戦姫魔晶シンフォギアD   作:イビルジョーカー

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訳題『嵐の前の余興』。


Switch版『デビルメイクライ3』。

早くやりたい……。





第9話 Entertainment before the storm

 

 

 

side 響

 

 

 

 

 

当たり前だと思うが、響のこの発言は非常に理解不能と言っていい。

いきなりそんな事を宣う少女に対し、周りの反応は困惑と呆れが垣間見れていた。

 

 

「ひ、響君。ソレは何らかの比喩的な意味と取っていいのか?」

 

 

事実。弦十郎は正直なところ、困惑しかなかった。

故に響の言ったソレをある種の比喩的表現と解釈したのだが、生憎そのままの意味である。

 

 

「え、えーっと……つまりですね……比喩とかそー言うんじゃなくて、怪物としての本物の悪魔という意味で……」

 

「貴方……ふざけてるの?」

 

 

翼の目が鋭くなる。苛立ちも含んだその視線に響はあうあうと取り乱す他なかったが、率直にに言ってしまえばこうなるのだから、自業自得ではある。

 

致し方なし、とは。まさにこの事である。

 

 

「ふぅぅむ……どう思う了子君」

 

「ん〜悪魔って一口に言っても国や宗教ごとで姿形とか本質とか、そういうのがバラバラに伝わってるのよね〜」

 

 

例えに挙げるならキリスト教では悪魔とは天使が何かしらの理由で神に反旗し、その罪で地獄へと堕とされたものとされ、人を悪徳へ誘おうとする存在。

 

しかし同じキリスト教でも宗派が異なると、悪魔もまた神の使いであり、敢えて悪徳へと誘うことでそれを試練とし、人間を試す存在ともされる。

 

元々天使で堕ちて悪魔となったという点を考えれば、日本に伝わる妖怪変化の類も元は八百万の神々だったモノが零落した存在とも言われるの

で、悪魔と呼ぶに相応しいかもしれない。

 

結局の所、響の言う悪魔が一体何なのか。二課の面々は掴みあぐねていた。

 

 

「と言うか、オカルト系はさすがに専門外よ。そもそも、どうしてそんなこと聞くの?」

 

 

とりあえず、まず響がこんな何故こんな質問して来たのか。了子はその理由を知ろうとした。

 

 

「実は……」

 

 

響は女の子と共にノイズから逃亡・追い詰められた際に起きたナイトメアとの一件を全て話し、語られた内容に弦十郎は驚いた表情を顔に張り付かせた。

 

 

「まさか、あの人型のアンノウンがそんな事を……」

 

「話を聞く限り人並みの知性が備ってるようね……」

 

 

驚いている弦十郎とは対照的に、了子は難しい表情で興味津々とばかりに顎に手を添える。

 

 

「もう一度聞くけど、あの人型は女の子がいった悪魔という言葉に対して、肯定と思わしきジェスチャーを取った……のよね?」

 

「はい。肯く感じでこう……頭はないんですけど、確かに」

 

 

曖昧とした感じながらも響は、実際にナイトメアがしたその時の行動を真似て示し、ハッキリと断言する。

 

 

「何を馬鹿な。ニュアンスの受け取り方など人それぞれ。この娘が勝手にそう解釈しただけのことでは?」

 

 

だが翼は否定の声を上げた。

 

言い分としても可能性としては十分有り得る。

 

それでも響は曲げなかった。

 

 

「絶対間違いありません! あの人は悪魔さんで、すごく優しい人だと思います!!」

 

 

悪魔に対し『人』と言う表現を使うのはどうかとは思う弦十郎だが、しかしそれはさて置き、響の言い分が何処まで正しいのか……判断する

には材料が少なすぎた。

 

 

「……司令。そう言えばアンノウンの近くにいた鳥と豹と……少女の行方は?」

 

 

妄言には付き合い切れないとばかりに話を逸らそうと翼はもう一つの懸念事項である……Kのその後について問いを投げるが、弦十郎は首を左右横に振る。

 

