あらぁ、リンちゃん………どうしたの?」
「会長、お加減は?苦しいですか?」
「んーん、いい感じ。修平君ってば、いっつも変なところで加減するんだもの」
「いい感じって………」
ベッドに横たわる真由美の姿は、どう考えても本人の話す気分と一致しない。発熱に加えて脈も若干遅くなり、軽度ではあるが腕に発疹も出来ている。
「私も心配してくれると元気が出そうなんだが」
「風紀委員長っ!?」
隣のカーテンが開くと、摩利が顔を出した。同じ症状で症状も真由美と比べて若干重いようだが、苦しみながらも体を動かす辺り気合いで乗り切っているという感じだ。
「どうして………」
「さあ………分からないわ。何か言っていなかったかしら、彼」
「そんなの………」
こんなこと、あんまりではないか。話を聞いた鈴音にはどうしようもない理不尽に思えた。そして、修平の異常さに慄くと共に苛立った。
「彼は普通じゃない!どうしてこんなことを、平気で出来るんですか!?狂ってる!!」
真由美と修平の関係も聞いた。だからこそ、このような暴挙に出た彼を狂っていると言った。いつもの冷静沈着な彼女らしからぬ怒りの爆発させように、二人は一瞬呆然としながらも、すぐに笑った。
「何か言ってなかったかしら。こうして私に授業をサボる理由を与えてくれた理由を」
「そんなの………」
知らない、と勢いに任せて吐き出そうとしたが、それを飲み込んだ。代わりにある言葉が浮かぶ。
調子に乗るからだ———
「調子に乗るから、か………」
「うふふ、そうね。修平君と久しぶりに会えて嬉しくて、ちょっと羽目を外し過ぎちゃったみたいね、私」
苦痛に歪ませるでもなく、慈母のように優しい笑みで真由美はそれを笑い飛ばした。何故そんなことが出来てしまうのか。まるで彼のことを全て許せてしまう。そんな雰囲気の真由美が異常に見えてならない。しかし、真由美は話す。
「うふふ、調子に乗っちゃった。私ね、摩利に話しちゃったの。修平君の体の秘密」
「え………」
怒りが、引っ込んだ。何故か。それは当然、真由美から話を聞いたからだ。彼の体も、それで何が、どうなってしまったのかも。
「摩利には分かって欲しかった。修平君に興味津々だったでしょ?」
「そうだな………彼は良くも悪しくも目を引いた」
「あーあ、こんなになっちゃうんだ」
「少し予想外だったな………」
それは自殺行為そのもの。何か策があるとすればあまりにもおざなりで、事実そうであったが故にこうして保健室のお世話になっている。彼女もこの事態を予想していただろうに。何故そのような自滅をしてしまったのか、笑みを絶やさない真由美に問う。
「魔法ではない強さを持つ彼が魔法科高校にいる理由はまた別に話すとして、言ったでしょ?対処しないと死者が出るって」
「申し訳ありません、会長。一つよろしいですか?」
「なあに?」
「凄く、お元気そうですね」
問うたはいいが、どうしても気になった。饒舌になっているというか、怠さというのが感じられない。感じられたのは入室して数分のことで、そういえばと省みると、死に際から回復まで中々早かった。
「うふふ、言ったでしょ。修平君は加減するって。もうピークが過ぎたようね。摩利はどう?」
「え………あっ………」
急速に熱が収まり、紅潮していた顔が元の白い肌に戻り、発疹が消えていく。そしてあまりに早い変化に鈴音が狼狽している間に、二人は完治してしまった。
「凄く迷った」
ここにいない筈の男性の声に、鈴音は少し肩をビクつかせながらも見る。いつのまにか保健室のテーブルに修平が座っていた。
「三年前なら問答無用で心の臓を止めてただろうが、今はそういうわけにもいかない。けど、俺の秘密を握るのが学校の人気者なんてとんでもない爆弾だ。いつ起爆して俺に被害が来るか分からない」
「だから、お二人にこんなことを………」
