戦姫魔晶シンフォギアD   作:イビルジョーカー

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switch版の初代デビルメイクライをやっているのですが・・・やっぱ初代って難しい(-_-;) 

ボスよりデスシザーズが厳しいとか・・・しかもそこ止まり。



そんなこんなで三話ですが、どうぞ!



第3話 The devil's mind 

 

 

 

 

 

 side ???

 

 

 

 

 

 

 

 グリフォンって名前は魔界じゃ結構馳せたもんだった。物から命、挙げ句の果ては異次元空間さえも創っちまう魔界の帝王様ことムンドゥスのクソったれジジイの忠実な腹心の一体、それがグリフォンって大悪魔だ。そりゃ強かったさ。大昔に起きた魔界の支配権を巡る魔王候補三体が率いる悪魔の軍勢そのチョーやべェ三つ巴の戦いを余裕に生き残ったばかりか魔王候補の一体、確か“アビゲイル”だったな。

 ソイツを自慢の雷撃で仕留めちまった。まぁ、他の腹心の協力もあったけどな。特に他人の話をろくに聞かねー脳みそまで筋肉がギッシリ詰まったアツアツのクソ蜘蛛。

 

 まさに栄光の日々だった。

 

 魔界のパンピーなヘルどもを筆頭に上流階級のメジャー悪魔連中。果ては頭の足りねぇー本能しかない魔獣の類も、その魔力を刮目しちまえば有無を言わずヘコヘコと平伏しちまう。それが大悪魔グリフォン。そんな大層な奴もとうとう年貢の納め時ってのが来ちまった。あの魔剣士様の息子のダンテに二回も挑んで2度目で完全敗北。ドでかい柱がすっぽり突き刺さった無様な悪魔を助けてやるほど、ムンドゥスに部下思いの心ってヤツは皆無でな。

 

 あっさりと用無し宣言。始末されちまった。

 

 でも生き返った。1度目は怨念を媒介に自我もへったくれもねェ魔王候補の一体だったアルゴサクスって名前のクソ破壊野郎の人形として。そん時もダンテと戦ったさ。無様滑稽の二拍子が似合う有り様でくたばったまったが。2度目はダンテの兄貴バージルの負の記憶が身体に残ってたグリフォンの因子と結びついて。そん時はきちんと自我があって自分の意志で挑んだんだが……またダンテに負けちまった。ここまで来ると運命の赤い糸でも繋がってんのかって思いたくなっちまうぜ全く。

 

 

 で、3度目は……。

 

 

 

 

『……なぁ、Kちゃんよォ』

 

(いきなり頭の中で話かけるな。かなり響く)

 

 

 

 頭の中で響く声の主はグリフォンだ。それに対しKは鬱陶し気に言うが、そんな事などお構いもなしに兼ねてから疑問に思っていた事を問い質す。

 

 

『なんでパフェ食ってんの』

 

(パフェじゃない。ストロベリーサンデーだ)

 

 

 何処にでも普通の喫茶店。奇抜と言えば奇抜な格好のせいで結構目立つものの、Kは気にせず。

 スプーンを操り、スイっと。

 リズム良くストロベリーサンデーのアイス部分を一部掬い取っては口に運び、その味を余す事なく堪能せしめる。心なしか頬を若干赤らめているようだ。

 

 

(次に言い間違えたら毟るぞ)

 

『どっちでもイイんだよンなァコトは!! 目的は?! やらなきゃいけねー目的があったんじゃねぇーのかよ!!』

 

(焦らすなアホ鳥。そんなに急がなくても時間はたっぷりある。これは謂わば戦前の心構えってヤツだ)

 

『どんな心構えェッ?! ハッピー気分全開で宝くじでも買う気かよ!』

 

 ギャーギャーと捲し立てるグリフォン。それも脳内にガンガン響くのだから、Kとしては堪ったものではないのだ。

 

『グォッ!』

 

『んだよ猫ちゃん?! “そんくらいで騒ぐな”? いや、そうだけどよォ!』

 

『グルルッ!』

 

『分かった分かった! んな吠えるなってドードー!!』

 

 

 グリフォンと同じくKに憑依する形で潜んでいる黒豹の悪魔シャドウがグリフォンの喧しさに耐えられなかったのか。あるいは主人を想っての行動か。その辺りは分からないが、とにかく、シャドウの介入のおかげで喧しさはとりあえず収まった。本当にとりあえず、だが。

 

 

『で、食った後どーすんのよ』

 

(あたしの目的を覚えてるよな?)

