明石との友好関係をより強くする事に成功した山田は目的のトイレに向かおうとしていた。
「じゃあ俺はトイレに行くから、またな。」
トイレに行く為、明石を通り過ぎようとした時。
「提督、そのポケットから出ている物は・・・」
明石から声をかけられ、山田は止まる。
「ポケット?」
思わず右と左のポケットを確かめると、ガサッと左のポケットから音がする。それに気づいた山田は顔をしかめた。凄まじく。
「提督、なんて顔を・・・そんな顔するなんて一体何なんですか?それ。」
「大丈夫だ。問題ない。」
「いや、大丈夫じゃないでしょ。凄く嫌そうな顔してましたよ?ちょっと見せてください。」
明石がそれをくれと言わんばかりに手を出す。
「大丈夫だ。問題ない。」
山田はそれだけ言うとトイレに向かおうとした。
「待ってください。」
ガッ!!
「先ほどよろしく頼むと言ってくれたばかりじゃないですか。そんなに私の事・・・信じられないですか・・・?」
いつになく泣き出しそうな表情をして弱々しく山田に問いかける明石。
「あぁ、信じられないな。お前みたいな奴は。」
山田は明石の姿さえ見ず、冷たくいい放った。
「ひ、酷い。これからはあなたの為に頑張ると心に決めたのに・・・」
「・・・・・・。」
「見損ないましたよっ!!あなたはそんな人ではないと思っていたのに。」
ギュゥゥゥゥゥ!!
「だったら・・・」
「?」
「だったら早く俺のケツから手を離せやっ!!変態女ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ゴンッ!!
「なんだ、お前らは俺のケツを何だと思ってんだ?あ?あれか?ブームか?罰ゲームか?野郎のケツ触ってなんの需要があるってんだ?」
「うぅ。」
頭に大きなタンコブが出来た明石を座らせ山田が愚痴と言う説教をしている。
「ここに来る途中だってな、すれ違う奴等からボソボソボソボソ言われたよ。尻が気になるやら魅力的やら悩み聞いてやるから触らせろとかよ。逆じゃねぇのか普通。いや、俺そんな事しねぇけどよ。」
痛そうにタンコブをゆっくりと擦る明石を更に捲し立てる。
「俺もなぁ、他の所みたいになぁ!!格好よくさっ!!登場してさっ!!敵をバッタんバッタんなぎ倒してさっ!!活躍するもんだと思ってたんだよ!!だけどっ、コイツにはそこまでの文章力なんて無ぇんだよっ!!」
余りにも怒りが吹き出し、意味わからない事を言い出す山田。
「?」
山田の意味不明な発言に首を傾げる明石。
「あぁ、すまん。こっちの話だ。とにかく俺の尻を触るな、見るな、近づくな。これ破ったら、もう一発食らわすからな。」
「はい・・・。」
山田は左ポケットから何かを取り出し明石に渡す。
「なんかもう疲れちまった。ほい。」
山田から
「これ大本営からの手紙じゃないですか!?」
「うん、そうだね。ちょっとトイレ行ってから話すから・・・」
明石に背を向けトイレに向かおうとした時。
「まっ、待ってください!!これをどこでっ・・・」
グニッ!!
手紙について詳しく聞こうと掴んだ。尻を。
歴史は繰り返される。
ドゴォォォォォォォ!!
「・・・・・・という訳でソレを渡されたんだよ。」
「そうなんですか。」
肌色の二段アイスを付けた明石がトイレから戻って来た山田から手紙を手に入れた経緯を説明されていた。
俺から手紙を受け取った明石は手紙の封筒を開け、中身を見たらしい。封筒の中には「日本海軍」と書いてある青のカードと紙が一枚入っていたそうだ。
「これは提督が読むべき物です・・・」
うつむきながら紙を渡してくる明石。
「大本営に入る為の書類とかいってたけど・・・」
紙を受け取り内容を見る。
ーーーーーーーーーーーー親愛なる山田ちゃんへ
ハァイ☆山田ちゃんっ!!元気ぃ?いきなり連れてきちゃってゴメンネッ(;´A`)
怪我してない?鎮守府の娘達に虐められてなぁい?私心配で、心配で胸が張り裂けそう(涙)
早く貴方の顔を見たくてついついお手紙書いちゃった☆(´Д`)テヘッ!
山田ちゃんは私の事知らないだろうけど・・・。私は山田ちゃんの事ならなんでもわかるんだからっ♪(/ω\*)キャッ!!
大淀ちゃんか明石ちゃんに大体は聞いたと思うけど、賢い山田ちゃんはそれだけじゃ、満足出来ないわよね?(*ノд`*)σ
私が手取り足取り教えてア・ゲ・ル。( ̄* ̄)
迎えを送るから山田ちゃんは護衛の娘を誰か一人連れて来てね?
まぁ、山田ちゃんを狙うようなおバカさんはいないでしょうけど(。-ω-)
大本営で待ってるからね?(´∀`)
ーーーーーーーーー日本海軍 大本営 大釜太刀夫
「明石。」
「なんでしょう。」
「俺、元の世界に帰りたいんだけど、駅ってどこだ?」
「ありません。」
「バスは?」
「ありません。」
・・・・・・・・・。
「明石。」
「なんでしょう。」
「この大釜太刀夫っていう人は男性?女性?」
「男性です。」
「本当は?」
「女性・・・。」
「!」
「よりの男性です。」
・・・・・・・・・。
「明石。」
「なんでしょう。」
「俺、お前の胸揉むからボコボコにするか、半殺しにしてくれ。」
「嫌です。」
「そこをなんとか」
「嫌です。」
・・・・・・・・・。
「まぁ、しゃあねぇか。」
山田はあきらめた顔をしながら紙を明石に渡す。
「てっきり発狂するか、飛び降りでもするのかと思ってたんですが・・・強くなりましたね。提督。」
「あぁ、ナノマシンとやらのお陰でな。いつまでも気絶してても変わらないし、この大釜って人は一番偉いんだろ?」
「そうです。この日本を守る最大権力者でもありますから。」
「そうか、言いたい事も聞きたいことも腐るほどあるんだ。行ってやろうじゃねぇか!!人様を突然こんな所に連れてきやがって・・・顔を洗って待ってろや。大本営とやら。」
そこには、すぐ気絶して逃げていた青年ではなく、決意と怒りと殺意に燃えている青年がいた。