もこっち以外の視点で描くわたモテSS   作:umadura

4 / 7
黒木マジウザいし、ちょっとイメチェンする

 

 

 

 ぼっち - Wikipedia

 

(スラングとして)孤独、一人ぼっちを指す。友達が少なくいつも1人でいる様子

 

 

 なーんだ。私とは全然カンケーないじゃん。

 友達とか普通にいるし、孤独とかワケわかんないし。

 今日もサチがわざわざ私に会いに3-5まで来てたし!

 

 じゃあ、彼氏がいないのは『ぼっち』って言わないんだ。

 ふーん、そうなんだー、へー。

 

 まー、別にどっちでもいいけど?

 私が声かければクラスの男子はなんでも言うこと聞くし。

 彼氏面されてもウザいから、作ってないだけだし。

 

 私マジJKだから、今って超モテる時期なんだよね。

 何もしなくても男の方から寄ってきて財布になってくれる三年間。

 

 どうしよっかなー。

 今まではサチ、ノリ、マキに悪いって思って彼氏作らないできたけど……

 もう高三の夏だし、そろそろかな?

 

 彼氏作っとこうかな?

 

 別に男とかいてもいなくてもどっちでもいいけど、高校生なのに彼氏いない残念なヤツとか周りに思われてたら最悪だし。

 特に今は、サチ、ノリ、マキと離れてて一人でいる時間がちょっとあるから、それ見て『あいつ、いつも一人だけど友達も彼氏もいないとかマジかわいそー』とか勘違いするヤツいるかもしれないから、隙を見せないようにしないと……

 

 男って駅前とかに可愛い女が歩いてたら普通に声かけてくるよね?

 なら余裕余裕。

 今日日曜だし、時間たっぷりある

 

 つーか別に時間なくても余裕だし。

 一時間で彼氏ゲットして、サチ、ノリ、マキに自慢しよーっと。

 

 

 

 

 ★☆★☆★☆ 九時間後 ☆★☆★☆★

 

 

 

 

 おかしい……何これ……

 超可愛い女子高生なのに日が暮れるまで男が出来ないって……

 

 え、何これマジ何これ。

 もう夜じゃん!

 早く家に帰らないと怒られる……

 

「あ、ねえねえ君可愛いねー。今からカラオケいかね?」

 

 来た!

 遅っそー! やっとかー!

 千葉の男見る目なさ過ぎ! 普段からピーナッツばっか食べてるから頭カラッカラなんじゃないの?

 

 それより、どう返事しよ?

 こういう時っていきなりOKするのは良くないってセブ●ティー●にも書いてたし、最初は断って食い下がってきたら仕方なく……って感じ?

 それでいこっかな!

 

「え? 別にカラオケとか気分じゃな――――」

 

「うわマジ可愛いって! メシも奢るからさー、ちょっと付き合ってよ。ね、ね」

「ちょっと急いでるんで」

 

 ……あれ?

 

 私にじゃ……ない……?

 しかも今の、加藤…… 

 

 ……。

 

 悔しくねーし!!

 

 あんなお高くとまった女に声かける男なんて何も考えてないだけのバカだし、こんな時間にJKをカラオケに誘う時点でヤることしか考えてないクズだし!

 あんなゴミみたいな男を彼氏にするくらいならぼっちでいいし!

 

 ぼっちじゃねーし!!

 

 私は一人を楽しんでるだけ。

 クラスの女子はロクなのがいないし、特にあのイライラパイナップル女とか最悪。

 なーにが『あんたなんでいんの?』だよ、バッカじゃねーの?

 

 あと黒木とかマジうざい。

 あいつ何なんだろ、急に周りに人増えて。

 田村(あいつ)とかまこっちともメッチャつるんでるし……

 

 ……ホントなんでだろ?

 もしかしてあいつ、私の悪口言ってそれがウケて人気者になったんじゃ……

 

 ねーし!!

