DECADE×IS/世界の破壊者は何を見る――?   作:ちーたら

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 ども、平成ライダー対昭和ライダーを見てきましたちーたらです。
 とりあえず一言で、個人的にはすごく楽しめた映画でした。
 BLACK&BLACK RXとジョーカーの黒色対決や冒頭のストロンガーとカブトのカブトムシ対決、特にスカイライダーとフォーゼの飛行能力対決は個人的に数ヶ月前からずっと見たいと思っていたのでとても嬉しかったです。それに草加さんは草加さんだったぜ!
 むろん士ことディケイドも主役級として活躍していて、とても満足です。
 さて、本題ですが、ラストシーンにて士と鳴滝の会話で和解したかのような雰囲気がありましたが、このDECADE×ISではTV本編の士と鳴滝の関係で書いていきます。これは鳴滝役の奥田さんがインタビューにて『ラストシーンにいたのがディケイドだけだったらまた違った事を言っていたのではないか(要約)』と語っているからであり、決してちーたらの物語作成に重大な問題があるからではないですよ。ほんとだよ。

 ……そういえば、同じ列にいたちっちゃい男の子が「フォーゼの声が違う!」って言ってたなぁ。



RIDE5:VS更式楯無

 先制をしたのは楯無だった。

 自身のIS、ミステリアス・レイディの基本装備、巨槍・蒼流旋を薙ぐ形でディケイドに対して突進を敢行した。

 対し、ディケイドはそれに対応するように自身の腰の左側に装着された長方形の立方体、ライドブッカーをソードモードへと変形させ、その刀身を一度撫でてから蒼流旋を弾く。

 金属と金属の激突音。蒼流旋の軌道は僅かに逸らされ、ディケイドはその逸らされた軌道を縫うように体を移動させて攻撃を回避する。

 その回避行動を瞬時に確認して、楯無は次の行動に出る。ミステリアス・レイディのPIC(パッシブ・イナーシャル・キャンセラー、ISが重力を無視するための基本機構である)のエネルギーを放出し、ディケイドを見降ろす程に高く飛行した。

「おい、飛ぶのは反則じゃないか?」

 ディケイドは呆れた様子で苦言を呈する。が、楯無は詫びれる様子もなく、

「鳴滝さんから貴方の話は聞いてるわ。貴方はいくつもの世界を破壊してきた。それを止めるためならお姉さんは手段を選ぶつもりは無いのよ」

 そう言い放って、そして新たな指令をミステリアス・レイディに送る。

 ISには基本、一機体につき一対の装置が浮遊する形で搭載されている。

 日本の純国産量産型IS『打鉄(うちがね)』における物理シールドやフランスの国産量産型『ラファール・リヴァイヴ』における加速ブースターなど様々な用途があるその装置は、楯無の持つ専用機ミステリアス・レイディに於いてはその特殊兵装を用いるための力の根源でもある。

 その根源へ起動の指令をした途端、クリスタルのような色彩のパーツから何かが流れ出した。

「……水?」

 その光景を見てディケイドは思わずそう呟いた。

 『アクア・クリスタル』。それがミステリアス・レイディがミステリアス・レイディたる所以を持つ他の機体と一線を画する部分である。

「なんだか知らないが、飛べないなら撃ち落としてやるまでだ」

《ATTACK RIDE.BLAST》

 ライドブッカーから一枚のカードを取り出してディケイドライバーに挿入する。それと同時にライドブッカーをガンモードに変更し、空を飛んでいる楯無の方に向けた。

 そして引き金を引くと同時にライドブッカー・ガンモードに変化が現れる。

 《ATTACK RIDE.BLAST》のカードの力により銃口は三つに分裂し、威力、弾数などが全て三倍となって楯無に襲いかかる。

 が。

「そんなの無駄よ!」

 アクア・クリスタルが放出したヴェールを思わせる布のような形状となった水は生き物かのように楯無を銃撃から守るように包み込み、ライドブッカー・ガンモードのエネルギー弾を完全に防ぎきった。

「水の盾か……」

 ディケイドはそう小さく呟くと、ライドブッカーをブックモードに変形させて左腰に再装着する。

「あら、もしかしてもう降参?」

「まさか」

 ディケイドは少し皮肉めいた声色で返答すると、ライドブッカーから一枚のライダーカードを取り出す。

「その水を操る能力は厄介だ。だから……こっちも同じ手で行かせてもらおう」

 取り出したカードをディケイドライバーに挿入する。

《KAMEN RIDE.OOO》

 ディケイドライバーから音声が流れると同時、どこか軽快な『歌』が流れ、ディケイドの姿が変貌する。

 黒をベースカラーに胸部には赤、黄、緑の三色で構成されたそれぞれの色がどこか動物を彷彿とさせるエンブレムをもち、さらにその色に頭部、上半身、下半身の色がそれぞれ対応している。

