家に帰ってまいりました。風車まで歩くだけで疲労困憊で遊ぶどころじゃなかった。体力って大事。明日から庭を毎日お散歩しようかな。
一息ついて、お着替えして、さあ晩御飯はまだかなぁとルーデウスとお話をしていたらパウロが帰ってきた。書斎から駆け出して玄関へ向かう。
「パパ、お帰り! 今日ね、今日ね」
ゼニスと話をしていたパウロに突進して抱きついた。どうだ! 愛娘攻撃であるぞ!
「ただいま〜、オーフェ。今日はお外に行ったんだってな、どうだった」
パウロが私を頭よりも高く抱き上げた。いわゆる高い高いである。
「楽しかった。風車見に行ったよ。あとね、おばさんに会った」
「おばさん?」
パウロは首を傾げた。
「ああ、今日ね、エトさんのところの奥さんに道で会ったのよ。で、未来のお嫁さん候補としてロックオンされちゃったみたいなのよね」
ねー、とゼニスとオフェーリアは目を合わせる。パウロは驚愕と絶望と怒りとが入り混じった表情を浮かべ、ルーデウスはそれを面白そうににやけながら見ていた。
「オーフェ、嫁になんて行くんじゃない」
「え、やだよ」
反射的に言い返すとパウロの顔がもういまにも決壊しそうな泣き顔になった。
「だって、オーフェ、大きくなったらパパのお嫁さんになるんだもん」
ほらぎゅーっとハグだ。すでに抱きかかえられた体勢故頭に近づけてもらってスリスリした。夜だから多少ヒゲで痛かったが関係ない。ほらパパン、幼い娘の特別特典だよ。おいしく召し上がれ。
ほらそこ、ルーデウス。干からびたミミズでも見るような目で見るんじゃありません。
「やーん、可愛い! 父さんより母さんのところにお嫁に来てよー。ジョリジョリおひげよりいいでしょ」
「えーだって、ママにはルーデーがいるもん。だからパパには私がついてなきゃかわいそうでしょ。ママ大好きだけど」
ゼニスの頰にキスをする。
「オーフェは母さんが好きだって。ふふん、父さんは同情票だもんね」
「なっ、こないだは父さんのこと大好きって言ってくれたもんな。なー、オーフェ」
「えーそんなこと言ったっけ」
勝ち誇るゼニスに尚も食い下がるパウロ。私はにやけて茶化す。
こういうくだらない応酬はより家族らしくて好きだ。前世はお父さんが亡くなってからあまりできなくなって、お母さんが亡くなるあたりの時は思春期が邪魔をした。もっと素直になれば良かった。後で悔やむから後悔なのだ。だから今世はもっと甘えて、もっと素直になって、後悔しない人生にしたい。
特に三歳までの間は生きてるだけで親孝行と呼ばれるくらい可愛い生き物だからね。今からたくさん親孝行しとくんだ。前世できなかった分もね。
「なーんてね、パパもママも、ルディ兄さまもリーリャもみんなみんな大好きだよ!」
円満拍手大団円で終わりたいもんね!
オフェーリアの他の人を呼ぶときの呼び名はオフェーリアの気分によって変わります。後地の文は全部名前で固定しています。
ルーデー、ルディ兄さま、パパ、パウロ、父さん、父さま、etc.