「当たり前だ。爆弾なら解除、無力化しなきゃならない。それに市原先輩、あんたにゃ言っただろ。調子に乗るからだ」
「だからって………」
「いいのよリンちゃん」
流石に手段を選ばな過ぎ、という鈴音の言葉を遮った。
「ごめんなさい。でも修平君、貴方も悪いとは言わないから、あんまり邪険にしないでほしいなって」
「今更何だ。言っただろ、本当なら心臓を止めても良かった」
「私一人にそうするのと、学校の全生徒にそうするのはどちらが
「握ってるもんが同じならどっちも変わんねーな」
「そう………」
悲しげに笑う真由美に対して、修平はどこまでも快活だった。
「でも、無力化ってのは殺すのが全てじゃない。そんなわけであんたら二人に使ったのはこっちの、色無しの方」
その笑顔のまま、彼は懐から密封された透明の細長い六角柱のプラスチック容器を二本取り出す。内部にはそれぞれ紙が入っていて、片方は赤色、もう片方は無色である。
「致死率2パーセント以下のデングウイルスを改良したものだ。ただでさえ死ににくいのに改良して更に死ににくくなった」
「じゃあ………赤色の方は?」
それを言った摩利からすれば、知って然るべきと生まれた当然の疑問である。
「………聞きたいか?」
「いや………すまない。忘れてくれ」
「賢明かな、賢明かな。というわけで、市原先輩に任した。好きに看病してくれ」
「ちょっと、貴方は?」
「俺は被害者なんだな、これが。二、三十分怠さが続くだろうから、よろしく市原先輩」
「そんな勝手に………」
「勝手なもんか。寧ろ俺はその二人の勝手に付き合わされた挙句個人情報を暴露されかけたんだ。それじゃあ、しーゆーあげん」
結局彼は、
「だいぶマシになってきたわね」
「本当ですか?」
「本当よ。全快したって言ってもいいくらい」
「それはどうか分かりませんが………これからどうなさるおつもりですか?」
「ああ、それなんだけど………緊急で話したいことがあるから、授業が終わったら生徒会を集めて。私と摩利はもうちょっと休むから」
「はい。了解しました」
とにかく無事ならばそれを信じるのも後輩としての務めというもの。鈴音は追及するでもなく、部屋を退出した。
後輩を見送った真由美はベッドに倒れ込む。気丈に振る舞っていたが、まだ完全に回復したわけではない。彼は改良したものだと言っていたが、それでも感染は感染。体力を大きく消耗する。
「これが彼の能力なのか?」
「ええ………ええ、そうね。正確にはその一端、だけど………」
「堪ったものではないな………魔法でもないのにどうしてこんなことが………」
そうは言ったが、こんなの魔法でも不可能であることくらい摩利も承知である。ただ最近、彼女の中で魔法という言葉が不条理の代名詞になってしまっているような気がしてならなかった。それすら凌ぐのだからその威力は推して知るべし。推すことも知ることもあちらからやってきたが。
「なあに、気になるの?」
「当たり前だろう。こうなってしまってはな」
からかうように笑う真由美に対して、摩利は笑いを返した。
「そうねえ、彼のお友達代表としてヒントを教えてあげちゃおうかしら」
「友達代表って………」
「でもそう難しいことじゃないわ」
「………それがヒントか?」
困惑はしたが、一つ確定したことがある。すっかり顔色も良くなった真由美は、この状況を楽しんでさえいる。クイズ大会でもしているつもりのようだ。どうしてそんな回りくどい真似を、と言いそうになるが探究心が刺激される。
「ええ。摩利、修平君が魔法科高校にいる理由が分からないって言ったでしょ?」
「ああ、そうだな」
「私、結構いいとこ突くなーって思って。私も同じこと考えてたから」
「彼は旧知の人なんだろう?」
「じゃあ逆に聞くけど、あの子の本性が
「………すまない。到底思えん」