 

 あの自己紹介くそ滑りキモぼっちにそんなトークスキルとか絶対ねーし。

 どうせ家が金持ちで、金バラ撒いてそれにバカが群がってるとか、そんなんでしょ。

 

 せいぜいカス同士でくそつまんねー青春でも送ってればいいじゃん。

 

 

 

 

「……」

 

「小陽、もういいの? 随分残してるけど……」

 

「食欲なーい」

 

 ふぅ……

 あ、明日宿題あるんだった。

 受験勉強もやらないとなのに宿題とかマジうざ……

 

 ノートは……

 

 あっ、これサチに貸した教科書。

 鈴木くんに返すの忘れてた。

 

 あれ?

 これってもしかしてチャンス?

 今からLINEで伝えて、それきっかけで良い雰囲気とか……

 

 ……ID知らない。

 サチに聞いてみようかな、知ってるかもだし。

 でもそれで『鈴木くん狙ってるの?』とか思われるの嫌だし……

 

 

 ……なんで私には彼氏がいないんだろ……

 あの料理くっそマズい三家でもいるのに……なんで私には……

 おかしくない?

 

 鏡、鏡……制服……一番お気にの髪飾り……

 

 

 じ――――――――――――――――

 

 

「~~~~~~~~っ!!?」 

 

 何これ……気持ち悪い……吐きそう……

 

「うえ……え……え……あ……え……」 

 

 えっなんで……自分の顔をじっと眺めてただけなのに……なんでこんなことになるの……?

 

 スマホで調べないと……『自分の顔を眺める 吐く』……

 

 

 醜形恐怖?

 

 

 は? 何それ……えっ、どういう意味?

 疾患?

 私……病気……?

 

 っていうか、醜いって何?

 私の顔ってキモいの?

 

 えっ嘘!?

 私が自分の顔をキモいって思ってるってこと……!?

 

 ないない絶対ないし!

 

 可愛いよね私?

 サチにもノリにもマキにも田村(あいつ)にもまこっちにも余裕で勝ってるし!

 黒木とか勝負になんないし!

 

 でも可愛いのにモテないっておかしくない……!?

 チビで胸がないから!?

 

 ……あっわかった。

 この八重歯だ。

 これがあるから子供っぽく見えるんじゃ……

 

 ほら、やっぱそう!

 両手で口元隠したら芸能人レベルの美人じゃん!

 八重歯のせいで男が話しかけてこなかったんだ……なんで今まで気付かなかったんだろ……

 

 やっぱり私ってマジ可愛い。

 そっか、加藤と岡田(あいつら)、私が可愛すぎるからハブったんだ。

 なーんだ、絶対そうじゃん。

 

 マジ最悪……性格悪すぎ……明日サチ、ノリ、マキに言わなきゃ……

 

 でも今はそれより、この八重歯をどうにかしないと。

 そうだ! あれだ、この前買ったマスクをすれば……!!

 

 ……八重歯が消えた!!

 

 こんな簡単に大人っぽくなるなんて……自分が怖い……

 

 もっともっと大人っぽくなれば、彼氏なんてあっという間じゃん!

 今日はもう遅いからナンパ待ちは無理だけど、いつもと違う私で学校に行けば、クラスの男も寄って来るんじゃない!?

 

 えっと、大人っぽい髪型……ウェーブボブとか良い感じっぽい。

 大人っぽいメイク……アイメイク濃くして……マスクの下はオーバーリップで色っぽく……

 

 ……あれ?

 これちょっと前に見たクソブサイクメイクの時の黒木っぽくない?

 

 えっなんで?

 なんで大人っぽくしたらクソブサ黒木になんの?

