ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか超 作:うさぎたるもの
ロキ・ファミリアが遠征が無事に戻ってきて三日が経過した夜に、フィン達がいる団長の部屋にアイズとレフィーヤの二人だけが呼ばれていたのだ。
「よく来てくれたね。アイズにレフィーヤ、三日前の事を正確に二人に教えないと、二人とも困ると思ってね」
「それは・・・」
「・・・・・」
レフィーヤにしてみれば、あのアルクス・レイは嫌いである。ベル・クラネルが出したかめはめ波とアルゴノゥト波の二つの必殺技を見たことで、思いついた方法でもあったのだが。
だが結局はマインドダウンを起こすほど、危ない技であるとレフィーヤもわかっているが、それでもイチかバチかではなくて、もっと一撃の火力で倒せるほどの魔法と魔力を詰め込むという方法は、ある意味で画期的であったのだ。
本来の歴史であれば、ベル・クラネルの英雄願望のスキルを見て、レフィーヤが色々と考えた抜いた結果で成長するという話でもあるのだ。
だがそれが今回は似たような形で話は作られているが、前回のアルクス・レイは本当に生か死かのまさに瀬戸際で、ベルの声が聞こえて、それを真似しただけの模倣魔法ですぎないこともレフィーヤは知っていたのだ。
『そうです。だから、ダンジョンから戻ってから三日間も必死になって、魔力の増幅と圧縮で色々と試そうとしていましたが、なかなかうまくいきません、あの時のライオン型と戦った時の魔力はだせませんし』
こんな事を考えならば、フィン達の目の前にレフィーヤは立っていたのだ。
「三日前の強化種との戦い、実に見事・・・・・・いや、おめでとう、かな?」
「えっ」
「・・・なんで?」
「じつはのう、お主ら二人だけ、別のクエストがあったのじゃ?」
「「クエスト!!!」」
「そんなに驚くことはない。ギルドのクエストというよりも、ロキ・ファミリアの個人的なクエストだからな」
「それはいったい、どういうことなんですか? リヴェリア様」
「おしえて・・・リヴェリア」
「・・・・・・中層の階層主の時とは違う。危うさと儚さが消えた。特にアイズお前はあの時一人で、倒したことで、レベル六にランク・アップしたのはいいが、それだけだった。あの時まではな」
実際にリヴェリアが言っていることも何も間違いではない。中層の階層主を倒した時のアイズは、なにがなんでも階層主を倒すという危うさと儚さがあったのだ。
そうでなればベル・クラネルに教わった気を早々に使って、中層の階層主を倒した後は、疲労困憊で動けない状態でいたのだ。
だが三日前のアイズはそれをしなかった。レフィーヤを信頼して、そしてアイズは剣士としてまた魔導士を守るために、色々と戦い方を変更して、戦っていたのだ。
特に目つぶしは、普段のアイズは絶対にしない戦法である。逆に普段のアイズは気を覚えているならば、気を使った攻撃や身体能力を上げるか、目つぶした時に偶然できた気を自らの獲物に纏わせて、より強力にした獲物で叩き潰しているのだ。
それをしないということは、アイズも少しではあるが成長をみせているのだ。
「実際にレフィーヤを信頼するお前の剣は、あの時よりもずっと硬く、そして強い物だった」
「それは・・・レフィーヤを私がまもらなきゃと思って、自然に体がうごいた」
「そうか・・・今はそれでいい。ゆっくりと成長してほしい」
リヴェリアもアイズのこの言葉を聴いて一安心をしているのだ、実際に、ここまでおぜん立てをしたのにも関わらず、失敗してるのであれば、団を率いる器ではないと判断されるだけである。
だか、確実にアイズは今回の事で、何かをつかむきっかけにはなっているのだ、それが何かは今のアイズには分からないままでしかない。
フィンもガレスも黙ってその様子をみていたが、どうやら二人ともアイズもレフィーヤもある程度は成長したのを確認したのか?
「そして、レフィーヤも。アイズの声があったとはいえ肉体的にも精神的にもよく成長してくれた。ただ【あの魔法】でマインドダウンを引き起こすほどの魔力の練りなどを評価にいれると、少し、危ないといえるが、おおむねでは成長しているぞ」
「ほんとうですか?リヴェリア様」
「ああ、最近は一人でも魔法の訓練など色々としていると聴いているぞ」
「はい・・・だって次はあんな醜態は絶対にみませんから」
「そうか・・・ならばほかに話はない」
こうしてリヴェリアからの話は終わり、いよいよフィンが自らの席にすわったままで、アイズとレフィーヤに今回の事を一から最後まで全て話したのだ。
「それじゃあ・・・あの衣装も取ってきたレア・アイテムもすべては大人の儀式と呼ばれる方法はロキ・ファミリア風にしたんですね!!」
「ああっ、そうだ。実際にアイズもレフィーヤも二人とも未来のロキ・ファミリアの幹部候補生なんだ。そして現在の遠征軍の中核戦力になっているレフィーヤとアイズにもう少し自分達の立ち位置を知ってもらうために行った」
「そうなんだ」
「ああ、そうじゃ、実際にはもしアイズ達があの時にやられそうになったら儂らが確実に倒すためにいつでも準備をしていたんじゃ」
「僕も同じだ。ただし、あそこまでの連携やそしてアイズが取った行動で色々と僕達も二人の成長をみれたからね」
「そしてお前達には、その時使ったあのバトルクロスが入っているこの物資箱を持ち帰ってほしいんだ」
「えっえーーーーーーー」
「でもあれは・・・」
「ああそうだ。あの後はべつにいらないからね。大人の儀式用のためのバトルクロスだ。だが今はアイズとレフィーヤが取ってきてくれたレア・アイテムの加工も椿が終わらせたからね。それを二人が持ち帰って、タンスの肥やしにしても良い装備を切り替えて、明日から着てダンジョンに潜っていいからね。それだけを二人にいいわすれていただけだよ」
そしてアイズとレフィーヤの二人は、それぞれの部屋に戻り、この新しいバトルクロスを今の二人は着る資格がないと考えて。
「これは・・・まだ私には早い・・・だからもう少し・・・先になったら・・・必ず着る。だから今は」
こうしてアイズは自らのタンスの中に新しいバトルクロスを入れていた時、レフィーヤもあのバトルクロスを同じく自らのタンスに入れて、着る事をやめていた。
「これは、私にはまだ早いです・・・だって強化種を倒せたのは、あのヒューマンの声が幻覚でもいいから聞こえたことで、思いついた最大魔法で倒せたのは・・・、ふん 本当にバカなヒューマンです!!」
なんだが、レフィーヤのその表情は少しだけ、笑顔になっていたのだ。そして赤と白を基準とした新しいバトルクロスはそれぞれのタンスに直して、いつもの服を着てレフィーヤもアイズも自ら考えた、訓練方法をするようになっていた。
そしてグランドディ・イブの日まで後四日を残すまで時間しか無くなっていたのだ。
またこの時間帯からフィンを始めとする高レベル冒険者達はガネーシャの格闘場で他の国の使者達に見せるための戦いの予行演習が始まっていた。
ザク・・・ザグ・・・ザク・・・・さぐ ザグザク ザク ザク
黒い砂をスコップで掘っていく冒険者一同たちは、周りの国々や街、村からは【黒の砂漠】と呼ばれる場所でなにかをさがしていたのだった。