 

「あ、ああ……捜査は続けてはいるが、どうにも見つからん。まるで存在そのものを消し去っているかのようにな」

 

「消し去る……そう言えば、あの時も奴の姿は背景に溶けるように消えてましたが」

 

 

人間なら間違いなく見破ることは叶わない魔術による隠遁なのだが、魔術を全く知らない者にそれが分かる道理はない。

おそらく聖遺物を利用した何らかの光学迷彩の類ではないかと。

 

それが二課の出した有力な仮説だが、当然外れに過ぎない。

 

 

「まぁ、とにかくだ。今日の所は帰ってもらって構わない。ただシンフォギアに関しては誰にも口外しないでほしい。これは君だけでなく、

君の親しい人を守る為でもある」

 

 

シンフォギアの存在は日本政府の中でも最重要トップシークレット。迂闊に米国に装者の存在が知られれば、何が何でも手に入れようとするだろう。

米国は聖遺物の研究にかなり熱を注いでおり、それこそ第二次世界大戦以前から聖遺物の発祥……先史文明における異端技術を調査・研究し、その恩恵を得てきた。

そんなアメリカが兵器として優れた性能を誇り、尚且つそれが異端技術によって作られたシンフォギアであるなら……裏で武力行使を得意とするあの国の連中が黙っている筈がない。

そうなった時、親しい人間を人質に取る可能性はほぼ大。よくある効果的な常套手段だ。

 

 

「俺たちが守りたいのは秘密じゃない。人の命だ」

 

「人の……命」

 

「また明日来てほしい。君が住む寮まで二課のスタッフが送ろう……

ゆっくり休んでくれ」

 

 

この弦十郎の言葉により、一旦この説明会はお開きとなり、今後の方針に関してはまた明日へと持ち越された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで。なんでこんなに遅くなったの?」

 

 

とっくに寮の就寝時間を迎えているにも関わらずに戻らない心配するのは、ルームメイトであり、親友の小日向未来としては至極当然の事である。

 

おまけに入る際、こっそりとバレないよう忍足で部屋に帰って来たのだ。

 

何かとんでもない事をやらかしたのではないか、あるいは過去のあの事で因縁をつけられたのか。とにかく心境は気が気でなかったのだ。

 

 

「えーっと……その……ごめん」

 

 

響は良い意味も悪い意味も含めて素直過ぎる所がある。故に下手な嘘はつけない。

 

彼女にできるのはただ謝ることしかできない。

 

だが未来はそんな事など理解している。溜息を吐きつつ、困ったような顔ながらも笑みを見せる。

 

 

「いいよ。別に何かやましい事したって訳でもないだろうし、言えない事情があるなら、それでも構わないよ」

 

 

未来は響という少女をよく知っている。

 

何があろうと……あのライブの日以降、絶え間ない《悪意》に晒され続けても彼女と共にあり、見守って来たのだ。

 

彼女が人助けが趣味である事を知っている。

 

趣味というより、大袈裟に言って使命感から、というのが正しい。

そんな善性と優しさの塊みたいな少女が良からぬ事をする筈がない。

絶対、という言葉は存在しないが、響ならそうなのだとハッキリ言える

 

それだけ立花響という少女を未来はとても信頼し、幼馴染の親友として慕っているのだ。

 

 

「ありがとう、未来!」

 

「ほら、もう寝よ?」

 

 

そんな会話を交わし、二人はベッドの中へと入る。ああ言ったものの、やはりまだ未来の中に不安は残る。

 

しかし、それ以上に信じたい思いがある。

 

だから敢えて聞かない。側にいて寄り添うことで響を支える。それが小日向未来という少女が選んだ彼女なりの《償い方》なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ???