 それはとある世界で『オーズ』と呼ばれている欲望の器の戦士である。

「変わった!?」

 楯無がディケイドの姿の変化に驚愕の感情を見せる。それに対しディケイド、否、ディケイドオーズはさらにもう一枚、ライダーカードを取り出した。

「そう焦るな。まだお前を倒すための姿じゃない」

《FORM RIDE.OOO SHAUTA》

 ディケイドライバーにカードを挿入すると再びディケイドライバーの音声と軽快な『歌』が流れ、再びその姿が変貌する。

 しかしディケイドから『オーズ』という全く違う姿になった先ほどとは違い、『オーズ』にあった特徴、全身の黒を基調とした姿や、胸部にある三種類の動物のエンブレムなどの面影は残っている。が、一番の違いは全身の色や胸部のエンブレムが全て青で統一されていることだろう。

 オーズ・シャウタコンボ。水棲系コンボと呼ばれる『オーズ』の形態の一つだ。

「さて、行くぞ!」

 二度手を打ち鳴らしてから走り出すディケイドオーズ・シャウタコンボ。

 対し、楯無は手持ちの武器、蒼流旋を構え直す。

「お姉さんに接近戦を挑むなんて良い度胸してるじゃない!」

 盾無しの言葉と同時、蒼流旋が渦巻く水流を纏い始める。同時に量子化されていた蛇腹剣『ラスティー・ネイル』を空いている左手に物質化させ、それをディケイドオーズ・シャウタコンボに向けた。

 直後、アリーナに爆音と破壊による煙が巻き起こった。

 蛇腹剣、ラスティー・ネイルは高圧水流を射出することができる、剣でありながら狙撃武器となる遠近両用の武器である。言わずもがな、今の攻撃はディケイドオーズ・シャウタコンボに向けた高圧水流の弾丸である。またそれと同時に巨槍、蒼流旋に搭載されている四門のガトリング砲の引き金を引き、楯無は土煙が晴れる前にその砲撃を開始した。

 空気を振るわせる轟音と爆風。並のIS、それこそ量産機であれば即刻戦闘不能にすることができる攻撃を行使した。

「……」

 しかし並のISであれば戦闘不能の状況に陥る攻撃でも(・・)楯無の顔は優れない。鳴滝の言う『仮面ライダー』という存在がどれほどのものなのか理解を正しくできているのかわからないからだ。

 それは彼の言葉に誇張表現が無いのか、という疑いでもある。門矢士が『世界の破壊者』という肩書きを認めた故の行動であるが、その『世界の破壊者』にどれほどの戦闘能力があるのか、それが楯無にはわからない。というより、そもそも件の鳴滝にしたって本当に信用できるのかさえ怪しいのだ。

 物事にある基準、それを仮面ライダーとISを同列に考えるのは正解なのか、鳴滝の言ではミステリアス・レイディの力があれば勝機は十分あるということだが……。

 と、その時だ。

 水の奔流がアリーナに現れた。

「んなっ!?」

 その水が自身のアクア・クリスタルから精製されるナノマシンで構成された水ではない事に自身の操作していない行動をとった故に理解した楯無は咄嗟にミステリアス・レイディが纏う布状のアクア・ナノマシンを操作して自らの眼前に防壁を構築する……が。

「それは効かないな」

 皮肉めいた男の声――門矢士の声だ――がその水塊から聞こえると同時、水のヴェールを水塊がすり抜けるように突き破り、そしてディケイドオーズ・シャウタコンボの姿へと変わった。

 変わったと同時、ディケイドライバーに一枚のカードが挿入されていた。

《FINAL ATTACK RIDE.O.O.O.OOO》

 音声の流れでディケイドオーズ・シャウタコンボの下半身が八つの触手に枝分かれした。

 まるで蛸のような吸盤を持つ八つの足はその先端を一点に集中させ、螺旋状に回転する……まるで子供が絵に描いたドリルかのような動きで楯無に突っ込んだ。

「きゃあ!?」

 ミステリアス・レイディの全てのISが持つ特有の不可視の障壁、シールドバリアーとディケイドオーズ・シャウタコンボの攻撃、オクトバニッシュの衝突。

 楯無の目に映るミステリアス・レイディが装着者にのみ開示する機体情報のシールドエネルギーの残量が目まぐるしい勢いで減って行く。

(まずい、押し切られる……!)

 紅の双眸と歯を歪め、楯無は自らの頬を伝う汗を感じ取る。

 咄嗟に防御するように左腕のアーマーを前にだしたものの、それがシールドバリアーに与える影響など殆ど無い。現状の防御と攻撃の拮抗状態も全てのIS共通の機能に支えられているに過ぎない。それに、この拮抗はもう十数秒も持たないだろう。

(なら、一矢報いるまで!)

