ヴァンside
あれから4年、俺にとってはとても大きい4年だった。
この4年前のについてはまた別の機会に。
今は4年で変わってしまった事を話そう。
まず、俺の左足が義足になった事。理由は簡単だ。
俺の勝手な行動により重なっていたモノが一気に降り注いだ。それだけだ。
そしてこれが一番変わったのだが、俺の友人が増えた事、主に女性。
4年前の空港事件で子供を助けた時に出会ったあの女性。
彼女の名は[高町 なのは]一等空尉。
今の回りでは二つ名の様なモノで[エースオブエース]とも呼ばれているようだ。
彼女とはあの火災現場で出会ったものの、もう会うこともないと思っていた。しかしこれも何らかの縁だろうか。廊下、食堂、終いには演習場にも出くわしてしまってお互いぎこちなく会話をしていたが何故か和解し合い、今では友人として仲良くさせてもらっている。
……仲良く、させて、貰っている、のだが。
「ねぇねぇヴァン君、今度一緒に外食でもどう?新しく出来たお店でね、少し気になってるんだ~♪行ってみない?」ギュッ
「……高町一等空尉、距離が近いです。必要以上に近寄りすぎです、離れて下さい。」
どこか幸せオーラを放ちながら俺の右手に体を密着させる高町一等空尉。
俺は己のモニターから目を逸らす事無く言う。
そう、何故か高町一等空尉含む女性が近いのだ。
後に説明することになるが
[フェイト・T・ハラオウン]執務官や、
[八神 はやて]機動六課総部隊長、
そしてその隊長や副隊長にもである。
言っておくが勘違いしないでほしい。
俺は自慢をしているのではない、何故こうなったのか嘆いているのだ。
ん、そういえば。
「高町一等空尉、今言うのも何ですが機動六課の設立おめでとうございます。」
そう、今の高町一等空尉が所属している
[古代遺物管理部 機動六課]。
それは昔に作られたモノではなく、最近出来たモノで、八神 はやて総部隊長が4年かけて必死に作り上げた部所である。
「ん~、それはそれとして…」
「はい?」
心なしか周りの温度が下がった気がした。
そして密着されていた右手に力が加えられる。
勿論俺が不思議に想わない筈がなく、高町一等空尉を見る。
「………私の事はなのはって呼んでって言ったよね?」ハイライトオフ
あれ?この人こんな目してたか?
「そういう訳にもいかないですよ。それよりここで時間潰して大丈夫なんですか?今は忙しい時期なんですよね?」
「……はぁ、ヴァン君冷たいなぁ…。」
「高町一等空尉が明るいんですよ。」
すると部所の扉が開く音がして喋りながら男女二人が入ってきた。一人はウォンテ、もう一人はハラオウン執務官だった。
「おはようございます!ハラオウン執務官。」
ハラオウン執務官はにこやかに「うん。おはよう。」と返してくれた。
「ヴァン、さっき八神さんが探してたぞ。」
資料を片手に帰ってきたウォンテが隣の仕事席に座りながら伝える。
「八神[二佐]だろうが、もっと立場を弁えろ、ウォンテ。」
「はいはい、でも相手は許してくれているぞ?」
「関係ねぇよ。んで、どこに行けばいいんだ?」
そう言いながら立ち上がり、机の上に広げていた常時持っている手帳を閉じて胸ポケットに入れる。
「機動六課の総部隊長室にいらっしゃるんじゃないか?」
「アバウトだな、まぁ行ってきますか。」
そう言って俺は部所の扉へ歩き始める。
「あ、ヴァン君、私も行くよ。そろそろ戻らないといけないし。」
「わかりました。」
そんなわけで高町一等空尉と機動六課へ出向く事へなった。
~廊下~
なのはside
「ハラオウン執務官はなんでわざわざうちの部所まで来たんですかね?」
「この前ウォンテ君が担当した事件の詳細の確認なんだって。(まぁ、フェイトちゃんの事だからヴァン君の顔見に来たんだろうけど…。)」
私とヴァン君は廊下を歩き続けながら話をしていた。
ふとヴァン君の目を見たとき目の下に少しクマが出来ているのが見えた。
「……ヴァン君最近ちゃんと寝てる?」
「え…あぁクマか。そうですね、最近は無駄に事件とか出てますし。ちょっと忙しいです。」
「無理しちゃダメだよ?体壊したら意味無いからね?」
「……善処します。…」
あ、絶対しないパターンだね。
でも流石に酷かったらウォンテ君が気づくだろうし、今はまだ厳しく止めない方が良いかもしれないね。
「…そういえばこの前のBランク試験で二人受けてましたよね、あの二人どうでした?」
「う~ん、ギリギリ合格みたいなモノなんだよね。危ない判断することもあったし、しっかり育てないとね。」
「両方機動六課志望しているんですか?」
「多分そうだと思うよ。まだ返事は聞いてないけどね。」
「……頑張ってるんだなぁ、あいつらも。」
「え?」
「すみません、独り言です。」
今、なんて?もしかして二人と知り合いなの?
