「はぁー、拳を振るう事に全くためらいがなかったよ。あの人。これからどうなるんだろう」
ちりとりと箒を持ち、瓦礫を片付けていく山田。せっせと掃除をする彼は、本当にこの鎮守府の提督なのだろうか。用務員の間違いではないのかと、この頃作者は思っている。
「とりあえず、綺麗にはなったべ」
見渡す限りの瓦礫やゴミを玄関口近くにまとめ、山田は一息ついた。ふと体を見ると手のひらは砂のようなものが付着している。しかもそれが爪の中まで入り込み、違和感がすごい。ズボンの裾も何故か汚れている。裾を踏んだ覚えも、座った覚えもないというのに。手を洗いてぇ。てか風呂入りてぇなぁ。そう思っていると、あるものが目についた。
「よっと」
山田は落ちていたチェーンソーを拾い上げ、マジマジと見る。こんな物騒なもんを向けられてよく無事であったものだ。自分自身を誉めてやりたいものよ。感慨深く眺めていると黒のマジックで何か書いてあった。田尻鎮守府と。
「学校か?ここは。まぁ、個人所有だったらそれはそれで問題だがな。はっはっ」
山田がチェンソーを玄関の端に立て掛けようと歩きだした。
トントントントン。
「・・・・・」
床を叩くような音が聞こえる。山田は音の方向をチラッと見るとすぐに元に戻り、何事もなかったように歩き始めようとした。
ドンドンドンドン!!
「・・・・・」
さっきより少し音が大きくなった気がする。だが山田は動きを止めず、チェンソーをロッカーの隣に置いた。
「とりあえず、手洗いてぇな。四階か、階段だりぃなぁ」
男子トイレで手を洗おうと階段をノロノロと上ろうとする山田は欠伸をかいた。
ダンダンダンダン!!
「・・・・・」
ダンダンダン、ダンダンダン、ダンダンダンダンダン!!
「・・・・・」
ダンダンダン、ダンダンダン、ダンダンダンダンダン!!
「あぁ、騒音お◯さんか。懐かしいなぁ、オイ」
「ちがわいっ!!」
山田が掃除を始める前から何故かうつ伏せで寝ていた金剛は上半身をグワッと起こしてツッコミを入れた。
「酷いネ!!テイトク!!さっきから呼んでいるのに気付かないふりをして」
頬を膨らまし、うっすらと涙を浮かべる彼女は普通の女性そのものだった。目を潤ませながら、若干の上目遣いを向けるその表情は男性にとってはとてもたまらないものだろう。それが初見であれば。
(この女、この期に及んでまた泣き落としか。小賢しいっ)
山田は知っている。金剛の本気の顔を、自分に向けていた殺意を秘めたあの顔を。
「なんか体中が痛いし、頭はクラクラするし、何故か廊下で寝てるし、もう何がなんだかわからないデス」
(やはり掃除なんかしないで、さっさと部屋に帰った方がよかったか?)
「「「いいですね?」」」
「!!!!!」
ビクッ!!
「ど、どうしたネ、テイトク・・・」
急に背筋を伸ばして硬直する山田に思わず声をかける金剛。それを止めるかのように、手のひらを彼女の前に出し山田は深呼吸をする。そして目を閉じた山田は心を落ち着かせる。
(落ち着け、俺。お前は先程まで本物のバーサーカーと対峙していたじゃないか)
山田の脳裏には彼女(名前を呼んではいけないあの人)からの一方的な暴力を写し出していた。
ーーーーーーーーーーーー。
ちょっ!!やめっ!!食い込んでる!!食い込んでる!!爪がっ!!いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい!!
首がっ!!首・・・・呼吸がっ・・・本当にやめ・・・
えっ?そんなものどこから・・・・・?
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ!!
あぎぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
え?何で?何で笑ってんの!?俺は仮にも偉い立場なんだよね?なんでそんな平然と蹴りを入れられんの!?まさかストレス解消目的で暴力を・・
ガスッ!!
のぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
この野郎っ!!下手に出てればっ!!オラァ!!
痛ってぇぇぇ!!なんでこんなにかてぇの!?
女じゃねぇよっ!!アンタッ!!かてぇもの!!心も体もかてぇものっ!!そんな不気味な顔しねぇものっ!!よだれなんか垂らさねぇものっ!!もういやだぁぁぁぁぁぁ!!
おか、おか、おか、おか・・・おかあちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
ーーーーーーーーーーーー。
山田はゆっくりと目を開ける。そこにはあの人はいない。いるのは、目をパチクリさせるただの茶髪。ただの小娘一匹。ただ突っ込んでくるだけしか出来ない、いや「たいあたり」しか覚えていないコ◯キング。恐怖など微塵も感じない。
「勇気とは怖さを知る事、恐怖を我が物とするものなり」
山田は真っ直ぐに金剛を見据えた。来るならこい、真の恐怖を知った今の俺なら貴様など赤子のようなものだ。俺の命を取りたければ全力でくるがいい。そう、山田の目は語っていた。
・・・・・・・はぁ。
「どうした?」
いやぁ、なんかな。
「なんだよ、はっきり言えよ」
飽きた。
「え?」
飽きたよ、この展開。だってなんか同じような展開やん?読者の人はさぁ、きっとお前と艦娘とムフフなイベントとか、いい加減にストーリー進めろよとか思ってるよ。たぶん。
「うーん、ムフフはともかく、ストーリー進めなきゃあかんよな。うん」
そこでだ。
「へ?」
ムフフな展開とストーリーを進める、この二つを同時に起こせる最高の一手がある。
「だからムフフはいいって、俺は別にハーレムアニメの主人公になる気は・・・」
揉め・・・・
「・・・・・?」
乳を揉め・・・
「・・・・・」
金剛の乳・・・
「言わせねぇよ!?」
なんだよ、先に進みたくねぇのかよ。ピリオドの向こう側に逝きたくねぇのかよ。
「そりゃもう展開はさ、進めたいけれどさ、それは・・もう・・違うやん」
何をいまさら・・・お前、神通の揉んどいてさ・・・
「っ!!ばっか!!おめぇ、あれは事故だよ!!故意じゃねぇ!!」
いいか?お前が金剛の乳を揉む。そしたらお前は顔面を殴られて気絶する。そしたらなんやかんやあって明日になる。どーよ、これ。完璧だろ?
「お前、この小説の第一話から見直してこい。同じような事やってるから」
うっそ、マジで?俺もボキャブラリー少ねぇなぁ。
「あのぉ、テイトク?誰と話してるノ?」
「えっ!?あぁ、いや何でもないで」
・・・誰か(作◯)と話していた山田はふいに金剛に言葉をかけられ我に返り、手をブンブンと振り誤魔化した。
「それで、あの・・聞きたいことがあるんデスけど、いいデスか?」
「・・・・」
改めて金剛と正面に向う形になり、山田は改めて金剛の顔を眺める。なんとも真剣な顔でこちらを見ている。目にもちゃんと光が入っていて、まるで生きているようだ。襲ってきた時のような、死んだ秋刀魚の目を赤で塗装したような目ではない。頬も少し赤くてまるでピカ◯ュウのように可愛げがある。襲ってきた時のような餓死寸前のダル◯ムではない。彼女は正常に戻ったのか?山田は思った。そんな山田に金剛は不思議な質問を投げ掛ける。
「その、気持ちよかったデス・・・・か?」
「・・・・なにいってんだ?おめぇ」
なかなか続き書くモチベ上がらなくて、すいません。毎日この小説の様子を見に来てくれたそこのあなた。ありがとね。
さて前回のアンケートで他の艦娘って答えが多かったんですけど、どの子を出したらいいか悩んでしまって今回は違うタイトルになってしまいました。そこでまたアンケートをとりたいと思います。ホンマすいまソン。