 

『だーから最初から言ってんじゃねぇーか』

 

 

 呆れを孕んだグリフォンの声は、同時に面倒臭いことの上ないとでも言いたげなものだった。いつも調子良く人の話など聞いてない風なグリフォンだが、彼とて頭のない本能しかない魔獣種の悪魔とは違うのだ。昨日、廃墟にてKからシャドウと共に契約を交わした彼はその後すぐにKから彼女自身の目的を聞かされたのだ。

 

 

 

 

 side グリフォン

 

 

 

 

「で、連中を倒しつつ操ってる黒幕も始末して、事件解決!って寸法か?」

 

「ああ。概ね違いはない」

 

 

 グリフォンの聞いた少女Kの目的。それはどこまでもシンプルな内容だった。現れたノイズと“それに同伴する形で来るかもしれない悪魔”を狩りつつ、それらの糸を引いているであろう黒幕を見つけ出し、徹底的に叩く。命を奪う形で。子供でも分かるほどに単純な目的ではあるが、グリフォンには気掛かりなことがあった。

 

 

「悪魔と同伴で出て来るってのはどゆコト? まさかノイズと悪魔は手を組んでやがるのか?つーか、やっぱこの世界にも悪魔いんの?」

 

 

 疑問の連続が航空侵犯でもしそうな勢いで飛び交うが、それに特に気にする素振りなくKは答える。

 

 

「基本的にノイズに関しては謎だ。だが悪魔共はどういう目的かノイズを操り利用している節がある。そうじゃなきゃ一緒になって現れんし、あたしの目から見て連中はノイズに対して何もしないでただ様子を伺ってるだけ。その場合大抵現れるのは蝙蝠みたいな悪魔だけだ」

 

「ん〜…蝙蝠に似た悪魔ってんならガーゴイルやピロバットとか、そんアタリになるがな〜。まぁ並行世界な訳だし、俺や猫ちゃんの知らねー悪魔だわ多分」

 

 

 グリフォンの知る限り蝙蝠に似た悪魔と言われて思いつくのは、先程言ったガーゴイルやピロバット。他にも色々いるにはいるが悪魔の種類に精通する知識を持つグリフォンでも名を馳せ轟かした上級悪魔ならともかく、魔界のそこらで有象無象に蔓延っている下級悪魔如き

、頭にいちいち入れておく道理はない。さすがにそこまでは範疇外である。

 

 

「もっともあの時のように必ず現れる訳ではないし、その辺も含めて考えると…目的と理由が全く読めない」

 

「結局何にも分かってねーの? そんなんでこの先、大丈夫?」

 

 

 やや小馬鹿にした風にグリフォンは言うが、何も全く分からないと言う訳ではない。

 

 

「舐めるなトリ頭。ノイズに関して何か知ってるかもしれない悪魔は何匹か心当たりがある。その内の1匹は信頼できる情報屋だから問題ない」

 

「悪魔が情報屋〜? まぁ、便利屋やってる悪魔もいるし、いても不思議じゃねーか」

 

 

正確には、伝説の魔剣士の血を受け継ぐ半人半魔だが。

 

というより、かつて三度に渡り自分を討ち倒して来たダンテのことではあるのだが、K自身興味ないのか。 特にその事には触れず、スルーして話を続ける。

 

 

「仮にそいつが情報を持ってなかったら、それ以外の悪魔に問い質せばいいだけさ。泣かない悪魔が堪らず咽び泣いてしまう程のやり方でな」

 

 

 ニヤリと。凶相な笑みでそんな事を宣う彼女にグリフォンは引く…訳ではなく、素直に好感触を覚えた。

 

 

「ヘッ! だったら俺らの専売特許だ!! 魔力もいい具合だし、記念に一つオッパじめるかァ!」

 

 

 やる気十分と言わんばかりに自身の体から電流を迸らせ、いかにもと言う風に滾っているが水を差すようにKが待ったと声を上げる。

 

 

「気合い溢れるのは結構だけど、行動するのは明日だ。疲れたし、明日は明日で別にやる事がある。何を言おうと休息は取らせてもらうぞ」

 

「あっそ。まぁイイけど。もし寝るんだったらよ、子守唄でも歌ってやろ〜かァ? オネンネお嬢様のKちゃん! ギャッハッハッ!!」

 

 

 いよいよ持って調子づいた事をほざいた為、Kは一切の遠慮もなく、魔力の篭った例のバールを投げつけた。避ける暇は生憎グリフォンになく、顔面にジャックポットを決め込んでしまった。まぁ当然だが、バールなんて凶器をかなりの力で当てつけられれば悪魔であろうと、大した怪我は負わなくてもダメージを貰ってしまう。魔力が少しでも込められているのであれば、尚更である。