 

 

 

 

 

薄暗い闇の中。そう例えるしかない場所はどうやら何処かの建物の部屋のようで、壁は奇妙な円形状の幾何学的文様を歪ませたような柄で彩られ、床は翡翠色の大理石と思わしき材質で占められてある。

 

部屋の中心には、長方形の約5m程のテーブルが配置されており、そのテーブルのいくつかの席の一つに誰かが腰を下ろしていた。

 

 

「……」

 

 

シルエットのみで全貌を把握できないが、その人物は一言も何も発さず、動作一つなく、さながら岩のような静粛さで其処にいた。

 

 

「ア〜ラララ!! 何やら考え事かい正体不明ちゃん!」

 

 

だが、そんな人物に声をかける者がいた。

 

つい先程まで光が天井に吊るされた薄い光を放つランタン以外にない、殆ど闇に閉ざされた場でスポットライトの如く強い光が出現。

 

その光によって、謎の人物に声をかけた主の姿が浮き彫りとなる。

 

 

「……お前かよ。何の用だ?」

 

 

男性特有の低い声から、その人物が男である事は分かった。それでも溢れ出る漆黒の魔力が男を覆い隠している為、シルエットという形しか判別できない。

 

男は自身へと声をかけた光の中に立つ者に、ここへ来たことに対する問いを投げる。

 

その姿は一言で言うと、俗に言うゴスロリ衣装を身に纏った少女。

 

髪は長く血のような赤と深い海のような青の二色に染まり、左が青で、右が赤とそれぞれ頭部の左右両サイドで分かれていた。衣装も髪も派手だが、何より目を引くのは顔だ。

 

本来白目の部分は黒に、双眸の瞳は髪と同じく赤と青。瞳孔は猫科動物の鋭い縦長。

肌の色は生気がまるで感じられない無機質な白面という、人間のソレと思えない風貌の面持ちは、残念ながら特殊メイクの類でそうなっているのではなく、紛れもなく本物なのだ。

 

 

「オイオイ随分なご挨拶じゃない? アタシたち友達じゃん?」

 

「妄言も許される範囲ってのがある。そこから出るとなると……容赦できないんだがぁ」

 

「ウワァァオ! ソイツは笑えないねェ。ならなら、恋人ってのはどう?」

 

 

笑えない等と宣いつつ、ヘラヘラと笑い面を浮かべる少女。挙げ句の果ては男にとって笑えないジョークを口走る。

 

それが、男の癪に障った。

 

振るわれるのは赤黒い魔力の奔流。

 

人間であれば瞬く間にミンチになる。

 

しかし少女はそれを片手で防いで見せた……代償に片手は腕ごと吹っ飛んだが。

 

 

「オォォ〜イ!! なんて酷いことすんの?! 血も涙もないのアンタは!!」

 

 

しかし、片腕が丸々無くなろうとも減らず口は止まらず、寧ろ余計に煩くなった気がした。

 

 

「どうせ生えるだろ。それにお前にとっちゃぁ……余裕にダメージないんだろ?」

 

「無いなんてコトはnothing! 痛いってマジで! アタシノ〜腕ガ〜♪ フッ飛ンジャッター!フットン・ダー!!」

 

 

どうやらダメージはあるらしい。

 

それを差し引いても、ウザさと喧しさをブレンドした苛立ち発生機に等しい歌モドキを、元気に披露できるほど溢れる余力がある所を見るに

、ダメージは所詮微々たるものに等しいだろう。

 

その事実が、例え分かっていたとしても余計に男の中に渦巻く腹立たしさを増長させた。

 

 

「おっとっとっとッ! チョー大事な報告ある

の忘れてた! ゴメンネ、正体不明ちゃん!」

 

「そのウザキモい呼び方やめろ。由来になったのは違いないけどなぁぁ」

 

男はそう言い、少女に向ける視線に殺気を込めて己が名を語った。

 

「アンノーウス。それが俺様の名前だ」

 

正体不明を意味する《unknown》。

 

それに肖り、同時に時の神であるクロノスの名を拝借し、組み合わせた名前。

 

