「落ち、落ちついてください!!金剛さんはゾンビではありませんよ、確かに先程までの行動は正気とは思えませんでしたがっ!!」
ブォン!!ブォン!!ブォォォォ!!
山田が金剛にチェーンソーを振り下ろそうとするのを止めさせようと、階段を一気にジャンプして降り、山田の背後に近づいて後ろから羽交い締めにしている。
「HA☆NA☆SE!!俺にはわかる!!バ○オ4をやった俺にはわかる!!コイツは寝ながら恐ろしい跳躍力で一気に近づいてくるモンスターだ!!ゴー○トバスターァァァァァ!!」
ブォン!!ブォォォォ!!ブォォォォン!!
「わからない!!私には何を言っているか!!もうわから・・・・えっ!?嘘!!力強っ!!私、結構力あるはずなのにっ!!」
山田は青葉を物ともせず、金剛の頭に少しずつチェーンソーを近づけていく。この小説が違う意味のR18指定になろるのも時間の問題だ。
「仕方ないですね・・」
パッ
何を思ったのか、青葉は山田から体を離してしまった。押さえつける力が無くなり、山田はチェーンソーを高く掲げ、今度こそと言わんばかりに金剛目掛け振り下ろした。
「光になれぇぇぇぇぇぇぇ!!」
ブォォォォン!!
チェーンソーの刃が金剛の頭に触れるその刹那・・・・
「そおぉぉぉぉぉぉぉぉぉいっ!!」
ガッ!!
「うわらべっ!!」
ドゴォ!!
山田は一瞬で壁に叩きつけられた。
それではスローカメラでもう一度。
山田から少し距離を離した青葉は両足を肩幅に広げた。そして左足を軸にして、体の重心を左から右に動かす。と同時に右足を上に上げ、踵を山田の左頬にぶちこんだ。そう、すなわち横蹴りというものである。
「ふぅ、横蹴りなんて大本営以来ですよ。でもなんかスッキリしました。ほら、司令起きてください」
仮にも自分の上官を蹴っておいて何事もなく接してくる彼女は普通なのか、ナチュラルサイコパスなのかもう作者にもわかりはしない。
「あ、あぁ。青葉か、あれ?なにやってたんだ、俺?」
「覚えてないのですか?金剛さんにスタンガンを当てて・・」
「そうだ、そうだ。思い出した、それで俺もくらって・・気絶してたと」
「そうですよ、もうしっかりしてくださいよぉ。あはははは」
もし、もしもこの場に第三者がいて、この状況を見たらきっとこう思うだろう。
「お前、上官に横蹴り喰らわせて、スッキリしてたやんけ」と
山田は回りを見渡してみる。違和感のある笑みを浮かべる青葉、うつ伏せに倒れている黒こげの金剛、なぜか天井に突き刺さっているチェーンソー。
「・・・・・・」
左頬に残る尋常じゃないほどの痛み。
「司令はここで待っていてください。私は地下に行って、大淀さんか、明石さんを・・」
「待てい」
「な、なんです?早く行かないと金剛さんが・・」
「このよ、左の頬の痛みはよ、なん・・・・」
シーン。
山田の発した「この」の時点で青葉は地下への階段へと向きを変え、「痛み」の所で颯爽と走り去っていった。青葉が消えた為、山田の問いかけは空中で消えてしまった。山田は突き刺さっているチェーンソーを見つめながら、左頬に手を添える。
「まいったな。卯月、川内に続いて浜辺に埋める奴が一人増えちまったわ」
ガタガタガタガタ!!