 楯無は覚悟を決めると、突破されたアクア・ナノマシン全てに指令を送る。

 命令は他でも無い。この状況に勝利するためのものではなく、良くて相討ちにするための最後の悪足掻き。

 その指令を受け取ったミステリアス・レイディは即座に行動を起こした。アクア・クリスタルから作り出される水のヴェールに変化、布状の水から濃霧のような状態に変化させて、その変化にディケイドオーズ・シャウタコンボも気付いたようだ。

 オクトバニッシュが突然終わり、離脱しようとするももう遅い。

「吹っ飛びなさい!!」

 楯無の言葉と同時に、アクア・ナノマシンによって作られた濃霧は一帯を吹き飛ばす爆風へと変貌した。

 

 

 

 

 

 地面に体が投げ出される。

 今までの戦いで何度か経験した感覚、大きいダメージを受けたことで変身が強制的に解除される感覚を感じながら、門矢士はアリーナに転がった。

「くそ、無茶苦茶だな」

 別に油断をしているわけではなかった。しかし士がISというパワード・スーツを軽く見ていなかったと言えば嘘になる。

「あれがシールドバリアーか……」

 ISの基本機能、シールドバリアー。率直に言えば、IS操縦者の身体と命を絶対に守る為の防御手段。まさかライダーの必殺技をしても簡単に突破できないとは完全に予想外である。

「さすがだな、ディケイド」

 傷つきながら立ち上がった士にそう言うのは観客席で士と楯無の闘いを見ていた鳴滝である。

「ナノマシンを複合した水を自在に操るIS、ミステリアス・レイディと互角に戦った事は褒めてやろう。だが、お前はここまでだ。ここがお前の墓場となる!」

 そして、鳴滝の言葉と同時に銀色のオーロラが再びアリーナに発生する。

「知っているかディケイド。この世界に存在するIS……インフィニット・ストラトスとは元々大気圏外、つまり宇宙での活動を前提に設計されている」

「……だからどうした」

「ふふ、ならば、ここでこのライダーがお前を斃すというのはもしかしたら自明の理かもしれないな……こい、仮面ライダーイカロス!!」

 直後響き渡るのはエンジンの轟音。あまりにも古く錆つき、要所要所の部品が欠けたことでどこか生物然とまでしているアメリカンバイクに跨ったライダーだった。

「へぇ……君がオレの相手をしてくれるのかい?」

 停止したバイクから降りたライダーはまるで堕天使のような雰囲気を纏っていた。

 




ライダー情報:仮面ライダーオーズ
【出典】仮面ライダーOOO
【変身者】火野映司
 仮面ライダーOOOの主役ライダー。Oがみっつで『オーズ』。変身アイテムはメダル。
 頭部と上半身、下半身の三つの場所にそれぞれ対応するコアメダルをオーズドライバーに装填することで変身する。
 歴代のライダーの中では最多のフォームを持ち、それぞれ互換性のある五種類の頭部、上半身、下半身のコアメダルに互換性の無い形態四つで合計129の形態を持つ。
 また色を統一した形態はそれぞれ反則級の能力を持ち、特に分身を作る『ガタキリバコンボ』や液状化能力を持つ『シャウタコンボ』(本話登場)などは最強ライダー候補に入るほど。また先代オーズこと『王』は戦争でその力をフルに使い、小国ながら多くの敵軍を壊滅させた。
 ちなみに変身者の火野映司は初登場が衝撃的すぎたためそれをネットムービーでネタにされることもある。

ライダー情報:仮面ライダーイカロス
【出典】小説仮面ライダーフォーゼ~天・高・卒・業~
【変身者】ツバサ
 小説版仮面ライダーフォーゼに登場した仮面ライダー。
 その正体は宇宙アメーバSOLU(=仮面ライダーなでしこ)の細胞片。
 ヴァルゴ・ゾディアーツに付着した状態でM‐BUSに侵入、冷凍睡眠状態にあった園田紗理奈(=スコーピオン・ゾディアーツ)、鬼島夏児(キャンサー・ゾディアーツ)、杉浦雄太(=タウラス・ゾディアーツ)たちホロスコープスの記憶から強敵である仮面ライダーフォーゼと仮面ライダーメテオの姿を模倣していくうちに作られた存在。
 園田紗理奈の過去のトラウマから彼女の死に別れた幼馴染のツバサの名を語り、同時に彼女が将来ロケットにつけたいと言ったイカロスを名乗る。曰く園田紗理奈の夢の残骸。また間接的に如月弦太朗を教師の道に向かわせたきっかけでもある。
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