「でしょう」
真由美の渾身のしてやったり顔でその探究心がいくらか削がれつつも、彼女の言葉を聞く。
「だから私も予想でしかないんだけど。ほら、普通五教科の首席で、しかもあんな芸当出来るんなら、もう凄いレベルの天才なんじゃないかなって」
「あんな芸当?」
「未知の言語を独学で解読したの。本一冊240ページ、暗号と人工言語の合いの子みたいなのを、一年かからないで」
「それは………凄まじいな。頭の回転が速いのか」
「そ。だから正直、知識教養のレベルも高いし、あの子ちゃんと仕事してるし、学校に行く必要もないと思うんだけどなあ………」
「それこそ、案外答えは単純なんじゃないか?彼のことだ、趣味とか退屈しのぎとか言うやもしれない」
「完全に否定出来ないから困る………」
摩利も本人に言ったが、彼はこの学校の普通教養トップ。そして実技を捨てた分魔法理論を学び、間に合わせにも関わらず十指に数えられる成績を残した。確かに天才と呼んでも不足はない。しかし、不足はないどころか飛び抜けてしまっているからこそ、疑問が残るもの。
魔法科高校は、魔法の教育以外においても高い水準を誇るが、最高ではない。寧ろ魔法が使えるか否かの実力主義の世界であるこの高校は、魔法師として圧倒的に劣る修平にとって最初に外れるべき候補なのである。そうでなくても、そもそも彼に必要性が感じられない、と真由美は言った。
「お金もある、仕事も安泰、家族もいる。そんな将来設計万全の彼が、わざわざハイ過ぎるリスクを背負ってこの高校に来たのなら、それは単なる気まぐれじゃないかもしれない」
「まあ、本当に気まぐれなら、もう退学していてもおかしくないからな………」
一科生の教室での騒動に然り、司波深雪に端を発する一科生と二科生のいがみ合いに然り、たった今起こった真由美と摩利のプライバシー侵害に然り。ここを去るだけの理由に、もう何回もぶち当たっている。
「彼の力は一つじゃない。っていうか、摩利はもう体験したでしょ?」
おそらくそうしない理由は、実力に絶対の自信があるのではないか、と真由美は言う。それは知性によって作り出されたものだけでなく、彼本来の能力からもそれが言えるのではないか、と。
「CAD爆裂の件か?あれはマルウェアだと言っていたがね」
「そうねえ………」
「下手をしたら私の体丸ごと吹っ飛んでいたかもしれないじゃないか」
「加減はしたと思うけどね。それに彼が作ったってだけで、彼の能力ではないし。ちなみに三匹の愉快な動物たちは、私も分からないけど」
「謎は深まるな」
「聞かないと分からないわね。私も全部理解してるってわけじゃないし」
結局のところ、そこに行き着いてしまうのだが。しかし摩利としても、先輩として情けない話だが、あまり気分を害してしまうと、一科生教室での事件があってしまっては、それが向かないとも限らない。真由美が気を使うような案件生産機ともなれば、摩利も腫れ物を扱うがごとくになる。
「さっぱり分からん」
「ま、機嫌がよければ話してくれるんじゃない?お友達も出来たっぽいし」
「自分から言うかもしれないのか?こんなにまでしておいて?」
「かもしれないってだけ。摩利も、あんまり好奇心が過ぎると凄いことされちゃうわよ?」
「………今のは線引きか?」
「どうかしら」
暫く話している内に、終業のベルが保健室にまで響く。
「行きましょうか。もう生徒会室に集めてくれてるでしょう」
「そうだな。はあ、胃が痛くなりそうだ………最早荒れるなんてレベルでは収まらないな………」
「そうさせたのは私なんだし、誤解は解けるようにしないと」
「誤解を払拭するために、会長だけでなく私も巻き込んで当事者にした、という推理は考えすぎだろうか………?」
「さあ、どうかしら」
真由美は笑わない。それが一層、不気味だった。