 

 

「ブギャァッ!!」

 

「シャドウ。周囲の見回りと警戒よろしく」

 

「グオン」

 

 

 間抜けな声を上げて床へ落ちるグリフォンに目もくれず。Kは若干気怠さを覚える自らの身体をその辺で寝かせ、シャドウに周囲の警戒を命じる。それに対し嫌がる様子もなく黒豹は一声鳴いて答えるとすぐさま周囲の様子を探り把握する為に自身の身体を影のような実体のない黒い何かへと変えて、ガラスのない窓から部屋を後に出て行く。

 シャドウは影の名を冠する悪魔であるだけに陰における行動に関しては優れている。索敵やら諜報や暗殺など。その隠密における有能さは、かの魔帝をも感心させた程だ。その事についてKは知らないものの、ノイズ相手に上手く立ち回り余裕に健闘する程の実力者である事だけは知っている為にシャドウなら何も心配ない、と言う安心感のようなものが僅かながらに芽生えていた。未だ気絶しているグリフォンを最後まで気にする素振りを見せず、意識を暗闇へと沈殿させた。

 

 

『人様…いや鳥様の顔面にバール投げるとか、マジでイカれてやがるぜ全く!!』

 

(揶揄って来るお前が悪いだろ)

 

 

 取り付く島もなく、一切の弁解を許すことさえもなくそう断じたK。グリフォンとシャドウを人前に堂々と出している訳には行かず。その為、普段はKの中へ憑依する形で隠れており、用があるなどの理由で会話をする必要があれば、こうして、頭の中で会話するという訳なのだ。

 

 

『で、ストロベリーサンデー食ってその後は? まさか他のスイーツでも食う気かよ』

 

(ストロベリーサンデーさえ食べれば十分だ。とにかく、まずは場を移す必要がある)

 

 

 そう言ってKは人々の雑多で溢れる街路を抜けて人気のない路地裏へと足を運ぶ。やがてコンクリートの建物が三方を塞ぐある突き当たりに来ると真正面の建物の壁にじっと見つめた。ただの人間が見れば目の前の建物の壁は何の変哲もないただの壁にしか見えないが、Kや彼女と契約している悪魔達は違う。

 

 

「なんだァこれ?」

 

 

 周囲に人がいない事を確認した後、Kから出てきたグリフォンが彼女の肩に乗りつつ疑問の声を間の抜けた様子で零す。そんな彼の疑問にKはコートの裏側に忍ばせていたバールを手に取り、答える。

 

 

「次元の歪みだ。この世界における魔界と人界は密接に重なり合う形で存在し、互いが影響する関係にあるんだ。この歪みもその一つだ」

 

「なるほど。ようは魔界に繋がる抜け穴って訳ね。俺たちの世界にも、そういうのあったな」

 

 

 魔界に繋がる次元の歪み。

 

 それ自体はグリフォンの世界における人間界でも割と多くあり、大抵人が行方不明になるのは、その歪みに入ってしまったか。あるいは偶然歪みから出てきた悪魔の餌食になったか。

 

 例を挙げるとすれば、魔剣士スパーダがかつて領主を務めたという、スパーダにまつわる伝説が残る城塞都市"フォルトゥナ"。

そこでは、そういったものを通り、悪魔が現出するなど意外にも日常的だった。とは言えその都度ダンテと同じく、かの魔剣士の血を引くネロと言う名のデビルハンターの青年が討滅している為、街が壊滅するなどと言った非常事態はありえなかった……。

 

“あの事件”以外は。

 

 ともあれ、そういった物がこの世界にも存在していた事を知り、並行世界とは言え変わらない部分もあるのかとグリフォンは思った。そんな心境を知る由もなくKはバールを空間の歪みへと突き刺し、魔力を注ぎ込む。そうすることでこの黒い靄のような歪みはただ其処に生じるだけの存在ではなくなり、魔界へと接続し降臨する為の“鍵穴”となるのだ。

 

 

「うぉぉッ?! どうなってんだコリャァ!」

 

 

