「・・・であるからして、魔術とは」
ただいま講義の真っ最中である。教科は魔術理論、これは魔術の成り立ちや術の構成など魔術の基礎を学ぶ教科だ。でも僕にとっては簡単すぎる教科だ。むしろ普通の教科の方が難解だ。英語とかそれなんて呪文ですかって感じ?
「・・ということです。それとここが魔術と魔法の違いでもあります」
そう先生が言うと生徒の半数が顔を歪めた。これは仕方ないことだろう。魔法科と魔術科は昔から相性が悪く、その影響からか魔法を毛嫌いする子が多い。魔法科は魔力の総重量によって序列があり、さらに序列意識が高い。魔法科だけならいいけど他の能力科や魔術科の生徒をも見下す奴もいるからだ。そういう奴に限って魔力量が多いんだよねっと思っていたらチャイムが鳴った。
「おっと、もう時間ですか。それでは本日はここまで」
そういうと先生は教室を出た。さて昼休みだ、どうしようかな。今月は欠金だからなぁ。雄二に集りに行くか。
「いやぁ、この前いい魔術実験の材料があったからつい買っちゃったんだよね」
「まったくお前は、ちったぁ我慢を覚えろ」
「ちゃんと貯金はしてるよ。来月欲しいゲームもあるし」
「それでは意味が無いじゃろぅ」
「・・・無節操」
そんな話をしながら僕らはお昼を食べるため屋上へ向かっている。いつもは空いてる教室とかで食べてるけど今回は気分を変えて屋上で食べようってことになった。僕が屋上へ出る扉を開けた。文月学園の屋上は一般開放していて結構広いし、休み時間などの暇な時間のときには結構賑わってる。でも今日に限ってはほとんどいなかった。
「あれ、ほとんど居ないね」
「そうじゃのぅ。いつもはもっといるんじゃが」
「あー、きっとあいつらがいるからだろう」
雄二の視線の先を見ると女子生徒の集団がいた。あれ?見たことのある人がいるような。
「あの女子たちは朝に見かけた子じゃな」
「・・・文月の百合華(ゆりばな)」
「なにそれ?」
「学園で有名な女達だ。いつも一緒に居て、男子の影もないし告白も悉く失敗してっから敬愛や皮肉を込めてそう言われてるらしいぞ」
「・・・ファンクラブも存在する」
「ふーん」
僕は興味なさげに返事をしてもう一度彼女たちを見たら偶然にもその1人と目があった。その子が僕たちを見つけると他の子たちも振り返った。
「あら、明久」
「やあ、スイートさん」
「なんだ明久、知り合いか」
「うん、同じ科なんだ」
「えっと、キミたちも昼食かな?」
黒髪のきれいな人が僕たちに聞いてきた。
「うん、そうだけど」
「ならば、わたし達と食べないか?皆もいいだろう?」
彼女の問にみんな不満はないようだ。
「それじゃいいかな?みんなもいいよね」
「かまわぬ」
「問題はねぇ」
「・・・(こく)」
僕たちは彼女たちの近くに腰をおろした。しかし、噂にもなるくらいだから当たり前だけどみんな綺麗だね。ファンクラブができるのも納得だよ。
「えっと、僕は吉井明久。魔術科だよ。それで僕の横に居るのが坂本雄二」
「坂本でも雄二でも好きなように呼んでくれ。あと能力科在住だ」
「で、その隣に居るのが木下秀吉」
「秀吉じゃ。雄二と同じ能力科じゃ。あとワシは男じゃからな」
「ええっ!?男の子やったん!?」
みんな驚いた顔で秀吉を見ていた。やっぱり最初は驚くよね。
「はぁ、何故みなわからぬのじゃ」
「仕方ないと思うけど、そして最後は土屋康太、通称ムッツリーニ」
「・・・魔法科。よろしく」
「ムッツリーニってどういう意味?」
「むっつりスケベってことだ」
「・・・そんな事実はない(ブンブン)」
ムッツリーニが顔を横に振り否定するけど、みんなは苦笑いでスルーした。
「それじゃわたくしたちも紹介しましょう。明久は知ってるでしょう、スイート・フォンターナですわ。魔術科です。そして横に居るのが私の妹の・・」
「キュート・フォンターナよ。能力科、よろしくね」
スイートさんと同じ銀髪でかわいい子だ。背はスイートさんと同じくらいなんだ。
「フォンタ―ナ・・・どっかで聞いたことあんな」
「ワシも聞いたことがおるのじゃが・・どこじゃったかなのぅ」
「・・・おそらくテレビ」
「・・そうね、お父様有名だから」
「・・!そうか管理局の中将か」
「なんと!あの管理局の破潰者(クラッシャー)と恐れられる方の親族じゃったのか!」
「ええ、お恥ずかしながら」
「きゅー・・」
ん?妹さんが何か悲しそうな顔をしたけど、どうしたのかな?
「それじゃあ、次はわたしだな。わたしは亜威黒媛。気軽に呼んでくれ。ちなみに能力科だ。そして隣に居るのがわたしの妹だ」
「はい!百香は亜威百香です!まだ小等部です!よろしくです!」
亜威姉妹は対照的だね。お姉さんはクール系で妹さんは元気っ子だね。
「わ、わたしは・・えっと・・美々津・・巴です」
そういうと美々津さんは亜威さん・・って分かりづらいから名前でいっか。黒媛さんの後ろに隠れてしまった。照れ屋なのかな?