それがアンノーウスなのだ。

 

 

「ハイハイ! 分かってますよ〜アンノーウス様。まぁまぁとにかく聞いて頂戴。ど〜にも最近ノイズを狩ってる連中がいてさ」

 

「二課の人間……シンフォギア装者の風鳴翼じゃないのか?」

 

「それだったら報告なんてする必要ないでしょ〜? どうにも黒いコートを着た女の子と鷹の悪魔に黒豹の悪魔らしいのよ」

 

「……」

 

 

報告を聞いた途端、アンノーウスは口を閉ざし、何か黙考している様子を見せた。

 

 

「ンン〜? どったのアンノーウス様?」

 

「……いや、何でもない。とりあえず障害となる存在の排除はお前に任せる」

 

「ヤッホー! ソイツは光栄至りアリまくり! お礼にダンスでも披露しちゃう?」

 

「……おいぃぃ。頼むから俺の神経を逆撫でするんじゃねぇぇよ。えぇぇ?」

 

 

どうにもこの男、苛立ちや怒りを感じる際に語尾を伸ばす癖があるらしい。

 

 

「腕以外に何処を消しとばして欲しいぃ?」

 

「ア、これヤバいかも。じゃ〜ネ〜……アッハッハッハッハッハッハッ!!!!!!」

 

 

大袈裟に手を振り回し、やはりどう聞こうとも苛立ちしか覚えない耳障りな高笑いを上げながら、スポットライトと共に消失。

また部屋に静寂が戻ったが、アンノーウスの内心は静寂とは言い難った

 

 

「……まさか、生きてるのか。アイツはァァ」

 

 

内なる憤怒。それを体現しているかのように、霧のように彼を覆う黒き魔力の隙間から、紅く輝く双眸の光が覗いていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい。知り合いなのかこの悪魔は」

 

 

黒いコートから滲み出るように現れたスライムのような不定形に紫色の単眼が覗く悪魔。

 

"ナイトメア"をバールで指しつつ、Kは言葉を介すことのできるグリフォンに問い質した。

 

 

「ああ、そうさ! 名前はナイトメアってンだ!」

 

 

戦友と言っても過言ではない知り合いに会えた……というのもあるが、同時に戦力になれるという事実をよく知っている為、グリフォンは上機嫌にナイトメアに関する情報をKに教授した。

 

 

「聞いて驚くなよ?コイツは俺たちがいた世界の魔界を滅ぼしかねない程のパワーを秘めた、

かの魔帝のクソジジイが造った最強の魔造兵器なんダよ!!」

 

「……御大層な肩書きだな」

 

「とにかく契約ダ! メアちゃんの実力はお墨付きだし、お前にも損はさせねーヨ!!」

 

「……」

 

 

言われてみれば確かにそうかも知れない。

 

先の戦いではデスシザースに遅れを取ったとは言え、事実としてデスシザースはナイトメアを殺す事は叶わず、それだけ差が大きく開いている証拠であった。

 

だから、ファウストはあくまでデスシザースに囮の役目だけを与えたのだ。

 

正面切ろうと切らまいと、実力勝負で挑み掛かれば、デスシザースは容易く死んでいただろう。

人質の存在も加えて、ナイトメアが本気を出せなかっただけの事なのだ

 

 

「……却下だ」

 

「そうそう……ってハアァァァァッッ?!!」

 

 

予想だにしなかったKの言葉にビックリ仰天とばかりに驚愕の声を張り上げた。

 

 

「おまッ、バカか?! あのナイトメアだぞ!ヤベェ強さ満載な魔造兵器のナイトメアと契約すれば相当な戦力になるぞ! しかもどうやらオレたちと同じで実体化してる。コレがどーいうコトかお分かりッ?!」

 

「煩いクソ鳥」

 

 

バールをグリフォンの嘴の中へと軽く突っ込み、アガガガと上手く閉じれない様を見ながらKは理由を語る。

 