そんな…。只でさえフェイトちゃんやはやてちゃんがいるのに…!
「そういえば、高町一等空尉はお付き合いされてる男性とかいらっしゃらないんですか?」
「え?い、いきなりだね?」
「いえ、無理に答えて頂かなくても結構ですよ?」
(ウォンテにゲームで負けて聞いてこいって言われたからな…。)
「いや、私はいないけd…!」ハッ!
(もしかしてこれは良くある恋愛に発展するパターンなのでは!?片思いしてる男の子が女の子に聞いて、いなかったらガンガン距離近づけていくヤツでは!?)
「…?いないんですか?」
(まぁ、教導官だしな。)
「え、えぇっとぉ、そういうのは秘密っていうか、その…。今は言えない、かな~~?」
(今言ったら「あ、そうなんだ。じゃあまだ余裕ある」ってなっちゃう…!取り敢えず今ははぐらかして私を探るように仕向けなきゃ…!)
「あ、そうですよね、すみませんデリカシー無さすぎでした。」
(まぁ何でもいいか、この際。)
「え、ううん!気にしないで!」
(今は嫌われない様に謝ってるんだよね!大丈夫!私はいつでも待ってるし、嫌いになんてならないからね!)
そのまま私とヴァン君は世間話やたまに愚痴を挟みつつ機動六課へ進んでいった。
~機動六課・総部隊長室~
ヴァンside
「失礼します。」
総部隊長室へのドアが開き、中へ入ると八神二佐がモニターへ向かい仕事をしていた。
「あ、いらっしゃい。わざわざ来てもらってすまんなぁ。」
そう言いながら立ち上がり、此方へ歩いてくる八神二佐。
「いえ、お気になさらず。早速ですがご用件の方をお伺いしてもよろしいですか?」
「うん、ほんならそこのソファー座ってな。」
「失礼します。」
「はーい。」
お互いに腰を下ろして座ると八神二佐が話始めた。
「それじゃあ本題に入ろうな、今回君を呼んだのは君を機動六課に迎えたいというお願いなんや。」
「俺を、ですか?」
「せや、君は今は地上本部所属やったな。ここでいうのもなんやけど、地上本部へ不満があったりせぇへん?」
「……!」
「今所属している所の悪い部分を君にいうのはちょっと酷いけど、思ってることない?」
「……そうですね、不満はあります。災害、事件の対応の遅さ。それでいて守るものは地位や利益。……もう腐りきっている。」
「実はこの機動六課を立ち上げたのもそれが理由でもあるんや、ただ、あくまで本職はロストロギア関連の仕事やから、内容は厳しいんやけどな。」
「……自分も話は聞いてますよ、最悪な事態に対処するために設立した部隊ですよね?」
「まぁ、そんなあやふやな理由で設立してるから優秀な戦力が確保しづらいんや。そこで君をスカウトしたいんや。」
「……おこがましいですが自分が戦力になれるとは到底思えません。」
「そんなことないやろ?ウォンテ君から色々聞かせて貰ったで?実力はあるのに時間を割けないからSランク試験を受けてないって。」
「……。(余計な事を…後で殴る。)」
「君のその闘志と実力なら十分に戦力になると考えているんだけど、どうや?」
噂によれば裏で何か別の目的があるとかどうとか言われてる部所だぞ。
何かあるかわからないのに入っていいのか、それに一年で解散するとかさせるとか上司がぼやいてたし、どうする…。
……………答えは簡単だった。
「えぇ、俺で良ければ入らせて頂きますよ。」
すると八神二佐の顔がパアァと効果音がつきそうな程明るくなる。
「そか、そか!入ってくれるか、!ありがとうな!」
「はい、因みにウォンテは勧誘してたりしますか?」
「勿論やで、ウォンテ君も即答やったわ。」
あいつ、俺にいうのがおせぇんだよ。
「それじゃあ、詳しい資料は今日の午後か明日の朝には届く様に手配するから、よろしくな。」
「はい、お世話になります。」
そのまま少し話をした後、俺は機動六課を出た。
俺は新しくなれるんだ。もう届かなかったところへ手が伸ばせる様になるんだ…!
そう思って見上げた空は心なしかいつもより明るく見えた。
駄文や、駄文過ぎる。ホントに色々書きたいことがあるのに時間がない!今回なんか適当な詰め合わせみたいになって文の構成もめちゃくちゃですね、すみません。
もっと気合い入れて書きます、更新遅くてすみません。
次回はもっと気合い入れて腕立て伏せしますのでよろしくお願いします(書け)
それでは失礼しました