僕の名前は卯月ほのか。白髪白眼の高校生。周りからはよく「男の娘」とか不本意な名前で呼ばれてます。身長も低いし、幼顔な僕はよくいじられるし可愛がられます。いいけど恥ずかしいんです。
「なーなー黒刃ー」
「んだよ」
彼は僕の友達、不知火黒刃。周りからはよく中途半端なイケメンと言われる少年。言われているとうりかっこいいと言えばかっこいいけどめっちゃかっこよくはないって言う微妙なやつだ。
「僕ね今、ロマンが欲しい」
「唐突すぎて頭が追いつかない」
ちなみに僕の長所は突発性だと思う。
「だからさー、あのー、あれ、銃のゲーム」
「……ガンゲイルオンライン訳してGGO。なんで俺が昔辞めてしまったゲームの話今更するんだよ」
「垢売って」
「やだよ!!やってないとはいえ装備とかめっちゃ充実してるデータを売る訳にはいかねぇ!!」
ガンゲイルオンライン……ことGGO。五感をゲーム内にリンクすることでまるで自分がゲームの世界にいるかのような体験ができるVRMMOだ。特にGGOは銃が主な武器になるゲーム。非常にロマンがある。
黒刃はGGOで「クロス」という名前で活躍していた元トッププレイヤーだ。
で、僕はこの前、テレビでGGOの世界観を気に入ったからやってみたくなったのだ。だから身近でこのゲームについて知り尽くしている黒刃に聞いた。
「いや……でもお前出来るのか?」
「大丈夫大丈夫」
「軽いな……まぁデータは売らないけど新しいデータ作って、色々教えて欲しいなら教えるぞ」
「よーし、ナイス黒刃。じゃあ、帰りにカセット買いに行ってから帰るからー。後でねー!!」
僕は黒刃のことを放置してゲームを買いにダッシュで向かった。
「よーし……」
実はVRMMOをするのは初めてではない。昔に魔法のみで戦うゲームをしていたことがある。なのでリンクの仕方は手馴れたものだ。
フルダイブするために必要なアミュスフィアを頭につけて、前もしていたように手を突き上げて声高らかに言う。
「リンクスタート!!」
キャラメイクがあるんだった。めんどい。めんどい(大事なことなので2回言った)。今、この作品の作者はホントは他の作品書くべきだけど息抜きでこの作品書いてるんだ。面倒な描写は書きたくないのだ。
「名前なんにしよ……まぁ、昔から使ってるスカーレットでいいかぁ……」
ということで名前を決めた。
………とね?ここで問題が起こったわけです。
僕はそれを見た瞬間即ログアウトした。
「気の所為かな?」
もう一度、リンクすると……間違いないらしい。
ということで現実逃避のためにログアウトしよー。
…………いや待って待って。僕、前のゲームした時はこんなこと無かったよ?あ、昔からやってるゲームは『性別は選べた』もんねぇ……アハハ……
これでみんなにも何が起こったか伝わったと思う。ゲーム内に入れたのはいいんだけど……なんでか……アバターが女の子なんだ。
いやね?僕も女子っぽい自覚あるって言うか男子より女子よりな性格な気がするよ?でもね?おかしいよね?
すぐ様スマホで調べてみると……こういうことはあるにはあるらしい。GGOは脳波から性別を読み取るのだがその時誤作動で性別が変わる事案が何件か見つかった。そういう時は運営に問い合わせをした方がいいということもわかった。性別が違うと脳波に影響があり、身体に悪影響なんだとか。
………ということで運営に電話してみる。
『はい、GGO運営担当の田中です』
田中という男性が電話に応じてくれた。
「えっと実は……ゲームに入ったらアバターの性別が違ったので……」
『ということは男子になったということですかね?』
「……僕、声女子っぽいですけど男子です」
言い忘れたが声も女子っぽい。僕は男の要素どこにあるのか見つけるのも困難なんじゃない?
『……なるほど……なら1度アカウントを削除してデータを作り直してみてください。そうやって治るなら問題ないです』
「ありがとうございます!!」
………結論から言うと、僕は何回垢を作り直してもアバターが女の子にしかならない。
『……マジですか』
「マジです」
田中さんもこのようなことは今まで無かったらしく、困っている様子だ。
『……では、提案があるのですが』
~後日~
僕は田中さんに1度会社に来てもらうように言われた。何やら大事な話があるらしい。
ということでタクシーなう。
「で、なんで俺まで?」
「一人だと寂しいんだモーン」
付き添いとして黒刃を連れてきた。黒刃がいると安心感が違うからね。
「そろそろ着きますよー」
タクシーの運転手さんに言われたのでお金と荷物を用意した。
着いた。会社だ。でかい。
とりあえず感想はそんなところにして……
「待っていましたほのかさん」
「田中さんはじめましてー」
「えと……はじめまして」
田中さんは凄い好青年な顔をしている若い人だった。黒刃にも見習って欲しい。
「では……こちらです」
僕と黒刃は田中さんに言われた通りに進んでいくと、あるオフィスについた。
「……ここは?」
「話を聞けばわかるよ」
「へー」
よくわかんないけどすごそうだ。
するとある人がパソコンを一旦止めて、こっちにやってきた。
「私はこの部署の部長の瀬川です」
瀬川さんはちょっと大人びた女性の方だ。
「……で、僕をなんでここに?」
「私達ね、今、ゲーム内で性別を変えることの出来るゲームを作ってるの」
「……?」
僕は聞いただけではよく分からなかった。
「簡単に言えば……性別と身体が見合ってない人がゲーム内だけでも性別と身体があうようにと思ってね。ゲームないでもそんなことでいじめられるなんてバカバカしいじゃない?」
なるほど、凄い試みだ。でも実際困った人はいるだろうし……で?
「あなたにはその実験台になって欲しいの」
「え?」
僕は理解した。そして頭がフリーズした。
「ここまで何回もアミュスフィアが誤作動をするわけない……だから頭は限りなーく女子な男子なの。だから女子の姿でゲームしても大丈夫かと思ったんだよ」
「田中さん……それが何を意味するか分かって言ってます……」
「だから今回は特例として性別転換を認めて、その代わりに二週間に1回、検査させて欲しいの。その時に実験のデータも取るし、脳が大丈夫かも調べるかは死ぬことは余程のことをしなければない」
えぇ……でも……それって僕にゲーム内で女子として生きろってことでしょ!?やばいやつじゃん!!
「協力費としてお金も出すから……頼めないかしら」
ん……お金もくれるのか…うむむ……
「……やってみます、やになったらすぐ辞めちゃいますからね」
正直、お金欲しい。
まぁ……悪いことのために使ってるわけじゃないんだし、せっかくだし役に立ちたいからね!!
「よかった…じゃあ今から検査とかさせてもらうけどいいかな?」
「大丈夫ですー」
そう言って僕と田中さんは別部屋に向かった。
「いやー……ほんとに大丈夫なんだよな?」
俺は残って瀬川さんにそう話しかけた。
「正直、彼が男子かわかってないレベルですし大丈夫だと思います」
それに関してはなんにも言えないなと、ほのかを思い浮かべ、あいつが女だと考えてみると……
「違和感ねぇ」
一切違和感が見つからず、少し困惑するおれなのだった。