俺の鎮守府   作:やんやんいやん

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なかなか思い浮かばなかったんです。本当です。f○oやけ○フレ3に熱を上げてなんかいません。本当です。


37、艦娘脅威のメカニズム

「ちょっと、開けなさいよ。いるんでしょ?」

 

「出てこーい」

 

「もう許さないんだから!!」

 

「ふあっきゆー、ふぁきゅ、ふあっきゅー」

 

睦月型の部屋の前で大人数の艦娘が怒りの声を上げ、ちょっとしたお祭り状態になっていた。ドアを叩くもの、奇声を上げるもの、座り込むもの、ヤジウマなど、それぞれ思い思いの行動をしている。中にいる睦月型の艦娘達はというと部屋の真ん中で身を寄せあってガタガタと震えていた。

 

 

「卯月ちゃん、今度は何やったの?皆凄く怒ってるよ?」

 

「弥生達、どうなるんだろう・・・」

 

「まさか、こんな事になるなんて・・怖いピョン」

 

「姉ちゃん、とっとと謝ってきてよ~」

 

睦月、弥生、卯月、望月の四人はいつもとは明らかに違う空気に半泣きになっている。卯月が恐怖で声を上げそうになった時・・・

 

ドンッ!!

 

と大きな音がなり、先ほどまでの怒声や罵声がピタリと止んだ。

 

 

「「「「・・・・・」」」」

 

 

四人とも玄関の方を見る。しばらく異様な静けさが続いた。そしてドアがゆっくりと開いていく。

 

 

ギギギギギ!!

 

 

場面は変わって、時は少し遡る。

 

 

 

 

 

 

三階に着いた山田は唖然とした。見渡す限りの人、人、人。これが暴動というものかと少し顔がひきつった。集まっている艦娘をザッと見渡す。皆明らかにピリピリしていて声を掛けづらい空気だ。

 

 

「まさかこんな事態になってしまうとは」

 

 

山田の後ろで同じ光景を見た大淀は手に口を当て、プルプルと震えている。その顔は恐怖に歪んでいた。

 

 

「・・・・・っ!!」

 

 

その隣の青葉も執務室に飛び込んで来た時より顔色が悪くなっている。

 

 

前に会ったときとは想像もつかない程の二人の狼狽っぷりに山田も焦り始めた。人一人が暴れたとしても、鎮圧にそれほど苦労はしないだろうが、彼女達は違う。彼女達は核兵器も通じない深海悽艦を倒せる唯一の存在。それに渡り合えるのだから、力と生命力は人間とは段違いだろう。

 

 

そんな彼女達が今、目の前で暴れている。数十人、いやもっといるかもしれない。同じ艦娘でもこんな大人数を止められるわけがない。この暴動が更に悪化し、鎮守府が崩壊してしまう。そんな最悪のシナリオが彼女達の頭にはあるのかもしれない。とりあえず、落ち着くように説得してみよう。多少ユーモアを含めれば、話を聞いてくれるかもしれない。一応俺は、コイツらの上司なのだから。

 

 

「おーい、ちょっと・・・」

 

 

ドンッ!

 

 

注意を自分に向けさせる為、山田が当たり障りのない大きさの声で話し始めたその時、それよりも大きな衝撃音が山田の声を掻き消した。

 

 

 

 

「夜中に何を騒いでんのさ。さっきから足音がうるさくてイライラすんだけど。」

 

 

 

 

集まっていた艦娘が一斉にその方向を見る。そこには全身紫色のジャージを来た女性が立っていた。肩より長い栗色の髪の毛を後ろにゴムで結んでいて、明らかに不機嫌そうな目付きをしていた。左手に真っ赤なバットを持ちながら。

 

「げっ、金剛型・・・」

 

 

「よりによって長女かぁ・・・」

 

 

「どうする?こっそり逃げちゃおうか?」

 

 

彼女を見た途端、艦娘達の睦月型への「怒り」が金剛型の長女、金剛への「恐れ」に変わった。ジャ○アン的なオーラを放つ彼女はバットを左肩に置いて目を細める。その堂々とした態度に艦娘達の一人の頬に汗が流れ落ちたその時。

 

 

 

「ちょっと悪いんだけど、皆。俺の話を聞いてくれ」

 

 

「へっ?」

 

 

その声に一番早く反応したのは金剛だった。

 

 

 

「こっ、ここここここの声はまさか・・・テイトク!?」

 

 

さっきまでのピリピリとした空気が先程の「ドンッ」という音で中和されて、ここぞとばかりに山田は声を出したのだ。声の主にいち早く気づき、動揺した金剛は咄嗟に腕で顔を隠し、しゃがんだ。今の姿を見られないように出来るだけ体の面積を縮めようとした結果だ。

 

 

(こんな所に提督がいるなんて思わなかった。どうしよう、ワタシ今スッピンなのに・・・)

 

 

自分の今の姿に金剛は深く後悔した。が、ちらりと片目を開けてみると、他の艦娘が丁度盾代わりとなって互いに見えない状況だと気づいた。

 

 

(危なかった。コイツらがいて助かったわ。にしても・・)

 

 

金剛はゆっくりと中腰になりつつ、艦娘達の間から山田の様子を窺う。彼の目は上を向いたり、横を向いたりと落ち着きがないように見える。

 

 

(あぁ、テイトク。いつ見てもいい男だねぇ、特にあの眉毛。とても太くて格好いい!!眉毛を細くしているチャラ男共なんかより何十倍もいい味出てるわ。落ち着きがないのもまた魅力)

 

 

頬に手を当てながら、うっとりと山田を見つめている金剛。何十、何百時間でも見続けていたい。彼女はそう思っていた。

 

 

カラン。

 

 

「!!」

 

 

気の緩み過ぎで左手の力が弱まり、持っていたバットが床に落ちた。その瞬間、金剛の頭に一気に血が巡り、今後の展開を想像した。

 

 

バットの音

艦娘共が振り向く

その様子を見ていたテイトクもこちら側を注目する

「あれ?金剛」

 

「ハ、ハーイ!!テイトク・・・」

テイトクがワタシの格好を凝視

「えっ、マジで?クソだせぇ。」

 

「こ、これはその・・・」

「萎えるわ。お前の事、マジで愛してたのに。結婚してイ○バの物置に乗れるくらいの子供作って幸せに暮らしたいと思ってたのに・・・」

 

「え?本当?・・・いや、そうじゃなくて。は、話を聞いてヨ。マイダーリン!!」

「うるせーボケェ!!もうお前とは絶交じゃい!!」

 

「そ、そんなぁ」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。

 

「っ!!」

 

 

バットが落ちて、ものの数秒で最悪の展開をはじき出した金剛は力を足の裏に全て注ぎ、逆走り幅跳びの要領で後ろに後退し、音も無く走り去った。

 

 

カラン。

 

 

 

集まった艦娘の一人の阿武隈が金剛がいた後ろを振り向くと、そこには真っ赤なバット。そして数滴の血が床にあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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