 グリフォンが驚く。その光景は超常的存在こと悪魔である彼ですら不可思議で奇天烈なもので、空気が異質なものへと変わり始めそして建物が亀裂を生み、バラバラの破片状になったかと思えば宙へと浮き始め、地面からアスファルトを突き破り全体の所々に大小異なる膨らみを持った赤黒い触手が出現。変化はそれだけでは止まらず、空に街の建物が浮かび出した。それもただ浮かんでいるのではなく、例えば高層ビルならアーチ状にありえない曲がりを披露して見せ、また別のビルはS字を描き屋上である先端から通常とは比較にならない程に巨大な触手を生やしているばかりか、何と木が実らせる果実のように青白く丸い物体が巨大な触手本体から枝分かれした触手の至る所にあり、しかもその青白い物体には苦悶の絶叫を上げ散らかすかのように壮絶な表情をしている顔が、深く刻まれている。

 

 

「なんだなんだァァッ?! もしかしてここ魔界かよ!!」

 

「言っただろ。魔界と人界は重なり合って密接し、どちらかに影響が出ればもう片方にも影響が生じるって。魔界は言わば人界の影。だからこうして人界にあったものが存在し、人間の魂が意図せずして落ちて来ることもある」

 

 

 そう言ってKは上を向く。釣られてグリフォンも同じ方向へと視線を合わせれば何やら空から落ちて来る一つの人影が見えた。よく見ると身体つきから男性とは分かるもののそれ以外の所は全身が黒一色に塗り潰されていて、まるで人の影が実体と質量をもったかのような……そう表現する以外にない何かだった。

 

 

「人界で罪を犯し悪徳に溺れた者の魂だ。ああやって黒い人型となって堕ち、多くは大型の悪魔や強い悪魔の餌食となる。そうならなかった者は悪魔になるか。もしくはまた別の悪魔の餌食になるか。どれかだ」

 

 

 淡々と解説するKを尻目に黒い人型の影…罪人の魂は偶然通りかかって来た1匹の悪魔の餌食になる末路を迎えた。その悪魔はグリフォンもよく知る悪魔だった。

 

 デス・シザーズ

 

 白い無機質な無表情の仮面の如き顔と実体を有さない影の如きローブのようにも見える漆黒の身体。そして何より目を引くのは細長い両腕で持つ巨大な鋏。レッドグレイブでは幾度も相手取った悪魔で、かつてダンテを殺す為に魔帝が導いたマレッド島と呼ばれる無人島において、刺客として放たれた悪魔でもある。もっとも、その時は強化する目的で黒魔術の儀式によって豊潤で質の良い魔力を帯びた山羊の頭蓋骨を使っていた為に通常個体に比べて強かったが。ともあれ、件のデスシザーズはKたちに気付いた様子はなく、注目している対象はあくまでも黒い人型の魂だけだった。死を告げる鋏。その様な異名を冠するデスシザーズの鋏は単純に物を分断するだけに留まらず、魂や魔力と言った実体なき物も切り裂くことができる。この悪魔が至高とする食が悪徳に塗れた人間の魂なのだから、当然と言えば当然だろう。

 デスシザーズは好物を相手に慈悲など持たない。ご馳走が救いを乞い、嫌だと喚こうが意に介す道理はなく、デスシザーズはその不気味な笑い声と共に黒き魂を五体バラバラに切り裂く。仮面の様な顔を歪ませる程口を大きく開いて、、救いの声も届かず虚しく終わり、魂は霧状となってデスシザーズの口へと飲み込まれた。

 

 

「おいおい……ヒデェな。慈悲もねーってか!」

 

「悪魔のお前でも可哀想とか思うのか?」

 

 

 別段心に篭ってなどいない悲劇風な台詞を吐くグリフォンにKは呆れた様子で、そんな問いを投げかける。

 

 

「アレ罪人の魂なんだろ? なら同情なんざねーよ!! 俺たちの世界でもな、悪〜いことした輩の魂は地獄に堕ちて悪魔どもの玩具か餌ってのがお決まりでな! まさかここでも似たような事があったとは。こりゃ驚きだ」

 

 

 実際グリフォンのいた魔界には七大地獄と呼ばれる層が存在し、そこでは傲慢。色欲。怠惰。暴食。強欲。憤怒。嫉妬。これら七つの原罪を犯した人間の魂が堕ち、それをセブンヘルズと言う死神のような姿をした悪魔らが苦痛を与え甚振るのだ。どうやら、この世界における魔界は魔界その物が七大地獄と言っても過言ではないらしい。

 

 

「……さっさと目的の悪魔に会おう。万が一見つかったらゾロゾロと出てくる」

 

「ハイハイ。Kちゃん様の仰せの通りに」

 

 

 やはり人を小馬鹿にしたような、生意気な態度でそんな返事を送って来るグリフォンに若干のイラつきを覚えつつ、デスシザーズに見つかる危険性を避ける為に敢えて何もせず答えず。グリフォンを肩に乗せ無言のまま、その場を去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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