(ちょっと、姉さん。お、落ち着いて)
山田がため息混じりについた言葉の後、天井から物音が鳴ったが、山田は気づかなかった。相当、疲弊しているのかあまり覇気が感じられない。
(私達の役目は提督を影から見守る事、これは私達にしか出来ない任務なの。だから・・あぁ、もう)
「はぁ、・・・・ん?」
ふと視線を落とした山田は何かを感じとり、倒れている金剛に視線を移す。すると金剛の体から何かが飛び出してきた。
「えっ?何だアレ?虫?」
それはゴキブリよりも大きくカブトムシより小さな虫のような生き物だった。見た目は黒く、一瞬見ただけなら普通の虫だと思うだろう。だが、この生き物は何かがおかしい。ゴキブリなら移動するスピードは速い。しかしゴキブリよりははるかに大きい。カブトムシは動きは遅いがあんなに足は長くはない。おかしい、あんな虫見たことがない。山田はそう思った。
「ギギィ」
その虫は音を発した。しかしコオロギやキリギリスのような音色に近い音ではない。明らかに声を出している。異様だ。ただの虫があんな声を出すなんてあり得ない。
「ギギ・・ギィィィ!!」
「!?」
虫は素早く山田の方に向きを変えた。その瞬間、虫の体から巨大な目玉と複数の触手が生え、虫とは思えない早さで山田に遅いかかってきた。しかし山田には秘策があった。そう、それはリモコンだ。(前の話から探してみてね)QTEが使える不思議なリモコンで山田はタイラント(金剛)と死闘を繰り広げてきた。きっとこの状況もなんとかなる・・・・そう思ってた時期もありました。(山田)
「ギィィィィィィ!!」
「はっ、QTEさえあればこんな虫ケラ・・」
「ギィィィィィィ!!」
「あれ?」
明らかな危機にも関わらず山田の頭にマークが浮かばない。それもそのはず、前の攻防でスタンガンをくらった後、リモコンは二階に落としたままだったのだから。
「ギィィィィィィ!!」
「嘘?マジで?」
ポケットに何度も何度も手を入れる山田。
「ギィィィィィィ!!」
「いや、あの・・」
「ギィィィィィィ!!」
虫の触手が一つにまとまりドリルのような形状になった。
「そ、その触手イカしてますね」
「ギィィィィィィ!!」
キュイィィィィィィッ!!
「さっき調子乗ってすみませんでしたぁぁぁぁぁ!!!」
触手が山田の頭に突き刺さろうとした時。
カパァ、シュ!!グサッ!!
「ギッ、ギィィィィ!!」
何処からか何かが投げられ、それが虫の体に刺さり虫の動きを封じた。
山田は両手で顔を守りながら、いつくるかわからない痛みに耐えるべく強ばっていた。
「あれ?」
しばらくしても何にも起こらない為、恐る恐る目を開く。そこにはクナイで体の中心を貫かれている虫がギチギチと動いていた。よく観察しようと全体を確認しようとした時瞬間、貫かれていた筈の虫が消えていた。まばたきを一回したと同時に。
「・・・・・・」
「司令、お待たせしました。大淀さんは再起不能な様子だったので、明石さんを連れてき・・・・ってあれ?どうしたんです?顎を取られた猪木のような顔をして」
「アハハハ!!青ちゃん例えがうまーい。山田くぅーん場布団持ってきてぇー。なんちゃって」
「あらら、やっぱり明石さんも駄目っぽいですね」
「なんだ、このやろう。元気なのかこのやろう。ハッ、ダンカンばかやろう」(明石しゃくれ顔)
「・・・・・・・・」
先程逃げた青葉が顔が真っ赤に染まった明石を連れて帰ってきた。到底役には立たないであろう助っ人を。
「ねぇ、提督ぅ。元気なんですかっておいおいー」
「・・・・・・」
「ひっく、不機嫌な顔してぇーきっもちわるぅー、にあってませんよぉ?」
「・・・・・・」
「まったく毎度毎度ワケわからない事ばっかりして、発情期の猿ですか?あなたは?うり、うり」
一点を見つめながら座っている山田に茶々をいれる明石。はたから見ると上司と部下の微笑ましい光景で・・
「にゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
山田の渾身の右ストレートが明石の顔面をとらえた。
「うぼぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
物凄い衝撃でぶっ飛ぶ明石。
「えっ?」
何が起きたのかわかない青葉
ドシャっと明石が頭から地面に落ちた。
それを確認すると山田はどこかに歩き始めた。怒涛の展開に口をポカンと開けていた青葉もふと我に返り、なるべく刺激しないように、後ろから山田に話しかけた。
「あ、あの、司令・・その・・どこに・・」
「便所!!」
山田は振り向きもせずに二階へ上がっていった。
ー田尻鎮守府・浜辺
「や、やばいピョン・・・・ジュース飲み過ぎたピョン。ト、トイレ、漏れちゃ・・」
(にゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!)
「ひいっ・・・・っ!!」
ポタ、ポタポタ。
卯月が救出さ(思い出さ)れるまで残り10時間23分45秒