五月雨と同様に自然な感じで話しかけてくれている明石に思わず、頷き黙ってしまう。俺は筋金入りの人見知りだ。ハーレムアニメの主人公みたいに初手からフレンドリーに会話できるはずがない。五月雨の時は唐突すぎたからなんとなく会話出来ていたがな。
でも明石とは完全に初対面だ。なのに彼女も俺を知っているみたいな感じがある。なんか変な感じだ。
「ねぇ、提督・・・」
うつむいていた顔をとっさにあげる。そうだ、さすがに失礼だよな。人見知りでも最低限のマナーは守らなければ。怒っちまったか?・・・明石の顔を見たが怒ってはいない。よかった。俺は明石に返事を返そうと覚悟を決め、視線を合わせようとしたが明石の視線が何故か俺の右手に向いている。
うん?俺も自分の右手を確認する。特になにも変わりない。普通の手だ。
「それはっ!?」
五月雨が声を出す。ふと五月雨の方を向くと何故か顔を赤くしている。血圧高いのかな。大丈夫?何がなんだかわからず右手を眺める。
「その右手に持っているのは・・・」
明石が言葉を続ける。持っている?あぁ、五月雨が持ってきてくれたハンカチか。確かに今俺は柄がついたピンクのハンカチを持っているが。・・・そうか。これは明石のハンカチだったんだ。俺が明石のハンカチを右手に持っていたから視線が右手に向いていたんだ。なるほどね。・・・待てよ、それなら何故五月雨は顔を赤くしたんだろう。
俺の疑問に答えるように明石は言った。
「パンツですよね?女の人の。」
・
・・
・・・
・・・・
・・・・・ハンカチを広げる。ピロッ。
・・・・・・・・・逆三角形の布がそこにあった。
「まったく、五月雨ちゃんにハンカチを頼んだんじゃなかったんですか?提督も男性ですからそういうものに関心があるのは重々承知していますが、こんな事に五月雨ちゃんを巻き込まないで下さい。」
「ち、違いますっ!誤解です。提督はパ、パンツが欲しかったわけじゃないんです!私が皆を急がせてしまったから誰かが間違って入れてしまったんです。たぶん。」
「五月雨ちゃん、大丈夫よ。何も言わなくて。私は全部わかっているから。」
「違うんです!!」
「さぁ、提督。何か言い残す事はありますか?あるならこの明石専用ボイスレコーダーで録音してあげますよ?」
おもむろに胸からボイスレコーダーと巨大なレンチを取り出す明石。
「話を聞いてくださいっ!!」
あぁ、もう、何がなんだかわからない。あれ?おかしいな。俺は犯罪者なのか?幼女を洗脳してパンツを持ってこさせた犯罪者なのか?ハハッ、とんだピーターパン野郎だな俺は。あれ?おかしいな。ここ地上なのに宇宙があるわ。綺麗だな。彗星か?いや違う。禿げた・・・おっさん?何だよ?手招きして。そうか俺を迎えに来たんだな。犯罪者の俺を。わかったよ、今行くから待っとけって。タピオカ?持ったよ。心配するな。あぁ。
ーーーーーーーー刻が見えるーーーーーーーー
ドサッ!!(倒れる音)
「提督!!」
「死んだふりなんて小賢しいですよ、提督。私のレンチか五月雨ちゃんのパロスペシャルどちらか選んでください。」
「大丈夫ですか?提督・・・明石さん、提督気を失っています。」
「えぇ?あら本当。仕方ないなぁ。このまま鎮守府に連れていきますか。五月雨ちゃん、提督の足を持ってくれる?」
「そうですね、いつまでもここに寝てると風邪引いちゃいますし・・・よいしょっと。」
まるで豚の丸焼きの様な形で鎮守府に連れていかれる提督。
はたして彼はどうなるのか、どうなってしまうのか、それは彼にも作者にもわからない。次回「君の名は」デュエルスタンバイ!!
沈まない太陽~♪