 

「戦力としては是非欲しい。そこは間違いない。が、コイツは立花響の護衛にしたい」

 

「ベェッ!……ハァァ? 護衛?」

 

何とかバールから逃れたグリフォン。だがKの言葉に対し、理解できないとばかりに声を上げる。

 

 

「なら契約した方が得だろうが。で、命令して守れって言えァ、それでイイだろ」

 

「……お前の意見も尤もだ」

 

 

グリフォンの真っ当というか、合理的な意見に対しKは否定しなかった。しかしKはただ守らせたい訳ではないのだ。

 

 

「だが契約相手は私ではなく、立花響がいいんだ。あの子はまだ未熟だ。しかしナイトメアが彼女の力として加わったなら、強くできる筈だ……それなりの危険は伴うが」

 

「ケッ! 未熟だからどーしたよ。お前さんが手取り足取りヨチヨチ歩きの手伝いまでしてやろうってカ? いくら何でも過保護だろソレ」

 

 

そもそもグリフォンにしてみれば、立花響という少女にそこまでする義理などない。

 

Kと立花響。

 

この両者の間にはそれなりに関係があるだろうが、それを差し引いても響に過剰な気を配るKの真意をよく思わなかった。

 

 

「ナァ、Kチャンよォ。よ〜く考えてみろ。響っつーあの娘っ子はどう見ても悪魔とかそっち関連に疎い所か全く知らなさそーなカンジだぜ?

悪魔と契約するってのは覚悟がいるんだよ。あと知識ナ。お前がご丁寧に教えてもソレが分かる程頭が良さそうには……」

 

「黙れ」

 

 

有無を言わせない剣呑さを込めた声と共に、視線がグリフォンを射抜く。

 

 

「そんなことは承知している。できれば巻き込みたくなかった。だが、何故かあの子は悪魔に狙われている。理由は分からないが、お前達と契約する以前からだ」

 

「……それでメアちゃんに守ってもらうって、寸法か」

 

「ああ、そうだ。異論はあるか?」

 

 

何故Kが立花響を守ろうとするのか。

 

ここで問い質しても喋りはしないだろう。

 

少なくともグリフォンはそうも思っているし、シャドウもそこら辺はきちんと理解している。

 

だから、先に折れる他になかった。

 

 

「アァァーーハイハイッ! 分かりましたよ! オレたちのリーダーはK、お前だ! 言う通りにしてやるよッ!!」

 

「初めからそうしろ」

 

グリフォンのヤケクソ気味な言葉に素っ気なくそう返すと、Kはナイトメアの前で片膝を地につけ、願いを託す。

 

 

「どういうつもりで私の後をついて来たのかは知らないが、もし契約するつもりでいたのなら諦めろ」

 

 

代わりに、とKは間を置く。

 

 

「立花響。お前が守った黄色の短い髪の少女だ。彼女と契約を交わせ。だが、今はするなよ? あの子には説明が必要だし、意思が無

ければな。絶対に無理強いだけはするな」

 

Kはナイトメアに念を押し、最後に。

 

 

「あの子を守ってくれ。頼む」

 

「……」

 

 

ナイトメアは声を発することはできない。

 

しかし、その身を人型の巨躯へと戻すと首を縦に振るうような。身体を使ってジェスチャーし、自らの意思をKに伝える。

そして。再び液状へと変化し地面に吸い込まれる形でナイトメアは姿を消す。

最後まで確認したKは溜息を一つ。零しては、木の板が積まれた材木の束へと腰を下ろす。

 

 

「少し疲れた。寝る」

 

「ハイハイ。どうぞネンネしてなKチャン」

 

 

グリフォンの言い方に癪を覚えつつ、Kは意識を暗闇へと落とす。

 

明日の明朝から行う腹積りの土蜘蛛企業の襲撃。

 

これが吉と出るか、又は凶と出るのか。

 

誰にも、まだ知り得ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

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