 

 これで学校行ったら笑われるかも……

 

 でも……それきっかけで一緒にお昼食べる相手ができるかも……

 それがいたら彼氏とかいなくても別にいいし。そっちはいつでも作れるし。今日はたまたま調子悪かったけど。

 

 まこっちはたまに一緒に食べるけど、田村(あいつ)や黒木と一緒の方が多いし、加藤と岡田(あいつら)や三家はもう無理。

 でもまだ話してない子結構いるから、私がこの顔で登校したら、その子達が話しかけてくるかも……

 

『ねー何そのメイク。超ウケるんだけど』

『南さんって面白い子だったんだ。今日一緒にお昼食べない?』

『あはは面白ーい! 南さんってトーク上手すぎ! YouTuberとかなれば?』

『そういうマスクしてるYouTuberいっぱいいるよね。南さんその中でもダントツで可愛いじゃん。イケるって!』

『南さん、マスク取っても可愛いもんね……えっなにそのリップ! マジウケる!』

 

 ……イケるかも。

 

 何なになにー!? 私って天才ー!?

 つーか超カンタンじゃん! なんで今までぼっち飯とかやってたのか意味わかんない!

 

 明日このメイクで学校に行けば、もう地獄みたいなお昼じゃなくなるんだ……

 長かった……あのくそつまんねー時間からやっと解放されるんだ……

 

 やった……!!

 

 

 

 

 ★☆★☆★☆ 翌日 ☆★☆★☆★

 

 

 

 

「おはよーまこっち。昨日あのニュース観た? 超面白かったよねー。芸人ってやっぱ口ばっかでゴミだよね。辞めますって言って辞めないとか意味わかんないし」

 

「え? あ、う、うん。そう……だね……」

 

 まこっち、私がいつもと違うからメチャクチャ驚いてるっぽい。

 これなら他の連中が声かけてくるのも時間の問題かな。

 

 でも、一つだけヤバいことがある……

 あのパイナップル頭が『何そのメイク? くそダサいんだけど』とか言ってきそう……

 つーか絶対言ってくる……あーもうくそウザい……マジでムカつくあいつ……転校すればいいのに……

 

 それに同情して私をグループに入れようとする子達もいるかもだけど、そういうことするのって大抵ランクの低いグループだからなー……ホイホイついていかないようにしよっと。

 私が欲しいのは、私の格に見合った友達。

 そういう子たちが話しかけてくるまで待たなくちゃ!

 

 

 

 

「宿題はちゃんとやって来たなー?」

 

 

 

 

 ……朝のHRでは、誰も話しかけてこなかったか。

 ま、まあ最初はみんなビックリしただろうし、戸惑って声かけ辛かっただけでしょ。

 一時間目の休み時間くらいが本番かな――――

 

 

 

 

「ほら、早く席について」

 

 

 

 

 ……あれ?

 

 

 

 

「随分暑くなって来たなー。受験生の夏はキツいぞー」

 

 

 

 

 ……あれ?

 

 

 

 

「黒木、友達が増えて休み時間が楽しいのは良い事だけど、早く席に着きなさい」

 

「あっ……は、はい(死ね)」

 

 

 

 

 ……え?

 

 

 

 

「――――今日はここまでね。受験に関係ない科目だけど、しっかり復習しておくようにしなさい」

 

 

 

 

 え? 昼休み?

 もうお昼の時間?

 

 なんで?

 まだ誰も話しかけて来てない……

 

 クソブサ黒木と同じなのに……超ウケるのに……

 

 ヤバい……涙出て来た……

 

「こはーるちゃん。今日は一緒に食べる?」

 

 サチ……!?

 どうしよう、こんなところを見られるなんて……!

 

 私がこんなメイクまでしてクラスメイトの気を引こうとしてるのがバレたら、もう……

 

「あれ? こはるちゃん風邪引いた?」

 

「……へ?」

 

「だってマスクしてるし。ダメだよ、気を付けないと。受験生に風邪は大敵じゃん。みんな伝染るの嫌だから近寄って来ないんじゃない?」

 

 そ……そーだったんだ……

 だから誰も向こうから話しかけて来なかったんだ……

 

 良かった……私、一人じゃなかった……!

 

 

「じゃ、じゃあサチ、今日は一緒に――――」

 

「あーうちらも伝染るの嫌だから今日はやめとく。一人で食べてね」

 

「  」

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。