「あぁ、巴は少々照れ屋なんだ。気にしないでくれ」
「あー、うん。わかったよ」
「次はワタシやね。八神はやて、魔法科です。趣味はゲームと女の子の胸を揉むこと。よろしくな」
「ちょ、ちょっとはやて!何言ってるの!?」
「こういうときはインパクトが大事や!」
「だからってそれはないよ!?」
あははっ、僕たちはどんな返事を返せばいいんだろう。ん?ムッツリーニの様子が。
「・・・女同士・・揉み合い・・(ブシャアアァァ!!)」
「ほぇ!?ど、どうしたの!?」
「何事だ!?」
「あー、気にしないでいつものことだから」
そう返して僕たちはいつものようにムッツリーニに処置を施した。
「なんでそんなに手慣れてるのよ」
「あははっ、いつものことなんだね」
「ムッツリーニの意味がわかった気がするわ」
うん、わかってくれたようでなによりだ。処置を終えてようやく続きが始まった。
「んんっ、話が脱線したけど戻すわよ。アタシはアリサ・バニングス。能力科よ。それでこっちがすずかよ」
「月村すずかです。アリサちゃんと同じ能力科だよ」
2人とも仲良しだね。幼馴染なのかな?
「わたしは高町なのは、魔法科だよ。よろしくなの」
「最後はわたしだね。フェイト・T・ハラオウンです。昨日はありがとう」
「昨日?もしかしてフェイト達が襲われたところを助けたのはキミたちだったのか?」
ハラオウンさんの言葉に疑問を感じた黒姫さんが問いかけた。
「うん、そうだよ。帰る途中だったんだ」
「ゆうても、明久以外何もしておらんがのぅ」
「明久、襲撃犯が魔術を使用したと聞きましたが本当ですか?」
「本当だよ。東洋魔術の使い手だったよ」
「東洋魔術・・・そちらはあまり詳しくありませんがそれだけでしょうか。もしかしたら独創魔術ということは?」
「う~ん、そんな感じはしなかったよ。それに独創魔術を創れる魔術師なんてこの世界に5人といないんだよ。それほどの大魔術師なら僕が相手できるわけないし」
「しかし、あなたと互角に戦えるとしたら相当の使い手ですよ」
「そうかなぁ~」
僕とスイートさんが議論を交わしていたが他のみんなはついていけてないみたいでポカンとしている。
「ちょ、ちょっと!2人だけで盛り上がらないでよ!アタシ達にもわかるように説明しなさいよ!」
バニングスさんの言に頷くみんな。そういえば魔術科は僕らだけだったね。
「えっとねぇ・・みんな、魔術についてどこまで知ってる?」
「う~ん・・・よくわからないの?」
「そういえば魔法と魔術ってどう違うの?」
みんなハラオウンさんと同じようで魔術のことは知らないらしい。
「魔術とは、古より存在してきた奇跡の技術。人間の意志を宇宙の事象に適用することによって何らかの変化を生じさせることを意図して行われる行為、その手段、そのための技術と知識の体系のことです。そしてその目的、効果は使い手によって千差万別です」
「魔法は、魔術を科学的に解析してその効力を真似たものだよ。ただ魔法は魔術と違って魔力を持つものなら誰でも使えるから使い手はこっちの方が多いね。それに魔法のベースは西洋魔術だからね。みんなが持ってるデバイスも英語が標準でしょ?」
「へぇ、てっきり世界基準に合わせてるだけかと思ってたわ」
「それ以外にも多々ありますがやはり1番の違いは魔術は魔力以外にもマナを使用することでしょうか」
「「「「マナ?」」」」
みんなが首をかしげた。
「マナっていうのはね、様々が発してる神秘のエネルギーのことだよ。詳しいことは解明されてないんだけど、神秘的・魔法的な力の根源とされてるんだよ。そしてマナはいろんなものにある。例えば、水や草、空気といったものから人にもある。魔術師はこのマナを知覚的に感知でき、マナを自分の魔力を混ぜることで初めて魔術を使用できるんだ」
「つまり自然のエネルギーを自在にできるやつが魔術を使えるってことか?」
「ずいぶん乱暴な結論ですけど、おおむねその通りです」
へぇー、っとみんなが声をそろえた。まぁ、すぐには理解できないよね。
「でも、魔術師がなのはたちを襲った理由ってなんなの?」
「う~ん、相手の目的がわからないからそれは僕にもわからない」
「なんだよ、使えねぇな」
僕の答えに悪態をつく雄二。
「しかし、明久の言うとおり相手の目的がわからなければ対処のしようがありませんわ。儀式によっては生贄が必要な魔術もありますし」
「「「い、生贄ぇ!?」」」
襲われた3人が声をそろえて驚いた。そりゃあそうだよね、もしかしたら自分が儀式の材料になってたかもなんて聞いたら。
「とりあえず1人で行動しない方がいい。大勢でいた方がいいだろう」
黒媛の結論に頷く3人だった。
いかがでしょうか?
わかりにくいところもあるでしょうがそこはご容赦を。
それと、誰が言ってるかわかりにくいですかね?要望が多ければ、台本形式にしますがどうでしょうか。感想と合わせてコメント、よろしくお願いします。